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「組合せ (数学)」の版間の差分

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[[濃度 (数学)|位数]] {{mvar|n}} の[[有限集合]] {{mvar|E}} と[[非負整数]] {{mvar|k}} に対し、集合 {{mvar|E}} に関する'''組合せ'''とはこの集合の(有限)[[部分集合]]のことを言い、特に {{mvar|E}} に関する {{mvar|k}}-組合せ(あるいはもっと具体的に、与えられた {{mvar|n}} 個の元から {{mvar|k}} 個選んで得られる組合せ)とは {{mvar|E}} の {{mvar|k}}-元部分集合を言う。
[[濃度 (数学)|位数]] {{mvar|n}} の[[有限集合]] {{mvar|E}} と[[非負整数]] {{mvar|k}} に対し、集合 {{mvar|E}} に関する'''組合せ'''とはこの集合の(有限)[[部分集合]]のことを言い、特に {{mvar|E}} に関する {{mvar|k}}-組合せ(あるいはもっと具体的に、与えられた {{mvar|n}} 個の元から {{mvar|k}} 個選んで得られる組合せ)とは {{mvar|E}} の {{mvar|k}}-元部分集合を言う。


{{mvar|E}} の {{mvar|k}}-組合せ全体の成す集合を {{math|𝒫{{ind|''k''}}(''E'')}} と表す<ref>[[Louis Comtet]], ''Analyse combinatoire élémentaire'', [https://books.google.fr/books?id=Mx6Va5RiENEC&pg=PA2 {{p.|2}}].</ref><ref>Hervé Gianella, Romain Krust, Frank Taieb et Nicolas Tosel, ''Problèmes choisis de mathématiques supérieures'', [https://books.google.fr/books?id=TySkMs-B_JkC&pg=PA120 {{p.|120}}].</ref>とき、{{math|𝒫{{ind|''k''}}(''E'')}} の位数は有限であり、初等組合せ論においては {{lang|en|'''C'''ombination}} の頭文字を取って、{{mvar|{{msub|n}}C{{msub|m}}, C{{su|p=n|b=k}}, {{msup|n}}C{{msub|k}}, C{{msub|n,k}}}} または {{math|''C''(''n'', ''k'')}} のような記号で表す。ただし、この数は数学のあらゆる分野に頻繁に現れ、大抵の場合 <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> と書かれる。特に[[二項定理]]
{{mvar|E}} の {{mvar|k}}-組合せ全体の成す集合を {{math|𝒫{{ind|''k''}}(''E'')}} と表す<ref>[[Louis Comtet]], ''Analyse combinatoire élémentaire'', [https://books.google.fr/books?id=Mx6Va5RiENEC&pg=PA2 {{p.|2}}].</ref><ref>Hervé Gianella, Romain Krust, Frank Taieb et Nicolas Tosel, ''Problèmes choisis de mathématiques supérieures'', [https://books.google.fr/books?id=TySkMs-B_JkC&pg=PA120 {{p.|120}}].</ref>とき、{{math|𝒫{{ind|''k''}}(''E'')}} の位数は有限であり、初等組合せ論においては {{lang|en|'''C'''ombination}} の頭文字を取って、{{mvar|{{msub|n}}C{{msub|k}}, C{{su|p=n|b=k}}, {{msup|n}}C{{msub|k}}, C{{msub|n,k}}}} または {{math|''C''(''n'', ''k'')}} のような記号で表す。ただし、この数は数学のあらゆる分野に頻繁に現れ、大抵の場合 <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> と書かれる。特に[[二項定理]]
: <math>(1+x)^n=\sum_{k=0}^{n}{n \choose k}x^k</math>
: <math>(1+x)^n=\sum_{k=0}^{n}{n \choose k}x^k</math>
に係数として現れることは顕著であり、これにより <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> はふつう'''[[二項係数]]'''と呼ばれる。二項展開の係数として数 <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> を定義するものと考えれば {{math|1=''k'' = ''n''}} または {{math|1=''k'' = 0}} のとき <math>\textstyle\binom{n}{k}=1</math>, {{math|''k'' &lt; ''n''}} のとき <math>\textstyle\binom{n}{k}=0</math> と考えるのは自然である。
に係数として現れることは顕著であり、これにより <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> はふつう'''[[二項係数]]'''と呼ばれる。二項展開の係数として数 <math>\textstyle\binom{n}{k}</math> を定義するものと考えれば {{math|1=''k'' = ''n''}} または {{math|1=''k'' = 0}} のとき <math>\textstyle\binom{n}{k}=1</math>, {{math|''k'' &lt; ''n''}} のとき <math>\textstyle\binom{n}{k}=0</math> と考えるのは自然である。

