「東武70000系電車」の版間の差分
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間接照明を採用した13000系に対し、70000系は「室内のどこにいても明るく快適な車両」を目指し、直接[[LED照明]]を採用した{{Sfn|鉄道ファン|2017|p=57}}。シートの割り付けや[[スタンションポール]]の配置などは13000系と同様であるが、シートモケット地には、車体外板にも使用されている「エナジードット」柄が織り込まれており、一般席は赤色、優先席では青色の配色となっている。妻引戸のガラスには、沿線の代表的な風景([[隅田川]]と[[東京スカイツリー]]、[[東武動物公園]]など)をイラスト化したものが表されている{{Sfn|鉄道ファン|2017|p=58}}。客室扉の上部には、13000系と同様に、17インチワイド液晶の車内表示器が、それぞれ3つ搭載される。 |
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その他の相違点として、[[ドアエンジン]] |
その他の相違点としては、[[ドアエンジン]]が13000系は空気式を採用していることに対し、70000系は電気式が採用されていること、車両間の貫通扉は、13000系が各車両側に在るものの、70000系では片側のみにあること、また、13000系は、網棚のガラスに江戸切子をベースにした模様が刻まれていることに対し、70000系にはそれが無く、透明なものになっていること、さらに、13000系は間接照明を採用していることに対し、70000系は直接照明を採用していることなどが挙げられる<ref name="toyokeizai20170408-3">{{Cite web|author=小佐野景寿|url=http://toyokeizai.net/articles/-/166903?page=3|title=東武の新型車両70000系は何が画期的なのか (3/3)|work=東洋経済オンライン 鉄道最前線|publisher=[[東洋経済新報社]]|date=2017-04-08|accessdate=2017-08-10}}</ref>。 |
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ファイル:東武70000系 一般席モケット.jpg|70000系のシートモケット。一般席ではエナジードット柄に赤色を纏う。 |
ファイル:東武70000系 一般席モケット.jpg|70000系のシートモケット。一般席ではエナジードット柄に赤色を纏うデザインとなっている。 |
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ファイル:東武70000系 優先席モケット.jpg|優先席 |
ファイル:東武70000系 優先席モケット.jpg|優先席のみは青色の配色で、一般席と区別が容易になるモケットとなっている。 |
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2020年6月13日 (土) 18:24時点における版
東武70000系電車 | |
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71710編成(2019年12月) | |
基本情報 | |
運用者 | 東武鉄道 |
製造所 | 近畿車輛 |
製造年 | 2017年 - 2020年 |
製造数 | 112両[1] |
運用開始 | 2017年7月7日 |
投入先 | 中目黒駅 - 南栗橋駅間 |
主要諸元 | |
編成 | 7両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 |
|
設計最高速度 | 110 km/h |
起動加速度 | 3.3 km/h/s |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 1,035人 |
車両定員 |
|
自重 |
Mc1=34.3 t M1=33.2 t M2=32.9 t M3=35.1 t M2'=33.2 t M1'=33.1 t Mc2=34.5 t |
全長 |
|
全幅 | 2,780 mm |
全高 |
|
車体 | アルミニウム合金 |
台車 | ボルスタ付きモノリンク式片軸操舵台車 SC-107 (TRS-17M) |
主電動機 | 永久磁石同期電動機 (PMSM) 全閉自冷式 SEA-535 |
主電動機出力 | 205 kW |
駆動方式 | WN継手式平行カルダン方式 |
歯車比 | 109:14 (7.79) |
編成出力 | 2,870 kW |
制御方式 | Si-IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | 三菱電機製 MAP-214-15V284形、MAP-216-15V286形 |
制動装置 | ATC連動電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)純電気ブレーキ |
保安装置 |
