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Microsoft Windows

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Microsoft Windows
開発者 マイクロソフト
ソースモデル MS-SSI, Closed Source
最新安定版 Vista / 2006年11月30日
プラットフォーム x86, x64, IA-64,
Alpha, PowerPC,
ARM, MIPS, SuperH
カーネル種別 ハイブリッドカーネル,
マイクロカーネル,
モノリシックカーネル
既定のUI GUI
ライセンス Microsoft EULA
ウェブサイト Microsoft Windows ホーム ページ
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Microsoft Windowsマイクロソフト・ウィンドウズ)は、米国マイクロソフトが開発及びライセンス販売を行うコンピュータのオペレーティング環境(Windows3.0まで)及びオペレーティングシステム(Windows3.1以降)である。

「Windows」は、これまで同社から出荷された数多くのオペレーティング環境及びオペレーティングシステム(OS)に付けられているシリーズ名である。「Windows 95」や「Windows Vista」、「Windows Embededd CE」などの製品を総じて指し、それぞれの間で改良・機能追加が施されている。

Windowsの特徴

グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を採用し、主に「インテル・アーキテクチャ」と呼ばれるプロセッサを搭載したコンピュータで動作する。APIの統一などによる、ハードウェア抽象化の徹底によりアーキテクチャの異なる機種でもアプリケーションなどが同じバイナリで動作すると考えられたが、実際にはPentium80x86互換CPU)など特定のアーキテクチャに限られる。そしてWindows NT系においては各種システム向けのコンパイラを利用することで単一のソースコードで全てのアーキテクチャで使うことが可能とされている。ただし、Windows NT系でもWindows 2000以降はインテル・アーキテクチャ系のWindowsしか発売されておらず、検証は出来ない状況にある。パソコン用市場においては、パソコンのセット・部品メーカー、ソフトウェア開発企業がWindowsへの対応と互換性を念頭において製品開発を進めているため、市場におけるコンピュータソフト・ハードとの互換性・対応数はOSの中で最も高い。

店頭のメーカー製パソコンにプレインストール販売することに成功し、パソコンの入門者・初期導入者をユーザーとして得たことから、パソコン用としては世界一の販売数、パソコン市場のOSシェアでは約95%という驚異的な数字を誇る。Windowsの操作法を知るユーザーと対応ソフトウェア・ハードウェアの多さから、サーバーなどパソコン以外の市場においても大きくシェアを伸ばした。

頑ななまでに互換性を重視した設計が特徴で、最新のWindows Vistaであっても、Windows3.1以前に向けて作成されたアプリケーションもネイティブに動作することが多い。UNIXに比べ安定性やセキュリティの面で批判されることが多かったが、近年においては、セキュリティや信頼性・安定性の面でもマイクロソフト社による改善が進み、Windows XP以後は大きなバージョンアップもないため、古くなったパソコンの買い替え需要とともに安定した販売を記録している。

なおマイクロソフトインテル両社の組み合わせはWindows搭載パソコンの大多数を占め、パソコン市場全体で見ても圧倒的な規模に達するため、特に(俗に)ウィンテルと呼ばれることもある。

歴史

今でこそグラフィカルなインターフェイスが特徴のWindowsだが、初期のWindows 1.0では、主にMS-DOS上で動くプログラムマネージャーとしての性格が強かった。当時のマシンの解像度の低さから、1.0では現在のようにウィンドウを重ねる機能はなく、タスクの切り替えとともにプログラムを使う必要があった。実際にウィンドウの重ね合わせが可能となったのは後続のWindows 2.0である。メモリ管理も改良された2.0では、パソコンでより多くの複雑なプログラムが動作できるようになった。

Windowsが広まり始めるのは、3.0になってからである。3.0では、インターフェイス、タスク管理、メモリ管理など、各種機能が網羅的に強化された。日本では、当時のDOS/Vブームとともに後継である3.1がブレイクすることになった。サードパーティ製のソフトウェアも徐々に増え、不足していたネットワーク機能などが供給されるようになってきた。

その後、爆発的なブレイクとなった1995年に発表されたWindows 95では、32ビットに対応し、ほとんどの作業がGUI環境上で行えるようになるなど、本格的な改良が施された。多くの場合、パソコンの普及の年とされるのはこの年である。Windows 95からその後のWindowsシリーズでは、GUIも特に変更されることなく、多くの操作において95の操作性が基盤となっている。一般にまで広く普及していったWindowsだが、実際の動作中の安定性についてユーザーから疑問に思われることも多く、ふとした操作から突然青いエラー画面が表示され、いままでの作業が消えてしまうなどの現象が発生することもあった。その後、後継としてWindows 98Windows Meが発売されて改良されるが、MS-DOS上で制限を受けると言う特徴は、上位互換性を意識して最後まで残されおり、特にWindows Meは、Windows 95のコードを引き継いだままマルチメディアなど多数の機能を追加したために、多くのシステムリソースを消費するWindowsとして知られることになる。なお、これらはまとめて9x系と呼ばれる。