2016年7月18日 (月) 18:20時点における版

数学において、組合せ(くみあわせ、: combination, choose)とは、相異なる(あるいは区別可能な)いくつかの要素の集まりからいくつかの要素を(重複無く)選び出す方法である[1]。あるいは選び出した要素をその“並べる順番の違いを区別せずに”並べたもののことである[2]。組合せは組合せ論と呼ばれる数学の分野で研究される。卑近な例でいえば、デッキ(山札)から決まった数のカード(手札)を引くとかロトくじなどがその例である。

定義

位数 n有限集合 E非負整数 k に対し、集合 E に関する組合せとはこの集合の(有限)部分集合のことを言い、特に E に関する k-組合せ(あるいはもっと具体的に、与えられた n 個の元から k 個選んで得られる組合せ)とは Ek-元部分集合を言う。

Ek-組合せ全体の成す集合を 𝒫k(E) と表す[3][4]とき、𝒫k(E) の位数は有限であり、初等組合せ論においては Combination の頭文字を取って、nCk, Cn
k
, nCk, Cn,k
または C(n, k) のような記号で表す。ただし、この数は数学のあらゆる分野に頻繁に現れ、大抵の場合 と書かれる。特に二項定理

に係数として現れることは顕著であり、これにより はふつう二項係数と呼ばれる。二項展開の係数として数 を定義するものと考えれば k = n または k = 0 のとき , k < n のとき と考えるのは自然である。

実用上は個々の係数が具体的に

で与えられることを利用するのが簡便である。この式の分子は k-順列k-個のものを“並べる順番の違いを区別して”並べたもの)を作る総数を表し、分母はそれら k-個の並べ替えの総数が k! であることを表し。並びだけが異なるそれらは同じ組合せを与えるものであるから、割っているのはそれらの違いを無視することに対応している。

組合せの数え上げ

An-元集合で、aA に属さない元、k は非負整数とする。このとき、A ∪ {a} k + 1 個の元からなる部分集合は、Ak + 1 個の元からなる部分集合か、さもなくば単元集合 {a} Ak-元部分集合を併せたものであるから、

と書ける。ただし、k > n のとき 𝒫k(A) = ∅ である。(この等式の位数は、パスカルの三角形を構成するのに用いる漸化式 に対応する)。

組合せの数の計算

n-元に対する k-組合せの総数を効率的に計算するために以下の等式が利用できる[5]0 ≤ kn として:

最初の式は kn/2 なる場合に帰着するのに利用できるし、後の二つは

となることを示せる。

注釈

  1. ^ 岩波数学辞典, 184. 順列・組合せ p. 526.
  2. ^ 伏見 1942, p. 5, 第I章 数学的補助手段 1節 組合わせの理論.
  3. ^ Louis Comtet, Analyse combinatoire élémentaire, p. 2.
  4. ^ Hervé Gianella, Romain Krust, Frank Taieb et Nicolas Tosel, Problèmes choisis de mathématiques supérieures, p. 120.
  5. ^ この式は例えば任意の精度の算術ライブラリである GMP が用いている。 Binomial coefficients algorithm を参照。

参考文献

  • 西岡康夫『数学チュートリアル やさしく語る 確率統計』オーム社、2013年。ISBN 9784274214073 
  • 伏見康治確率論及統計論河出書房、1942年。ISBN 9784874720127http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/204 
  • 日本数学会編 編『数学辞典』(第4版)岩波書店、2007年。ISBN 9784000803090 

関連項目

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Combination". mathworld.wolfram.com (英語).
  • Weisstein, Eric W. "Choose". mathworld.wolfram.com (英語).
  • Weisstein, Eric W. "k-Subset". mathworld.wolfram.com (英語).