海腹川背
ジャンル | ラバーリング・アクションゲーム |
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対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | 明記されてない |
発売元 | TNN |
人数 | 1人 |
メディア |
8M ロムカセット 16k S-RAM(バッテリバックアップ) ※リプレイデータ用 |
発売日 | 1994年12月23日 |
その他 | 著作権表示:(c)1994 TNN/NHK SC |
海腹川背(うみはらかわせ)は、スーパーファミコン用のアクションゲームである。 1994年12月に株式会社TNNから、ゲーム参入第一弾の作品として発売された。
また、一部のファンに根強い人気を誇った事から、続編としてエクシングから1997年2月に海腹川背・旬、及び2000年1月に海腹川背・旬 ~セカンドエディション~ マル安シリーズ(1)がプレイステーション用ソフトとして発売された(尚、スーパーファミコン用に続編を発売する計画もあったが頓挫している)。
概要・特徴
海腹川背はアクションゲームの一種であり、主人公である「海腹川背(説明書では親しみを込めて”さん”付けで紹介されている)」という女の子を動かして、ルアーと呼ばれるロープを使って、様々な敵や障害物を除けながらフィールド上に置かれているドアを目指すものである。ドアを開くと次のフィールドに進めるが、ドアが二ヶ所以上置かれている分岐点もかなり多く、攻略へのルートは複数ある。中には相当練習を積まないと入れない上級者向けの難所もある。
この作品は、「ルアー」と呼ばれる伸縮自在のロープを使ったアクションが特色である事から、本作では「ラバーリング・アクション」と銘打っている。このルアーは床や障害物に引っかける、敵に引っかけ捕獲する、遠心力や張力を使って、高く飛び上がったり、ダッシュしたりする等用途が広い。このルアー捌きが非常に幅広いアクションを生み出す事で、初心者から上級者まで楽しめる作りとなっている。このロープアクションは、カプコンが1987年にアーケードで発表したトップシークレットのシステムを受け継いだものである。
また、上達意欲をそそる機能に、「リプレイ」機能があり、自分のプレイデータを記憶出来る(次作の海腹川背旬では攻略までの所要時間も記録され、また各フィールドを練習出来るプラクティス機能が追加されている)。
なお、このゲームはタイマーが内蔵されており、これでプレイ時間を計っている。
評価
川や海といった魚のいる風景を背景にした寂寥感漂う殺風景な舞台や、足の生えたサカナが屯する独特の光景は、実に異様な世界を醸し出している。それとは対称的に、パステル調の明るい色彩を用いたレイアウトや軽快なポップス調のBGMが陰湿な雰囲気を打ち消しており、うまくバランスを保っている。
なお、このゲームにエンディング画面は存在していない。クリア時のフィールド画面を背景にスタッフロールが流れるのみである。
ゲームとしての難度は高い方だと認識されているが、練習を重ねる事によってそれを克服出来るので、上達を実感し易いゲームと言える。そして上級者クラスとなると、「30分ルール」で如何に早く攻略出来るかを競うタイムアタックや、特別なルールを設けてプレイする「大道芸」等がファンの間で広まりを見せた。楽しみ方は無限にあるゲームといえる。
主な開発スタッフ
- ゲームデザインおよびプログラム
- 酒井潔
- キャラクターデザイン
- 近藤敏信 (他にはどきどきポヤッチオ等)
- 音楽
- Pas de chat 本山淳弘
メディア
- テレビ向けCM及び各種広告
発売の1ヶ月ほど前にテレビ東京系列の深夜枠等極一部で放映されたのみであり、殆ど存在は知られていない。また、TV向けCMとは別に、プロモーション用のビデオもある。 作品内では、海腹川背のプレイ映像と共に、海腹川背テーマソング「藍よりも青い海」(上々颱風の同名曲とは異なる)が使われた。その他、無名企業であったTNNのゲームソフト開発における本格参入第一弾であった為、プロモーションには力が入れられており、大型玩具店等でキャラバンキャンペーンも開かれた。
- 関連作品
攻略本は続編を含め、過去に計3冊刊行された。
- 『海腹川背 完全独占攻略本』(スコラ):スーパーファミコン版攻略本
- 『海腹川背 旬 PERFECT GUIDE BOOK』(新声社):プレイステーション版攻略本
- 『海腹川背 旬 攻略ガイドブック』(ティーツー出版):プレイステーション版攻略本
- コミック
- 海腹川背(スコラ連載)
ゲームのタイアップ企画として、コミックバーガー(スコラ)で8話分が連載された。作者は山吹ショウマ。 ストーリーは直接ゲームとは関係せず、一種のパロディ作品である。因みに、主人公の名前は「海腹川背」ではなく、「海原川瀬」である。 連載誌、コミックバーガー休刊に伴い、「第一部完」という形で連載を終えた。
単行本は1巻のみ出版され、後期に連載された2話分が未収録である。
『海腹川背さんセーバー』がフリーソフトとして、キャラクター制作者の近藤敏信の公式サイトにて公開されている。
他
- 海腹川背の本来の意味は「海の魚は腹に、川の魚は背に脂が乗っている」という板前用語である。(ゲームの説明書ではこのように説明されているが、魚の焼き方に関する格言であるとか、盛り付けを指す言葉である等、意味については諸説ある。「川背海腹」という言い方がされる事もある)
- 「海腹川背」の遊園地用機械器具、家庭用テレビゲームおもちゃ関係の商標権(商標登録第3229532号)は財団法人エヌエイチケイサービスセンターが、雑誌,新聞関係の商標権(商標登録第4111937号)は有限会社スタジオ・ザインが、それぞれ保有している。
関連項目
外部リンク
- アトリエ鬱
- ゲームデザインの酒井潔のページ。現在、海腹川背関連のコンテンツはない。
- 迷羊亭
- キャラクターデザインの近藤敏信のページ、ほぼオフィシャルページ。海腹川背さんセーバーへのリンク有り。
- paper moon
- コミック作者の山吹ショウマのページ。海腹川背さんのイラストもある。
- 川背海腹
- たにえる氏のWebページ。多くの大道芸を画像付きで網羅している。