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住民は[[メスティーソ]]が487‰と最多である。次いで、17世紀から18世紀に[[アフリカ]]から[[奴隷]]として連れて来られたアフリカ系[[黒人]]がルーツの{{仮リンク|ベリーズ・クレオール|en|Belizean Creole people}}が249%を占める。以下、[[マヤ族]]が10.6%、[[西インド諸島|カリブの島々]]から来た黒人と[[カリブ族]]の混血の[[ガリフナ]]が61%、その他では[[華人]]や[[白人]]などが9.7%である。
住民は[[メスティーソ]]が487%と最多である。次いで、17世紀から18世紀に[[アフリカ]]から[[奴隷]]として連れて来られたアフリカ系[[黒人]]がルーツの{{仮リンク|ベリーズ・クレオール|en|Belizean Creole people}}が24.9%を占める。以下、[[マヤ族]]が10.6%、[[西インド諸島|カリブの島々]]から来た黒人と[[カリブ族]]の混血の[[ガリフナ]]が61%、その他では[[華人]]や[[白人]]などが9.7%である。


=== 言語 ===
=== 言語 ===

2021年9月18日 (土) 10:22時点における版

ベリーズ
Belize
ベリーズの国旗 ベリーズの国章
国旗 国章
国の標語:Sub Umbra Floreo
(ラテン語: 木陰の下で栄える)
国歌Land of the Free(英語)
自由の地
ベリーズの位置
公用語 英語
首都 ベルモパン
最大の都市 ベリーズシティ
政府
女王 エリザベス2世
総督 フロイラ・ツァラム英語版
首相ジョニー・ブリセーニョ
面積
総計 22,966km2147位
水面積率 0.7%
人口
総計(2019年 408,487 (推計)人(176位
人口密度 14.1人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2013年 32億[1]ベリーズ・ドル
GDP(MER
合計(2013年16億[1]ドル(166位
1人あたり xxxドル
GDP(PPP
合計(2013年28億[1]ドル(166位
1人あたり 8,013[1]ドル
独立
 - 日付
イギリスより
1981年9月21日
通貨 ベリーズ・ドルBZD
時間帯 UTC-6 (DST:なし)
ISO 3166-1 BZ / BLZ
ccTLD .bz
国際電話番号 501

ベリーズ(Belize)は、中央アメリカ北東部、ユカタン半島の付け根の部分に位置する英連邦王国の1国たる立憲君主制国家である。ハリケーンの被害を避けるため、ベルモパンに遷都した。なお、最大の都市は以前の首都であったベリーズシティである。北にメキシコと、西にグアテマラと国境を接し、南東にはホンジュラス湾を挟んでホンジュラスがあり、東はカリブ海に面する。

なお、カリブ海には島嶼部も存在し、サンゴ礁に恵まれ「カリブ海の宝石」と呼ばれている。ベリーズ最大の島はアンバーグリス・キーで、これ以外に、ユカタン半島の海岸線に沿って約450の離島を領有し、リゾート地として知られる。

国名

正式名称は、Belize[bəˈliːz] ( 音声ファイル)ーズ)である。国名の由来はマヤ語で「泥水」を意味する言葉から来ているとされている。

なお、スペイン語表記はBelice(ベリーセ)、日本語の表記はベリーズが用いられる。

旧称はイギリス領ホンジュラスBritish Honduras)だったが、独立前の1973年に改称された[2]

歴史

19世紀末のカリブ海沿岸地域の地図。

ヨーロッパ人のアメリカ大陸到達以前は、ベリーズを含むユカタン半島一帯はマヤ文明の領域に属していた。それがスペインによるアメリカ大陸の植民地化により、ベリーズはグアテマラ総督領の一部にされた。しかし、密林地帯の彼方にあったベリーズには統治が及ばず、17世紀以降イギリス人の入植地が形成されていった。一方で、1821年にはグアテマラが、ベリーズの領有権を主張した[2]

1862年にはカリブ海のジャマイカと共にイギリス領ホンジュラスを形成し、1884年にベリーズは単独の植民地に移行した。第二次世界大戦以降は独立に向けた動きが進んだものの、ベリーズの領有権を主張するグアテマラとの対立により難航した。1970年代後半にはグアテマラ軍と、イギリス軍が国境付近で対峙した[2]。結局、1981年にグアテマラがベリーズの独立を承認し[2]、ベリーズの独立が実現した。