Windows 9x系列とは別にマイクロソフトは新規に32ビットOSの開発にも取り組んでおり、その結果登場したのがWindows NTである。NTはプロフェッショナルユース、エンタープライズユースを想定して設計されている。しかし、当初、一般での知名度は他の製品に比べ低かった。

その後に登場したWindows 2000は、Windows NTのコードをベースとして作られており、俗に「NT系」と呼ばれる。この時点で、98のコードをベースとしたWindows Meも同時に開発が進められ、販売された。Windowsには、ここまででMS-DOSのレガシーなコードを備え続ける95系と、まったく新たに開発が進められたNT系の2種類が存在していたことになる。

Windows XPではマイクロソフトの計画(9x系からNT系への一本化)の為、主にWindows 2000をベースとしながら、Windows Meにのみ存在した機能を付加し、Meと2000両方の後継製品として開発された。コンシューマに対応するHome Editionと、ビジネスユースに対応するProfessionalが最初に登場し、それぞれ95-98-MeとNT-2000の領域で、前のOSに替わるものとなった。現在、パソコン市場において最も広く使用されているWindowsはWindows XPである。

その後、サーバー向けに特化して強化されたWindows Server 2003のライセンス販売も開始された。またWindows XP発売以降約5年ぶりとなるOS、Windows Vista2006年11月にライセンス販売が開始され、2007年1月30日に一般販売が開始された。

Windowsのタイムライン

発売年ベースバージョンプロダクト名
1985年DOS1.01Windows 1.01
1986年DOS1.03Windows 1.03
1987年DOS2.03Windows 2.03
1988年DOS2.1Windows 2.1
1988年DOS2.0Windows/286 2.0
1988年DOS2.1Windows/386 2.1
1988年DOS2.1Windows 2.1
1990年DOS3.0Windows 3.0
1992年DOS3.1Windows 3.1
1992年DOS3.1Windows For Workgroups 3.1
1993年NT3.1Windows NT 3.1
1994年DOS3.2Windows 3.2
1995年9x4.0Windows 95
1996年NT3.5Windows NT 3.5
1996年NT3.51Windows NT 3.51
1996年NT4.0Windows NT 4.0
1996年CE1.01Windows CE 1.01
1997年CE2.0Windows CE 2.0
1997年CE2.01Windows CE 2.01
1998年CE2.10Windows CE 2.10
1998年CE2.11Windows CE 2.11
1998年9x4.1Windows 98
1999年CE2.12Windows CE 2.12
1999年9x4.1Windows 98SE
2000年NT5.0Windows 2000
2000年9x4.9Windows Millennium Edition
2000年CE3.0Windows CE 3.0
2001年NT5.1Windows XP
2002年CE4.1Windows CE 4.1
2002年NT5.1Windows XP Tablet PC, Media Center Edition
2003年CE4.2Windows CE 4.2
2003年NT5.2Windows Server 2003
2003年NT5.2Windows XP 64-bit Edition
2004年CE5.0Windows CE 5.0
2005年NT5.2Windows XP Professional x64 Edition
2005年NT5.2Windows Server 2003 x64 Editions
2006年NT5.1Windows Fundamentals for Legacy PCs
2006年CE6.0Windows Embededd CE 6.0
2006年NT6.0Windows Vista
不明NT6.0Windows Server 2008
不明NT不明Windows Home Server
不明NT不明Windows 7

Windowsの主なコンポーネント

ここではWindowsの基礎部分に当たる主な機能を一部紹介する。

システム変更部分

コントロールパネル
デスクトップ画面やハードウェア管理、アプリケーションソフトウェアの追加及び削除、メンテナンスや通信管理、ユーザー管理などの設定を行う特殊フォルダの名称である。Windows 3.1の頃から存在するWindowsの基礎的なシステム変更を行える場所。
管理コンソール (Microsoft Management Console)
デバイスやサービス等のコンピュータの管理を行うツールのホスト機能。
デバイスマネージャ
ハードウェアの追加後に削除及びメンテナンスを行うための操作環境。Windows 9x系では「システムのプロパティ」内の表示である。

