「朝鮮民主主義人民共和国」の版間の差分
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2004年6月27日 (日) 03:05時点における版
朝鮮民主主義人民共和国(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)は、東アジアの朝鮮半島の北半分に位置する社会主義国。南は38度線を挟んで大韓民国と対峙しており、北は中華人民共和国、ロシア連邦と接している。
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国の標語 : もし彼が同胞を信じ、頼るならば勝利は確実なものである | |||||
公用語 | 朝鮮語 | ||||
首都 | 平壌 (ピョンヤン) | ||||
首都の座標 | 北緯 39度1分 東経 125度45分 | ||||
国家主席 | 金日成(キム・イルソン) 注1 | ||||
指導者 | 金正日(キム・ジョンイル) 注2 | ||||
総理(首相) | 朴奉珠 | ||||
面積 - 総計 - 水面積率 | 世界第97位 120,540km² 0.1% | ||||
人口 - 総計(2003年) - 密度 | 世界第48位 22,466,481人 186人/km² | ||||
GDP (PPP) - 合計(2002年) - 1人当たり | 世界第97位 22,260百万ドル 1,000ドル | ||||
独立 - 日付 | 日本より 1948年9月9日 | ||||
通貨 | 北朝鮮ウォン | ||||
時間帯 | UTC +9 | ||||
国歌 | 愛国歌 | ||||
ccTLD | .KP 注3 | ||||
国際電話番号 | 850 | ||||
注1 : 故人だが、“永久主席”と宣言されている。 注2 : 金正日は北朝鮮の実質的元首で、国防委員長(国家の最高職責)の地位にある。 注3 : 割当てのみで未使用。 |
国名
正式名称は、조선민주주의인민공화국 (Josŏn Minjujuŭi Inmin Gonghwaguk。片仮名で表すと「チョソンミンジュジュイインミンコンファグク」)。漢字表記は朝鮮民主主義人民共和國だが、1948年の建国当初から漢字を廃止している同国では、漢字表記はあくまで外国語の扱いである。 公式の英語表記は、Democratic People's Republic of Korea、略称はD.P.R.Korea, DPRK。ほかの英語表記で、世界的にはNorth Koreaがよく用いられるが、朝鮮民主主義人民共和国自身は、North Koreaを使いたがらない。これは、憲法上、南北とも自国領であり、軍事境界線以南(大韓民国。朝鮮民主主義人民共和国が南朝鮮と呼んでいる範囲)は統治が不法に邪魔されていてできない状態にある、と解釈されているためである。
日本語表記は、朝鮮民主主義人民共和国。しかし、日本では、分断国家に対する通例として、朝鮮半島北部の意味である北朝鮮(きたちょうせん)という言い方が用いられることが多い。この言い方も、North Koreaと同じように、朝鮮民主主義人民共和国自身や、北朝鮮の日本国内代弁機関である朝鮮総連は嫌っており、共和国や、「朝鮮」を朝鮮語読みしたチョソンを用いたうえで、推奨している。 朝鮮総連からのこの動きを受けて、TVなど多くのマスコミ報道においては、長らく、まず最初一度は「北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国」(アナウンスの場合)「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」(文の場合)と正式名称・略称を併称し、二度目以降は「北朝鮮」のみを用いることで、双方が妥協していたスタイルとなっていた。 しかし、日本人拉致問題により日本国内での北朝鮮の印象が悪化したためか、2002年11月ごろを機に、現在ではほぼ全てのメディアが「北朝鮮」のみの呼称となっている。 また、日本にはかつて、さらに省略した北鮮(ほくせん)という表現も使われていたが、現在ではあまり見られない。差別的な意味合いを持つとみなされている為である。
なお、大韓民国では、北朝鮮のことを「北韓(북한、プッカン~プカン)」と呼ぶ。大韓民国では、「朝鮮」という言葉は、李朝時代・日本統治時代をさすか、企業や大学の名称の一部であるかしかない。朝鮮半島は「韓半島」、朝鮮戦争は「韓国戦争」や「韓国動乱」(cf.北朝鮮では「祖国解放戦争」)、朝鮮民族も「韓民族」と表現される。大韓民国で「朝鮮」と言うと、日本統治や、1950年~1953年の韓国動乱に対するマイナスイメージを抱く韓国人は少なくない。