東武70000系電車(とうぶ70000けいでんしゃ)は、2017年7月7日に運行を開始した東武鉄道の通勤形電車である。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・日光線と東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線との直通運転用車両として、20000系・20050系・20070系の置き換えもひとつの目的として製造された。 2017年10月、グッドデザイン賞を受賞した[2]。 ただし、本項では派生形式の70090型電車についても記述する。
概要
これまで日比谷線乗り入れ用車両として充当されてきた20000系・20050系・20070系には全車3扉車編成と一部5扉車編成が混在しており、それによってホームドア設置の支障や乗客の混乱を招いていたため、その対処を主な目的として製造された[3][4]。また、東京メトロでもほぼ同一仕様の13000系が導入されており[5]、車両置き換えが完了した時点で日比谷線の各駅にホームドアを設置する予定としている[3]。
日比谷線内に半径200mを切る急カーブが多数存在していたことから、本形式の導入まで、東武本線の日比谷線への乗り入れには18m級の専用車両が充当されてきたが、測定機器を用いて日比谷線の再計測を行った結果、20m級車両を導入しても弊害がないことが確認され、本系列では20m級7両編成を採用された。(東京メトロ13000系も同様)。70000系と東京メトロ13000系の導入によって東武スカイツリーラインを走行する車両が20m級車両で統一されることから、東武スカイツリーラインでもホームドアを導入する計画があることを、東武鉄道広報が取材に対して言及している[5]。
製造は、東京メトロ13000系と同じく、近畿車輛が請け負っている。近畿車輛製の車両が東武鉄道に導入されるのは、本事例が初めてである[6]。
なお、以下の本項目において「13000系」と称する場合には、それを東京メトロ13000系電車について指すこととする。
構造と性能
前述の通り、多くの仕様において13000系と共通であることから、東京メトロ13000系電車#構造と性能も参考とされたい。
車体
13000系同様の、軽量かつリサイクル性に優れたアルミ合金のダブルスキン構造・レーザー・MIGハイブリッド溶接としている[7]が、無塗装の13000系に対して、70000系では20000系の帯色であるマルーンを2つの原色に分け、昇華させた「イノベーションレッド」と「ピュアブラック」の2色の帯をまとう[4]。前頭部のデザインも直線的な13000系と異なり、前面下方が後方に折れ曲がったものを採用しており、前照灯のデザインも大きく異なる[8]。
電源・制御機器
電動機や制御機器類は13000系と同じものが用いられ、主電動機には1時間定格205kWの永久磁石同期電動機 (PMSM) を採用[9]することにより、20050系と比べて約25%の消費電力が削減される。
ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを搭載している[10]。
台車
車体に装備される台車は、13000系と同じく、車両の車端側を電動機を搭載した電動軸、車両の中央側を付随軸とし、付随軸は、曲線走行時においてレールと車輪から発せられる騒音を低減するため、輪軸の向きを変えられる自己操舵軸とした操舵台車が採用される[9]。台車のメーカー形式はSC-107で、東武鉄道社内の独自形式は「TRS-17M」である。
内装
間接照明を採用した13000系に対し、70000系は「室内のどこにいても明るく快適な車両」を目指し、直接LED照明を採用した[11]。シートの割り付けやスタンションポールの配置などは13000系と同様であるが、シートモケット地には、車体外板にも使用されている「エナジードット」柄が織り込まれており、一般席は赤色、優先席では青色の配色となっている。妻引戸のガラスには、沿線の代表的な風景(隅田川と東京スカイツリー、東武動物公園など)をイラスト化したものが表されている[9]。客室扉の上部には、13000系と同様に、17インチワイド液晶の車内表示器が、それぞれ3つ搭載される。
その他の相違点としては、ドアエンジンが13000系は空気式を採用していることに対し、70000系は電気式が採用されていること、車両間の貫通扉は、13000系が各車両側に在るものの、70000系では片側のみにあること、また、13000系は、網棚のガラスに江戸切子をベースにした模様が刻まれていることに対し、70000系にはそれが無く、透明なものになっていること、さらに、13000系は間接照明を採用していることに対し、70000系は直接照明を採用していることなどが挙げられる[12]。
車内放送は久野知美によるものでで、久野氏は出発式にも出席した[13][14]。
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70000系のシートモケット。一般席ではエナジードット柄に赤色を纏うデザインとなっている。
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優先席のみは青色の配色で、一般席と区別が容易になるモケットとなっている。
運用
当初、営業運転開始時期を2017年6月上旬と予定していたが[15]、実際はそれに遅れて東武スカイツリーライン・日光線及び乗り入れ先の東京メトロ日比谷線での営業運転を、ともに同年7月7日から開始することになった[16][17]。
70090型