ユーザーインターフェイス

スタートボタン
Windows 95より採用された特殊メニュー。標準的な設定ではデスクトップの左下に「スタート」と表示されている。
Aero
Microsoft Windows Vistaより採用された、3Dビュー。
アクティブデスクトップ
Internet Explorer4.0の頃に追加されたものでデスクトップ画面に対してJPEGGIF等の画像ファイルやHTMLファイルを埋め込んで表示できるようにする機能。セキュリティ面での問題もある。Windows95 Windows NT4.0に対して適用可能
タスクバー
スタートメニューや現在起動しているアプリケーションの切り替え・時計表示を行う機構。通常は画面の真下に横棒の形で表示されている。
マイコンピュータ
標準設定の場合は左上の真上または二番目に用意されているパソコンの形をしたアイコンがある。開くと接続・認識されている記憶装置(フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ)やコントロールパネルを開くことができる。Windows 3.1までは特定のドライブにアクセスするにはファイルマネージャを利用するかMS-DOSプロンプト等で直接コマンド入力をする必要があった。
マイネットワーク
Windows 95・Windows 98・Windows NT4.0では「ネットワークコンピュータ」と呼ばれていた。開くと接続されているLANやネットワーク環境の内容を確認・設定変更が行える。
マイドキュメント
元々はMicrosoft Office 97導入の際にショートカットで作成された文書などのファイルを保管するフォルダの名称だが、Microsoft Windows 98からは特殊フォルダの形態で新たに追加されることになった。マイドキュメントとして機能させるフォルダは任意で選ぶことができるため、再セットアップを簡略化する為に初期設定とは別のディレクトリを指定させることも可能である。
ごみ箱
不必要になったファイルを一時的に待避しておく特殊フォルダ。ごみ箱から一度捨てた(待避した)ファイルを再利用することも可能であるし、完全に削除してしまう事も可能である。
ファイルマネージャ
現在のWindows Explorerに相当するファイル管理ツール。Windows 3.1の頃まで存在した。ディレクトリ内部をツリー状態の項目から選択して内容を表示する機能だった。
フォルダウィンドウ
アプリケーションやフォルダ等を表示している四角い枠。ごく一般的なアプリケーションやフォルダであれば右上端に予め3つのボタンが用意されている。ウィンドウをタスクバーに収納(隠す)する最小化ボタン、ウィンドウを画面最大に表示する最大化ボタン、一度最大化した画面を元の大きさに変更する元のサイズに戻すボタン、ウィンドウを消去する閉じるボタンで構成される。

スタートボタン

スタートボタンをクリックすると登録されているプログラム一覧や履歴・検索・システム設定・特定のファイル名を指定して実行させる機能・ヘルプ・システム終了処理などが選べる。

プログラムメニュー
登録されているアプリケーションを展開して項目を選ぶことにより特定のプログラムを起動できる。Windows XPからの2分割表示にしている場合には「すべてのプログラム」と表示される。
最近使ったファイル
履歴として最近使用したファイルがアプリケーションの種類を問わずに自動的に登録される。
設定
コントロールパネルやネットワーク、プリンタの設定などが行える項目。
検索
基本的にはコンピュータ内のファイルやフォルダを検索する項目であるが、バージョンや外部アプリケーションの追加導入によっては内容が変化する場合もある。
ヘルプ(ヘルプとサポート)
ヘルププログラムを起動する。オンライン機能を利用してマイクロソフトのサポートサイトから追加情報を入手できる場合もある。
ファイル名を指定して実行
直接ファイル名を指定するか、ディレクトリ名を入力して起動する方法である。
Windowsの終了(シャットダウン)
終了処理を行う項目でWindowsを終了してコンピュータの電源を切っても構わない状態にするには(システムの停止等が原因でやむを得ず強制的に電源を切断する場合を除いて)必ずこの項目で終了処理を実行する必要がある。同様にこの項目内で再起動や省電力モードへの切り替え、ユーザーの切り替えが行える。Windows 9x系では「Windowsの終了」であるがWindows NT系では「シャットダウン」と表示される。

アプリケーション

Windows全体の出荷本数の推移

  • 1987年11月 - 100万本突破
  • 1992年2月 - 900万本(業界推定)[1]
  • 1992年4月 - 1000万本突破
  • 1995年 - 1億本突破
  • 1997年 - 2億本突破
  • 1999年3月 - 3億2430万本

Windows上のセキュリティに関して

Windowsについては、他のOSに比べセキュリティーホールが悪用されることが多い。理由として、シェアが大きく初心者からビジネスユーザーまで様々なユーザーがいることから、クラッカーの標的にされやすいこと、OS自体にセキュリティーホールが出現しやすい構造上の問題があるなどの原因が指摘されている。Windowsパソコンに侵入するコンピュータウイルスを駆除するために作られたアンチウイルスソフトウェアの種類も多く、多くの場合メーカー製パソコンに対してプレインストールされている。

