「藤原拓海」の版間の差分
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初期は詳細不明<ref>原作4巻や10巻、アニメSecond Stageでエンジンルームの中が描写されるがエンジンの外観自体はフルノーマルのものと同じ。作中はおろか資料類でもエンジン以外も含めスペックは明かされていない。2巻で涼介が「よくて150馬力ぐらいで、ラリー用のクロスミッションを組んでいる」と推測、7巻では「正体不明のあやしいエンジン MAX馬力(たぶん150くらい)」、8巻では「140馬力も出せばかなりがんばってる方」と記載があるのみ。公式ガイドブック『ドリドリドライバーズテキスト』ではAE92後期型純正程度のハイコンプピストン、トルク重視のハイカム、フルバランス取り、レブリミッターカット(原作やアニメFirst stageでは純正タコメーターのスケールギリギリの8000回転まで回してるがSecond stageでは7000回転半ばで頭打ちになっている)といった定番のライトチューン程度だろうと推測されている。作者自身も『疾走の記』のロングインタビューで「市販の範囲でマックスに仕上げたもの」、「あの頃のハチロクのエンジンは全然大したことない」と語っている。</ref>の[[トヨタ・4A-GE|4A-GEU型]]純正シングルスロットル仕様 。 |
初期は詳細不明<ref>原作4巻や10巻、アニメSecond Stageでエンジンルームの中が描写されるがエンジンの外観自体はフルノーマルのものと同じ。作中はおろか資料類でもエンジン以外も含めスペックは明かされていない。2巻で涼介が「よくて150馬力ぐらいで、ラリー用のクロスミッションを組んでいる」と推測、7巻では「正体不明のあやしいエンジン MAX馬力(たぶん150くらい)」、8巻では「140馬力も出せばかなりがんばってる方」と記載があるのみ。公式ガイドブック『ドリドリドライバーズテキスト』ではAE92後期型純正程度のハイコンプピストン、トルク重視のハイカム、フルバランス取り、レブリミッターカット(原作やアニメFirst stageでは純正タコメーターのスケールギリギリの8000回転まで回してるがSecond stageでは7000回転半ばで頭打ちになっている)といった定番のライトチューン程度だろうと推測されている。作者自身も『疾走の記』のロングインタビューで「市販の範囲でマックスに仕上げたもの」、「あの頃のハチロクのエンジンは全然大したことない」と語っている。</ref>の[[トヨタ・4A-GE|4A-GEU型]]純正シングルスロットル仕様 。 |
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エンジンブロー後、 [[TRD]]製[[グループA]] AE101 4A-GE 同時点火仕様([[ウェーバー (企業)|ウェーバー]]製[[キャブレター]]<ref> |
エンジンブロー後、 [[TRD]]製[[グループA]] AE101 4A-GE 同時点火仕様([[ウェーバー (企業)|ウェーバー]]製[[キャブレター]]<ref>エンジン換装直後はウェーバー製キャブレターを装着していたが、プロジェクトD編以降で描写されるエンジンルームには4連スロットルを装着している。</ref>、[[TRD]]製[[ドライサンプ]]パーツ、オイルキャッチタンク他多数)に換装<ref>メカニカル式可変バルブタイミングシステム「[[VVT-i|VVT]]」を取り外している。[[グループA]]初年度のエンジンと同じく11000回転まで回せる超高回転エンジンで、こちらも正確な馬力は明かされていない。涼介の台詞に「240馬力をしぼり出すユニット」とあるが同時に「公道用にデチューンされているんだろう」ともあり、240馬力出ているとは限らない。ただし実写版では文太が250馬力と明言している。『プロジェクトD伝説』では200馬力ぐらいと書かれている。[[ビデオオプション]]の企画で製作され、水戸納豆企画で活躍した[[飯田章]]の所有するAE86レビンにはAE101[[グループA]]仕様のエンジンが搭載されており、217馬力を発生していた。頭文字D BATTLE STAGE 特別編にてアニメの監修を務めている[[土屋圭市]]が「俺のマネ、海外で500万出せば買える」、「1万回転以上回せるがスピードは出ない」とコメントしているが、そのエンジンは[[グループA]]のエンジンではなくフォーミュラアトランティックのエンジンである。尚、作中ではグループA仕様と説明されているが、チューニングの内容的にはJAF N2仕様に近い。パープルシャドウ戦後にエンジンの耐久性、戦闘力の両面を追求するため涼介と松本の判断で中間トルクを太らせフラットなパワー特性に変更し、レブリミットを9000回転に設定している。</ref>。ドライサンプ化によりエンジンの搭載位置が下がるため、低重心になり運動性能が飛躍的に向上している。 |
