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: [[2006年]][[7月]]に創刊。[[ムック (出版)|ムック]]形式での発行。監督、脚本家、声優らへのロングインタビュー、対談など、じっくり読ませる記事が売り。三大誌が取り上げない作品を取り上げており、『涼宮ハルヒの憂鬱』をいち早く特集したのもこの雑誌だった。季刊(1、4、7、10月の10日発売)だったが、Vol.8は5月29日発売。 |
: [[2006年]][[7月]]に創刊。[[ムック (出版)|ムック]]形式での発行。監督、脚本家、声優らへのロングインタビュー、対談など、じっくり読ませる記事が売り。三大誌が取り上げない作品を取り上げており、『涼宮ハルヒの憂鬱』をいち早く特集したのもこの雑誌だった。季刊(1、4、7、10月の10日発売)だったが、Vol.8は5月29日発売。 |
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2008年9月22日 (月) 12:57時点における版
アニメ雑誌( - ざっし)はアニメを中心とした情報を提供する雑誌。
概説
発刊ブームと盛衰
アニメ雑誌は、『宇宙戦艦ヤマト』に始まる1970年代後半からのアニメブームをきっかけに、出版界もこのブームに便乗する形で発刊されるようになった。
人気のあるアニメ作品と雑誌の販売数とがはっきりと関係しており、ブームの時期には新たな雑誌が発刊され、またブームが去ると休刊・廃刊するといった動きが顕著である。1980年代には『機動戦士ガンダム』、1990年代には『美少女戦士セーラームーン』『新世紀エヴァンゲリオン』、2000年代に入ってからは『機動戦士ガンダムSEED』『鋼の錬金術師』などの人気作品の登場により部数を伸ばしている。
ただ近年はインターネットの普及により、製作元がウェブサイトで作品の情報発信をしたり、アニメファンがウェブサイトやブログ等で評論活動を行ったりするようになったため、アニメ雑誌の部数は減少する傾向にある。
アニメ雑誌が扱う対象
アニメ雑誌が中心に扱うアニメ作品は、一般の人気を集める高視聴率な作品とは限らない。その理由としてはまず、アニメ雑誌の購買層は主に10代のティーン層が中心であり、この層が好む作品と視聴率で高い数字を出す作品とは必ずしも一致しないという点が挙げられる(高い視聴率を叩き出すアニメ作品は、一般的には子供向けアニメやファミリー・一般向けアニメが多い)。
また、他の出版社から原作が刊行されるテレビアニメは、権利関係上、誌面に割けるページ数や記事内容について何らかの制限がついて回ることが少なくなく、相対的に誌面で自由に扱いやすいアニメオリジナル企画作品をプッシュしがちになる傾向もある。
また、メディアミックス展開で出版元がアニメ作品の製作元・有力出資者の一つになるなど、特定の作品と密接な関係を有する場合もあり、この際には広告宣伝媒体としての役割を果たす。「アニメージュ」とスタジオジブリ作品などが典型例。
アニメと漫画の親和性は高いため漫画を連載するアニメ雑誌も多い[1]。これについては当初からメディアミックス展開を前提とした作品がほとんどで、『ファイブスター物語』『魔法少女リリカルなのは』『びんちょうタン』など著名になった作品もいくつか存在する。
専門誌一般に言えることではあるものの、とりわけアニメ雑誌で特徴的な事として、アニメ関連企業から有利な条件で情報や広告、雑誌掲載用の番組素材を得ている、またはアニメ雑誌の出版元自体がアニメ作品の製作費を出資するなど利害関係が絡む事も少なくない為か、作品やアニメ業界に批判的な記事は載せにくく、宣伝用の提灯記事が載りやすい傾向がある。この様なジャーナリズムとしての中立性・公平性が維持しにくいアニメ雑誌業界の事情もあって『アニメ雑誌にジャーナリズムなし』と言われる事もある。
クリエイターへの注目
アニメ雑誌の登場は制作側にも影響を及ぼした。アニメ雑誌が登場する以前には、アニメを制作するクリエイターの存在が、受け手である視聴者の側にほとんど認識されていなかった。「テレビまんが」とも呼ばれて、原作を提供した漫画家が一人でアニメを作っているなどという誤解も存在していたほどである。
