バッカーノ!
バッカーノ! | |||
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ジャンル | アクション | ||
小説 | |||
著者 | 成田良悟 | ||
イラスト | エナミカツミ | ||
出版社 | メディアワークス | ||
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レーベル | 電撃文庫 | ||
刊行期間 | 2003年2月 - | ||
アニメ:BACCANO! -バッカーノ!- | |||
監督 | 大森貴弘 | ||
シリーズ構成 | 高木登 | ||
脚本 | 高木登 | ||
キャラクターデザイン | 岸田隆宏 | ||
アニメーション制作 | ブレインズ・ベース | ||
製作 | Project Baccano!: アニプレックス ムービック ブレインズ・ベース | ||
放送局 | WOWOW | ||
放送期間 | 2007年7月26日 - 11月1日 | ||
話数 | 全13話+番外編3話 | ||
ゲーム:DS電撃文庫ADV バッカーノ! | |||
ゲームジャンル | ETC | ||
対応機種 | ニンテンドーDS | ||
発売元 | メディアワークス | ||
プレイ人数 | 1人 | ||
発売日 | 2008年2月28日 | ||
漫画:バッカーノ! 1931 The Grand Punk Railroad | |||
原作・原案など | 成田良悟 | ||
作画 | 吟遊詩人 | ||
出版社 | メディアワークス | ||
掲載誌 | 月刊電撃コミックガオ! | ||
発表期間 | 2007年2月号 - 2008年4月号 | ||
テンプレート - ノート |
文学 |
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ポータル |
各国の文学 記事総覧 出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『バッカーノ!』は、電撃文庫より刊行されている、成田良悟/著、エナミカツミ/イラストのライトノベル。累計85万部突破。第9回電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)受賞作。漫画版が吟遊詩人により月刊電撃コミックガオ!の2007年2月号から2008年4月号まで連載された。また、2007年7月から11月までWOWOWでテレビアニメ版が放送された。
概要
禁酒法時代のアメリカを舞台とした、錬金術師達が作り出した不死の酒を巡って起こった、馬鹿騒ぎ(バッカーノ)の物語である。登場人物が90人以上登場する事も特徴。
続編は、上記以外の時代・場所を舞台とした物もある。
シリーズ一覧
太字になっているものは、アニメの直接の原作になったもの。
文庫
- バッカーノ! The Rolling Bootlegs - ISBN 4-8402-2278-9
- バッカーノ! 1931 鈍行編 The Grand Punk Railroad - ISBN 4-8402-2436-6
- バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad - ISBN 4-8402-2459-5
- バッカーノ! 1932 Drug & The Dominos - ISBN 4-8402-2494-3
- バッカーノ! 2001 The Children Of Bottle - ISBN 4-8402-2609-1
- バッカーノ! 1933<上> THE SLASH ~クモリノチアメ~ - ISBN 4-8402-2787-X
- バッカーノ! 1933<下> THE SLASH ~チノアメハ、ハレ~ - ISBN 4-8402-2850-7
- バッカーノ! 1934 獄中編 Alice In Jails - ISBN 4-8402-3585-6
- バッカーノ! 1934 娑婆編 Alice In Jails - ISBN 4-8402-3636-4
- バッカーノ! 1934 完結編 Peter Pan In Chains - ISBN 4-8402-3805-7
- バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra - ISBN 4-8402-3910-3
- バッカーノ! 2002 【A side】Bullet Garden - ISBN 4-8402-4027-7
- バッカーノ! 2002 【B side】Blood Sabbath - ISBN 4-8402-4069-7
メディアミックス特典
- バッカーノ! 1931? 回送編 The Grand Punk Railroad - (ドラマCD特典の中編)
- バッカーノ! 193X-A man in the killer - (アニメDVD1-5巻特典の長編)
- バッカーノ! 193X-B The Time Of the Oasis - (アニメDVD6-8巻特典の長編)
- バッカーノ! 1931 時刻表 The Grand Punk Railroad - (DSゲーム特典のゲームブック)
あらすじ
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
三百年前、とある船の上で錬金術師達が不死の法を手に入れるため、『悪魔』を召還したのが全ての始まりであった。悪魔は錬金術師達に不死の酒を与え、唯一死ねる方法と召還主だけに不死の酒の製造方法を教えた。
しかし、その次の日の夜、錬金術師達の内の一人が仲間を喰い始め、彼らはその魔手から逃れる為、世界中に散り散りとなった。そして禁酒法時代のアメリカ、不死の酒を巡り、バッカーノ(馬鹿騒ぎ)が始まる!
1930年代編
- (1930) The Rolling Bootlegs
- 1711年、大西洋航海中のアドウェナ・アウィス号の船上で、錬金術師達は念願だった『悪魔』の召還に成功する。彼らは『悪魔』に不死の体を求め、飲むと不死になれる酒を手に入れた。しかし「不死の酒」を醸造するための知識は直接の召還主であるマイザー・アヴァーロにのみ与えられた。
- その200年後、1930年のNY。カモッラの小組織マルティージョ・ファミリーの若き一員であるフィーロ・プロシェンツォは、幹部への昇進が決まり、夜にはその儀式が行われる予定となっていた。一方で、錬金術師そして不死者でもあるセラードは長年の研究の果てに、遂に「不死の酒」を完成させていた。セラードは、配下のバーンズに「酒」の入った箱を自分のもとへと運ばせるが、彼は途中でダラスら地元のチンピラ集団に絡まれ、箱を奪われてしまう。それを知ったセラードは右腕のエニスをダラス捜索に向かわせるのであった。
- その頃ダラスたちは、先刻の喧嘩に割り込んできたフィーロへの仕返しを果たそうと、その地区を仕切るマフィア、ガンドール・ファミリーに協力を仰いでいた。しかし、全く相手にされずに追い返され、その時に「酒」をガンドールのアジトに置いてきてしまう。エニスは、その後カップルに絡んでいるダラス達を見つけ、セラードの元へと連れ帰る。その際、エニスはアイザックとミリアというそのカップルと友人になる。
- そして、様々な人の手を転々とする密造酒――「不死の酒」を巡り、彼らの運命は更に絡み合っていく。螺旋階段のように……。
- 夜、フィーロの幹部昇進の儀式が開かれた。その最中、アイザックとミリア――正体は強盗のカップルであった2人は、マルティージョのアジトに盗みに入るも、混乱の末ファミリーと打ち解ける。幹部昇進の祝宴には、フィーロの幼馴染であり、またガンドール・ファミリーの元締めであるキース・ベルガ・ラックの3兄弟も参加していた。
- 一方その頃、セラードはダラス達に「出来損ない」(後述。用語の項参照)の酒を飲ませていた。彼らを喰って知識を手に入れ(後述。用語の項参照)、「酒」を巡る状況を把握するためである。そして「酒」がガンドール・ファミリーのもとにあると知ったセラードは、ダラスらに取り戻してくるように命じる。ダラス達は彼らのアジトを襲撃して「酒」の強奪に成功するも、同じくガンドールに盗みに入ろうとしていたアイザックとミリアに、「酒」を金銭と勘違いされた挙句、奪われてしまう。
- 戦利品が単なる酒だと知った強盗カップルは落胆していた。2人は翌日、マルティージョのアジトに向かい、組織の上級幹部であるマイザーに、昨晩の礼にと酒を渡すことにした。その様子を伺っていたエニスは、目撃した事実をセラードに報告した。かつての仲間としてマイザーと私的な因縁のあるセラードは、彼が酒を持っていることに激昂し、エニスを連れて自らマルティージョのアジトに乗り込む。同時刻、ダラス達もフィーロへの復讐を果たそうと同地に向かい、強盗カップルの2人も勘違いの果てにフィーロたちとエニスを救おうと同じ場所へと戻っていった。
- セラードはマルティージョのメンバーを一掃し、遂にマイザーを追い詰める。その頃フィーロは、エニスとの再会を果たし、事件にまつわる全ての「真実」を聞かされていたが、その場にダラスたちが現れ、彼らを追って来たガンドール3兄弟共々銃殺されてしまう。一方、対峙していたセラードとマイザーは、アジトの窓を破って路地へと飛び出るが、そこにアイザックとミリアが運転する車が突っ込んできた。思わぬ邪魔者の出現にセラードは、エニスに2人の殺害を命じるも、彼女は自分を友人として迎えてくれた2人を裏切ることが出来なかった。逆にセラードに刃を向けるエニスだったが、不死であるセラードには利かず、逆に彼のホムンクルスであるエニスは、セラードの一念によって殺されてしまう。
- そこへ死んだはずのマルティージョの面々が現れる。実は「不死の酒」は、ダラスとバーンズの喧嘩の際にフィーロが中身をすり替えて持ち帰っており、昨夜の酒宴で振舞われていたのだった。自分が不死者となったことを知ったフィーロは、セラードを喰うことに成功する。
