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デュラララ!!

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デュラララ!!』は電撃文庫から出版されている成田良悟ライトノベル作品である。イラストは、ヤスダスズヒト

電撃文庫史上初、首なしの女性をヒロインにした作品。池袋を舞台に、非日常にあこがれる少年、チンピラ、ストーカーもどきの電波娘、情報屋を趣味で行う青年、闇医者、高校生、首なしライダーことデュラハンなどが繰り広げる一般からは歪みつつも爽快な恋の物語。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

デュラララ!!

東京・池袋。そこにはキレた奴らが集う。 矢霧製薬とセルティとセルティの首をめぐる争奪戦。 そこに「ダラーズ」、折原臨也、平和島静雄、門田、遊馬崎、狩沢らが絡む。 またところどころにあるチャットの会話も物語に関係してくる。

デュラララ!!×2

池袋。そこには人を愛することに不器用な人間が集う。 自分に悩む女子高生、池袋最強は誰か? を取材する記者、セクハラ教師、カラーギャング「黄巾賊」、池袋の喧嘩人形、情報屋、そして首なしライダー。 そんな中連続通り魔事件が起きて・・・。

デュラララ!!×3

東京・池袋。そこには寂しがりやな過去が集う。 過去から逃げるボス。責任を感じる女子高生。友の思いに気づかない少年。 様々な思いが交錯し「ダラーズ」×「黄巾賊」×「罪歌」の三つ巴の抗争が始まる

デュラララ!!×4

池袋。そこには火種と火種に振り回される人種が集う。 都市伝説を放映するテレビ局、外見と中身の一致しない双子、有名アイドル、ダラーズの先輩にあこがれる青年、殺し屋、殺人鬼、賞金を掛けられた首なしライダー。池袋の休日が始まる。