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== 人物 == |
== 人物 == |
2019年9月2日 (月) 15:07時点における版
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藤原拓海 | |
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作者 | しげの秀一 |
声優 |
三木眞一郎(アニメ版) 宮野真守(劇場版) 野島健児(実写版吹替) |
俳優 | 周杰倫 |
プロフィール | |
年齢 |
18歳(第一部) 19歳(第二部) |
性別 | 男性 |
国籍 | 日本 |
親戚 | 藤原文太(実父) |
藤原 拓海(ふじわら たくみ)は、しげの秀一の漫画『頭文字D』に登場する架空の人物。本項において、『新劇場版』と特記されている場合は2014年アニメーション映画版(頭文字D#劇場版を参照)のことを指す。
搭乗車種
トヨタ・スプリンタートレノ AE86型 GT-APEX 3door(1983年式 前期型)
- ボディカラー - ハイテックツートン(ホワイト / ブラック)
- 外装パーツ - CIBIE製T353フォグランプ・RS-Watanabe製EIGHT SPOKE[1]・FUJITSUBO製MC50シングルテールマフラー・純正ドアバイザー[2]
→プロジェクトD加入後の東堂塾 舘智幸戦からドライカーボンボンネット・カーボンリトラカバー[3]・RAYBRIG製マルチリフクターヘッドライト
→ニセプロジェクトD編からTRUST製TR Muffler・アクリルウインドウ付きFRPリアハッチ[4]
- 内装パーツ - 前期型GTV用アナログメーター[5]・イタルボランテ製アドミラル・星光産業製A/Cドリンクホルダー(エアコン中央吹き出し口助手席側に設置)・レーダー探知機・3連シガーソケットキット・サンルーフ装着車用内張り[6]
→エンジン換装後からフルバケットシート[7]
→秋山渉戦からsmith製クロノメトリック機械式12000回転スケールタコメーター・smith製機械式油温計、油圧計/水温計[8]を使用した2連メーターパネル
→プロジェクトD加入後の東堂塾 舘智幸戦からバケットシート(助手席)・4点式シートベルト
→ニセプロジェクトD編から10000回転スケール永井電子機器製ウルトラステッピングタコメーター[9]、永井電子機器製ウルトラデジタルスピードメーターNo.4000、大森メーター製油温計、油圧計、水温計、燃料計を使用したワンオフメーターパネル・momoステアリング製RACE[10]・アルパイン製1DINカーオーディオ・MoTeC M4
→チーム246戦後からCUSCO製セーフティ21 ダッシュ避けタイプ7点式ロールバー
→サイドワインダー戦からsmith製クロノメトリック機械式12000回転スケール タコメーター
- ナンバー - 群馬 55 お 13-954 / 秋名 50 せ 2-674(新劇場版)
搭載エンジン
初期は詳細不明[11]の4A-GEU型純正シングルスロットル仕様 。
エンジンブロー後、 TRD製グループA AE101 4A-GE 同時点火仕様(ウェーバー製キャブレター[12]、TRD製ドライサンプパーツ、オイルキャッチタンク他多数)に換装[13]。ドライサンプ化によりエンジンの搭載位置が下がるため、低重心になり運動性能が飛躍的に向上している。
人物
身長174cm、体重58kg。誕生日 拓海の通っていた中学校の中学2年時の始業日以降~6月21日のどこか(ただし、各月1日は除く)[14]
本作の主人公。高校時代はガソリンスタンドでアルバイトしており[15](高校卒業後は運送会社に勤めている[16])父・文太の愛車である(後に譲り受けることになる)ハチロクで手強い相手に挑み、挑まれ、数々のバトルに勝利する。その速さと珍しさから「秋名のハチロク」ともいわれている。「プロジェクトD」ではダウンヒル(下り)担当。トレノは初期型1983年式3ドアGT-APEXだが、インパネ内のデジタルメーターが前期型GTVのアナログメーターに変更されている(物語後半ではワンオフメーターパネルに変更されている)。
