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2006年8月19日 (土) 16:09時点における版
?鳥綱 Aves | ||||||||
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ファイル:アメリカシロヅル飛翔.jpg アメリカシロヅル Grus americana |
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分類 | ||||||||
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目 | ||||||||
本文参照 |
二本足歩行をし、前足が翼に進化している。全身が羽毛に覆われており、恒温で、卵生である。鳥類は世界で約1万種弱が知られている。生息地は熱帯・温帯・寒帯・極地・乾燥地帯、及び海洋と、ほとんどすべての地域・環境に対応した種が存在する。 鳥類には、ハチドリなど最小体重数gの小型種から、ダチョウなど最大150kgの大型種まで、さまざまな大きさの種が存在している。
形態
典型的な鳥類は、羽毛の生えた翼によって飛び、細くて歯が無いクチバシをもつ。堅い殻のある卵を産卵し、新陳代謝が非常に良い。また、軽くて強い骨格をしている。クチバシを使って全身の毛づくろいをする。
体の構造について、詳しくは鳥類用語を参照。
生態
食性
鳥類は様々な食性に分けられるが、動物食もしくは種子・果実食が多い。 草食は地上性の走鳥類などわずかである。これは空を飛ぶためには体重を極力低く抑える必要があるため、草食に適した長大な消化器官をもたないからである。 また、飛行はエネルギー消費量が大きいために高カロリーの摂取が必要なためである。
動物食としては、地上の昆虫類・魚類・両生類・爬虫類・哺乳類・鳥類から水辺の節足動物・軟体動物・貝類など、体格・形態に合わせて、様々な環境において捕食者となっている。
植物食としては、種子類・果実類を対象とするものが多い。 その他、ライチョウ等の花を食べるもの、淡水カモ等の水草や海草を食べるもの等がいる。
ダチョウ類は例外的に草食である。彼らは空を飛ぶことを放棄したため、体重の制限理由がなくなり、草食に適した消化器官をもつ。
また、鳥類は一般に昼行性が多いが、フクロウ、ゴイサギなど夜行性または薄明活動型(夕方に活動)の鳥類も少なくない。 鳥類は全て鳥目と誤解されることが多いがニワトリなどを除いて、鳥類は夜間も視力をもつものが多い。
繁殖
鳥類は様々なパターンで繁殖行動をとる。 大型の鳥類では、雄と雌の一対のペア繁殖し、子育てを行うことが普通であるが、小型~中型の鳥類の繁殖方法には以下のパターンがある。
- 雄と雌が一対
- 一羽の雄に対して、雌が複数
- 逆に一羽の雌に対して、雄が複数
- 複数の雄と複数の雌(すなわち雑婚)
また、子育てにも様々なパターンがある。
- 雄親と雌親が協力して育てる(大型鳥類やスズメ目に多い)
- 雌親のみが育てる(カモ類など)
- 雄親のみが育てる(タマシギなど)
- 親のみならず、子を持たない兄弟・姉妹が子育てに参加する。
- 他の鳥類の巣に生みつける(カッコウ類)
営巣
鳥類は繁殖に営巣することが普通である。鳥類は巣作りに様々な巣材を利用する。 一般に良く知られている鳥のツバメの巣は泥を主体に作られるが、他の鳥では、例えば草・苔類・海草・自分自身の羽毛・他の鳥の羽毛・動物の毛・小石等々である。
巣作りをしない鳥類は極めて少ない。 代表的例外は、他の鳥類に託卵するカッコウ類、また自分自身の足の上で卵をかえすコウテイペンギンなどである。
さえずり
鳥類でさえずりを行う種の大半は、スズメ目の鳥である。 スズメ目の中でも鳴禽類のグループに集中している。 鳴禽類のさえずりは、他の鳥類グループの鳴き声よりも複雑なものが多い。 また、他の鳥類グループ、例えばカッコウなどは親鳥と離れて成長しても、その種の鳴き声を発することができるのに対して、鳴禽類の鳥では親鳥と切り離されて育てられるとうまくさえずりができない鳥が多い。 すなわち、鳴禽類においては、さえずりを親鳥から学習していると推定されている。
真似をする鳥
キュウカンチョウやオウム類などが人の声を真似することは広く知られている。
真似をする性質は、これらの鳥種に限ったことではなく多くの鳥でみられる。 カケス・モズ・ホシムクドリ・ヒバリ・ヌマヨシキリ・ズグロムシクイ・クロツグミ等々。