登場人物

セルティ・ストゥルルソン
「首なしライダー」と呼ばれる、池袋の生きた都市伝説。その正体はデュラハンと呼ばれる欧州の妖精の一種で、性別は女性。
奇矯なその存在に反して極めて常識的な性格。お人よしで面倒見がいい一面がある。鎧を漆黒のライダースーツに変え、首無し馬コシュタ・バワーを変化させたライトもナンバーもエンジン音すらも無い黒バイクを乗り回すその姿から、池袋では「首無しライダー」と呼ばれ都市伝説扱いを受けている。首が無いため話すことはできないが視覚や聴覚は人間と同様であり、PDAやノートパソコンを介して文章によって発言している。普段の外出時には、首に当たる部分にヘルメットを装着している。質量を持った影を身にまとっており、それを操作して服や財布、大鎌等を生み出している。幽霊吸血鬼は怖くないが宇宙人やホラー漫画は怖いらしい。警視庁第五方面交通機動隊、特に葛原金之助に追い回されたことがトラウマになっている。
元々はアイルランドに暮らしていたが20年程前に頭部を盗まれ、その為それ以前の様々な記憶が欠如している。その後「首」の反応を辿って日本を目指し、道中で出会った岸谷森厳との「取引」で池袋に居を構え、副業として運び屋を営みながら森厳の息子・新羅と共同生活を始める。成長した新羅と相思相愛となりながらも一線を引いていたが、「首」をめぐる一連の事件を経て恋人同士となる。また、その後の様々な事件を通じて池袋に生きる様々な人物と交流し、「首」への執着を捨てて池袋こそ自分の故郷と思い定めるようになる。「ダラーズ」の一員。
チャットでのハンドルネームは「セットン」。
竜ヶ峰 帝人(りゅうがみね みかど)
「非日常」に憧れを抱く高校生。第1巻冒頭で、高校進学を機に池袋に引っ越してきた。
基本的にまじめでおとなしい性格の、平凡な高校生。気を許す相手への突っ込みは毒舌気味。同級生の園原杏里に好意を抱いているが、奥手なため告白できずにいる。「非日常」の刺激に対して、渇望とも言える深い欲求を抱えている。
実は「ダラーズ」の創始者の一人であり、ほかの創立メンバーが次々離反する中で唯一最後まで残り、組織を管理しつづけた。そのため実質上「ダラーズ」のリーダーだが、その正体を知る者はセルティ、臨也を始め数名しかいない。アパートの隣の部屋の三畳間に「バッカーノ!」に登場したカメラマンが住んでいる事が仄めかされている。
チャットでのハンドルネームは「田中 太郎」。
紀田 正臣(きだ まさおみ)
帝人の同い年の幼馴染。茶髪でピアス、銀のブレスレットと如何にも都会の高校生といった風貌。
見かけ通り軽い性格でナンパ好き。小学校時に池袋へ引っ越すが、その後もメールを通じて帝人と交流が続いており、池袋での刺激的な日々について彼によく話していた。成績不良だが国語と英語の成績は良い模様(将来をヒモで生きていくつもりだかららしい)。
実はカラーギャング「黄巾賊」の元リーダーで、「将軍」と呼ばれる男。過去、「ブルースクウェア」との抗争で当時交際していた三ヶ島沙樹を助けられなかった事から「黄巾賊」を抜け、沙樹とも別れる。その際の事件がきっかけで折原臨也を嫌悪している。3巻で自らの過去に決着をつけた後沙樹とヨリを戻し、来良学園を退学。何処かへと消えた。
チャットのハンドルネームは「バキュラ」。
園原 杏里(そのはら あんり)
帝人、正臣のクラスメイト。みつあみ眼鏡と地味な風貌だが非常にスタイルがいい。成績優秀で、通知票オール10。
大人しくあまり自己主張しない性格。とある事件で人を愛することが出来ず、「自分」と言う存在を徹底して客観的に認識することで精神のバランスを保っている。帝人、正臣との三人の交流をかけがえないものだと感じている。
「罪歌」と呼ばれる妖刀をその身に宿している。本来「罪歌」を宿した者は「罪歌」の思念に耐え切れずに発狂し、意識をのっとられるが、杏里は「罪歌」の思念を受ける自分を他人事のように認識することで自我を保ち、「罪歌」を制御している。「罪歌の子」の暴走によって引き起こされた「リッパーナイト」事件を経て、多数の「罪歌の子」の宿主の意識を支配する(普段は解放している)。またその際セルティに淡い憧れを抱く。