好きなものは新緑の季節とハチロクのおしりと昼寝で、嫌いなものは威張っている奴と負ける事と遊んでる女の子である。
運転免許を所持していない13歳の中学生のころから、父・文太に無免許運転で豆腐の配達を命じられ秋名山を走り込み、同年代のライバルより運転歴も長い。また、積んでいる豆腐を壊さないために始めた紙コップに入れた水をこぼさない走りによって、車の荷重移動を駆使する技術にも長けている[17]。また、配達帰りは「早く帰ろう」という思いで秋名の下りを攻めていたため、優れたブレーキング技術も身に付けている。年中走りこむため、雨・雪など様々なコンディションも苦にしない。すべてのコーナーを四輪ドリフトで走破し、高橋涼介が提唱する「公道最速理論」の完成形に限りなく近いドライバーと言わしめるほど神業的なテクニックを持っており、その走りは仲間や数多くのライバル達を魅了。「ハチロクなんかアウト・オブ・眼中」とまで言い切っていた唯我独尊の岩城清次ですら、敗戦後には赤城山で須藤京一とのバトルに挑み、エンジンブローで敗退した拓海の姿に「当然の結果」と納得しつつも「それでも何かを期待していた。あのハチロクだからか」ともらし、わずかではあるが心境の変化を見せている。本人曰く「走る事は顔を洗うのと同じ日常」であるという。また、よく作品紹介で父・文太から英才教育を施されたと紹介されるが、彼から手取り足取り教わった訳ではなく、あくまで自己流で身に付けたテクニックでドリフトも配達の気晴らしでやりだしたことであり、溝落としにおいても雪で滑らない方法として自身で発想した物である(文太本人も「最初は豆腐の方が重要だった」と語っている)。そのためドリフトの初歩でもあるサイドブレーキを活用した走行は出来ない(やったことがない。)[18]。
本人はいつも乗っているハチロク以外の車の運転はできないと語っているが、武内樹のAE85で妙義ナイトキッズのS13とSW20[19]を溝落としで抜く、池谷浩一郎のシルビアや塚本の180SXを本来のスペック以上のスピードで走らせてみせる、それまで乗ったことがないハイパワーターボの4WDである文太のインプレッサを初試乗ながらそれなりに走らせてしまうなど、コツさえ掴めばどんな車も乗りこなしてしまう天性のドライビングテクニックの持ち主である。その腕前は同乗したことのある池谷は「下手にスポーツドライビングの心得があると心底ビビる[20]」と語っている。その証拠か走りと無縁な茂木なつきや上原美佳は拓海の走りに怯えたことが無い。
当初、普通の運転以外の車の知識は皆無に等しかったが、それゆえに文太の手により新調されたハチロクのレース用エンジン[21]に順応することがなかなかできなかったことや秋山渉と出会ったときにその点を批判されたこともあり、「プロジェクトD」加入後、メカニカル部門も勉強中[22]。城島戦後は、父・文太のインプレッサにも乗ってワンハンドステアの練習をするなど、ドライビングテクニックをさらに磨いている(ただし、初めてのインプレッサ試乗では、その性能の凄まじさにハチロクに絶望しかけるほどの衝撃を受けた)。
搭乗するハチロクへの愛着も物語序盤ではほぼ無く、AE86型スプリンタートレノ=ハチロクであることさえ知らなかった。
樹や池谷には「商売で使っている古いトヨタのクルマ」(First Stageでは「トヨタの」の部分は無い)、なつきには「商売で使っているボログルマ」、文太との会話の最中での内心では「あんなボロ」とも言っている。
だが庄司慎吾とのバトルの中で破天荒な走りをしてキズを付けた時には激しく落ち込み、ボディが汚れているのに気付いた時(First Stageだと雨の妙義で中村賢太とバトルした後日)には洗車したりと徐々に愛着が芽生えていく。
須藤京一との初対戦でエンジンブローが起こった時は自責の念から涙を流した。
この出来事の後あたりからそれまで「クルマ」と呼んでいたのが「ハチロク」に変わっていく。
得意技
- 溝落とし[23]
- 道路の排水用の溝にイン側のタイヤをわざと落とし、引っ掛けるようにして遠心力に対抗し、通常より高い速度でコーナーをクリアする。状況によって道路の段差などでも使用する事がある(これは「変形溝落とし」とも呼ばれる)。タイヤを落とすタイミングと溝から出すタイミングを調整することで、「突っ込み重視」や「立ち上がり重視」など状況に応じて使い分けることができるが、あまりに多用するとサスペンションに負担をかけ、失敗すると破損する恐れもある諸刃の剣である。実際、パープルシャドウの城島俊也戦において変形溝落としを失敗し、サスペンションが壊れて実質敗北の状況に陥ったことがある。