そのなかでも、チャンピオンといえる鳥が、コトドリである。鳥の鳴き声・人の声はもちろん、車のクラクションまで真似するという。
カラスも、時折人や動物の声を真似をすることがある。
渡り
多くの種は長距離の渡りをし、いくつかの生存圏を移動しながら活動している。(キョクアジサシなど)また、ワタリアホウドリなど種によってはほとんどを海で暮らすものもある。
飛ばない鳥
鳥類は元々空を飛ぶ翼を持つ生物であるが、さまざまな理由により、飛ぶ能力を放棄した鳥も少なくない。飛ぶことをやめ地上生活に特化したダチョウ類・キーウィ他と、飛ぶことをやめ海洋生活に特化したペンギン類等などがいる。 飛ばなくなった鳥類は、孤島などで進化した種に多い。 哺乳類が生存せず、すなわち危険な捕食者がいないため、地上動物のニッチの位置についた鳥である。
しかし、ヒトが島に侵入した後、ヒトが持ち込んだ家畜、あるいはヒトの移動にまぎれて進入したヘビなどの帰化動物、そしてヒトそのものが彼等の脅威となっている。捕食者への対抗手段を持たない飛ばない鳥は攻撃を受けやすく、絶滅の危険がある種も多い。 すでに絶滅した飛ばない鳥類にはドードー、オオウミガラスやニュージーランドのモアなどがある。
進化
鳥類の進化論的な起源は、以前は爬虫類のワニ類などとされた時期もあったが、現在では、古生物学の発展から、恐竜の獣脚類から進化したというのが定説となり、系統学的には鳥類は恐竜に含まれる。すなわち恐竜は絶滅せず、その一部が鳥類に進化して現在でも生きているという解釈である。
中生代の鳥類の化石は19世紀に発見されたジュラ紀の始祖鳥(アーケオプテリクス)の他に、白亜紀の鳥と恐竜の双方の特徴をもつ、羽毛をもつ生物の化石が、1990年代以降、中国大陸から次々と発見されている。ちなみに始祖鳥は原生鳥類の直截の祖先ではなく、進化の過程で分岐した古鳥類の一種である。
代表的な古鳥類は、ジュラ紀の始祖鳥の他、白亜紀のエナンティオルニス・ヘスペロルニス・イクチオルニス・孔子鳥など。
一方で、鳥類学者のアラン・フェドゥーシアは「鳥は、恐竜ではなく、小型の樹上性爬虫類から進化した」という説を唱えている。彼や何人かの鳥類学者は、「鳥に近いとされているグループの恐竜は恐竜としては小型で飛ぶには重過ぎる」、「走行説、捕虫網説などの恐竜が飛行するにいたるまでを説明する仮説がいずれも空力学的に不適切」、「鳥類も恐竜も発生途上で前肢の2本の指が退化するが、鳥類は親指と小指が退化するのに対し、恐竜は薬指と小指が退化する」、「恐竜を起源とする説では保温のために羽毛が発達したとするが、走鳥類の羽毛が退化して毛のようになっているのに対して飛行した祖先を持たない恐竜達が飛ぶことに適した羽毛を持ったとするのは無理がある」等、いくつか重要な指摘を行っているが、恐竜を起源とする説が定説となっている現在、決め手を欠いている彼らの説は鳥類学会を除いてあまり受け入れられていない。
系統関係図
空想上の鳥
鳥は空を飛ぶことから、天や神からの使いとして神聖視されることがあった。
西洋文明の伝説上の鳥フェニックスまたは火の鳥、不死鳥は東洋では朱雀と同一視される。
分類
古典的な分類
鳥類の分類は、現在流動的である。まず古典的な分類の一例を以下に示す。 この分類では鳥類を、その器官の特徴に着目して分類する。たとえば、趾が全蹼足であればペリカン目とするなど。
- ダチョウ目 Struthioniformes, ダチョウ、エミュ、キーウィ、他11種
- シギダチョウ目 Tinamiformes, シギダチョウ、他46種
- カイツブリ目 Podicipediformes, カイツブリ、他20種
- ペンギン目 Sphenisciformes, ペンギン、他17種
- ミズナギドリ目 Procellariiformes, アホウドリ、ウミツバメ、他98種
- ペリカン目 Pelecaniformes, ペリカン、他54種
- コウノトリ目 Ciconiiformes, コウノトリ、サギ、トキ、ヘラサギ、他109種
- フラミンゴ目 Phoenicopteriformes, フラミンゴ、他5種
- カモ目 Anseriformes, カモ、ハクチョウ、他148種
- タカ目 Accipitriformes, Falconiformes, オジロワシ、オオタカ、ハヤブサ、他300弱種
- キジ目 Galliformes, ライチョウ、キジ、他241種