歴史
詳細は朝鮮の歴史を参照
朝鮮族は朝鮮半島全土に広がっているが歴史的に何度も様々な国に分裂、統一、支配を繰り返している。日本や中国、モンゴルに支配されている時期もあり、現在も南の大韓民国とに分裂しており停戦状態である。
政治
詳細は北朝鮮の政治を参照
政治体制は主体思想に基づく共産主義体制をとるが、一党独裁体制を担う朝鮮労働党の支配組織としての形骸化が指摘されており、現在は国防委員長である金正日の個人独裁体制といわれる。 金正日は「先軍政治」を掲げており、そのため朝鮮人民軍の扱いはすさまじく良い。 元首に関しては国防委員長が“国家最高の職責”として事実上の元首職であるが、形式上は外国使節の信任状などを取り付ける役割を果たす最高人民会議常任委員長が元首に相当するものとされる。現在の最高人民会議常任委員長は金永南。
建国者である金日成が1994年に没してからは、息子の金正日が朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官、共和国国防委員長となり国を統治している。
軍事
過去数十年にわたり国防のために莫大な資源をつぎ込み、世界で5番目に大きい100万人を超える軍隊を有しているが、GDPに占めるその比率が高く結果的に国民を苦しめているとされる。
国際関係
政治的閉鎖性から中華人民共和国とロシア以外、他国との交流が極めて少ない。
特にアメリカ合衆国はこの国を悪の枢軸の一つと位置づけ、日本、大韓民国などと共に、この国の長期にわたるミサイル開発計画と核開発を憂慮している。現在周辺国である日本・韓国・ロシア・中国・アメリカと共に核問題を中心に六カ国協議を進めているが、北朝鮮側は恫喝的な態度を取るなど譲歩せず膠着状態が続いている。北朝鮮はアメリカに対し敵視政策を止めるよう非難している。(北朝鮮核問題)
この他、韓国人、日本人などの拉致、日本・韓国に存在する工作員、諸外国に対する麻薬の密輸、米ドル紙幣の大量偽造、過去には大韓航空機爆破事件、ラングーンでの韓国要人爆殺大統領殺害未遂、レバノン人女性拉致事件など、問題が絶えない。
工作員については、以前は国内でも中波657kHzのAMラジオで聞ける「平壌放送」にて暗号電文を使い(拉致を含む)指令を送っていたが、2000年に終了。現在はモールス信号や、携帯電話やコンピュータの電子メールを使って指令しているとの説もある。
日本との関係
政府間による正式な外交関係(いわゆる国交)はない。貿易関係はそう大きくないものの存在し、日本への船舶の入港は年間千数百隻に上っている。両国当局とも互いを国家として認知しているものの国交はなく、政治的軍事的な対立から緊張した関係が続いている。国民感情の面でも、戦前の日本による朝鮮半島統治や戦後の北朝鮮による日本人拉致事件などを背景として互いに反発する感情が強く、非常に険悪な関係となっている。
現在、日本政府は、北朝鮮が進めている核開発計画の停止・廃棄と日本人拉致問題について交渉中。朝鮮総連などが関与し日本の地下銀行からの送金などが問題視されている。その主な連絡ルートとして北朝鮮の「万景峰92」(通称万景峰(マンギョンボン)号)に非難の声があがっている。
日本への侵入には武装工作船なども頻繁に使われ、日本人拉致、麻薬の密輸密売にも係わったとされ、2002年の日朝首脳会談では北朝鮮のトップである金正日総書記自身が、北朝鮮が拉致を行ったという事を初めて正式に認め、北朝鮮による拉致が事実であることを裏付けた。日本の暴力団との関係も取りざたされている。
行政区域
詳細は北朝鮮の行政区域一覧を参照。
- 平壌(直轄市/特別市)(ピョンヤン=ジカルシ/=トゥクピョルシ)
- 開城直轄市(ケソン=ジカルシ)
- 羅先直轄市(ラソン=ジカルシ)
- 新義州特別行政区(シニジュ=トゥクピョルヘンジョング)
- 開城工業地区(ケソン=コンオプチグ)
- 金剛山観光地区(クムガンサン=グァングァンジグ)
- 江原道(カンウォン=ド)
- 両江道(リャンガン=ド)
- 慈江道(チャガン=ド)
- 平安南道(ピョンアンナム=ド)
- 平安北道(ピョンアンプク=ト)
- 咸鏡南道(ハムギョンナム=ド)
- 咸鏡北道(ハムギョンプク=ト)
- 黄海南道(ファンヘナム=ド)
- 黄海北道(ファンヘプク=ト)
地理
朝鮮半島の北部(北緯38度線付近の軍事境界線より北部)を占める。ただし、憲法上では「朝鮮半島全域」と記載されており、それに従うと韓国領内も含まれる。これと関係してか、北朝鮮では韓国の事を「南朝鮮」(ナムチョソン)と呼ぶ。
(同じように、大韓民国の憲法では「領土は韓半島全域」としており、それに従うと北朝鮮領内も含まれる。このため、韓国では北朝鮮の事を「北韓」(プッカン)と呼ぶ。)