- 溝またぎ(インホイールリフト)
- フタがない側溝があるコースで使用する技。コーナリング中にさらにアクセルを踏み込むことで車の荷重をリアに集中させ、その瞬間に浮いたフロントで側溝をまたぎ、側溝の向こう側までもイン側の路面として使用する。こうすることでより広くイン側を使うことができるが、極めてシビアなアクセルコントロールを必要とし、見よう見まねで実行した末次トオルはフロントから荷重を抜ききれずに側溝にタイヤを取られて横転する憂き目に遭っている。
- ガードレールの反動を利用したドリフト
- 庄司慎吾とのバトルにおいて、危険なプッシングをかけられてキレた拓海が繰り出したドリフト。あくまで片手をハンドルに固定するガムテープデスマッチと言う状況下でキレた拓海が無意識でやったことで得意技ではない。クラッシュしない程度のオーバースピードのまま、横向きにコーナーに突っ込み、リアをガードレールに当てる。その反動で斜め横を向いた姿勢を維持したままストレートを突っ切り、次のコーナーに突っ込む。ダーティな走りを得意とする慎吾をして「あのハチロク、何か変だ」とまで言わしめた。車体に大きな擦りキズをつけてしまい、文太に咎められた[24]。
- ブラインドアタック
- 後追い中にヘッドライトを消灯し、自身の居場所を見失わせて敵の虚を突く。消灯している最中は「敵車のライトの先」を見てコースを頭に描きながら走る必要があり、自車の直前の情報が不足するために大変危険な技である。東堂塾OB・舘智幸とのバトルの最中、「消えるライン」を受けたことからヒントを得、「見えなければいい」と半ば破れかぶれになって編み出したことが最初で、再び抜かれたことから繰り出した「完全ブラインドアタック」をはじめ、以降は埼玉北西エリア連合・坂本に対する「雨中のブラインドアタック」、パープルシャドウ・城島俊也に対する「ブラインド溝落とし」と、数種類のパターンが存在する[25]。拓海本人としては「つい楽をしてしまうので、あまり多用したくはないが(進路妨害をされたりすると)反射的に使ってしまう」と語っている。後に目くらましだけではなく、リトラクタブルライトであるトレノのヘッドライトを下げて少しでも空気抵抗を減らし速くしたい[26]気持ちの現れであり[27]、そして拓海自身が際も集中力を高める[28]為の走行として昇華している。
- 藤原ゾーン
- 「他の車とドライバーならどうしてもオーバースピードの状況でも、拓海とハチロクの組み合わせなら行けてしまう」という現象に対して、高橋涼介が命名した。その具体的な理論については涼介でさえも説明がつかない。後追い中の車からこれを見ると、ハチロクが一瞬ふら付いた後、残像を残してコーナーの先へ消えていくように見える。R.TカタギリS.Vの小柏カイは後追い時にこれを目撃し、終盤のレイトブレーキング勝負においてオーバースピードで車をスピンさせてしまう。チーム・スパイラルの奥山広也に至っては、霧の中を猛然と攻める拓海に全く追いつけず完敗した。
対戦成績
連戦連勝を果たしているが、現在までに拓海が敗北したのはエンペラーの須藤京一と、父・文太の二人だけ(京一戦はエンジンブローによる続行不能)で、二人の乗る車はランエボとインプレッサで、いずれもWRCでのラリーカーベースとなった軽量かつ高スペックの4WD車である。特に京一戦の時は、拓海は「ある事情」で心を乱していた上、原作では塚本の車で少し攻めただけの(アニメ版においてはカットされているため一度も走ったことがない)赤城をいきなり走るという、極めて無謀なものであった。ただし、拓海は「もし秋名でバトルしても勝てなかった」とも言っている。
前述のとおり敗北は2戦とされているが、他に高橋涼介には勝利こそしているものの、その理由に涼介が本来自分のスタイルではない走り方(拓海のコピー)をしてタイヤに疲労を蓄積させた点[29]があり、本人は涼介に勝ったという実感を持っていない。それはプロジェクトD開始後も、涼介のナビシートに乗せられたときに再度実感しており、文太同様のコンプレックスを見せている。また、いろは坂で須藤に対してリベンジした際も、結果としては勝っているが、本人は「公平にみたら引き分けだろうな」と述べている(拓海はこの結果に満足している)[30]。