そんな時代にあって、匿名の存在に近かったクリエイターにスポットライトを当てたのがアニメ雑誌である。同人誌などで活動していた学生をアルバイトのライターとして雇い、彼らがファン活動を通じて既に目をつけていたクリエイターを誌面で紹介した。そうした特集を通じて、スター的存在になったアニメーターやキャラクターデザイナーが登場し、演出家では宮崎駿や押井守がアニメ雑誌のバックアップを受ける形で世に出て行った存在である。また、制作会社の間での技術的・人的な交流も少なかったのが、アニメ雑誌が業界誌的な役割を果たしたことが証言されている。
総合アニメ雑誌
現行の総合誌
- アニメージュ(徳間書店)
- 1978年5月創刊。低年齢向けのテレビ情報誌「テレビランド」の増刊で『ヤマト』の特集本を出した編集チームが、編集部の母体となった。最初の2冊は同誌の別冊扱いだった。1998年から4年間、誌名を「Animage」と英字表記にしていた。
- 毎年1回、前年1年間(データ制作上の都合により正確には前々年12月-前年11月)に放映されたアニメ作品を表彰する「アニメグランプリ」を主催している。
- アニメディア(学習研究社)
- 1981年6月創刊。低年齢向けの誌面で、価格も安く抑えている。キャラクターを中心にした記事が中心。
- 読者投稿ページに強く力を入れていることも特徴。
- また、声優の記事も多く、姉妹誌として「声優アニメディア」も発行している。
- Newtype(月刊ニュータイプ)(角川書店)
- 1985年3月創刊。角川書店に移籍した元「Animec」副編集長の井上伸一郎が中心となって創刊。大判でビジュアルを重視した誌面は他誌にも影響を与えた。アニメの各話スタッフ情報や視聴率情報などデータ面にも定評がある。本誌や別冊において漫画連載も行っており、ファイブスター物語など人気作も世に出た。
- 姉妹誌に「VOiCEニュータイプ」(廃刊した「Voice Animage」のスタッフが角川に移籍して発刊)、「Newtype THE LIVE 特撮ニュータイプ」がある。
以上が三大誌(三強、御三家とも)と言われている。これらは毎月10日発売であることから10日売りアニメ雑誌とも総称され、アニメ業界ではその発売日に合わせ、新作などの情報解禁日を毎月10日とする事が多い。逆に言うと、10日以外の発売のアニメ雑誌は速報性の面で不利な立場にある。
- オトナアニメ(洋泉社)
- 2006年7月に創刊。ムック形式での発行。監督、脚本家、声優らへのロングインタビュー、対談など、じっくり読ませる記事が売り。三大誌が取り上げない作品を取り上げており、『涼宮ハルヒの憂鬱』をいち早く特集したのもこの雑誌だった。季刊(1、4、7、10月の10日発売)だったが、Vol.8は5月29日発売。
休刊・廃刊になった総合誌
- FILM 1/24(アニドウ)
- 不定期刊。1981年の31号で終刊。プロアニメーター有志の同好会による同人誌。商業アニメ雑誌とは一線を画した、芸術としてのアニメーションを論評する雑誌だった。
- 季刊ファントーシュ(ファントーシュ編集室→バルク)
- 1975年10月創刊。日本で最初の活字アニメ雑誌。1977年8月に7号で休刊、1979年1月に復刊するも翌1980年に再び休刊。自費出版誌で、内紛や赤字問題などで運営が定まらなかった。創刊号の発行責任者はアニドウ代表の並木孝。『ファントーシュ』とは20世紀初頭にフランスのエミール・コールが制作した短編アニメーションのシリーズ名。
- 月刊OUT(みのり書房)
- 1977年6月創刊。本来はサブカルチャーなどを扱う雑誌であったが、創刊2号で『宇宙戦艦ヤマト』の特集を行い、その後アニメ雑誌に転向した。1994年11月号からリニューアルされて誌名も「月刊アウト」とカタカナ表記に改めたが、1995年3月休刊。
- 月刊MEGU(青磁ビブロス)
- 1995年7月創刊、1997年3月休刊。前述「月刊アウト」から移籍したスタッフにより創刊されるも長く持たず。
- Animec(アニメック)(ラポート)
- 1978年12月に「MANIFIC(マニフィック)」として創刊、当初は月刊で1号、2号、3・4合併号の3冊を発行。1979年4月の5号より「Animec」と改題、同年8月の6号より隔月刊化、1983年10月に月刊に戻った。1987年2月休刊。評論に特化し、設定資料などに力を入れた誌面。日本サンライズ作品の情報に強かった。アマチュア制作集団のDAICON FILMにいち早く注目したのはこの雑誌であった。