  ベリーズ領のうち領土問題になっていない地域
  ベリーズが実効支配し、グアテマラが領土主張している地域
  グアテマラ領

しかしながら、植民地時代の統治による歴史的経緯や、熱帯雨林に覆われていたという地理的理由により、独立以降も周辺国との国境には未確定の部分が多く残った。

特にグアテマラとの国境問題は未だに解決されておらず、グアテマラはシブン川以南、ベリーズの領土の約半分を、自国の領土だと主張している。2008年12月8日に、両国は米州機構(OAS)の仲介で合意文書に署名し、係争を国際司法裁判所に付託すると最終的に合意した。グアテマラは2018年4月15日に国民投票を実施し、95.88パーセントの圧倒的多数で可決された。ベリーズも2019年4月19日に投票を行い、55.4パーセントの僅差で可決した[3]

政治

ベリーズの政治体制は、国王を元首とする立憲君主制国家である。現在のベリーズ国王はイギリス女王のエリザベス2世で、その代理人として実権の無いベリーズ総督がいる。総督は下院の第1党党首を首相に任命する議院内閣制である。

立法府である国民議会は、元老院(上院)と代議院(下院)の2院制である。上院の定数は12議席で、そのうち6議席を首相が、3議席を野党党首が、残り3議席を宗教団体などが議員を指名する。下院の定数は31議席で、国民の直接選挙で選ばれ、任期は5年である。2020年現在、下院に議会に議席を有する主要政党は人民統一党英語版(PUP)と統一民主党英語版(UDP)である[4]

なおベリーズは、中華民国(台湾)を承認している。

軍事

ベリーズ国防軍は陸軍のみから成る統合軍であり、2011年現在の現役兵は1050人である[5]。これ以外に、予備役として700人が所属する。国家安全保障省の下、国防軍と並列する組織に、沿岸警備隊、出入国管理局、国立科学捜査局がある。

この他にイギリス陸軍が30人駐留している。

気候

ベリーズの大部分は熱帯気候である。ただし、季節風の影響を受けるために雨季と乾季が存在し、例年2月か3月に最も乾燥する[2]

地方行政区分

ベリーズの郡の配置。

ベリーズは6つの郡(州とも表記される、英語: District)に分かれている。

  1. ベリーズ郡 - ベリーズシティ
  2. カヨ郡 - サン・イグナシオ英語版及びサンタ・エレナ
  3. コロザル郡 - コロザル英語版
  4. オレンジウォーク郡 - オレンジウォーク
  5. スタンクリーク郡 - ダングリガ
  6. トレド郡 - プンタ・ゴルタ

主要都市

ベリーズの主要都市の位置。

ベリーズ最大の都市は、旧首都のベリーズシティであり、2009年時点の人口は約6万6千人であった[2]。カヨ郡に存在する現在の首都のベルモパンは、2009年時点で約2万人が住んでいた[2]。度重なるハリケーンの襲来による首都の被害を避けるため、沿岸部から内陸部へと遷都した。なお、第2の都市はオレンジウォークである。

地理

中央アメリカにおけるベリーズの位置。
ベリーズ珊瑚礁保護区グレート・ブルー・ホール
ベリーズの標高。標高の低い土地が多いものの、南部に山岳地帯も見られる。

ベリーズは中央アメリカのユカタン半島の付け根付近の東側に位置する。オンド川に沿ってメキシコグアテマラと国境を接し、カリブ海に面している。カリブ海の沿岸部には多くの島々を領有している。また、世界第2位規模のサンゴ礁も見られる。

国土の大半は、未開発の熱帯雨林の原生林であり、沿岸部は湿地帯でマングローブの森が見られる[2]。ベリーズ国土の大半は標高の低い低地だが、南部にマヤ山脈がグアテマラの方向へと延びており、最高地点は標高1124 mのドイルズ・ディライトである。この地形を利用した水力発電が比較的盛んで、2008年時点で、ベリーズの総発電量200 MWhの8割以上を水力発電で作り出していた[5]

交通

かつては鉄道路線も存在したが、1937年に全て廃止された。一方で、次第に道路網は整備されつつある。

主要な空港としては、最大都市のベリーズシティ近郊にフィリップス・S・W・ゴールドソン国際空港が設置されている。また、島嶼部では船舶も利用される。

経済

最大の都市ベリーズシティ

ベリーズはカリブ共同体に加盟している。IMFの統計によると、2013年のベリーズのGDPは16億ドルである。1人当たりのGDPでは4619ドルであり、隣国との比較ではグアテマラやホンジュラスよりは高いものの、メキシコの半分以下の水準にある[1]

農業はベリーズの主要産業の1つで、主要な農作物は、サトウキビコメモロコシジャガイモ柑橘類バナナなどである。製糖業は盛んであり、砂糖は主要な輸出品の1つである。また、バナナの輸出も重要である。なお、豊かな森林資源も残る。

漁業も盛んであり、スパイニーロブスターは年間537 tの水揚げがある。なお、乱獲によって個体数の激減しているマグロを巡って、まぐろ類保存国際委員会に加盟していないベリーズ漁船の操業が問題化した[注釈 1]

