福田豊 (編集長)

福田 豊（ふくだ ゆたか、1932年10月19日 - ）は、日本の経済学者。

経歴

熊本県玉名市に生まれる。1955年九州大学経済学部卒業、1960年同大学院博士課程修了。学生時代より向坂逸郎に師事し、九州大学助手を経て、労働組合本部強化という向坂逸郎の方針に従い、日教組本部書記となる。しかし福田豊は学者への道をあきらめず、城西大学助教授を経て法政大学第二教養部助教授、教授、社会学部教授となる。

若いときから向坂逸郎門下の俊才として知られ、1960年代前半まず構造改革論批判などで頭角をあらわす。60年代後半から70年代前半にかけてはマルクス・レーニン主義の意義を積極的に説き、その論文はマルクスやレーニンからの豊富な引用をおこなうのが特徴だった。全盛期社会主義協会の代表的理論家として活躍し、社会主義協会事務局次長、『社会主義』編集長を務める。70年代後半より次第にまずユーロコミュニズムに傾く。1982年11月鎌倉孝夫とともに『現代資本主義と社会主義像』（河出書房新社）を出版し、社会主義協会のマルクス・レーニン主義を強く批判したため、社会主義協会内部で個人攻撃も含めた激しい批判を受け、まもなく社会主義協会を脱退する。この福田批判により、福田豊の主張に必ずしも賛成ではなかった者も含めて多くの学者研究者が社会主義協会を離れ、社会主義協会弱体化の一因となった。

福田豊はその後1980年代から1990年代前半にかけ、日本社会党社会主義理論センターの重要な一員として日本社会党の西欧社会民主主義化を積極的に主張し、活発な論陣を張った。社会主義理論センターの学者グループには、大内秀明、田中慎一郎、高木郁朗、新田俊三ら社会主義協会離脱者が多く、福田豊はその代表格であった。日本社会党が消滅した1990年代後半以降は、社会学部紀要にイギリス労働党の理論（ギデンズ・ブレアの「第三の道」など）に関する研究論文を発表している。しかし現実の政治運動などに発言することはほとんどなくなった。現在は法政大学名誉教授。

主な著書

• 『レーニンと現代帝国主義』河出書房新社、1973年。
• 『現代国家と民主的変革』ありえす書房。1984年。

ほか