- 月刊アニメーション(すばる書房→ブロンズ社)
- 1978年11月に「月刊絵本」の別冊として「アニメーション」の名で隔月刊で創刊。すばる書房の倒産により1979年7月の5号で休刊するも、出版社を移して「月刊」を冠し、同年12月の創刊準備号を経て1980年2月復刊。しかし硬派な誌面は当時の読者に受け入れられず、長くは持たなかった。
- ジ・アニメ(近代映画社)
- 1979年に「近代映画」の増刊として1冊刊行の後、同年12月に正式創刊。下敷きなどの付録が時々付いた。東京ムービー作品の情報に強かった。今では当たり前になったテレビアニメ各話の脚本・演出掲載の嚆矢。1987年1月休刊。
- マイアニメ(秋田書店)
- 1981年4月創刊。ポスターなど多くの付録が付いた。1985年10月20日号から月2回刊になったが1986年7月休刊。
- B-CLUB(バンダイ)
- 1985年10月に隔月刊で創刊。後に月刊に移行。バンダイの発行という事で当初は模型色が強かったが、後にアニメや特撮なども取り扱うようになった。雑誌コードは取得せずムック形式で発行された。バンダイの出版事業撤退(メディアワークスへの事業移管)後も発行が続けられたが1998年2月廃刊。後述の「電撃B-magazine」にスタッフが移籍。
- 電撃B-magazine(メディアワークス)
- 1998年4月創刊。前述「B-CLUB」の継承誌。ホビー関連も扱う複合誌だった。
- 電撃Animation magazine(メディアワークス)
- 1999年4月新装刊。前述「電撃B-magazine」からアニメ部門を分割(ホビー部門は「電撃ホビーマガジン」に)。2001年4月に一時休刊するも「電撃アニマガ」として復刊。
- 電撃アニマガ(メディアワークス)
- 前述「電撃Animation magazine」の改題復刊。2002年8月に季刊で復刊、後に隔月刊に移行。「月刊電撃コミックガオ!」の増刊扱いだった。2005年11月に休刊。2006年春に新装刊を予定していたが、結局実現しなかった。
- AX(エーエックス)(ソニー・マガジンズ)
- 1998年3月創刊。DVD付録を付けるテコ入れ策を打ち出すも三強には勝てず、ソニー・マガジンズの漫画関連事業撤退に伴い2001年10月廃刊。
- Looker(ルッカー)(学習研究社)
- 後述するOVA専門誌「アニメV」を前身に1998年10月新装刊。同社刊の「アニメディア」の読者層より上の年齢層をターゲットにしたが、1999年3月休刊。
- アニメーションRE( - アールイー)(インデックス・コミュニケーションズ)
- 2005年7月創刊。DVD付録を前面に打ち出している。終了後2~3年の話題作を主に扱うとし、制作スタッフへのインタビューなどで構成。ムック形式での発行。隔月刊の予定であったが2006年3月発行のvol.3にて休刊。
特定の分野を扱ったアニメ雑誌
現行の特定分野誌
- Fanroad(ファンロード)(ラポート→大都社)
- 「Animec」の姉妹誌として1980年8月に創刊。読者投稿を中心とした月刊誌。初期は隔月刊で、誌名もひらがなの「ふぁんろーど」だった。アニメ、漫画、特撮、ゲームの他にも料理も取り上げ、海外取材(台湾、香港、ヨーロッパが主)も多いなど他とは一線を画した誌面が特徴。投稿イラストのレベルが高く、ここを巣立った漫画家(おかざき真里、いーだ俊嗣、ながいけん、吉崎観音、あずまきよひこなど)が多数いる。
- Megamiマガジン(学習研究社)
- アニメ美少女専門誌。1999年7月に「アニメディア」の増刊として創刊、後に独立した雑誌に。ハーレムアニメや萌えアニメ、ギャルゲーなどが対象ではあるが、ごくたまに少女向けアニメを扱うこともある。『リリカルなのは』や『ギャラクシーエンジェル』などメディアミックス要素の強い漫画連載を持つ。
- アニコレドラゴン(富士見書房)
- 「月刊ドラゴンエイジ」の増刊として2004年10月創刊。自社および系列社が関わったタイトルを中心に扱い、オリジナルグッズの誌上通販を前面に押し出した、いわば通販雑誌。DVDとキャラクターの等身大ポスターが付録に付く。不定期刊で、現在長期に渡って刊行されていない。
休刊・廃刊になった特定分野誌
- アニメV(学習研究社)
