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「可換体」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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:のように、演算を定義すると、これは体になっている。この体を '''F'''<sub>2</sub> と書く。一見つまらない例のように見えるかもしれないが、この体は[[符号理論]]などに応用を持っている。
:のように、演算を定義すると、これは体になっている。この体を '''F'''<sub>2</sub> と書く。一見つまらない例のように見えるかもしれないが、この体は[[符号理論]]などに応用を持っている。
*''p'' を[[素数]]とするとき、集合 {0, 1, ..., ''p''-1} に演算を定義して体にすることが出来る。この体を '''F'''<sub>''p''</sub>、'''Z'''/''p'''''Z''' または GF(''p'') などと書く。
*''p'' を[[素数]]とするとき、集合 {0, 1, ..., ''p''-1} に演算を定義して体にすることが出来る。この体を '''F'''<sub>''p''</sub>、'''Z'''/''p'''''Z''' または GF(''p'') などと書く。
*体 ''k'' の元を成分に持つm次正方正則行列の集合 GL(m,''k'') は、通常の行列の和と積によって体になる。
*体 ''k'' の元を成分に持つm次正方正則行列の集合 GL(m,''k'') は、通常の行列の和と積によって非可換体になる。


==関連概念==
==関連概念==

2006年2月20日 (月) 17:15時点における版

数学において、(たい)とは、四則演算のできる代数的構造を備えた集合であって、有理数実数複素数などの全体が代表的な例である。

体の定義

とは、加法と乗法の二つの二項演算によって定まる代数的構造を備えた集合であって、四則演算のできる有理数(簡単にいうと分数の集合)のような性質を持つものである。

詳しくいうと、体 K の定義は次のようになる。

  1. K は加法に関してアーベル群(可換群)である。加法の単位元を0とする。
  2. K には乗法が定義されていて結合法則を満たし、さらに加法に対して分配的である。
  3. K は乗法の単位元1を持つ。
  4. K はその 0 以外の任意の元が乗法の逆元を持つ。
  5. 1 ≠ 0 である。

つまり、単位元を持つ ≠ {0} が 0 以外の元について逆元を持つとき、この環を体というのである。{0}は、0を1として0の逆元を0とすれば5.以外の体の性質を満たすため自明な体と呼ばれることがあるが、通常は体として扱わない。

さらに K が乗法について可換であるとき、K可換体という。可換でない体を特に非可換体または斜体 (skew field) という。

可換体であるときに限り、K を体という流儀もある。その流儀では、ここで定義した体のことは、可除環 (division ring, division algebra) という。

体をアルファベットで表すときは、普通 K を用いる慣例がある。これは体がドイツ語 Körper の訳語だからである。最近は英語Field の頭文字 F が用いられることもある。

体の例

  • 有理数の全体 Q は可換体である。
  • 実数の全体 R複素数の全体 C も可換体である。
  • 四元数の全体 H は非可換体である。
  • {0, 1} に、
加法
+ 0 1
0 0 1
1 1 0
乗法
* 0 1
0 0 0
1 0 1
のように、演算を定義すると、これは体になっている。この体を F2 と書く。一見つまらない例のように見えるかもしれないが、この体は符号理論などに応用を持っている。
  • p素数とするとき、集合 {0, 1, ..., p-1} に演算を定義して体にすることが出来る。この体を FpZ/pZ または GF(p) などと書く。
  • k の元を成分に持つm次正方正則行列の集合 GL(m,k) は、通常の行列の和と積によって非可換体になる。

関連概念

  • 体の元の濃度を位数という。
  • 位数が有限な体は可換体である(ウェダバーンの定理)。
  • n1 で単位元 1 を n 回足したものを表すとする。n1 = 0 となるような n のうち最も小さなものを、その体の標数という。ただし、そのような n が存在しないとき、標数は 0 であると決める。明らかに、有限体の標数は 0 でない。0 でない標数は素数である。

スタブです。


簡単な定理

  • F を体とする。F× の乗法に関する有限な部分群は巡回群になる。
  • 体の間の準同型は必ず同型になる。

関連項目