チャットに参加しているが、PC操作自体にまだ慣れていない為、片言になりがち。ハンドルネームは「罪歌」。
岸谷 新羅(きしたに しんら)
池袋に居を構える闇医者。セルティと同棲している。
冗談好きな性格で、4文字熟語を多用する癖がある。解剖をすると嬉しそうに笑うなど、少々変質的な性癖を持つ。セルティとは幼い頃から20年来の付き合いであり、首を失ったセルティを容姿も含めて深く愛している。セルティの一番の理解者で、声も表情も存在しないセルティの感情を読み取ることができる。学生時代の静雄と臨也の同窓生で、二人の間を取り持つ立場だったらしい。
セルティの「首」にまつわる事件では、首を手に入れた彼女が変わってしまったり、自分の元から離れていってしまうことを恐れて「首」が彼女の元に渡らないように裏で暗躍していた。事件終了後にセルティと対話し、セルティ自身に許されると同時に互いの心情を改めてぶつけ合い、恋人となる。
矢霧 誠二(やぎり せいじ)
矢霧製薬社長の甥。人間的な感情がどこか欠落している。
姉・波江を通じてセルティの「首」に出会い、狂的な恋愛感情を抱く。張間美香からストーカー的な好意を寄せられていたが、「首」にまつわる事件を経て、自分の気持ちを確かなものとする為に美香と付き合うことに。
張間 美香(はりま みか)
矢霧誠二のストーカー。杏里の中学時代からの友人。
誠二によって瀕死の重傷を負わされるが、想いは変わらず。波江から誠二の気持ちが「首」に向いている事を教えられ、新羅に顔を「首」そっくりに整形してもらう。その後諸処の事件を経て誠二の仮初めの恋人に。何時か自分が「首」を取り込み、成り代わろうという願望を持つ。
矢霧 波江(やぎり なみえ)
矢霧製薬の重役で、「首」の管理の責任者。弟、誠二を狂的なまでに溺愛している(恋愛的にも肉体的にも)しかし本人には煙たがられている。
冷徹なエゴイストだが、誠二をこの世のすべての念頭においている。誠二が「首」に傾倒するのが許せず、引き離すために張間美香らを利用する。最終的には組織を離反し、「首」を持って臨也の元へ。以降は臨也の助手的な位置に収まっている。
平和島 静雄(へいわじま しずお)
常時バーテン服にサングラスがトレードマークの男。池袋で最も「喧嘩を売ってはいけない男」として恐れられている。
普段は温和な人間なのだが、極端に短気な性格。キレると筋力のリミッターが外れるという生来の特殊体質で、怪物じみた膂力を持ち「池袋の自動喧嘩人形」という異名まで持つ。体質のせいで体格は細いのだが、筋肉や骨が恐ろしく硬くなり、関節はさらに硬くなった。そのため拳銃の弾もまるで食い込まないし、医療メスが施術中に何度も曲がるほど。その体質は新羅曰く「一世代での進化」。化け物じみた力や性格もあって滅多に人が寄り付かないが、セルティとは親しい友人。理屈を捏ねる人種が大嫌いで、その代表格の臨也とは犬猿の仲。現在は出会い系サイトの取立人をやっている。いつもバーテン服なのはアイドルの弟がバーテンのバイトを始めた時に「今度こそクビにならない様にしよう」といって大量にバーテン服を送ってきたため。「ダラーズ」の一員。
「罪歌」の情愛を一身に受ける存在。新羅と臨也の同窓生。
殺人鬼「ハリウッド」と殺し屋「哲学する殺人機械」を、公園のベンチを無理矢理引っこ抜いてフルスイングし、一蹴した。
折原 臨也(おりはら いざや)
新宿住まいの有力な情報屋で、本編の多くの事件の黒幕的存在。
「人間」に対し、歪んだ愛情と哲学を持つ。様々な情報を武器に、ある思惑の元池袋の影で暗躍している。ネット上で帝人たちが作った架空のチームにすぎない「ダラーズ」を発見し、池袋で実勢力を拡大させて行った張本人であり、本人も「ダラーズ」の一員。妹が二人(双子)おり、苦手としている。現在、セルティの「首」を保有している。