- 結果として、エニスの主となったフィーロは彼女を再生させる。そして、死を克服した仲間たちと共に不死者としての人生を歩み始めることになったのであった。
- 1931 The Grand Punk Railroad
- 1931年12月30日、その日その列車は出発した。シカゴ発ニューヨーク行大陸横断鉄道フライング・プッシーフット号。絢爛豪華なその外観とは裏腹に、列車内の乗客は尋常でない者たちばかりであった。指導者の奪還を目指す革命テロリスト、快楽追求のために殺人を決行するマフィア崩れ集団、貨物の強奪を狙うシカゴの弱小ギャングのボスとその仲間。さらには強盗カップル、上院議員の妻子、謎の少年、作業着の女、魔術師――偶然乗り合わせた彼らの様々な思惑を乗せ、列車は超特急で走り出す。
- しかし、乗り込んでいたのは人間だけではなかった。伝説の赤い怪物「レイルトレーサー」が、残虐の限りを尽くして乗客たちを喰らっていく。
- 果たして疾走するこの列車に、終着駅は来たるのであろうか……。
- 1932 Drug & The Dominos
- 1931年12月末のNY、マフィア・ルノラータファミリーの幹部グスターヴォは、運搬中の新薬を奪って逃走した犯人の正体を聞き出そうと、情報屋『DD新聞社』を訪れた。社員のニコラスはグスターヴォにロイ・マードックという麻薬中毒者の名を告げる。同じ頃、富豪ジェノアード家の令嬢イブは、行方不明の兄ダラスの居場所を探しに「DD新聞社」を訪れた。社員のエレアンはイブに、ダラスはガンドールというマフィア組織の手により殺されたことを告げる。その直後に新聞社にやって来たロイは、自分が追われていることを知ってルノラータの弱みを握ろうとしていた。社員のヘンリーはロイに、ルノラータがジェノアード家の当主と長兄を殺害し家業を乗っ取った事実を伝え、その唯一の証人としてイブを利用することを提案した。他方、ルノラータと抗争状態にあるガンドールのボス、キースは「DD新聞社」社長と面会し、相手の極秘情報を手に入れた。そして来たるべき闘争に備えて幼馴染の殺し屋クレア、別名「葡萄酒(ヴィーノ)」に仕事を依頼した。
- こうして一介の情報屋を中心に、情報に踊らされた4者の思惑が絡み合う。そしてそれぞれの運命はドミノ倒しのように連鎖していく……。
- 年が明けて1932年、イブは兄の死の真実を知ろうとガンドールへの接触を決意した。ロイはそんな彼女を拉致しようとするがうまくいかず、逆にイブからガンドールの元へ連れて行ってほしいと頼まれる。しかし2人はグスターヴォが雇った殺し屋によって誘拐されてしまう。その頃、ロイが奪った薬の入ったバッグは、信頼できる人の手を次々と渡っていった結果、今は情報屋のもとにあった。それを知ったグスターヴォは非中立な情報屋に激昂し、新聞社への襲撃を決意する。もはや事件の当事者となってしまったその新聞社は、ガンドールに護衛を依頼しルノラータを向かえ打つ準備を整える。
- 新聞社に着いたグスターヴォはガンドール3兄弟に遭遇する。そこで組織を裏切る自分の不正について暴露され、追い込まれてしまう。さらに「葡萄酒」も現れ、その圧倒的強さを前にグスターヴォ一味は窮地に陥る。
- 一方その頃、DD新聞社へと連れて来られていたロイは、ルノラータの麻薬製造者ベグと対峙していた。ベグは人間に究極の幸福を提供するという野望を持っていた。そのため、自分の薬に過剰に反応していたロイに関心を示し、新聞社までロイを追って来た恋人イーディスを人質に取って、彼に最強の薬を打つことを要求した。ロイは要求を飲んで薬を打つも、直後に自ら手首を掻っ切って血を抜き出した。イーディスとの幸せを取り戻そうとするロイの決死の行動に、ベグは自分の非を認める。
- 敗走中のグスターヴォは、同じく新聞社へと連れられたイブに出会い、全ての黒幕は彼女だと勘違いして襲い掛かった。混乱の最中、グスターヴォが父と長兄を殺した犯人であると知ったイブは彼を倒すことを決心し、ラックと共にグスターヴォに致命傷を与えることに成功する。事件はルノラータ側の敗北で決着した。
- ラックからダラスについての真実を教わった彼女は、すぐにでも兄を助け出し、再び幸せを手にすることを決意する。
- ロイは薬を克服することをイーディスに誓い、2人の新しい幸せに向かって歩き出した。
- 1933 THE SLASH
- 1933年9月。不死の体のままドラム缶に閉じ込められハドソン川の河底に沈められていたダラスは、遂に地獄から開放されるが、それもつかの間ヒューイの直属である「妖怪」によってさらわれる。一方、NYで活動し始めた彼らジャグジー達は、ガンドール・ファミリーやマルティージョ・ファミリーの目に余るほどに成長し、ガンドールからはチックとマリアが、マルティージョからはロニー(とエニス)が交渉に向かう。そしてフィーロは、ドミノを倒してしまったために、アイザックとミリアを怒らせてしまう・・・
- ジェノアードの別荘を本拠地にしていたジャグジー達の元に「妖怪」が接触を計り、ヒューイの「実験」を手伝わせようとする。そこにチックとマリアもやってきて、シャーネ・アデル・マリアの戦闘が始まり、さらにロニーとエニスも現われる。
- フィーロはアイザック達の悪戯によってロニーとエニスがダラスによって誘拐されたと勘違いして雨のNYをダラスを探して走り回り、一方でダラスはフィーロへの復讐のために策略をめぐらす。そんなフィーロに謎の男・クリストファーが声をかける。
- 「妖怪」の手伝いのため「吸血鬼」もNYに現われ、フェリックス・ウォーケンと名を変えたクレアも参戦し、全てはネブラ社の高層ビル「ミストウォール」に結集する。
- 193X-A man in the killer -
- 1932年、うだるような暑さのNYはとある連続殺人事件でもちきりだった。
- 雨とともに現れ、本来は殺人に用いない其れで殺された人間の死体は、まるで機関銃で撃たれたかのような在り様を雨上がりに晒け出す。
- 殺人鬼の名はアイスピック・トンプソン。その陰にはかつてこの街を侵食していた不死者の存在があった。
- その名付け親であり正体を追う新聞記者。その記者に取材される作業着の男。その男に振り回される舎弟。
- そして死にたがりの少年は不死身の化け物と出会い――――――――――――死を恐れる新聞記者は、殺人鬼と出会った。
- 1934 Alice In Jails / Peter Pan In Chains
1705年編
- 1705 The Ironic Light Orchestra
- 1705年、イタリア半島の地方都市、ロットヴァレンティーノ。当時、その小さな港町を騒がせていたのは「仮面職人」と呼ばれる犯人による連続殺人事件であった。犯人は顔に純白の仮面を当て、また殺した相手の顔にも同じ仮面を被せていくという。銀色に輝く錘状短剣を手に相手の心臓を貫くという。そして、「仮面職人」の犯行現場を目撃した者は、次の被害者になるという……。
- ヒューイ・ラフォレットは、ロットヴァレンティーノの街に住む15歳の少年である。彼は世界の存在を憎み、世界の破壊を望んでいた。
- モニカ・カンパネルラは、錬金術の「私塾」に通うヒューイの同窓の少女である。彼女はヒューイに想いを寄せていた。
- エルマー・C・アルバトロスは、街に新しく越してきたばかりの少年である。彼は世界の幸せを願い、出会う人々皆に笑顔を求めていた。
- ニキは、街の商人のもとで奴隷として使役されている少女である。彼女は希望の無い生活から死を望むようになっていた。そして、彼女は「仮面職人」の次なる犠牲者であった。
- 4人の少年少女は、「仮面職人」、更には街全体を支配する凶大な力に立ち向かう。300年にも及ぶ不死者たちの馬鹿騒ぎは、全てここから始まった。
2000年代編
- 2001 The Children Of Bottle
- 2001年冬。30年ほど前から、錬金術師マイザーは友人で同じく錬金術師のチェスと共にかつての錬金術師の仲間たちを探して世界中を旅していた。2人は、仲間の1人エルマー・C・アルバトロスについての情報を得て北欧のある村に向かう。旅の途中で再開を果たしたシルヴィ・リュミエール、ナイルの2人も連れて。
- 彼らは、深い森に佇む古風な集落の中に足を踏み入れる。しかし突然、大勢の住民たちに包囲されてしまう。村長のデズを始め、強い警戒を示す住民らは、悪魔を刺激したくないとして4人を追い払おうとするが、マイザーが口にした「エルマー」という名を聞くと途端に恐怖の表情を露にした。どうやらエルマーこそ悪魔の正体であるらしく、さらに村人たちは4人を「悪魔の友人である」と判断し、今にも襲い掛からんとしたところ、そこへ3人の少女が現れる。少女たちは、4人はエルマー様の客人だと言い放ち、彼らを森の奥、エルマーの下へと案内していった。
- 村長、少女達、そして村を覆う違和感。悪魔と呼ばれ恐れられている友人エルマー。閉鎖された静かな村を舞台に、馬鹿騒ぎの幕が開ける。
- 2002 Bullet Garden / Blood Sabbath
- 2002年8月。太平洋を日本へ向かい航行中の全長300メートルを有する超巨大豪華客船「エントランス号」。マルティージョの上級幹部フィーロは、妻エニスともう一人の家族であるチェスを連れ、日本への新婚旅行のため乗船していた。そんな彼らの他には、マルティージョへ私怨を抱き、フィーロに復讐を果たそうとする密航した不良少年の一味や、全米に名の知れた子役ハリウッドスターとその弟で同じく有名な子役スタントマンが乗船し、さらには自らを『仮面職人』と名乗る「ビジネスマン」たちと、彼らを追う者達も乗り込んでいた。
- 一方で日本からアメリカへ向かう姉妹船「エグジット号」にも負けず劣らずの様々な乗客たちがいた。友人の招待で旅行気分で船に乗り込んだ、齢300年を越える不死者たち。そして、彼ら不死者の身柄を狙う宗教団体の教主と信者たち。また、「ビジネスマン」の新米社長と彼の側近、その他大勢の部下。
- 眺めているだけでも満足させるような絢爛豪華な2隻だが、その最大の売りは太平洋上で両船がすれ違うイベント。しかし、今回はその通りになるとは限らない。まるで70年前、あの列車での出来事を再現するかのように脱出不可能な2つの空間内で次々と事件が起こり始める。全ては模倣犯(コピーキャット)の狙い通りに収束していくのか?