2019年3月26日、東武鉄道は、日比谷線直通列車に有料着席サービスを導入し、これに対応したマルチシート車両として70090型を2020年度に導入することを発表した。[18]さらに、同年12月19日には、列車名を「THライナー」とすること、及び当該ライナーサービスを2020年6月6日から開始させることを発表した[19](普通運用は2020年3月20日から開始した[20])。東武鉄道でのマルチシート車は50090系に次ぐものであり、2019年度までに投入される70000系22編成のうち4編成が当該列車に充当され、[21]2020年度には2編成増備されたのをもち、同形式の配備は完了した。 現在は、71791Fから71796Fまでの6編成体制で、THライナーや普通運用として運転されている。
脚注
出典
- ^ 車両紹介|鉄道事業|東武鉄道
- ^ "東武スカイツリーライン・東京メトロ日比谷線直通新型車両70000系が「2017年度グッドデザイン賞」を受賞" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 4 October 2017. 2018年2月1日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ a b "東京メトロ日比谷線、東武スカイツリーラインに新型車両を導入します ‐日比谷線・東武スカイツリーライン新型車両を導入し、日比谷線にホームドアを設置‐" (PDF) (Press release). 東京地下鉄/東武鉄道. 30 April 2014. 2019年12月2日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ a b 鉄道ファン 2017, p. 55.
- ^ a b 栗原景 (2014年7月26日). “君は日比谷線の新型車両を知っているか 東京メトロと東武鉄道が2016年度から導入”. 東洋経済オンライン 鉄道最前線. 東洋経済新報社. 2014年8月3日閲覧。
- ^ "東武鉄道株式会社殿東武スカイツリーライン新型車両(東京メトロ日比谷線相互直通運転車両)の製作者に決定しました" (Press release). 近畿車輛. 17 June 2015. 2020年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月2日閲覧。
- ^ 鉄道ファン 2017, p. 56-57.
- ^ 鉄道ファン 2017, p. 56.
- ^ a b c 鉄道ファン 2017, p. 58.
- ^ 鉄道ファン 2017, p. 59.
- ^ 鉄道ファン 2017, p. 57.
- ^ 小佐野景寿 (2017年4月8日). “東武の新型車両70000系は何が画期的なのか (3/3)”. 東洋経済オンライン 鉄道最前線. 東洋経済新報社. 2017年8月10日閲覧。
- ^ “伊勢崎線~日比谷線、新時代へ 東武の新型電車70000系が7月7日、出発進行!”. 乗りものニュース. メディア・ヴァーグ (2017年7月7日). 2017年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月4日閲覧。
- ^ 上新大介. “東武鉄道70000系、日比谷線直通の新型車両デビュー! 初運行は北越谷駅から”. マイナビニュース (マイナビ). オリジナルの2018年3月4日時点におけるアーカイブ。 2018年3月4日閲覧。
- ^ “東武鉄道、新型70000系公開 沿線風景をデザイン、6月から運転”. 埼玉新聞 (2017年4月13日). 2017年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月27日閲覧。
- ^ 鉄道ファン 2017, p. 61.
- ^ "東武スカイツリーライン・東京メトロ日比谷線直通新型車両「70000系」7月7日(金)運行開始" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 22 June 2017. 2017年10月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ "東武線・東京メトロ日比谷線相互直通列車に有料着席サービスを新たに導入します! 〜東武鉄道70000系をベースとした新造車両「70090型」を導入予定〜" (PDF) (Press release). 東武鉄道/東京地下鉄. 26 March 2019. 2019年3月30日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ "2020年6月6日(土)東武鉄道・東京メトロダイヤ改正 東武線・日比谷線相互直通列車に初の座席指定制列車「THライナー」が誕生!" (PDF) (Press release). 東武鉄道/東京地下鉄. 19 December 2019. 2019年12月19日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ “東武70090形営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp. 鉄道ニュース. 交友社. 2020年4月10日閲覧。
- ^ "2019年度鉄道事業設備投資計画について" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 26 April 2019. p. 4. 2019年8月22日閲覧。