主要人物たちが集う掲示板の管理人で、それぞれの背後関係をほぼ全て把握しており、時にその行動を誘導する。ハンドルネームは「甘楽」。ネット上では女言葉で話す所謂ネカマ。助手の波江とは緊張感に満ちた微妙な関係。静雄と新羅の同窓生で、駆け引きも利害も通じない静雄とは学生時代からの犬猿の仲。
なお、「バッカーノ!」に登場するブライドという人物の取引相手に「新宿のオリハラ」とあり、おそらく本人と思われる。自称「永遠の21歳」。
サイモン・ブレジネフ
ロシア人で黒人で寿司屋「露西亜寿司」の店員。よく青と白の割烹着を着、店の前で片言の日本語で呼び込みをしている。静雄と力で張り合える程の巨漢だが、喧嘩や暴力は嫌い。体重120キロ超。池袋という街を愛している。ロシア語と日本語で雰囲気が変わる。昔、ロシア軍の特殊部隊に所属していたとか、ロシアンマフィアだったという噂がある。臨也曰く何か格闘技をやっているとの事。ダラーズの一員。
門田 京平(かどた きょうへい)
アダ名は「ドタチン」命名は臨也。狩沢にもそう呼ばれる。
ぶっきらぼうだが面倒見のいい性格で、自分を慕う遊馬崎、狩沢が無茶をやらかさないよう管理するのを自分の役目と考えている。
かつて「黄巾賊」と抗争状態になったカラーギャング「ブルースクウェア」の一員だったが、とある事情により遊馬崎、狩沢、渡草を引きつれ脱退。現在ではダラーズの一員。「職人系」の職業についているらしい。
遊馬崎 ウォーカー(ゆまさき うぉーかー)
二次元をこよなく愛する青年。末期の二次元好事家とまでいわれる。主に電撃文庫をよく読んでいるようでよくその話をしている。今まで話に出てきた本はキノの旅吸血鬼のおしごとミッシング我が家のお稲荷さまドラゴンボールなどである。オタクへのイメージを払拭する為ファッションにも気を使っている。ダラーズの一員。名前のモデルは、作家のおかゆまさき。氷を彫る仕事をしている。
狩沢 絵理華(かりさわ えりか)
遊馬崎の相方で、同じくオタク。買い漁った電撃文庫(作中のタイトルは全て実在)の内容に合わせて拷問を行う等、過激な面も持ち合わせている。夜中に親に見つからないように小さな音量で深夜アニメを見て育ったため耳がいい。ダラーズの一員。名前のモデルは、作家の有沢まみず中村恵里加
三ヶ島 沙樹(みかじま さき)
紀田正臣の元彼女。「黄巾賊」と「ブルースクウェア」の闘争に巻き込まれて重症を負い、ずっと病院にいる。
折原臨也の狂信的な信奉者で、かつて臨也の策略の一環として正臣に近づくが、次第に本心から惹かれていく。後に正臣と復縁し、共に池袋を去る。
平和島 幽(へいわじま かすか)
平和島静雄の弟。「羽島 幽平(はねじま ゆうへい)」の芸名で有名な俳優にしてアイドル。
常に無口で無表情。感情らしい感情をほとんど示さない。しかし演技となるとまるで別人のように役になりきり、どんな役柄でもこなす事から実力派の男優として評価も高く、様々なドラマや映画の主役をもぎ取っている。兄の静雄を敬愛しているが、現在の感情が欠落した自分は「感情の起伏が激しすぎる兄を幼い頃から反面教師にした結果」とも語っている。自分の人格が異常である事は自覚しており、欠けた「人としての感情」を得るために役者になったと言う。
とあるきっかけで「殺人鬼ハリウッド」、ひいてはその正体である聖部ルリと関わることとなる。
聖部 ルリ(ひじりべ るり)
「澱切シャイニング・コーポレーション」所属のタレント。セルティや新羅を含め、多数のファンを持つ。
内向的な性格の、物静かな美女。元は資産家の令嬢だったが、祖父、父と立て続けに事業に失敗した結果、没落。肉親の多くを失った彼女は遠縁の親戚に預けられ、紆余曲折の末にメイクアップアーティストとしての道を踏み出し、その後モデルとしてデビューする。幼い頃は厳しく束縛された状況で育ち、特撮映画に出てくる「怪獣」の奔放さに憧れを抱いている。