登場人物
以下に付記されている声優はドラマCD/アニメの順。
複数の年代に登場する人物
この項では主に2つ以上の年代に渡って活躍する人物について紹介する。
マルティージョ・ファミリー
- フィーロ・プロシェンツォ FIRO PROCHAINEZO
- 声:/ 吉野裕行
- 本作の中心的人物(多少例外はあるが)。20歳前とまだ若いがニューヨークのカモッラ、マルティージョ・ファミリーの幹部。幹部昇進の儀式でパールグリーンの中折帽を買った。幹部昇進後、違法カジノの仕切りを任される。とある事件で不死者となった。
- 上記の通り20歳前であるが、童顔である為もう2~3歳若く見られる。それをかなり気にしていて、気を許した者以外がそのことに触れると激しく怒る。クレアとガンドール三兄弟とは幼馴染。
- 戦闘力の高い登場人物達が多いため目立たないが、ナイフ捌きやケンカの腕もかなりのもの。非常に仲間思いで、身内に対する脅迫に対して放った殺気には、リーザやシャムもすくみ上がるほど。
- 2002年までにはエニスを妻に迎え、マイザーに代わって組織の出納係になっている。長年のあいだにマイザーそっくりな物腰を身につけ、髪型をやや変えて伊達眼鏡をかけるようになった。が、それは組織としての顔であり、素の性格は全く変わっていない。また、カジノの仕切りをやっていた経験からか、ギャンブルは強い。
- エニスに一目惚れするが、恋愛は奥手。ずっと同居していて結婚までに50年ほどかかった上に(一応、プロポーズは勇気を出して自分からした)、結婚して20年経ってもキスぐらいまでしかできていない(結婚式での誓いのキス一回だけだと思われる)。さらにハネムーンの初夜の感想が「よく眠れた」という程(しかも気にしていない)。
- マイザー・アヴァーロ MAIZA AVARO
- 声:/ 宮本充
- 300年前、船上で悪魔を召還した錬金術師で不死者。セラードに同じく不死者であった弟を喰われた。ファミリーでは『出納係(コンタユオーロ)』を担当。フィーロとは信頼出来る関係にあり、彼を弟の様に可愛がっている。
- 温厚で礼儀正しいが、ファミリーの事を侮辱されると多少恐くなる。またナイフ捌きもフィーロを上回るほどの腕前。
- 1970年頃に錬金術師の仲間達を捜す旅に出ており、2002年に帰ってきた。Template:マイザー・アヴァーロ1705年頃は『腐り卵』と呼ばれるイタリア貴族の若者達による不良集団のリーダーだった。当時はアイルという通名で呼ばせており、守銭奴(マイザー)とケチ野郎(アヴァーロ)という自分の名前を嫌っていた。また、口調も乱暴だった。
- モルサ・マルティージョ
- 声:/ 長克己
- マルティージョ・ファミリーの『頭領(カ―ポ・ソチエタ)』。とある事件で不死者となった。ファミリーの規模は小さいものの、マイザーの傷が再生していくのを見ても殆ど驚かなかったというかなりの人物。彼がフィーロの幹部昇進の際に放った祝砲が、アイザックとミリア(アニメ版では彼らとファミリー全員)を不死者にする遠因になった。
- 料理には胡椒をかけて食べるのが好きであるらしく、無いと我慢できないらしい。切れていると翌日に自ら大量に買い込んだり、ロニーが無くなる前に買い置きをしている。
- カンシチロウ・ヤグルマ
- 声:/ 塚田正昭
- マルティージョ・ファミリーの『年寄り(プリモ・ヴォート)』。日本から移住して来た。とある事件で不死者となった。
- 武道の心得があるらしく、実力はヴィクターを気づく間も無くあっさり床に這い蹲らせるほど。ラックにロニーとともに侮りがたい人物の一人として名前が挙がっている。財布をスろうとした少年時代のフィーロを背負い投げし、後の彼のファミリー加入へのきっかけを作った。
- ロニー・スキアート
- 声:/ 神奈延年
- マルティージョ・ファミリーの『秘書(キアマトーレ)』を務める20代前半の男。フィーロのナイフ捌きの師匠であり、他の組織とのもめごとの交渉役でもある。一部の人間には『葡萄酒(ヴィーノ)』にも引けをとらないヤバイ男として知られている。仕事時の威圧感は尋常ではないが、普段は面倒見がいいらしい。
- 口癖は「まあいい」。実はマイザー等錬金術師達に不死の酒を与えた悪魔で、現在はエルマー・C・アルバトロスの願いによってマイザーを影ながら支えている。ただし、本人が言うには「知恵を付けすぎた錬金術師」であるらしく、悪魔と呼ばれるのには納得していないらしい。アデルとマリアの戦闘中に2人の武器を何の苦も無く奪い取ったり、マリアが刀を振るのに合わせて雲を切り裂くなど、力の無駄遣いをマイザーに指摘されるが、本人は反省していないようである。セラードに顔を覚えられていなかったため、次に召喚されたらインパクトを大事にしようと考えている(アニメでは実体を見せず影のような姿で召喚された)。電撃h&pに掲載された「B.C.300 Notorious B・E・Ginning」によると、彼は紀元前300年頃にロニー・スキアート(通称:ロニー1号)という名の“鋼の冶金術師”に召喚された『真なるホムンクルス』である。生み出された当初、つまりフラスコの中にいた頃は全ての知識をもっていたが、ある日ロニー1号に騙されたため未来に関する知識を代償に二人目のロニー・スキアートとしてこの世に現れ、ロニー1号が作れなかった不死の酒を完成させて今にいたっている。
- この設定は作者いわく、信じるも信じないも読者次第とのことである。
- エニス ENNIS
- 声:/ 小林沙苗
- セラードによって造られた人造人間(ホムンクルス)で、普段は彼の運転手を勤める。外見はフィーロより少し年上くらいで、女物の黒いスーツを着ている。セラードの不死の細胞ととある女性の細胞によって造られた、セラードの肉体の一部でもある。ゆえに生殺与奪はセラードに握られる立場であったが、セラードがフィーロに喰われてしまったのでフィーロの一部となった。ネブラ社のビルの扉を空中回し蹴りで破壊できるくらいの体術の達人でもある。
- 今までは孤独な生活を送っていたが、フィーロと出会ってから彼と惹かれあい、現在は彼を含めたチェスと同居している。セラードの命令で何人もの不死者を喰ったので多種多様な知識を持っているが、ホムンクルスであるため“理解”ができていない。
- 2002年にはフィーロの妻になっているが、恋愛感情などを理解していなかったため、結婚までに50年程かかったらしい。若干髪型が変わっている。
- ランディ
- 声:/ 相馬幸人
- マルティージョ・ファミリーの幹部。ペッチョとコンビを組んでいる。とある事件で不死者となった。あまりに痩せているので仲間からは『ゴースト』と言う不本意なあだ名をつけられている。
- ペッチョ
- 声:/ こぶしのぶゆき
- マルティージョ・ファミリーの幹部。ランディとコンビを組んでいる。とある事件で不死者となった。あまりに太っているので仲間からは『ミートボール』という不本意なあだ名をつけられている。彼とランディの火遊びから生じた火事が、マルティージョ・ファミリーとガンドール兄弟を不死者にする、とある事件の引き金となった。
- セーナ
- 声:/ 座光寺知幸
- マルティージョ・ファミリーの活動拠点である「蜂の巣(アルヴェアーレ)」の店主。表向きは蜂蜜屋だが、裏では酒場を経営している。料理の腕はいいが、料理にも酒にも蜂蜜をタップリ入れるのが欠点。とある事件で不死者となった。
- 禁酒法が無くなってから「蜂の巣(アルヴェアーレ)」は合法的なレストランになったが、彼女の蜂蜜料理が当たって繁盛しているらしい。さらに2002年にはモルサが私財を先物取引して大当たりし、その金でチェーン店すら開いており、ほとんどカタギになったファミリーの資金源になっている。
- リア・リンシャン
- 声:/ 松嵜麗
- 「蜂の巣(アルヴェアーレ)」で働いている中国人女性。とある事件で不死者となった。ジャグジー一味のファンの姉で、ガンドール・ファミリーの酒場で働いているイーディスは友人。
- アニー
- 「蜂の巣(アルヴェアーレ)」が禁酒法が無くなってから規模を拡大したため、新たに雇った新米ウェイトレス。実はヒルトンの一個体。
泥棒カップル
- アイザック・ディアン ISAAC DIAN
- 声:小野坂昌也 / 同左
- 本作における狂言回し的存在。底抜けに明るく馬鹿な性格で、当人達に自覚は無いが騒ぎの中心になっていることが多い。1930年の事件で不死者となった。ミリアと行動を共にしており、仮装して毎回奇妙な物(チョコレート工場のチョコレート全部、美術館のドアなど)を盗むので世間には仮装強盗として知られている。実家は金持ちであるらしい。
- 『獄中編』ではそれまでのバカキャラとは一転(?)、ミリアを警察から逃がし、自分だけが連行される。
- ミリア・ハーヴェント MIRIA HARVENT
- 声:笠原留美 / あおきさやか
- アイザックとは2人で1人のバカップル。アイザック同様、1930年の事件で不死者となった。過去に相当な悩みごとがあったらしく、昔の自分については語らず、アイザックもそれに触れようとはしない。
- 表面に見せるバカップルの片割れとしての態度だけでなく、結構深い思考をしているようで、自分たちを取り巻く状況をかなり正確に洞察しているような描写も見受けられる。
- 2001年になって、ようやく自分達2人が不老であることに気付いた。
ガンドール3兄弟
- キース・ガンドール KEITH GANDOR
- ガンドール・ファミリーを仕切っている3兄弟の長男。とことん寡黙で長話することは皆無に等しいが、電話では饒舌になるらしい。何故か、全部ジョーカーのトランプをいつも持っている。とある事件で妻と共に不死者となった。仲間には優しいが、敵や不正を犯した味方には冷酷である。クレアやフィーロとは幼馴染(これは他の2人の弟も同様)。後に、『葡萄酒』(ヴィーノ)との関係から彼の曾孫などの世話を引き受けたりするなど、意外と子供と接する機会が増えているようだ。ただ、そのせいでキースの無口も映ってしまうなどの問題もあった(『葡萄酒』の曾孫のシャロンが無口なのは9割以上これが原因)。
- ベルガ・ガンドール BERGA GANDOR
- 声:/ 三宅健太