「負ける寸前だったが運で勝ちを拾った」といえるバトルも散見され、エンペラーの岩城清次戦では清次のテクニックに加え、ランエボの性能の高さの前にかなりの苦戦を強いられた[31]。勝負自体は清次の半ば自滅で勝利したものの、「勝った気がしない。これが(勝手知ったる)秋名以外の場所だったら負けてた」とその心境を吐露している。東堂塾の舘智幸戦では終始テクニックで圧倒され、ラインも完全にブロックされてしまい絶体絶命の状況だったが、道路に飛び出してきたイタチらしき動物を舘が思わず避けてしまった[32]瞬間を捉えてパスし、極めて僅差で勝利している。埼玉北西エリア連合の坂本戦ではラリーストである坂本のテクニックとカプチーノの恐るべきコーナリングスピードに「思考停止」状態に陥り、涼介も「晴れていたら取られていた」と語るほどの苦戦だった。パープルシャドウの城島俊也戦でも、溝落としやブラインドアタックを駆使してもなお追いつけないほどの速さを見せ付けられ、終盤の溝落とし失敗でサスペンションを壊した拓海が離され始めた直後、持久戦の疲れと連日の猛暑で体調を崩した城島がリタイアしてしまったことで得た勝利だった[33]。最終戦の乾信司戦では前半は信司の独特の走行ラインをコピーし圧倒するもタイヤに負担がかかり、かつての涼介戦のように今度は逆に自分が苦しむ事になる。ブラインドアタックにて相手を抜くも最終コーナーに突入際にブラインドアタックを解除した瞬間、本来の最高回転数を超えた12000回転以上のオーバーレブ[34] によりエンジンブローを引き起こしスピンし信司も避けようとスピン、拓海は冷静にスピンからバックの状態で立て直しそのままバックで転がりゴール、最後は涼介の言ったドッグファイトの経験値の差で極めて僅差で勝利する。
エンジンブローしたハチロクは原作では廃車、アニメ版では拓海が文太に頼み、家の駐車場に保管していいという許可を得た。
なお、非力なハチロクでGT-RやRX-7と互角に渡り合えたのは、峠の下り道という戦場が大きく影響している。峠道は地図を見れば分かるように、登坂し易くするために細かいカーブが連続する構成になっている。エンジンが最高潮に達するよりも前にブレーキを強いられるので馬力や高速性よりも、ブレーキング性能や旋回性能、立ち上がりの加速性のほうが重要になる。こうなれば、多少の馬力の差があってもドライバーの腕で補うことができる。ただし、この条件があってようやく、ハチロクが他車とのスタートラインに立てるというだけであって、有利という訳ではない。GT-R相手では、パワーはあっても車重が重いので充分に立ち向かえたが、パワーがあって重くないランエボ相手では苦戦を強いられることになる。また、坂本のカプチーノに苦戦させられたのも、旋回性能がハチロクよりもカプチーノのほうが上回っていたからである。
性格
武内樹とは長きにわたる親友であり、学生時のアルバイト仲間でもある。樹のお調子者な言動に時に振り回されたり、あきれつつも、他の誰にもいえない悩みや思いを樹に相談するなど、樹を心から信頼していた。普段は何事にも無気力・無関心で、やや天然ボケ気味の一面をのぞかせるが、他人の指図を受けることを嫌い、自分の考えをしっかり持っており、決めたことは曲げない頑固な一面も持っている。父・文太譲りの負けん気が強く、本気で怒らせると怖いエピソードがいくつかある。文太は、「ガキのくせに変に頑固ジジイみたいなところがあって、一度意地になるととことん片意地を張る癖がある。おまけにそういう時に限って態度と内心はあべこべだったりする」と茂木なつきに話している。
例えば、高校時代には当初サッカー部に所属していたが、先輩・御木が当時部のマネージャーをしていた茂木なつきに手を出し、そのことを他の部員に自慢していることに腹を立て、自分の拳の骨が折れるほど殴り倒して部を辞めている。またナイトキッズの庄司慎吾戦では、故意にぶつけられてスピンさせられたことに逆上、セオリーを大きく外れたライン(時にガードレールにぶつけながら)で、恐るべき速さで猛追して抜き去った。当初バトルする気のなかったナイトキッズの中里毅戦では、その性格をバイト先の店長・立花祐一に逆手に取られ、バトルするようにそそのかされている[35]。
情に厚いところもあり基本的に自分のことを悪く言われても怒ることはほとんどないが、樹のレビンを馬鹿にして樹を笑いものにした妙義ナイトキッズ[36]のメンバーの態度に激怒し、そのレビンに乗って妙義ナイトキッズの面々をごぼう抜きにしたりするなど、自分の友人を馬鹿にする人間には容赦がない(その前にも同様の行動をとった池谷や健二を睨んだりもしていた)。特に、庄司慎吾が自分とバトルさせるために池谷のS13をスピンさせ危うく事故らせようとし、さらにアニメ版では沙織とのデート帰りの樹のレビンを襲撃し、レビンを事故らせたあげく樹を病院送りにしたことを知ったときには、普段の拓海からは想像もできないほどの悪鬼のような形相で憤慨していた上、その後その件に起因し沙織が樹をフったことをなつきに聞かされたときも樹のことを想うようなリアクションを見せた。