実は彼女の家系は数代前にセルティのような「人でない何か」の血を混じらせており、(代々受け継ぐものか隔世遺伝かは不明だが)彼女自身も人間を超えた身体能力を持つ。彼女自身は自分の肉体についての事実を知らず、長く普通の人間として暮らしていたが、ある「きっかけ」によって力が発現してしまう。以降、自分に「怪物のメイク」を施してある目的の元殺人を犯し、その光景を監視カメラに捕らえられたため「殺人鬼ハリウッド」と呼ばれ報道されるることとなる。
とある縁から平和島幽、そしてセルティと接触し、それぞれの「あり方」に深く感銘を受ける。
折原 舞流(おりはら まいる)
折原臨也の妹。九瑠璃の双子の妹。4巻から新入生として来良学園に入学する。
眼鏡に三つ編み、細身の体に黒いセーラー服と文学少女のような出で立ちだが、その言動は極めて明るく扇情的。自称両刀だが、女性のほうが好きらしい。九瑠璃ともども兄である臨也の影響を強く受けついでおり、自分たちに危害を加える者には一切の容赦がない。姉妹揃って静雄の弟であるアイドル、羽島幽平の大ファン。静雄とも面識がある。
双子である九瑠璃と二人揃うことで「完全な一人の人間」になれると考えており、そのために性格も趣味趣向も得意分野も、すべて意図的に姉妹で対称となるようにしている。しかし、小学校の頃にお互いの「設定」を整合性を無視してくじ引きで決めたため、外見と内面に激しい不一致がある。兄である臨也いわく、「呆れた中二病」。
密かに臨也の秘書である波江と繋がりを持ち、臨也が管理するチャットルームにもぐりこむ。ハンドルネームは「参」。
折原 九瑠璃(おりはら くるり)
折原臨也の妹。舞流の双子の姉。4巻から新入生として来良学園に入学する。
ショートカットで豊満な体格、学園では常に体操服を身に着けているなど活発そうな外見だが、言動は物静かで、暗い雰囲気を持つ。一見して気弱だが、やはり敵意を持って向かってくるものには容赦がない。舞流には「クル姉」と呼ばれている。
ハンドルネームは「狂」。なお、チャット上では姉妹ともに言動が逆転している。
岸谷 森厳(きしたに しんげん)
岸谷新羅の父親であり、セルティの首を盗んだ張本人。研究と称してセルティの体中を切り裂いたこともある。 日本では「空気が悪い」と言って、区別しやすいようにとわざわざ白く塗ったガスマスクを着用している。妖刀「罪歌」の元の持ち主。白衣を愛用し常に着用している。ネブラをはじめ、様々な組織と繋がりのある、謎の多い人物。
エミリア(えみりあ)
岸谷森厳の再婚相手として新羅とセルティの前に現れた白人の女性。「ネブラ」の研究者。
常にハイテンションで、怪しげな日本語を操る。童顔で、白衣の下に非常に豊満な肉体を持つ。
黒沼 青葉(くろぬま あおば)
4巻から新入生として来良学園に入学してきた少年。折原九瑠璃のクラスメイト。「ダラーズ」の一員。
基本的に明るく社交的な性格だが、実際には興味のない事柄にはまるで関心を示さない。ある目的の元、竜ヶ峰帝人に接触し、池袋の案内を受けてうる最中に、折原姉妹らも巻き込んでの騒動に巻き込まれる。
実は「黄巾賊」につぶされたカラーギャング「ブルースクウェア」リーダーの弟であり、チームの創始者。無能な兄を嫌悪している。何故か帝人が「ダラーズ」の創始者であることを知っており、彼に関心を寄せている。仲間と共に池袋に大騒ぎを起こすための準備を進めているが、その準備を利用しようと目論む折原臨也を敵視している。
田中 トム(たなか とむ)
静雄の上司であり、よき理解者。ドレッドヘアが特徴。
葛原 金之助(くずはら きんのすけ)
交通機動隊白バイ隊員。交通法違反者を追い込みすぎてよく事故らせる問題警官。超絶的なバイクテクニックの持ち主で、暴走族や彼に係わった裏社会の人間にトラウマを植えつけている。映画や漫画でのやられ役的な警察の存在に不満を持っており、それ故に非日常な存在を全く恐れない。セルティと初めて遭遇した時も無灯火運転、危険運転、その他諸々で取り締まろうと凄まじいチェイスを繰り広げ、それ以来セルティの天敵となった。越佐大橋シリーズの葛原宗司との関係は不明。一族が代々警官らしい。