また、島嶼部を利用した観光業も営まれている。

これらとは別に、1980年代から麻薬ギャング組織による、マリファナや、コロンビア産のコカインのアメリカ合衆国への密輸も目立つ。

国民

民族

住民はメスティーソが487%と最多である。次いで、17世紀から18世紀にアフリカから奴隷として連れて来られたアフリカ系黒人がルーツのベリーズ・クレオール英語版が24.9%を占める。以下、マヤ族が10.6%、カリブの島々から来た黒人とカリブ族の混血のガリフナが61%、その他では華人白人などが9.7%である。

言語

ベリーズの公用語英語である[2]。国民のほとんどが英語、もしくは、英語の方言のクレオール言語であるベリーズ・クレオール語を話す。スペイン語も国民の半数近くが日常的に使っており、特に北部に多い。さらにはマヤ語族ケクチ語モパン語などの先住民の言語も使われている。多人種・民族であるため、国民の多くがマルチリンガルである[6][7][8]

ベリーズ国勢調査 2010年[9]
言語 話者 比率
英語 183,903 62.90%
スペイン語 165,296 56.60%
ベリーズ・クレオール語(英語系) 130,467 44.60%
ケクチ語(マヤ語族) 17,581 6.00%
モパン語(マヤ語族) 10,649 3.60%
ドイツ語 9,364 3.20%
ガリフナ語・アラワク語族 8,442 2.90%
その他 7,847 2.70%
無回答 1,537 0.50%
合計 292,263 100%

宗教

2010年時点で、宗教はローマ・カトリックが401‰、プロテスタントが318‰、その他の宗教を信仰する者が103‰で、無宗教が155‰いた[10]

文化

周辺の中央アメリカ諸国はスペインの植民地だったのでラテン文化の影響が強いのに対し、ベリーズはイギリスの植民地だったためイギリスの影響の方が強く、英語が公用語として利用される程である。また、アフリカ系の黒人系が多いため、同じ英語圏のジャマイカなどカリブ海諸国との結び付きや影響も強い。

食文化

音楽

スポーツ

世界遺産

ベリーズ国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された自然遺産が1件存在する。それは、1996年に登録されたベリーズ珊瑚礁保護区である。

祝祭日

日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 元日 New Year's Day
3月9日 ブリス男爵記念日 Baron Bliss Day
5月1日 メーデー Labour Day
5月24日 英連邦記念日 Sovereign's Day
9月10日 英・スペイン戦記念日 St. George's Caye Day National Day
9月21日 独立記念日 Independence Day
10月12日 コロンブスの日 Day of the Americas
11月19日 ガリフナ入植記念日 Garifuna Settlemant Day
12月25日 クリスマス Christmas Day
12月26日 ボクシング・デー Boxing Day
12月29日 年末休日 Year End Holi day

日本とベリーズの関係

駐日ベリーズ大使館

  • 住所:東京都新宿区西新宿4丁目9-7
  • アクセス:都営地下鉄大江戸線西新宿五丁目駅A2出口

脚注

注釈

  1. ^ なお、これらのマグロ漁船は、規制を逃れるために船籍のみを変更した台湾中華人民共和国資本の漁船が殆どとされる。

出典

  1. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2015年1月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 二宮書店編集部 『Data Book of The WORLD (2012年版)』 p.432 二宮書店 2012年1月10日発行 ISBN 978-4-8176-0358-6
  3. ^ Extension of the time-limits for the filing of the initial pleadings” (pdf). International Court of Justice (24 April 2020). 10 October 2020閲覧。
  4. ^ “Belize hands opposition resounding electoral victory”. KVVU-TV. (2020年11月12日). https://www.fox5vegas.com/news/us_world_news/belize-hands-opposition-resounding-electoral-victory/article_4d6a1907-437e-58bc-a1e0-59536c7ce5ce.html 2020年11月13日閲覧。 
  5. ^ a b 二宮書店編集部 『Data Book of The WORLD (2012年版)』 p.433 二宮書店 2012年1月10日発行 ISBN 978-4-8176-0358-6
  6. ^ ベリーズ国政府観光局 「旅行に役立つ基本情報・言葉」
  7. ^ 日本国・外務省 「ベリーズ・基礎データ」
  8. ^ kotobank - 小学館・日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベリーズ」
  9. ^ 国際連合人口基金(UNFPA) BELIZE Population and Housing Census
  10. ^ Belize Population and Housing Census 2010” (pdf) (英語). The Statistical Institute of Belize (2010年). 2016年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月2日閲覧。

関連項目

外部リンク

政府
日本政府
観光
その他

座標: 北緯17度15分 西経88度46分 / 北緯17.250度 西経88.767度 / 17.250; -88.767