元々走り屋として腕を磨いてきたわけではなかったために当初は走り屋としてのプライドやモチベーションや知識に乏しく、樹や池谷らが盛り上がっている中、話題についていけなかったり、さまざまな要因からモチベーションを著しく下げてしまう姿も度々見られた。
文太の影響で中年男性に対するコンプレックスを持っており、パープルシャドウの城島俊也の走りには、雰囲気が「インプレッサを転がしてるどこかのクソオヤジ(=文太)とそっくり」と苦手意識を顕にしていた。
登場時は恋愛には非常に疎く、本人もほとんど女子に興味を示すことはなかったが[37]、高校時代には最終的になつきと付き合う一方で、彼女の親友でもある白石にも好かれていたあげく、インパクトブルーの沙雪にも気に入られ、第2部では美佳と付き合っていることになっていたり[38]と、女の子からの人気は実際相当なものである(真子曰く「癒し系の顔」)。第一部の後半では、拓海のいるクラスの中で「かっこいい男子No.2」にも選ばれた(高校生時は樹といることが多く、なつき以外に特に仲の良い女子がいたというわけではない)。樹はこの結果には不満気であった(樹自身は得票数ゼロで入賞圏外といわれていた)。しかし、本人は大の初心で奥手な上に非常に鈍感(第2部ではいくらか改善されている)。なつきとのデート中に揺れるなつきの胸元を見て頬を赤らめたり、階段で樹とパンチラを見て赤面したり、なつきからのお誘いに赤面したりするなど年相応な純情な一面もある。なお、自分の夢を美佳に語った際になつきにも同じことを語ったことがあるにもかかわらず「誰にも言っていない」と発言する一面も見られた。
また、高橋涼介に対しては「なぜかアガっちゃうんだ」と、容姿端麗な涼介を見て赤面したこともある。
自宅が貧乏だと感じており[39]、中学生のころ樹の家に招待され晩御飯が出された際には御馳走だと喜んでいた(樹はこれが普通だと語っていた)。
未成年ということもあるが、原作では数少ない非喫煙者である(同級生の樹はたばこを持っているシーンが1シーンだけ存在する)。また、お酒などのアルコールが苦手らしい[40]。ただしアルコールを受け付けないわけではなく、プロジェクトDの解散式では酔いが回って上機嫌になり、啓介の「俺と藤原のどちらが本当に速いか、インプレッサ[41]とFDでバトルしよう」という言葉に対し「啓介ひゃんには悪いけど、インプレッサじゃ速すぎて勝負にならないれすよ」と答えて啓介を怒らせ、天然ボケに拍車をかけた生意気な一面を見せた。
本編終了後
48巻に収録されている『拓海外伝』では「後に世界のフィールドで頭角を現し不世出の天才と呼ばれるようになる男」と語られていたが、しげの秀一の次作『MFゴースト』では、プロジェクトD編終了後の拓海について語られる場面がある。
プロジェクトD解散後、20歳で単身イギリスに渡り、同国内のラリーで頭角を現す。その後タイトルを何度も獲得し、やがてWRC(世界ラリー選手権)にもスポット参戦する。特にターマック(舗装路)での速さに定評があり、イギリスで「フライングジャン(空飛ぶ日本人)」の異名を取るまでに有名なラリードライバーとなる。
その後トヨタ自動車とプロドライバーとして契約を結び、WRCのフル参戦体制が整うものの、シーズン前のマシンテスト中にドライブシャフトが破損、コントロール不能になったマシンごと谷底に転落し大怪我を負う。それにより長期入院とリハビリを強いられ、後遺症によりプロドライバーとしてのキャリアを絶たれてしまい「悲運のラリースト」と呼ばれるようになる。しかし、イギリスの名門レーシングスクールの講師に転身し、『MFゴースト』の主人公となるカナタ・リヴィントンを鍛え上げた。
脚注
- ^ 序盤では14インチ、エンジン換装後に15インチに変更されている。
- ^ プロジェクトD編の途中で取り外されている。
- ^ アニメや実写版、アーケードステージではカーボンリトラカバーを装着しているが、原作者が所有していたAE86トレノのリトラカバーはバンパーと同色に塗装したものである。このため正式な拓海仕様はリトラカバーをバンパーと同色に塗装したものと思われる。
- ^ 原作ではこのハッチを装着しリアワイパーは取り外されるが、アニメ版ではリアワイパーが付いたままになっている。