- ツル目 Gruiformes, タンチョウ、他193種
- チドリ目 Charadriiformes, シギ、チドリ、カモメなど、約200種強
- ハト目 Columbiformes, ハト、他308種
- インコ目 Psittaciformes, オウム、他315種
- カッコウ目 Cuculiformes, カッコウ、他146種
- フクロウ目 Strigiformes, フクロウ、他134種
- ヨタカ目 Caprimulgiformes, ヨタカ、他85種
- アマツバメ目 Apodiformes, アマツバメ、他395種
- ブッポウソウ目 Coraciiformes, カワセミ、他186種
- キツツキ目 Piciformes, キツツキ類、他391種
- キヌバネドリ目 Trogoniformes, キヌバネドリ、他34種
- ネズミドリ目 Coliiformes, ネズミドリ、他6種
- アビ目 Gaviiformes, アビ、他4種
- スズメ目 Passeriformes, スズメ、他5000種
- ※イギリス等ではタカ目をタカ目とハヤブサ目と分ける。一方、日本や北米等ではタカ目は単一の目としている。
- ※ハチドリ類は、伝統的分類ではアマツバメ目に含めるが、最近は独立目とする例も多い。
- ※その他、伝統的分類でも各国あるいは学説ごとに少しずつ異なる部分がある。
新世代の分類
形態比較等によるこれら従来の系統方法は、各目の単系統性・目間の類縁関係など不明点が多く指摘されていた。
1990年代以降、分子生物学の進歩とともに、その手法により従来分類の課題を乗り越えんとする全く新しい分類体系が登場してきた。 そのうち代表的なSibley-Ahlquist鳥類分類体系の目リストを以下に示す。(下位分類の詳細は各記事参照)
- ダチョウ目 (Sibley) Struthioniformes
- シギダチョウ目 (Sibley) Tinamiformes
- ホウカンチョウ目 (Sibley) Craciformes
- キジ目 (Sibley) Galliformes
- カモ目 (Sibley) Anseriformes
- ミフウズラ目 (Sibley) Turniciformes
- キツツキ目 (Sibley) Piciformes
- キリハシ目 (Sibley) Galbuliformes
- サイチョウ目 (Sibley) Bucerotiformes
- ヤツガシラ目 (Sibley) Upupiformes
- キヌバネドリ目 (Sibley) Trogoniformes
- ブッポウソウ目 (Sibley) Coraciiformes
- ネズミドリ目 (Sibley) Coliiformes
- カッコウ目 (Sibley) Cuculiformes
- オウム目 (Sibley) Psittaciformes
- アマツバメ目 (Sibley) Apodiformes
- ハチドリ目 (Sibley) Trochiliformes
- エボシドリ目 (Sibley) Musophagiformes
- フクロウ目 (Sibley) Strigiformes
- ハト目 (Sibley) Columbiformes
- ツル目 (Sibley) Gruiformes
- コウノトリ目 (Sibley) Ciconiiformes
- スズメ目 (Sibley) Passeriformes
関連項目
地域別野鳥一覧
8つの生物地理区(Ecozone)および、区内の地域の野鳥一覧。
他の鳥類関連項目
- シブリー・アールキスト鳥類分類
- Clements鳥類分類
- 環境省の鳥類レッドリスト
- 鳥類用語
- 鳥類の雑種 ‐ 野生での例も多く報告されているが、飼育鳥類の雑種(マガモとアヒルの合鴨など)も存在。
- 鳥類の体の構造
- 鶏肉
- 潜水性鳥類、樹洞営巣性鳥類
- 鳥類の一覧(カテゴリ:鳥類古典分類)
- 鳥類の一覧の一覧 (地域別)(カテゴリ:地域別野鳥一覧)
- 鳥類学者の一覧(カテゴリ:鳥類学者)
- Bird Names for Birds - 人の名前にちなんだ名前の鳥を別の名前に変えようという2020年に始まったムーブメント。
- 日本野鳥の会(公式ページ)
- 日本鳥類保護連盟(公式ページ)
- 山階鳥類研究所(公式ページ)
- 日本鳥学会(公式ページ)