- ガンドール・ファミリーを仕切っている3兄弟の次男。とてつもない馬鹿力の持ち主だが、短気で頭はからっぽ。とある事件で妻と共に不死者となるが、身体が丈夫になったぐらいの意識しかない。
- クレアと違って技術はないので、不死の体を利用して攻撃を受けながら怪力で仕留める戦い方をする。
- ラック・ガンドール LUCK GANDOR
- 声:/ 子安武人
- ガンドール・ファミリーを仕切っている3兄弟の三男。兄弟の中では一番感情が揺れ動くタイプだが、割と気品が良く紳士的。とある事件で不死者となった。狐目。
- 不死者になって死ぬ心配が無くなってから、自分が日和ったと考えている。マリアがファミリーに入ってから、彼女のことで頭を痛めている。
- 1950年頃、フィーロと共にメキシコの別の組織を潰したらしい。
錬金術師
- マイザー・アヴァーロ MAIZA AVARO
- マルティージョ・ファミリー、マイザーの欄参照。
- チェスワフ・メイエル CZESLAW MEYER
- 声:神田朱未 / 同左
- 見た目通り少年の不死者。縮めてチェスと呼ばれている。1932 Drug & The Dominos で使った偽名はトーマス(発明王・トーマス・エジソンがその年に死去したと覚えられるだろうということから)。セラードが裏切り、不死者達が散り散りになった後、保護者代わりであったフェルメートと共に行動していたが、彼がチェスに凄惨な虐待をし始め最後にはチェスを喰おうとしたので逆に彼を喰った。彼の心にはいつ自分が喰われるかという恐怖心しかなかった事を知り、愕然となる。その後、子供の外見を利用して大人達を欺いて生きてきた。
- しかし「フライング・プッシーフット」の事件でクレアに未知の痛み(様々な拷問。その後もトラウマになってしまっている)を覚えさせられ、アイザックやミリアの真にチェスを心配する気持ちにふれ、多少改心したようである。その後はフィーロやエニスと共に暮らしている。
- 普段は外見相応の少年の話し方をするが、実際の一人称は「私」で、口調の荒いマイザーのような話し方をする。遠出をするたびにトラブルに巻き込まれるため、旅行と相性が悪いと考えている。
- マイザーが1970年頃に錬金術師の仲間達を捜す旅に出た時に同行する(フィーロ達への後ろめたさから)。
- 2002年、フィーロとエニスと共に、家族旅行として豪華客船『エントランス』にて日本に向かう。その際に、ジャグジーの子孫、ボビー一味と関る。クレアに対するトラウマはまだ健在で、彼の曾孫であるクローディアには振りまわされっぱなしである。(逃げようとしたらクロスチョップを受けて馬乗りにされた。)
- 1705年の時点では5歳になるかならないかで、その頃に家族を事故で亡くしているらしい。祖父はベグとフェルメートの(錬金術の?)先生だという話がある。
- チェス自身が喰ったと思われたフェルメートだが、2002年旅先の京都で再会し、チェスのトラウマを執拗に責める発言をしている。恐怖に囚われたチェスは、フェルメートの頭上に右手を乗せるものの、フェルメートから自分の心の変化を告げられ『喰う』事が出来ないままで終わる。フェルメートに別れを告げられた後、心身ともに打ちのめされたチェスはフィーロと再会しても、ただ泣き叫ぶ事しか出来なかった。
- シルヴィ・リュミエール
- 声:/ 高垣彩陽
- マイザーの弟・グレットの恋人。当初は、不死の酒を飲まなかったが、彼を喰ったセラードを憎み、彼に復讐する為に美しくなってから不死の酒を飲んだ。その後、歌手となって各地を転々としていたようだが、1970~2001年の間にかつての仲間を探しにきたマイザーに着いて行き、エルマーを探す際に同乗している。外見が子供のままのチェスが気に入っている様子。
- 船に乗っていたときは17歳だが、美しさを磨いて20代になってから酒を飲んだ。絶世の美女、夢魔を思わせる妖艶さとまで評されるほどの美女になっている。エルマー曰く「シルヴィ・20代バージョン」。
- 2001年のとある村での事件の後、ナイル、エルマーと共に日本に田九郎を探しに向かった。田九郎を見つけた後はフィルの一人と同居しながら日本に滞在していた。
- 2002年、ヒューイの招待状で豪華客船『イグジット』に搭乗し、アメリカに向かう。事件後は、FBIに拘束されてアメリカに滞在中。
- ナイル
- 声:/ 坂口候一
- 不死となったことで死を忘れる事を恐れ、戦場の前線に参加するようになったが死を間近に見すぎたせいで、逆に死を日常的なものと思うようになってしまった。その死に対した無表情を他人に見られることを恐れ、極彩色の仮面を常に付けている。口癖は「あえて言おう」。
- 王となる為に考古学者に拾われ、母なる大河の名前をつけられた、と本人はいっているが詳細は不明。レイルの起こした爆発事件での警察の事情聴取を受けた人の中に、ナイルらしきしゃべり方の人物がいる。クリストファーの歯を全部叩き折った川のような名前をした奴というのも名前は出ていないが恐らく彼だろう。
- ベルベル語と中国語と英語とインドネシア語が話すことができる。日本語は不勉強。
- 2001年のとある村での事件ののち、シルヴィ、エルマーと共に日本に田九郎を探しに向かった。ちなみに日本滞在時に殴り合いの喧嘩で負けた(『デュラララ!!』の平和島静雄か?)らしく、本人にとっては思い出したくない思い出となった。
- 2002年、ヒューイの招待状で豪華客船『イグジット』に搭乗し、アメリカに向かう。事件後は、FBIに拘束されてアメリカに滞在中。
- エルマー・C・アルバトロス
- 声:/ 大畑伸太郎
- ハッピーエンドの為ならばどのような手段も厭わない『笑顔中毒者(スマイルジャンキー)』。『Mr.ハッピーエンド』とも呼ばれる。
- 人を笑わせるため(と本人は思っている)にいろいろと冗談を言ったり、ふざけたりするが、「嘘じゃない」と最初につけた場合は本当のことを言っているらしい。シルヴィ曰く「船に乗っていた錬金術師の中で一番奇妙な奴」。
- 元はとある宗教団体で生贄となる為に育てられ、かつ虐待を受けてきた影響で、幸福という感情が分からなくなった。そのため不死者となった今では、自分の笑顔を信じるため、人に笑顔と幸せを望み続けている。聖人のようにも思えるが、善と悪の区別をせず、状況も心境も関係無く、相手に心からの笑顔を要求する様子は、むしろ悪魔に近い。
- 事実、エルマーの歪みを直接目の当たりにしたヒューイやフェルトは、彼を「純粋な悪」だと評している。
- ヒューイ自身が認める彼の親友。2001年のとある村での事件ののち、シルヴィ、ナイルと共に日本に田九郎を探しに向かった。
- 2002年、ヒューイの招待状で豪華客船『イグジット』に搭乗し、アメリカに向かう。事件後はルキノら「仮面職人」と行動を共にする。
- なお、1931年には「フライング・プッシープット」の件に乗客として直接関わっていたらしい。その詳細はDS版バッカーノで語られる予定とのこと。
- フェルメートのチェスに対する「変な感情」には気づいていた模様。
- 因みに、今は親友であるヒューイに最初に持たれた印象は最悪だった。
- 後述のヒューイ、モニカと並んで組織としての『仮面職人』の創設者。また、前述の宗教教団『SAMPLE』から贄神として崇められていた。2002年、イグジットに搭乗した際にエルマー達を捕まえようとした、『仮面職人』の現頭領ルキノ・B・カンパネルラと邂逅。数日後、船内で再会したエルマーは放送や、彼の出身地、顔立ちから誰の子孫かを見抜く。ルキノが当惑するものの、エルマーは自分が現在も一員だとして、協力を申し出て事件を終結へと導く。またルキノとの会話で、エルマーは1931~32年頃にフェルメートに会っているらしい。
- ヒューイ・ラフォレット
- 声:/ 千葉進歩
- 一見すると物腰穏やかな好青年だが、エルマーを除く全ての人間、動物、植物、果ては実の娘までをも『実験材料』としか考えていない男。エルマーと交わした約束により、実験対象以外には極力被害が出ないよう振舞うが、一度実験対象と見なしたものに対しては全く容赦がない。
- エルマーは親友であり、『人』として接することのできる唯一無二の存在。セラードから盗んだ知識で様々な研究を進めている。最終目的は「不死者の社会的な限界を見極める」こと。『幽霊(レムレース)』『妖怪(ラルウァ)』『吸血鬼(ラミア)』『リズム』『タイム』等、直属の組織を幾つも束ねる。
- 1710年の事件で妻であったモニカをフェルメートに殺害されたことをきっかけに、自分の娘を含めた全てを実験体と割り切る今のヒューイが形成されることとなった。また2002年でヒューイはフェルメートと連絡を取り合っている。
- ヴィクター・タルボット
- 声:/ 下山吉光
- FBI所属。極秘に不死者関連の事件を追っている。マフィアやカモッラ等の無法者達を毛嫌いしている。規律に厳しく、言動もひねくれているため嫌な奴だと誤解されがちだが、自分の住む国と国民をとても好いている。己を憎まれ役にすることも厭わない偽悪者。
- 1934年にはフィーロをアルカトラズに送るなどヒューイの動向を探らせるが、ヒューイに振り回されて脱獄を許す羽目になる。
- 2002年はフィーロ達のパスポートを手配したり、シージャックの事後処理に動いたりと何かと苦労を重ねていた。その過程で昔の不死者達を再会を果たすこととなる。
- 東郷田九郎
- 声:/ 斧アツシ
- 日本人。エルマー曰く「ニンジャ」。歩いて日本へ帰ろうとしたが、北極で氷漬けとなり、ソ連の原子力潜水艦に発見されるまで250年間身動きが取れず。KGBに追われて逃げまわった上に東西冷戦に巻き込まれ、ベルリンの壁崩壊まで帰国できず。ようやく帰った時にはとっくに家系は滅んでいた。
- シルヴィを独自に追っていたが、マイザーと入れ違いになってしまい結局再会はならず。1990年ごろは日光江戸村にいたらしい。現在は世界を転々としている。シルヴィに惚れているフシが有る。
- 2002年、ヒューイの招待状で豪華客船『イグジット』に搭乗し、アメリカに向かう。事件後は、FBIに拘束されてアメリカに滞在中。
- 本人曰く、北極海を徒歩で移動中フェルメートの罠に嵌り、眠らされて箱詰めでクレバスに落とされたとの事。