また、首都は、憲法上、1972年までソウルとなっていた(平壌は当時「臨時首都」の扱いだった)が、1972年憲法制定で、現在の平壌に変更されている。もちろん、実質的には、首都機能は以前から平壌に存在した。
緯度は日本でいうと宮城県から北海道の範囲に位置する。気候は寒冷で、亜寒帯に属する。かつて山の斜面にとうもろこしを植える政策をして失敗。土砂崩れの原因となっている。
経済
第一次産業である、農業、漁業、林業などが中心。しかし、農業の常識を無視した主体農法や千里馬運動、段々畑政策、金正日総書記のジャガイモ好きが高じたため始められたとされるジャガイモ農業革命の失敗、農業用機械の不足及び老朽化、最近では木の切りすぎや主体農法のツケと言われる水害などの天災の影響で農業も生産量が非常に低くなった。 その結果、食糧が乏しくなって各地で飢えが発生し、海外からの食糧支援に大きく依存している。郊外では人肉が売られることも珍しくないと報じられている。
日本占領時代には南部(現大韓民国)の農業に対して、北部は鉱工業を促進する政策を取っていたが、独立後は設備投資を怠り老朽化が目立つ。さらに外貨不足、質の悪い石炭や送電ロスに起因する電力不足、資材不足により工業の生産能力は非常に低い状態となっている。
資源としては石炭をはじめとした鉱物資源が比較的豊富。また松茸や魚介類なども豊富で、日本などに輸出して貴重な外貨獲得源になっている。しかし、採掘する設備が非常に旧式である為、生産性は高くない。
国民
主たる住民は朝鮮族。
宗教
主体思想(チュチェ思想)を国内の統一思想としている。以前、「資本主義→社会主義→共産主義」という授業をした金日成総合大学教授が、主体思想を扱っていないとの事で降ろされたという事件もあった。
共産化以前の時代では、キリスト教系新興宗教の信者がいたことが知られており、統一協会の文鮮明もそうした北朝鮮の新興宗教グループの出身である。
現在、北朝鮮は、外国人が訪朝した際に、平安南道にある妙香山の普賢寺を見せて「北朝鮮では信教の自由がある」と説明している。しかし、「普賢寺そのものが、あくまで外国人にそう説明するための手段に過ぎず、実際のところ、朝鮮公民にはほぼみな、信教の自由がない」とする見方が諸外国では主流だ。
文化
基本的には、同じ民族が暮らしている韓国と似ている。衣装はチョゴリ、食べ物はキムチや平壌冷麺が有名。冷帯に属し気候が寒冷なので、冬になると建物の床下に薪の煙を通し暖を取る昔ながらのオンドルを使用しているところが多い。
音楽
ポチョンボ電子楽団、ワンジェサン軽音楽団、朝鮮人民軍合唱団、朝鮮人民軍軍楽団などが存在する。日本の音楽の無許可カバーを行っていたりもする。
金正日将軍の歌などが代表的。また、国歌には金日成等の名前が一切出てこない意外性も有名だ。
なお、北朝鮮はベルヌ条約に加盟しているものの、日本は北朝鮮を国家としてみなしていないため、事実上北朝鮮の著作物は日本国内で「使い放題」の状態になっているのが現実。 著作権料の取り立てが何度か行われた事もあるが、テレビ朝日等を除くほとんどのメディアは払っていないなどの話もある。
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
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1月1日 | 正月 | ||
陰暦1月1日 | 旧正月 | ||
2月16日 | 金正日総書記誕生日 | ||
4月15日 | 太陽節 | 金日成主席誕生日。 | |
4月25日 | 人民軍創建記念日 | ||
5月1日 | 国際労働者節 | いわゆるメーデー | |
陰暦5月5日 | 端午 | ||
7月27日 | 祖国解放戦争勝利記念日 | 朝鮮戦争休戦:1953.7.27. | |
8月15日 | 解放記念日 | ||
9月9日 | 共和国創建記念日 | ||
10月10日 | 朝鮮労働党創建記念日 | ||
12月27日 | 憲法節 |
関連項目
外部リンク
公式サイト
- Official Homepage - Democratic Peoples Republic of Korea (DPRK, North Korea) - 日本語版以外の各国語版ページもあり
その他
- 外務省 北朝鮮の情報
- 米国 CIA によるデータ (英語)
- 中朝ネット(武漢市朝鮮迷工作室)
- 『國民新聞』 北朝鮮関連記事索引
- 朝鮮民主主義人民共和国 社会主義憲法 (朝鮮語原文)(ウィキソース)
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