2001年の "Nimda" 騒ぎ以降、2003年の"MSBlast"など、コンピュータウイルスやワームの被害は連続して発生しており、最近ではスパイウェアが問題になっている。Windows内の要素では、標準で搭載されているInternet Explorerウェブブラウザ)やOutlook Expressメーラー)にセキュリティーホールが発見されることが多い。マイクロソフト内の体質を原因と挙げる経済学者もいる。

またWindowsにセキュリティーホールが多発する理由に、Windows APIの設計の問題がある。WindowsAPIはオブジェクト指向を取り入れて、カーネルオブジェクトを保持している構造体(クラスである場合もある)をハンドル値とし、ユーザープロセスに渡す。このため、ユーザーAPIから渡されたハンドル値が不正であったり、別のハンドルが指すオブジェクトにすりかえてしまうと、保護されたカーネル空間というセキュリティを突破して、不正なアクセスをカーネル側で実行させることができてしまう。この問題はNT4.0時代にあらゆるAPIで存在し得ることが発覚し、カーネル空間以外の場所に存在するオブジェクトを参照しないようセキュリティ修正が加えられた。しかし、その修正でもオブジェクトのすり替えは可能であり、似たオブジェクトを作るAPIを利用してセキュリティを突破することが可能であると証明された。現在のバージョンではセキュリティ上重要なAPIではオブジェクト自身のアドレスではなく、そのオブジェクトを識別する値をユーザープロセスに渡し、不正なオブジェクトへのすり替えが出来ないように修正された。しかし、この修正はパフォーマンスに影響を与える事から普段頻繁に使われるAPIでは行われていない(例えばディスプレイコンテキストにはセキュリティ修飾子が無く、ウィンドウステーションによって一括管理する簡易セキュリティで代用されている)。このため、特権の昇格やカーネル内での任意コード実行といったセキュリティーホールの報告が散見される。

Service Pack

Windowsに発見されたセキュリティーホールなどの不具合に対して、頻繁に修正モジュールがリリースされている。これらの修正モジュールの集成して動作検証したパッケージをService Pack(サービスパック)という形で発行している。似たようなものにService Releaseと呼ばれるパッケージも発行している。

Service Packを適用することによってセキュリティの強化、新機能の追加などのメリットを得られる。ただし、システムに若干の改変を加えるために、一部のアプリケーションの動作に支障をきたすなど問題を引き起こすこともある。また、特定のサービスパックのバージョンに依存するソフトウェアも存在する。これらの問題から特に企業においては適用されないこともあるが、マイクロソフトは強く適用を推奨している。

殊に、Windows XPのService Pack 2には「Microsoft Windows XP SP2セキュリティ 強化機能搭載」という正式名称が付けられている。これには、マイクロソフトはセキュリティに力を入れていなかったという従来の方針を転換し、今後はセキュリティを最重要課題として、ユーザーの印象を変えていくという意味合いがある。

Windowsに関係する資格

マイクロソフト認定プロフェッショナル

マイクロソフト認定プロフェッショナル(Microsoft Certified Professional、MCP)はシステムエンジニアを対象にした資格制度で、オペレーティングシステムは勿論、Windows ServerやSQL ServerセキュリティネットワークといったWindowsでのネットワーク設計・構築・運用・保守や、Visual Studioを使ったアプリケーションの開発を主眼に据えた試験を行っている。 50科目以上用意されているMCPの科目のうち、どれか1科目に合格すればMCPの認定を受けることができるが、複数の科目に合格することにより、MCPの上位資格の認定を受けることができる。ただし、各上位資格ごとに合格しなければならない科目が定められている。

本資格は一部の科目を除きシステム管理・運用を対象にしたものであるが、IT資格の中では比較的知名度が高く受験者が多い為、様々な理由によりスキルの低い受験者でも合格できる場合がある。それが合格率の向上に反映され、試験の難易度を押し上げ、試験に特化した学習が必要であり能力が正しく反映されない、資格本来の目的から逸脱しているといった指摘がある。その為、頻繁に問題を変更する、暗記では対処できないシミュレーション問題を導入するなどの対策が採られている。

マイクロソフト認定アソシエイト

マイクロソフト認定アソシエイト(Microsoft Certified Associate、MCA)は日本のみで実施されている資格制度で、MCPが技術者向けの資格であるのに対し、MCAは営業職向けの資格ともいえる。

開始当初は合計3科目が実施されていたが、2004年4月の改定で1科目追加され、現在計4科目が実施されている。全科目に合格するとMCA Masterの資格を得ることができる。また、近年では新人研修にMCAプログラムを利用している企業が増えて来ている。

脚注

  1. ^ 日経産業新聞』1992年2月4日付

関連項目

外部リンク