- ベグ・ガロット
- 声:/ 金光宣明
- たどたどしい口調で話す薬剤師で、人が幸せになれるのを求め、麻薬を作っていた。麻薬中毒者だが、体には既に麻薬に対する耐性がついてしまっている。主であるバルトロが亡くなってからは放心状態となり、2002年では精神病院に入れられている。
- 1705年頃は早口ではあるが、比較的まともな口調で話していて、マイザーの父親に麻薬の精製を依頼されていた。チェスと仲がよく、船に乗っていたころは一緒に探検したりしていたようだ。
- セラード・クェーツ SZILARD QUATES
- 声:/ 有本欽隆
- マイザーが悪魔を呼び出した後、何人もの仲間を『喰った』騒ぎの元凶。半分だが『不死の酒』の調合方法を手中に収め、それを元に酒の『出来損ない』を調合。以後は完成品を求めて調合師に作成を進めさせていた。
- 最終目的は全ての知識を知る存在『人工生命(ホムンクルス)』に酒を飲ませ不死化させ、それを喰い全ての知識を得る事。船の上で13人、それ以降も合わせると不死者を18人『喰った』。1930年の事件でフィーロに『喰われた』。
- 他人に全く興味を示さず、全ての知識を手に入れることを目的に実験を繰り返し、不死者を喰らってきた。フィーロに喰われて消滅しても、後々まで彼の欲望の爪あとは残った。フィーロは彼を「孤独で可哀想な奴」と評している。
- どうも、実際に船内で『喰った』人数は12人らしい。
- ルネ・パルメデス・ブランヴィリエ
- グラマラスな曲線が特徴的な、いつもニコニコしているドジっ娘。
- 1705年、『私塾』の生徒に錬金術と歴史を専門に教えていた。そのためヒューイからはパルメデス先生と呼ばれる。当時『私塾』の校長であるダルトンにナイフで刺されたが再生している事実から、マイザー達より前に不死者になっていた可能性が高い。
- 1930年代にはネブラの製薬部門第六開発部部長として「不死」に関わる研究に従事している。科学者としては非常に冷酷であることが裏表のない無邪気な言動から伝わってくる。1934年の事件では、元フェリックス4人組(実はシャム)にヒューイの眼球を手に入れてほしいと依頼したが、後に彼によって自身の片目も奪われる。また、その事件の際にプラチドとクリークを喰った。
- たまには自分の娘に…というヒューイの台詞からシャーネとリーザは彼女とヒューイの娘ではないか、等の意見が出てきている。
- フェルメート
- 声:/ 成田剣
- 船の仲間が別れた時、チェスの保護者を引き受けた男。チェスの事は「暇潰しに最適」程度にしか思っておらず、仲間がセラードに喰われた知らせを受けた後は「何時か喰われるのでは」と恐怖を抱いていた。
- ある日チェスを喰おうとするが、思わぬ反撃に会い逆に喰われてしまう。歪んだ思いはチェスに全て受け継がれ、彼を苦しめることに。(一部の)仲間からの評判もあまり芳しくなく、ヒューイに至っては「嫌悪に値する劇薬」扱いしていたらしい。
- フェルメート}}本名ラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。それぞれの名前を小分けにして暗躍を続けていた。作者曰く「ラスボス」。ラブロとしては後にセラードに喰われたある錬金術師に『喰われて』いて、フェルメートはチェスワフに『喰われて』いる。さらに、2002年時の『仮面職人』の「四苦」(『生』ライブ) であり「エントランス号」でフィーロと同乗した殺し屋アンジェロの仲間「解体屋」でもあり、300年以上続く邪教団「SAMPLE」では監察役ヴィラレスクとして道主をも選別できる立場にもあった。これら全てが、自分の抱える少年少女達を困らせる為だけに行ってきたような言動がある。「イグジット号」から脱出した後、道主ブライドが瀕死の折に、生きたいか?と尋ねている。そして、その後の言動から未完成品の不死薬を作り出しているようだ。道主ブライドがそれを断り、海に沈むと、さらって来た元贄神イルネスを新たな『道主ブライド』として据えた。下記の模倣犯であり、客船事件の失敗から表舞台に立つ決意をする。ヒューイ曰く、1931年の「フライング・プッシーフット」の事件では何らかの形で関わっていた模様。
1930年代編
ガンドール・ファミリー
- ガンドール3兄弟
- ガンドール・ファミリーを仕切る3兄弟。詳しくは上記不死者の項参照。
- ケイト・ガンドール
- キースの妻。以前は映画館で伴奏オルガンの奏者をしていた。1932年の事件の際、ガンドール・ファミリーを追って来訪したイブとロイを自宅に招待した。
- カリア・ガンドール
- ベルガの妻。1932年の時点では、ベルガとケンカ中らしい。
- チック・ジェファーソン
- 声:/ 山口勝平
- ガンドール・ファミリーの拷問係(厨房に立って鋏で料理をしている描写があるので、料理係もしているのかもしれない)。そのような仕事に反して性格は温厚であり、常にニコニコと笑い、語尾を伸ばすのんきな話し方をする。そのような態度から頭が悪いように見られることが多々あるが、実際には周りの状況をかなり深く把握している。
- 潰れかけの時計屋の店主の息子で父親の借金のカタにガンドール・ファミリーの一員となった。元々鋏が好きで子供の時から年がら年中持ち歩き、今は拷問道具兼武器としても使っている。マリアとは仲がいい。
- マリア・バルセリート
- 元はガンドールと対立していたルノラータ・ファミリーの一派に雇われた殺し屋だったが、キースの漢気に感銘を受け、成り行きでガンドール・ファミリーの世話になる。その後はガンドール・ファミリーの踊り子兼用心棒になった。
- 外見は美しく成長したが、中身は子供のままの天真爛漫な性格。なにかとアミーゴ(友達)と相手を呼ぶ、陽気なメキシカン。精神年齢が近いのか、チックと仲がいい。
- 武器は祖父の形見の2本の日本刀で、名前はそれぞれ「ムラサーミァ」と「コチーテ」。何かを斬ることそのものが生き甲斐。一度はアデルにほぼ完敗を喫するも、その後リベンジを果たす。
- 因みに、著者の別シリーズ「がるぐる!<下>」で彼女らしき人物が微妙に言及されている。アニメ版には第1話で背景に登場。
- チックに好意を寄せており、ミストウォール事件の後、彼に自己流の告白をした。
- ニコラ・カセッティ
- 武闘派幹部。通称ニコ。
- 1932年のルノラータとの抗争時、頭に銃弾をくらいながらも構成員を連れ帰ったことからかなり腕っ節が強いことが伺える。その実力たるや、グラハム・スペクターと6勝1敗の戦績らしい。
- リシュアとは相思相愛だったらしく、事件解決に目立った活躍はないものの殺人鬼に対し確かな憎悪を燃やしていた一人である。
- ジョギー
- ガンドール・ファミリーの財務担当だったが、不正を犯した上、自分で墓穴を掘ってしまい、海へ沈められたらしい。
- マイク
- ガンドール・ファミリーの構成員。入り口で番をしていた所、ダラスにナイフで頚動脈を斬られ、死亡。
- イーディス
- ロイの恋人でガンドールが経営する酒場のウェイトレスをやっている。アニメ版では1932がかなり変更されたため未登場。
セラードの組織関係者
- セラード・クェーツ
- 声:/ 有本欽隆
- この世の全ての知識を有する『人工生命(ホムンクルス)』の創造と不死の酒の醸造を目的に研究を進めていた。詳しくは不死者セラード・クェーツの項参照。
- エニス
- 声:/ 小林沙苗
- セラードの忠実な部下にして彼によって生み出されたホムンクルス。詳しくはマルティージョ・ファミリー エニスの項参照。
- バーンズ
- 声:/ 西村知道
- セラードの組織に所属していた。出来損ないの不死者。心底セラードに忠誠を誓っていた。『不死の酒』の完成品を奪われた為にセラードに『喰われた』。
- スタージェン・ハイム
- セラードの組織に所属していた。出来損ないの不死者。1929年、老衰で死亡。
- ヴェルド
- エドワードらの上司にあたる捜査局の警視。おそらく出来損ないの不死者と思われる。
不良集団(ジャグジー一味)
- ジャグジー・スプロット
- 声:阪口大助 / 同左
- 顔半分に剣の刺青をしていて一見恐そうな印象を受けるが、実は臆病で優しい性格。フィーロと同じく本作の中心的人物(多少例外あり)。新しい話が出て登場する際は必ずと言って良い程泣いている。
- 禁酒法は間違っているという考えを抱き、こっそり酒を売り始めるが、気の弱さに反比例するかの様に人望があった為、彼の周りにドンドン同世代の少年少女達が集まってきて、結果的にそれなりの戦力を持つ不良集団のボスとなってしまった。
- 上記の通り臆病だがやる時はやるタイプで、いざという時は頼りになる。また、その時は決して泣かない。貨物の強盗目的でフライング・プッシーフットに乗り込むが、黒服、白服や「線路の影をなぞるもの(レイルトレーサー)」から乗客を守る為に戦った。
- 尚、顔の刺青は、視力のほとんどないニースでもすぐに自分だと解るようにと彫った。
- 2002年には曾孫がいることから、ニースと結ばれたと思われる。2002年時点での生死は不明である。
- 生き別れた弟と従姉妹がいる。
- ニース・ホーリーストーン
- 声:佐藤朱 / 小林ゆう
- ジャグジーの幼馴染兼恋人(10年つき合って初めてキスされた)、更に彼が泣いている際のなだめ役にして右腕。ジャグジー以外には敬語を使う。
- 幼い頃、いじくっていた爆弾が暴発し、片目を失明、もう片方の目も視力を殆ど失ってしまった。そのため十分美人といえる容姿をしているが、体に大きな火傷らしき痕が残っており、眼帯と眼鏡をかけている。爆発及び爆弾そのものに恍惚感を覚える爆弾狂。最近、日本の花火に凝っている。
- 2002年時点では生きていると思われ、子供や孫、曾孫と家族に恵まれているが、過去のトラブルで家族全員にマルティージョに関わらないように言い聞かせているが、曾孫には効果がなかった。
- ドニー
- 声:稲田徹 / 園部好德
- メキシコ人の大男。怪力で不良集団の用心棒的存在。移民のため、英語は片言。アニメ版では3mはあろうかという体格にされている。
- ニック
- 声:/ 河本邦弘
- ジャックと幼馴染。ナイフを武器とし、ニースのことを「姐さん」と呼びながらも、自分達のボスであるジャグジーは呼び捨て。良い奴。影が薄い。