- OVA(学研内での呼称はOAV)専門誌だった。1985年6月に隔月刊で創刊。1986年9月号より月刊化。1998年10月号よりリニューアルし、前述の総合誌「Looker」となる。
- 月刊Globian(グロービアン)(ヒロメディア)
- OVA専門誌。1986年5月創刊、同年12月に8号で休刊。
- V VERSION(ブイ・バージョン)(みのり書房)
- OVA専門誌。1990年6月創刊、同年12月に7号で休刊。
- 日経characters!(日経BP社)
- 2003年に「日経エンタテインメント!」の増刊として3冊発行の後、2004年3月に隔月刊誌として正式創刊。アニメ・ゲームなどをビジネスコンテンツ面からとらえた記事が特徴。毎号何かしらの『ガンダム』関連記事がある。
- 2006年から季刊誌へと変わったが、同年6月に休刊。
アニメ雑誌に近いスタンスの他分野誌
- コンプティーク(角川書店)
- ジャンルはゲーム雑誌・漫画雑誌。MSXが世に出たのと同じ年である1983年11月の創刊。当初はパソコン雑誌寄りの誌面で、ホビーパソコンを操るマニアに支持されていたが、1990年代に徐々にギャルゲー中心の構成に衣替え。2003年9月のリニューアルからはゲーム紹介記事中心の構成に代わってアニメとの連動を本格化する。また、当初1~2本だった漫画連載枠(主にギャルゲー原作)を7~8本に増やし、メディアミックスの一環で美少女アニメとの接点が増してきている。
- 美少女アニメと美少女ゲームの記事を併載する点で「Megamiマガジン」とは競合関係にあるが、「Megami」はアニメの記事が中心なのであくまでもアニメ雑誌、「コンプ」は今でもゲーム寄りなのであくまでもゲーム雑誌、と区別されている。
- 2005年3月に増刊漫画誌「コンプエース」を、2006年6月には萌えアニメ中心の増刊「コンプH's」を発刊。
- 電撃G's magazine(アスキー・メディアワークス)
- ジャンルはゲーム雑誌。1992年12月創刊。当初はNECホームエレクトロニクスの家庭用ゲーム機・PCエンジンの専門誌であったが1996年に「電撃G'sエンジン」へ誌名変更してから機種を問わず家庭用ハードのギャルゲー情報を取り扱うようになる。その一方で『シスター・プリンセス』や『HAPPY★LESSON』、『双恋』などの読者参加企画を連載し、これらはアニメ化・ゲーム化された。しかし、主力連載のシスター・プリンセス終了後に部数が低迷し、2005年11月号よりゲームとは直接関係の無い萌えアニメの情報掲載を始めたり、巻末に4~5本の漫画連載を設けるなど大幅なリニューアルを実施している。
- ガンダムエース(角川書店)
- ガンダムシリーズ専門誌で、ジャンルは漫画雑誌。2001年6月創刊、2003年4月より月刊化。安彦良和による『機動戦士ガンダム』のコミカライズが看板作品で、他にガンダムSEEDシリーズの外伝漫画など。『ガンダム』自体がアニメから派生したコンテンツであるので、自然、アニメ寄りの漫画雑誌となっている。
- メカビ(講談社)
- アニメーションや漫画、ゲーム、小説、その他キャラクターなどオタク文化に関する人物や出来事を主に取り上げるサブカルチャー誌。誌名は『メカと美少女』から。2006年に単発で1号、2号を発行、2007年季刊で定期刊行となり07年秋号、08年冬号と発行されるが2008年6月3日付で休刊が発表された。
- 現代視覚文化研究(三才ブックス)
- 上記メカビと同様のスタンスで三才ムックで2008年5月現在2号まで刊行。誌名はげんしけんの舞台である現代視覚文化研究会から。
声優雑誌
アニメなどに声をあてる声優のグラビア・情報を主体とした雑誌。アニメについては声優の仕事に関連して記事内の文章中で触れられるだけで、アニメの絵は、作品紹介でのキービジュアルや、演じるキャラの顔イラストなど、補足的に載る程度である。最近では女性ファン向けの男性声優専門の雑誌も登場している。
- 声優グランプリ(主婦の友社)
- 1994年創刊。創刊当初は季刊として発行、後に隔月刊となり、その後姉妹誌であるアニラジ情報誌「アニラジグランプリ」と統合、月刊化。2006年5月号よりこの雑誌の略称として定着している「声グラ」をタイトルロゴに変えてリニューアルした。
- VOiCE Animage(徳間書店)→VOiCEニュータイプ(角川書店)