- ^ 原作では警告灯が描かれていなかったが、アニメFirst Stage 15話で半ドアの警告灯が描かれていなかったためGTV用であると考えられる。また新劇場版では後期型アナログメーターが装着されている。
- ^ 序盤ではサンルーフ装着車用内張りであったが、次第に通常の内張りしか描かれなくなった。
- ^ 運転席のみ。また原作、アニメ版ではメーカーロゴが描かれていないが、形状からRECARO製SP-Gと思われる。
- ^ 政志は「文太に言われてレース用のタコメーターと水温計、油圧計を発注しておいた」と言っていたが、アニメ版では油圧と水温の両方を表示したメーターと油温計を装着していた。
- ^ アニメ版では13000回転スケール ウルトラステッピング風タコメーターが装着されている。
- ^ アニメ版ではイタルボランテのステアリングのまま変更されていない。なお原作48巻ではmomoステアリング製VELOCE RACINGが装着されている描写がある。
- ^ 原作4巻や10巻、アニメSecond Stageでエンジンルームの中が描写されるがエンジンの外観自体はフルノーマルのものと同じ。作中はおろか資料類でもエンジン以外も含めスペックは明かされていない。2巻で涼介が「よくて150馬力ぐらいで、ラリー用のクロスミッションを組んでいる」と推測、7巻では「正体不明のあやしいエンジン MAX馬力(たぶん150くらい)」、8巻では「140馬力も出せばかなりがんばってる方」と記載があるのみ。公式ガイドブック『ドリドリドライバーズテキスト』ではAE92後期型純正程度のハイコンプピストン、トルク重視のハイカム、フルバランス取り、レブリミッターカット(原作やアニメFirst stageでは純正タコメーターのスケールギリギリの8000回転まで回してるがSecond stageでは7000回転半ばで頭打ちになっている)といった定番のライトチューン程度だろうと推測されている。作者自身も『疾走の記』のロングインタビューで「市販の範囲でマックスに仕上げたもの」、「あの頃のハチロクのエンジンは全然大したことない」と語っている。
- ^ エンジン換装直後はウェーバー製キャブレターを装着していたが、プロジェクトD編以降で描写されるエンジンルームには4連スロットルを装着している。
- ^ メカニカル式可変バルブタイミングシステム「VVT」を取り外している。グループA初年度のエンジンと同じく11000回転まで回せる超高回転エンジンで、こちらも正確な馬力は明かされていない。涼介の台詞に「240馬力をしぼり出すユニット」とあるが同時に「公道用にデチューンされているんだろう」ともあり、240馬力出ているとは限らない。ただし実写版では文太が250馬力と明言している。『プロジェクトD伝説』では200馬力ぐらいと書かれている。ビデオオプションの企画で製作され、水戸納豆企画で活躍した飯田章の所有するAE86レビンにはAE101グループA仕様のエンジンが搭載されており、217馬力を発生していた。頭文字D BATTLE STAGE 特別編にてアニメの監修を務めている土屋圭市が「俺のマネ、海外で500万出せば買える」、「1万回転以上回せるがスピードは出ない」とコメントしているが、そのエンジンはグループAのエンジンではなくフォーミュラアトランティックのエンジンである。尚、作中ではグループA仕様と説明されているが、チューニングの内容的にはJAF N2仕様に近い。パープルシャドウ戦後にエンジンの耐久性、戦闘力の両面を追求するため涼介と松本の判断で中間トルクを太らせフラットなパワー特性に変更し、レブリミットを9000回転に設定している。
- ^ 番外編「拓海外伝」にて、拓海の誕生日が春にある事が記されている。また、物語全体の序盤の時点で18歳になっている為、3月生まれではない事、「拓海外伝」の序盤で拓海の通っている中学校の始業日は過ぎており、拓海の誕生日ではないが、誕生月に入っているので、始業日以前と各月1日は誕生日ではない。
- ^ 週6日で月12万稼いでいたとのこと。
- ^ なお、父・文太の豆腐屋を継ぐことは考えておらず、樹にそのことを聞かれた際には「たぶんおやじの代でつぶれるよ」と述べている。ただしアニメ版においては、文太に豆腐の作り方を尋ねたところ、「お前の好きな道を行け」と、後を継がなくともいい旨を告げられている。
- ^ しかし、乗り始めた最初の頃はノロノロ走っていてもパシャパシャよく水を零していたとのこと
- ^ おまけ漫画のドリフトの紹介では描かれている。