池袋の各勢力・集団

ダラーズ(だらーず)
池袋に根を張るカラーギャング。チームカラーは「無色」つまりは「保護色」。ネット上の「ダラーズ専用サイト」を媒体とする特殊な集団で、サイトにアドレスを登録することでチーム名を名乗れるようになる。その特性上横の繋がりが極端に希薄で、たとえメンバーでもリーダーはおろか、現実でのチームメイトが誰なのかすら知らないことが特徴。
元々は竜ヶ峰帝人がネット上の友人とともに作り上げた架空の組織。しかしジョークサイトとして完全パスワード制の偽サイトを用意してメンバーを集めたことで、次第に現実での実行力を持つようになってしまう(その背後には折原臨也の暗躍がある)。創立時のメンバーが次々管理を手放す中で、唯一管理しつづけた竜ヶ峰帝人が現在も事実上のリーダー(管理者)となっている。
ちなみに、名前の由来は「何もせずにただ集まってだらだらしている」ことから。
黄巾賊(こうきんぞく)
池袋のカラーギャングのチーム。チームカラーは黄色。元々はリーダーの紀田正臣の喧嘩の強さを慕って集まった集団で、メンバーの殆どが中学生前後の若者の集まりだった。取り立てて凶暴な集団ではなかったが、「ブルースクウェア」との抗争(その背後には折原臨也の暗躍がある)の果てに正臣の交際相手が重症を負い、正臣自身もチームを抜ける。その後、消滅したブルースクウェアの元メンバーがリーダー不在の「黄巾賊」に参入し始めたことで、次第にチームは変貌を遂げていく。
チームカラーが黄色なのは当時放映していたテレビドラマの影響、チーム名の由来は正臣が当時三国志を扱った漫画にはまっていたことから。
罪歌(さいか)
妖刀・罪歌に斬られることで支配された人間「罪歌の子」(正確には孫)たちの集団。厳密にはチーム名ではない。現在「母」たる妖刀を持っているのは園原杏里。
「罪歌」は、詳細な由来は不明だが「全ての人間を愛する」妖刀であり、その「愛」の表現として人間と触れ合う=人を斬ることを求める。罪歌を手にしたものは人間をひたすらに愛する「声」に精神を破壊され、妖刀の意思に支配されることとなる。また、罪歌は愛した相手との間に愛の証として「子供」をもうける力を持ち、斬りつけた傷と痛みを媒体に「種」を送り込み、少しずつ宿主の精神を侵しながら新たな「刃物」を媒体に妖刀としての自我を発現させる。
なお、罪歌の子達は意識を共有しているわけではないが「母」には絶対服従で、「子」の一人が巻き起こした「リッパーナイト」事件の末に大元である罪歌(ひいてはその主である杏里)の支配を受け、普段は妖刀としての自我を封印されている。
ブルースクウェア(ぶるーすくうぇあ)
池袋にかつて存在したカラーギャングのチーム。チームカラーは青で、リーダーは泉井。門田・狩沢・遊馬崎たちが所属していたが、離反している。創立者は泉井の弟である黒沼青葉。
メンバーの平均年齢が高く、攻撃的な集団だったが「黄巾賊」との抗争の果てにリーダーの泉井達が逮捕され、また「粟楠会」や平和島静雄を敵に回したことでチームが消滅することとなる。
粟楠会(あわくすかい)
池袋に根を下ろす、いわゆる極道。闇医者の岸谷新羅や情報屋の折原臨也などが繋がりを持つ。
密かに組織の有力者達がアイドルの聖部ルリのファンらしい。
矢霧製薬(やぎりせいやく)
大手の薬品メーカー。最近は落ち目。「セルティの首」を巡る一連の騒動の後、外資系企業「ネブラ」に吸収合併される。
ネブラ(ねぶら)
アメリカに本社を置く外資系企業。著者の他シリーズ「バッカーノ!」に出てくるものと同一。
岸谷森厳やその再婚相手エミリアが所属し、セルティや聖部ルリら人外の存在を狙っている。矢切製薬を吸収合併した。吸収しようとした研究室に「第6製薬部門研究室」とあることから、「バッカーノ!」の「ルネ・パルメデス・ブランヴィリエ」の所属している部署だと思われる。

関連項目