- 1994年創刊。「アニメージュ」増刊となっている。創刊当初は季刊として発行、後に隔月刊となる。その後、2002年に同誌編集長を務めた古林英明が角川書店へ移籍した事から、出版社変更と共に現在の誌名となり(「Newtype」増刊となっている)、現在は2~3ヶ月おきの刊行となっている。
- 声優アニメディア(学習研究社)
- 「アニメディア」増刊となっている。もともとは季刊だったが、隔月刊を経て、2007年2月から月刊誌に昇格する。
- hm3 SPECIAL(エッチエムスリー・スペシャル)(音楽専科社)
- 1997年7月創刊。当初は季刊として「hm3」と称していたが、後に月刊化されて現在の誌名に。発行元が音楽系出版社の為、音楽関連の記事に強い。基本的にはCDをリリースした声優が対象で、名目上は音楽雑誌である。また、創刊当初は岡田斗司夫、山本弘等によるおたく座談会が連載され、これは後に書籍化された。また、同誌の増刊として「hm3 SPECIAL」「hm3 EXTRA」「hm3 HYPER」「hm3 デラックス(過去に掲載された記事の総集編的雑誌)」などもある。
アニメ情報番組への関与
アニラジ
空前のアニメブームに便乗したのは、出版業界だけではなかった。アニメ雑誌の創刊ブームに少し遅れて、ラジオ界ではアニメ情報を専門に扱う番組、今の言葉でいうアニラジが出現した。そしてこちらも、瞬く間に多数の番組が乱立することになった。
これら初期のアニラジの多くは、アニメ雑誌からの働きかけで番組が開始になっている。
当時主流の番組内容は各種作品を横断的に扱う総合番組であったこともあり、(もとよりラジオ局にアニメ情報を取材する力があるはずもない中で)番組への情報供給についてはアニメ雑誌の協力を仰ぐ必要があった。しかし協力関係はそれにとどまらず、アニメ雑誌は番組の冠スポンサーに入り、番組を自誌の宣伝のために利用した。当時はブームの中でアニメ雑誌も飛ぶ鳥を落とす勢いで売れまくっていたため、ラジオへのメディア展開に手を広げる余裕があったうえ、激しい販売競争に打ち勝つためにも派手に宣伝をする必要があったためである。
アニラジの歴史は本項の範疇外であるから詳述は避けるが、いくつか例を挙げればこうした番組には『週刊ラジオアニメック』『ラジオアニメディア』『ペアペア・アニメージュ』『VAPOUT』などがあった。
これらの多くは1980年代半ばのアニメブーム終焉とともに番組終了となり、母体となったアニメ雑誌自体にも廃刊が相次いで、冬の時代を迎えることになる。そして1990年代以降の次なるアニメブーム・アニラジブームの際には、アニメのビデオ化ソフトやアニメ関連CDなどを発売するソフト会社が新たな主要スポンサーとして台頭してきて、現在に至っている。
出版社がスポンサーについたアニラジはもちろん今でも数多いが、近年のアニラジは版元ごとやタイトルごと、出演者ごとに聴取ターゲットを絞り込んだ番組が主流であり、また出版社側も自社が関与したタイトルを漫画・ライトノベル・ゲームなどとともにメディアミックス展開の中で売り込んでゆくビジネスモデルに転じたため、横断的情報を強みとするアニメ雑誌の出る幕はなくなっている。
テレビ番組
近年の作品横断的総合アニメ情報番組の主流は、CS放送などに数本あるテレビ番組である。
この種のテレビ番組の草分けの一つに『Animage TV』(テレビ神奈川、1999年4月~2000年9月)があるが、この番組はタイトルからもわかるように「Animage」誌(誌名は当時)が関わっていた。
番組内で扱うアニメ情報は同誌の情報提供に依り、同誌編集長が月1回くらいの頻度で番組に出演して最近のアニメの傾向を語るなど、前述した黎明期のアニラジと似たような番組の作り方がなされていた。
同番組は、編集部側が番組への情報提供を負担に感じ始めたからか、はたまたより多くの情報ソースを横断的に扱いたい番組制作側が一誌独占による情報提供を疎んじ始めたからか、真相は定かではないが、開始1年半でAnimageの冠を外して現在の『Anime TV』にリニューアルされた。
ちなみに徳間書店はリニューアル後も引き続き2005年11月まで同番組のスポンサーに入っていた。情報化社会の進展で、アニメ雑誌に全面的に頼らなくとも取材や情報収集ができるようになってきたことと、番組制作スタッフに制作力がついてきたことがこの背景にある。
脚注
- ^ このためアニメ雑誌は右綴じ・縦書きの形態をとるものがほとんどである。