- ^ アニメではS13と180SX。さらにナイトキッズではなくSecond Stageでエンペラーに挑まれた「THUNDERS」のメンバーになっている。
- ^ これまで拓海に同乗した人物は例外なく拓海の運転技術に度肝を抜かれており(池谷浩一郎、武内樹、塚本、秋山渉、史浩)、ハチロクに同乗した池谷や拓海の運転する180SXに同乗した塚本に至っては途中で失神している(逆にリアシートに乗っていたなつきは楽しんでいた)。城島戦後のハチロク修理で引渡しの際に同乗した史浩曰く「『ここが秋名で、運転しているのが藤原拓海である』と頭の中で念仏のように唱えていないと神経がもたない」
- ^ 須藤京一との初対戦時にブローしたため。
- ^ 連載初期ではスプリンタートレノの生産メーカーをマツダと間違えたり、ハチロクという単語が何を示しているのか分からなかったり、DOHCのことを「DOCO」と言ってしまうほどであったが、樹のハチゴーターボお披露目の際は足回り系の弱さを指摘しており、樹たちを驚かせていた。
- ^ 一見破天荒な技に思えるが、現実世界でもWRCでは普通に使われているテクニックである[1]。拓海は「溝落とし」と呼び、文太は「溝走り」と呼んでいる模様。なお、作中では高橋涼介も対拓海戦の際に拓海の走行ラインのコピーで使用している。
- ^ しかし、その後のプロジェクトD編ではたびたび壁にバンパーを接触させているが、咎められてはいない模様。
- ^ 相手がバックミラーを無視している場合でも、コーナー入り口では再点灯時に前方の光量が変化するため相手のミスを誘う効果がある(相手からはあたかも対向車のヘッドライトが現れたように見える)。
- ^ 実際にリトラの弱点として空気抵抗と重量はしばしば問題視され、それらの解決を目論んだサードパーティー製固定式ヘッドライトも存在する。作中でも高橋啓介のFD3Sは茨城戦以降固定ライト化された。
- ^ 頭文字D 47巻より。
- ^ しかし神奈川最終戦の終盤ではあまりにも集中しすぎていたためにオーバーレブに気づくことができず、結果としてエンジンブローの原因になってしまった。
- ^ 涼介がこのような走りをした理由は「高い走行技術を持つ拓海に対してストレートで引き離しては意味がない、あくまで相手の得意分野でねじ伏せる」という走り屋としてのプライドであった。実写版ではタイヤの消耗度の差はパワーの差からくるタイヤへの負担であることを示唆する文太のセリフがある。
- ^ 須藤自身も「あの時(2回目の対決)は、自分らしくもなくクリーンな戦いを挑もうとしたから、負けた」と語っている。
- ^ このバトルで初めて拓海は「車の能力の差」とはどういうことなのかを痛感した。その時点の拓海曰く「今まで戦ってきた相手の中で一番速い」。
- ^ このとき拓海はブラインド状態だったため見えていなかった。なお、ハチロクに轢かれることは無かった模様
- ^ ただし、冷静沈着な城島をそのような状況まで追い込んだのも事実であり、現にいかなる状況でもワンハンドステアリングを崩さなかった城島を、一瞬ではあるが両腕でステアリング操作をさせるまでに追い詰めた。
- ^ プロジェクトD加入後はエンジンの特性を徐々に変えており最終戦においてハチロクのエンジンの中間トルクを太くし9000回転レブ仕様であり、従来の11000回転まではオーバーレブの対策のアドバンテージとして組み上がっている。
- ^ かつては同じ手法で文太も何度かそそのかしたらしい。
- ^ アニメではナイトキッズではなくSecond Stageでエンペラーに挑まれた「THUNDERS」のメンバーになっている。
- ^ 一方、第2部では美佳に対して出会った直後から好意を示している。
- ^ キスシーンなどが描かれていたなつきとの関係と比較して描写は控えめで、ファミレスまたはゴルフ練習場でのデートシーンが主。2人のどちらとも海岸でデートをしている
- ^ 番外編「拓海外伝」では、帰宅した際に文太が集金を1週間延ばして欲しいと電話で頼んでいる様子を聞いているが、悪いのは文太ではなく貧乏であり、アフリカの恵まれない子供に比べれば幸せだと思っている。
- ^ 32巻より。未成年だが、飲酒シーンが存在する(ただしこれは拓海に限ったことではない)。
- ^ ハチロクはラストバトルでエンジンブローしたため、文太のインプレッサを借用してきた。なおハチロクは祐一によると廃車にすることが言及されているが(プロジェクトDの解散式にて史浩からエンジン載せ換えを提案している事からまだ廃車にはしていない)、アニメでは拓海の説得もあって残されている。