- ジャック
- 声:松原大典 /
- ニックと幼馴染。フライング・プッシープットの事件では、ラッドにボコボコにされた。
- ケニー
- ジャグジーの仲間。ルッソ・ファミリーによって殺された8人の内の1人。
- ファン・リンシャン
- 声:寺本勲 / 伝坂勉
- ジャグジーの仲間。職業は料理人。チャイニーズ。「フライング・プッシープット」の件で、料理長推薦によりジェノアード家に雇われる。リア・リンシャンの弟。
- ヨウン・パーネル
- 声:松本考平 / 太田哲治
ジャクジーの仲間。職業はバーテンダー。アイリッシュ。ファン同様「フライング・プッシープット」の件で、料理長推薦によりジェノアード家に雇われる。
- ちなみにゲームの中の死亡勇戯編ではプレイヤーの気持ちを代返したり異様なハッタリをかましたりと、本来のヨウンとかけ離れた存在になっている。
チャイニー
- 不良集団の一味の少女。仲間との会話で主に「ヒャッハァ!」と言っている。チャイナ服を着用。稀に哲学的なことを言うことがある。
- 著者は当初男性として設定したようだが、漫画版では女性として描かれており、著者もその完成度を気に入った為に設定が変更されたキャラクターでもある。なお漫画版では当初メガネに「殺鬼」という文字が入れられるはずだったが、ちょい役での登場だったので断念したそうである。漫画版1巻の裏表紙は彼女とジャグジーの仲間の金髪ツインテールの時計少女の2人が飾っている。
- また「ひゃっはぁ!」とひらがなで言っているのはチビと呼ばれている別人である。こちらについては漫画版では女性、原作のイラストでは男性となっているが、著者によれば「パラレル的な感じで楽しんでほしい」としてあまり気にしていない様子である。(著者のHP参照)アニメ版では第一話と第八話に声が入っている。但し、「ヒャッハァ」ではなく「ヒャッホゥ」と聞こえる。
- シャーネ・ラフォレット
- 声:相沢舞 / 広橋涼
- ヒューイの娘。主に黒いドレスを着ている、黒髪、金色の目をした美女。父親から知識を貰う代わりに(それを他人に漏らさないため)声を消してもらった。フライング・プッシーフットの事件でクレア・スタンフィールドと婚約を交わす。父への忠誠心は恐らく誰にも負けない。
- 父が逮捕された後はグース達と共に行動していたが抜け、現在はジャグジー達と共に行動している。
- 話すことができないので筆談で意思疎通をするが、婚約者のクレアは「愛」と「テンション」によって筆談でなくてもシャーネの話していることが理解できるらしい。クレアにからかわれるたびに照れたり、顔を赤くしたりと純情。
- 2002年でも生きており、曾孫が生まれている。彼女の影響か、子孫に無口な者が多い。
- メロディ
- ジャグジーの不良集団の一味の金髪ツインテールの少女。両腕に何本も腕時計をしていることからファンの間では時計娘、時計少女等の名で呼ばれる事が多い。しかしアニメ製作ブログより「メロディちゃん」と公開された。
- アニメDVD第1巻のエナミカツミ書き下ろしのイラストではチャイニーとチビに男性からスッた懐中時計を手に、自慢するかのような笑顔を浮かべている事から、恐らくつけている時計の多くは盗品であると思われる。
- チビ
- ひゃっはぁ!が口癖のジャグジーの不良集団の一味の少年。
黒服集団『幽霊(レムレース)』
- シャーネ・ラフォレット
- 声:相沢舞 / 広橋涼
- 「フライング・プッシープット」の件で離反。ジャグジー一味の項を参照。
- グース・パーキンズ
- 声:千葉進歩 / 菅生隆之
- ヒューイが逮捕された後、『幽霊』リーダーの座に収まった。ヒューイの革命を実現させるため、フライング・プッシーフットに乗っていたベリアム妻子を人質にとり、アメリカ政府と交渉するつもりだったが、クレアやジャグジー達によって阻止され、最後はネイダーに自分の計画が完全に潰えた事を告げられ舌を噛み切り寂しく死んでいった。ヒューイに子供のころ、拾われ育てられたようである。実は革命には賛成だったが、真の目的はヒューイの不死の秘密を探る事にあった。
- ネイダー
- 声:山本圭一郎 /
- グースを裏切り、とあるマフィアの側に回ろうとしたがグース達に知られ、殺されかけるが奇跡的に助かり、通りがかったフレッドに治療された。その後政府と裏取引をし、グース達の逮捕に協力した。父親はトウモロコシを作っているらしい。まだティーンエイジャーであることが漫画版で判明した。
- スパイク
- 声:/ 西本理一
- 狙撃の名手。フライング・プッシーフット号の列車テロにも加担する。シャーネを狙撃しようとしたところをクレアに襲われる。少女の助手がいるらしい。:ベリアム上院議員周辺の項も参照。
- ジョージ
- 黒服の一味。クレアに音も無く殺された。
- アパム
- 声:/ 下和田裕貴(DSゲームのみの出演)
- 天井から降りてきたラッドに恐れをなし、貨物車から逃走した黒服。作者が名前だけを示してその存在を示唆していたが、DS編の隠しストーリーで正体が明らかになった。偶然フライングプッシーフット号で顔を合わせたエルマーとフェルメートの会話を見て、二人を『あっち側』の人間だと感じ取る。フェルメートに殺されかけるが、エルマーに救われ、逆に後でフェルメートを捨て身で列車から投げ落としたエルマーの腕を掴み、助ける。ひそかにシャーネに思いを寄せていた。臆病だと自認している。
白服集団(マフィア崩れ)
- ラッド・ルッソ
- 声:置鮎龍太郎 / 藤原啓治
- 叔父にルッソ・ファミリーのボスのプラチド・ルッソを持つ。「自分は安全だ」と信じてやまない緩んだ人間を狙って殺す事を快楽としている。考えなしに殺人を犯していたようでいて、実際はルッソ・ファミリーが処理できる範囲で実行していた。組織に力が無くなったのを見て、離反。
- フライング・プッシーフットを仲間とともに列車ジャックするが、クレアと戦い、最終的に片腕を失う。しかし、その強さはシャーネと互角以上に渡り合えるほど。不死者(ヒューイ)の存在を事件のさなかに知り、上記の殺人癖が出て殺したいと考え、その後、ヒューイのいるアルカトラズへ収容された。
- 1934年の事件ではアルカトラズでフィーロと知り合う。また、このときには失った片腕に鋼鉄の義手をつけていた。遂に殺したがっていたヒューイの元に辿り着くが、フィーロやシャムの介入もあってヒューイに何もしないままシャムに独房に戻らされた。その後フィーロやドラゴン達がリーザの襲撃を受けている時に登場し、リーザを一蹴した。その直後、フィーロから不死者を殺す方法を聞き、色々と考えながら刑期が終わるのを待っている。
- ルーア・クライン
- 声:住友優子 / 安井絵里
- ラッドの婚約者。自殺願望らしきものを持っており、死にたいと思って彷徨う内にラッドと出会う。いつかラッドに殺して貰いたい、と願う。ラッドをルッソ・ファミリーに戻ってこさせる為の人質として軟禁されていたがキャロル達の手によって救い出される。現在はグラハム達と行動を共にしながら、ラッドの帰りを待っている。
- ビッキー
- 声:/ 太田哲治
- 「フライング・プッシーフット」事件で、だれが食堂車を襲いに行くかというくじに勝ち、最初に食堂車で黒服と鉢合わせ、マシンガンで撃たれて死んだ。
- デューン
- 声:/ 岡田三利
- 車掌室に車掌に変装して入るが、クレアと鉢合ってしまう。トニーという車掌を殺して服を盗んだが、彼がクレアの恩人だったため、拷問(走行中の列車から腕を地面に押し付けて削る)された後、殺された(走行中の列車から顔面を地面に押し付ける)。また、その死体はクレアのものとして処理された。
- ラッドの幼馴染
- 白服集団唯一の常識人。流されてラッド達と共に白服を着こみフライング・プッシーフットに乗り込むもラッドや他の殺人狂の白服連中にはついていけないと感じている。後に灰色魔術師の医師フレッドの助手として列車を降り、その後、正式に彼の病院で助手として働くことになる。白服集団唯一、無傷で生き残った。
傭兵集団『マネーの龍』
- 「仮面の男」
- 傭兵集団『マネーの龍』リーダーの男性。
- 1931年年末、フライング・プッシーフット号に乗車し、『幽霊』・白服集団・不良少年集団の対立に巻き込まれた際には、乗客の1人ターナーに雇われ、彼らを一掃すべく部下を率いて戦闘を開始する。
- 赤龍が刻まれた仮面を身につけていることから「仮面の男」と呼ばれているが、その正体は、生き別れとなったジャグジーの弟、ブレス・スプロットである。
- ナンシー・リュート
- 声:/ 釘宮理恵(DSゲームのみの出演)
- 『マネーの龍』の構成員である金髪碧眼の少女。
- 子供でありながら、あらゆる格闘技と殺人拳を修得している天才美少女。「中華クノイチ」リュート四姉妹の末妹でもある。
- ギャリー
- 声:/ 大塚芳忠(DSゲームのみの出演)
- 『マネーの龍』の構成員である腕利きのガンマン。常に10人以上のプロのガンマンを率いて行動する。
- 東郷魂右衛門
- 声:/ 斧アツシ(DSゲームのみの出演)
- 『マネーの龍』の構成員である日本人の男性。剣の達人であり、妖刀『なまくら』を操る。
- 田九郎に連なる東郷一族の出であるが、先祖代々の遺伝であろうか遭難しやすい体質である。
- ジョー
- 声:/ 木村雅史(DSゲームのみの出演)
- 『マネーの龍』の構成員であるヌンチャク使い。隆々とした体躯とモヒカン刈りが特徴的である。
- グレゴワール
- 声:/ 乃村健次(DSゲームのみの出演)
- フライング・プッシーフット号の料理長である男性。かつて『マネーの龍』に所属していた。
- ジョーを一撃で倒すほどの猛者である。また、身体能力を高めるための「秘伝のツボ」を突くことができ、ニース救出に向かうジャグジーのツボを突いて彼の身体能力を極限まで高めた。
- 料理人としてのグレゴワールについては、1930年代その他の登場人物の項を参照のこと。
- ターナー
- 声:/ 川津泰彦(DSゲームのみの出演)
- フライング・プッシーフット号の乗客である男性。列車内の混乱に恐れおののき、『マネーの龍』を雇う。
- 詳しくは、1930年代その他の登場人物の項を参照。
