巨大病院が動いた!阪大病院移転
「巨大病院が動いた! 阪大病院移転」は1993年9月24日にABCテレビで放送された近畿ローカルの特別番組である。
概要
大阪大学医学部附属病院が福島1丁目(旧・堂島浜通)、大阪大学医学部が中之島から吹田市山田丘へ移転するまでを懸命に描いた記録。1993年1月から7月のオープンまでを余す所なくドキュメンタリーで放送した。大学の附属病院の引越しまでを取材して放送した番組は極めて稀である。また、大阪大学医学部附属病院が全面的に撮影に協力していた。
尚、当時の院長・看護師・医師・患者等が写っている為肖像権の絡みで再放送及びビデオソフト化はされていない。
放送日時
出演
ナレーション:道上洋三(ABCアナウンサー)
道上独特の淡々とした語りがマッチしていた。
備考
時代の最先端に乗り遅れた旧阪大病院
ロケ地だった旧阪大病院は、中之島から移転した1924年から1993年6月まで福島(旧町名:堂島浜通)にあった。しかし、古い病院ゆえに多くの問題点を抱えており、時代の最先端にも乗り遅れていた。建物の増改築等で構造が複雑化し、建物の中には明治から大正時代に掛けての建物が存在していた事から病院内は迷路になる状態ゆえにまるで古い時代へタイムスリップした感じであった。
今のような最新鋭の医療システムも無く、更に現在では殆どの新しい病院で採用されている電子カルテもなく、更にカルテも手書き作業であり、検査も順番通りに手書きの検査用紙を使うなど混雑していた。また、診察待ちも最大3時間、病院内で薬をもらう待ち時間だけでも1~3時間半も掛かり、当時の医師や患者や看護師や会計に取っては約1日は病院での診察等に費やした様である。一時、建て替えながらの業務をする案があったが、末期の時点で医学部が吹田へ移った事もあり、吹田へ移る事で形が着いた。吹田へ移転後はしばらく解体されなかったが、その後解体された。
吹田移転後、最先端の病院へ変身
吹田移転後は、再診受付を自動受付機で対応する等、また、同時に診察室でのパソコンによるオーダリングシステムを導入、更に電子カルテも導入し、診察と同時に薬の処方箋、検査箋や入院時の食事箋なども入力出来たり、会計での算定もスピード化される等、時代の最先端化され、華麗なる変身を遂げた。診察も薬の待ち時間も最短で10分と大きく緩和され、現在に至る。
跡地の再開発
2007年現在の阪大病院跡地は、東側に大阪高検・大阪地検などが入居する大阪中之島合同庁舎、中央部に高層マンション(建設中)、西側に朝日放送新社屋(建設中・2008年移転予定)となっている。奇しくも、番組を放送し製作した朝日放送が、旧阪大病院跡地に移転する事になった。