ジェノアード一族
- イブ・ジェノアード
- 声:/ 井上麻里奈
- ジェノアード家の当主。行方不明の兄を探す為にニューヨークへ上京。ダラスと違って健気で優しい性格。1932年の事件に巻き込まれ、最終的にラックから兄・ダラスが沈んでいる場所が書いてあるメモを受け取った。
- 1933年の事件の終盤でやっとダラスと再会できた。
- サマサ
- 声:/ 永澤菜教
- ジェノアード家の家政婦。主に料理を担当する。方言の“訛り”がかなり激しい。DD新聞社のエレアンとは幼馴染の間柄。
- ベンヤミン
- 声:/ 平野俊隆
- ジェノアード家の執事。サマサと並んでイブの事を大事にしている。サマサとは口げんかばかり。いつも負ける。
- レイモンド・ジェノアード
- 他界したジェノアード家当主。
- ジェフリー・ジェノアード
- 他界したジェノアード家の長兄。
- ダラス・ジェノアード
- 声:/ 伊丸岡篤
- ジェノアード家の次男。生き残る為なら仲間とて簡単に見殺しにする外道であり、人物紹介に「人間のクズ」とまで書かれている。だが、妹のイブだけは大事に思っている。セラードに出来損ないの不死の酒を注射された。相手にされなかった腹いせにガンドール・ファミリーの何人かを殺したが、ガンドール三兄弟によってドラム缶に詰められ、川に沈められた。
- フィーロ、エニス、アイザック、ミリア、ガンドール三兄弟などに逆恨み的な復讐心を持っている。ヒューイ・ラフォレットが創った組織『妖怪』によって助け出されるが、後に『妖怪』を抜け、イブの元に戻る。
デイリー・デイズ新聞社
- 社長
- 声:/ 速水奨
- いつも大量の書類の陰に隠れて姿は見えず(不可抗力)、声も若いとも老いているとも分からない。
- ギュスターヴ・サンジェルマン(副社長)
- 声:若本規夫 / 同左
- 片目鏡をかけた鋭い眼光の男性。年齢不詳。サンジェルマンという姓は偽名で世界最高の情報屋のサン・ジェルマン伯爵にあやかっているらしい。常に冷静沈着。人物紹介によれば、絶対記憶の持ち主だとか。
- ニコラス・ウェイン
- 声:/ 古澤徹
- 英語版デスク。受付も勤める。元は軍の諜報部所属で、新聞社の社員達に拳銃の使い方を教えた。
- 原作では不死者の事について知っていたが、アニメ版ではヘンリーが登場しないこともあってか、その代役として一部設定が変えられており、特秘事項として知らされていない様子。
- エレアン・ドゥーガー
- 声:/ 楠大典
- 中国語版デスク。ネグロイド系。躁鬱が激しい。アニメ版ではロイが登場しないために彼の代役としてイブをガンドール・ファミリーに連れて行った。
- ヘンリー
- 情報は力だと考えており、調子に乗って与える情報を少し変え、それで他人の運命を操るようなことをして楽しんでいた。しかし、とある一件でクレアに『殺された奴の気持ち』を味合わされ、それが原因で髪の生え際が白くなった。
- レイチェル
- 声:永野愛 / 伊藤静
- アメリカ各地を回り情報を収集する使い走りの少女。事故の責任を押し付けられた鉄道会社に勤めていた父を持つ過去から鉄道を憎み、無賃乗車を続けていた。作業着の女。
- フライング・プッシーフットの事件ではクレアに無賃乗車のことで恐怖を覚えさせられることになった。また、クレアはシャーネがダメだったら彼女に「結婚してくれ」と言うつもりだった。
- キャロル
- 声:/ 斎藤千和
- 見習いカメラマンでギュスターヴと共に旅をしている女の子。自称「勇気ある臆病者」。
『妖怪(ラルウァ)』『吸血鬼(ラミア)』
- ティム
- ヒューイの直属組織『妖怪』のリーダー。慎重で理性的な判断をする。本名はタック・ジェファーソン。ガンドール・ファミリーのチックの弟。幼少の頃ヒューイに勧誘される。過去を捨てる為ティムと名を変え、風貌も大きく変えたが、あっさりチックに看破される。1933時点で20歳。扱いにくい『吸血鬼』の面々に手を焼いている。直属の部下であるアデルとはコンビを組んで長いため、お互いの怪我の状態を気に掛けるぐらいの信頼関係が築かれている模様。
- クリストファー・シャルドレード
- ヒューイがセラードから盗んだ知識で作り上げたホムンクルス。不老。『妖怪』の内包組織である『吸血鬼』に所属。白目の部分が赤く、黒目の部分が白い。瞳孔は黒。しかも全ての歯が八重歯という組織名通りの外見を持つ。非常に気分屋であり、その行動は一貫性がない為、相棒のホン・チーメイを悩ませる。自分が不自然な存在なので、自然を愛している。
- 二丁銃剣の使い手。クレアに「今まで戦った奴等の中でもトップ3に入る」と言わしめる程の強さを持つ。騒ぎの後、麻薬捜査官に刺され重傷を負うがリカルド(リディア)・ルッソに助けられ、彼女の護衛をしている。しかし、クレアに負けたショックで人が殺せなくなっている。ナイルに歯を叩き折られたことがあるらしい。
- 外見と性格に反して味にはうるさく、甘いものが好き。市販のマドレーヌは納得できぬ、と自ら焼くこともあるようで、その腕はリカルドやレイル、果てはチーやヒューイですら認めるほど。
- ちなみに彼の名前の由来は、俳優のクリストファー・ウォーケンからである。
- 1934年の事件後は友人であるリカルド(リディア)・ルッソと共にルッソ・ファミリー再建を目指して意気揚々とNYに乗り込んだ模様。尚、2002のチェスの心理描写内にフィーロの奇怪な友人の代表格として名前が挙がっているので、生存しているものと思われる。
- ホン・チーメイ
- ヒューイが作り上げたホムンクルス。不老。『吸血鬼』所属。外見は東洋人系。真面目な性格で相棒のクリストファーには悩まされる。鉤爪を使った戦闘術を用いる。1933年の事件の後、殺し屋としての依頼を受けてベリアム上院議員を襲撃するが、スパイクと初代フェリックス・ウォーケンに阻止され捕らえられる。
- だが1934年には『吸血鬼』の仲間たちと一緒にシカゴにいる(どうやって脱出したのかは不明)。シカゴでの『実験』ではグラハム・スペクターと闘うが一蹴された。
- アデル
- ヒューイが作り上げたホムンクルスで不老。『吸血鬼』所属。オドオドとした喋り方をしており、気弱そうな女性に見えるが、実際にはずけずけとモノを言っている。十字槍の使い手。我流だが、その強さはマリアを敗北寸前まで追い詰めた程。
- ティム曰く「一番扱いやすい」らしいが、それでも過去の『実験』から、人格は破綻気味。『吸血鬼』の中で唯一ティムの直属の部下である。兼任でティムの護衛も務めている。重症の中ダラスの爆弾の爆発からティムを庇った事から二人の間に相棒としての信頼関係が存在する模様。
- アニメ版第1話には1933年の事件のカットが少し含まれており、アデルにも一言台詞があった。
- リーザ
- 『吸血鬼』所属。シャーネを幼くした印象の少女だが、ヒューイの周辺以外ではほとんど姿を見せず、声だけが響く。武器は何処からともなく飛んでくるチャクラム。ヒルトン化した動物からも放つことができる。
- 普段は妖艶な言葉遣いをしているが、ヒューイの前では外見通りの子供っぽいしゃべり方をする。ヒューイは実父であり、シャーネは姉。物心つく前に「双子」の片割れである「ヒルトン」にされた最初の個体でもある。
- 1934年のアルカトラズでの事件では、彼女にとって絶対の存在であるヒューイを傷つけたフィーロに報復するも、結局助けられ反対に好意を抱く結果となった。
- シャム
- 「双子」の片割れ。ヒューイの作った組織の一つ「リズム」の開発した薬によって生まれた意識体。薬を飲まされた複数の男性の意識を乗っ取り、一つの意思のもとに同時に操って活動する。勘違いから女性であるリカルド(リディア)の意識を乗っ取りかけたことをきっかけに、ヒューイに対して疑問を抱き、裏切った。
- ヒルトン
- 「双子」の片割れで、シャム同様の意識体。リーザ以下、乗っ取った複数の女性の体を操って活動する。ヒューイに対し絶対の忠誠を誓っている。
- レイル
- ヒューイが作り上げたホムンクルス。不老。「リズム」の実験によって、痛覚を殆ど失っている。『吸血鬼』所属。一人称は「僕」だが、実は女の子である。顔に大きな縫状跡が残っており、爆弾使い。最近生み出されたばかりなので年齢は見た目より少し上程度。ニースに憧れている(爆弾狂同士気が合うらしい)。
- 自らを生み出したヒューイに対し強い憎しみを抱いている。現在はジャグジー達と行動を共にしている。
- フランク
- ヒューイが作り上げたホムンクルス。不老。『吸血鬼』所属。ビア樽のように大きな子供だが、巨体に似合わず鋭い身のこなしを見せる。見た目どうりの大食い。
- 『詩人』
- ヒューイが作り上げたホムンクルス。不老。『吸血鬼』所属。常に目深に帽子を被る、作中でもトップクラスに壊れた口調のキャラ。無駄に抽象的な表現を使いたがるが、非常事態の際はまともな口調になる。(普段は他者が自分から目をそらすように詩的な話し方をしている。本人曰く「狂ったふり」)クリストファーが気分屋になったのは彼のせいであるらしい。原理は不明だが、見つめられた敵は催眠状態に陥いる。グラハムやクリストファーなど一部の人間には彼の詩は感動を与えるらしい。
- シックル
- ヒューイが作り上げたホムンクルス。不老。『吸血鬼』所属。カポエイラ使い。無愛想で男のような話し方をするが、見た目だけなら貴族の娘といってもいいほど。基本的に『詩人』に(主に蹴りによる)突っ込みを入れるのは彼女の役割。グラハムに惚れられている模様。
ルッソ・ファミリー
- プラチド・ルッソ
- 声:平井啓二 /亀井三郎
- ルッソ・ファミリーのボス。元々はシカゴでも中堅レベルとされる実力者だったのだが、1931~1933年に起きた不幸が原因で「最も終わりに近い男」と呼ばれるまでに衰退。その後ネブラから酒を貰い、出来損ないの不死者になるも、最終的にルネに喰われて消滅した。
- クリーク
- ルッソ・ファミリーの幹部。プラチド同様に出来損ないの不死者。列車で逃走しようとした所を待ち伏せしていたルネに喰われ、消滅した。
- グラハム・スペクター
- 声:/ 杉田智和
- 解体屋。常に青い作業着を着ている。街の愚連隊総元締めでもあり、ルッソ・ファミリーにラッドと縁があった事から雇われる。その関係でジャグジー達を捕らえてルッソ・ファミリーに突き出そうとし、勘違いなどからシャーネをさらってしまったためにクレアと戦闘寸前の所まで行ったことがある。
- 何かを破壊するという行為に快楽を覚える人間であり、武器も長大なモンキーレンチを用いる。因みに殺しはしないが、人を殺さない理由は命は形が無いから壊しても実感がわかないからであり、ラッドとは別の意味で倫理観が無い。常に躁状態でテンションの方向だけが正負に切り替わるため、感情の落差が0か100かの極端な性格をしている。
- 「○○…○○話をしよう(○○には悲しい、楽しい等と言った形容詞が入る)」と言ってから長々と『詩人』と同レベルの脈絡のない独り言をする癖がある。気化したものでも酔うほど、酒には弱いらしい。初恋の相手は実の姉。現在は自称的に、シックルに恋をしているらしい。意外と神話に詳しい。
- 実力的には『吸血鬼』の面々を軽くあしらえる程で、クリストファーとも互角の勝負ができるほど。レイル曰く「チーよりも速く、シックルよりもトリッキーな動きで、フランク並の怪力」。ただし、戦闘スタイルはラッドの対極であり、戦闘能力(喧嘩)はラッドより上との事。
- シャフト
- 声:/ 羽多野渉
- グラハムの仲間。突っ込み担当。実はシャムの一個体でもあり、ヒューイの次くらいにグラハムに忠誠を誓っている。
- リカルド・ルッソ
- プラチドの孫。重傷を負ったクリストファーを助けた。自分が女顔であることを気にしている上、一人称は「オレ」だが、実はれっきとした女の子である。両親が死んでショックを受けている時に、彼女を少年と勘違いしたシャムの意識が入ってきたが、「男性」であるシャムは彼女の肉体の主導権を奪うことを拒否したため、シャムの意識と知識を共存させている。本名はリディア・ルッソ。
- 1934年の事件の後、護衛のクリストファーと共にファミリー再建の為NYに乗り込む。
ルノラータ・ファミリー
- バルトロ・ルノラータ
- 声:/大林隆介
- アメリカ東部に影響力を持つルノラータ・ファミリーのボス。ネブラ会長のカル・マイブリッジとは旧知の仲でカル同様、自分が死ぬ事に覚悟すら必要としていない。1932年にはグスターヴォにニューヨークの縄張りを拡大するよう命令するが、実際グスターヴォは左遷されただけだった。
- 1934年の事件の後、ヒューイ・ラフォレットを昼食に誘った。
- アニメでは出来損ないの不死者ダラスに興味を示し、グスターヴォを欺いて探させた。終盤イブに「不死者」のサンプルとして彼を保護することを持ちかけている。
- グスターヴォ・バジェッタ
- 声:/佐々木誠二
- 幹部。NY支部を任されていた。1932年の事件でラックに敗れ、事件の責任を負わされて刑務所に収監されたが、その刑務所にいたラッド・ルッソにぶちのめされた。
- アニメではイブへの手打ちとしてバルトロに射殺された。
- サム・ブシェッタ
- ロイにひき逃げされた。
- アンセルモ・ジョネル
- ロイにひき逃げされた。
- ベグ・ガロット
- バルトロに麻薬に関しての一切を任されている。詳しくは不死者、ベグ・ガロットの欄参照。
- マリア・バルセリート
- 当初はルノラータに雇われていたが、キースの男気に惚れ込んで離反。ガンドール・ファミリーの項を参照。
- ラズ・スミス
- 大量の銃器をコートの下に隠しており、弾数で勝負するタイプの殺し屋。グラハムとは兄弟分らしい。
- ルノラータに雇われ、マリアとクレアの交戦中に横槍を入れようとしたが、ベルガ渾身の一撃を食らい、フレッドの元に入院している。
- 「ガンマイスター・スミス(天才狙撃手を生み出す鍛冶屋)」を自称しており、銃器の分解・組立に関してはグラハムと同等、もしくはそれ以上の技術を持つ。
- 「狂気」という単語を頻繁に使う。中二病。それなりに強く、マリアとも互角の勝負ができる。
- 酔っ払い
- 常に酒瓶を手離そうとしない老人。ルノラータに雇われた殺し屋三人組では最強を誇る。
- クレアを倒すことで名を上げようとしていたらしいが、キースに「敵」と認定され、病院送りにされた。フレッドの元に入院している。
ネブラ
- カル・マイブリッジ
- ネブラの会長。バルトロ・ルノラータ等と賭けをしている。関西弁で話す。バルトロとは旧知の仲で彼同様、自分が死ぬ事に覚悟すら必要としていない。根っからの享楽主義者で、若き日のラッド・ルッソが一人でネブラの会長室に突貫してきた時も笑って不問にした(その時ラッドに殺されなかったのは、カルがいつ死んでもいいという目をしていたから)。
- ルネ・パルメデス・ブランヴィリエ
- ネブラの科学者。詳しくは不死者錬金術師ルネ・パルメデス・ブランヴィリエの項参照。
- ルービック
- 警備部に所属しており、警護や荒事を担当している。いつも角砂糖をかじっており、角砂糖の入った瓶を持ち歩いている。1932年までルノラータ・ファミリーやマフィア組織を渡り歩いていた様で、そこで得た情報をDD新聞社や敵対組織に売っていたが、「シャム」の存在を知り、情報を売ることを止めた。アニメ版ではルービックらしき人物がグスターヴォの部下として登場している。
- ホーマー
- 『ネブラ』NY支社長。気が弱いらしい。
ベリアム上院議員周辺
- マンフレッド・ベリアム
- 声: / 中多和宏
- 「金の亡者」を自称し、富と権力を信奉する米上院議員。人間を捨てた不死者に強い嫌悪を抱いている。各方面に影響力を持つかなりの実力者であり、ネブラ社とも何らかの繋がりがある模様。スパイクと元フェリックスを雇っている。
- ナタリー・ベリアム
- 声: / 伊藤美紀
- マンフレッド・ベリアムの妻で、メリー・ベリアムの母親。フライング・プッシーフット号の事件に巻き込まれた際には、見かけによらず高い演技力を発揮し娘を守ろうとした。
- メリー・ベリアム
- 声:町井美紀 / 後藤沙緒里
- マンフレッドとナタリーの娘。素直で思いやりのある少女。母と共にフライング・プッシーフット号の事件に巻き込まれる。
- スパイク
- 声:/ 西本理一
- 1931年のフライング・プッシーフット号の事件でクレアと戦い、死んだと思われていたが生存。顔面から地面にたたき落とされたため盲目となる。グース達が崩壊した後はフリーの狙撃手をやっていたが、1933年頃からマンフレッド・ベリアムに雇われている。
- 「名無し」のフェリックス・ウォーケン
- マンフレッド・ベリアムに雇われている殺し屋。
- 詳しくは歴代のフェリックス・ウォーケンの項参照。
FBI(連邦捜査局)
- ヴィクター・タルボット
- FBI幹部。詳しくは不死者ヴィクター・タルボットの欄参照。
- エドワード・ノア
- 声:/武虎
- 元ニューヨーク市警警部補。フィーロたちとは腐れ縁。
- ビル・サリバン
- 声:/安元洋貴
- エドワードの上司。歯切れの悪い口調で話す痩身の男。上司のヴィクターに対してもずけずけと苦言する。
- ドナルド・ブラウン
- エドワードの上司。ビルの相棒。歯切れの悪いビルをよく窘めている。
- ミズリー
- アルカトラズ島でヒューイの動向を探っていた捜査官。
歴代のフェリックス・ウォーケン
- 「名無し」
- 初代のフェリックス・ウォーケンである男性の殺し屋。
- 4人組の殺し屋にフェリックス・ウォーケンの名前を売った。本人曰く自分は神にも国にも許されぬ身としてその後も名前を名乗ってはいない。1933年頃からマンフレッド・ベリアムに雇われている(ベリアム上院議員周辺の項も参照)。
- 4人組の殺し屋
- 2代目のフェリックス・ウォーケン。リーダーの男性(アルカトラズに看守として潜入した)と、黒人の大男ギグ、かみつき攻撃を得意とする東洋人ドラゴン(本名はリュウジロウ)と、白人の小男の4人から成る。裏社会に『便利屋』という称号を広めた。
- 後にシャムに意識を支配され、4人とも彼の1個体となる。1934年にルネからの依頼でアルカトラズ刑務所に潜入し、ヒューイの片目を狙う。ラッドの邪魔が入り、打ちのめされるが、フィーロの協力で任務に成功する。
- 名称不明の女性
- 先代のフェリックス・ウォーケンである女性の殺し屋。
- クレアに名前を売った。彼曰く30代ぐらいのイカス女で自分の次に強いらしい。誰から名前を買ったのかは不明。
- クレア・スタンフィールド
- 声:森田成一 / 同左
- 現在のフェリックス・ウォーケンである殺し屋。何代目かは不明である。別名「葡萄酒(ヴィーノ)」もしくは「線路の影をなぞるもの(レイルトレーサー)」。
- 本人は「俺が世界の中心である」という考えを持っており、そのため自分が殺されることはありえないと確信している。
- ロニーと共に作中最強を誇り、作者も「こいつを主人公にすると物語が30ページで終わってしまう」と扱いに困っている。この戦闘力がチェスやクリストファーなど何人もの登場人物のトラウマになっている。
- 幼少時はNYに住んでいて、フィーロとガンドール三兄弟とは幼なじみである。彼らとは現在でも親友として交友を深めており、ガンドールファミリーから殺しの依頼を受けることもある。
- NYを去ってからはサーカス団に所属し、人間離れした技術を次々に成功させ、団の花形として活躍する。天才と言える才能だが、本人はこれは努力を重ねた結果だと考えており、「才能」の一言で片付けられることに強い嫌悪を抱いている。
- サーカス団が解散した後は、培った運動神経を活かして殺し屋に転向。大量に血が残る酷い殺し方をするため、裏社会では恐怖とともに「葡萄酒」の名が広く知られている。本人は殺し屋は社会の底辺であり、誇りなどは存在しないと思っている。
- 殺し屋業の傍ら、大陸横断鉄道の車掌もしていた。これは殺し屋という仕事の都合上、移動に便利だったからである。しかしクレア自身は車掌の仕事も気に入っており、フライング・プッシーフット号の事件の際も、列車を荒らした黒服や白服の集団に激しい憤りを感じ、レイルトレーサーとして粛清を開始した。
- この事件の最中にシャーネと出会い、結婚を申し込むが、事後処理で自分を「死んだ」ことにしてしまったため、将来結婚できるようにと「フェリックス・ウォーケン」の名前を買い取って戸籍を手に入れた。
- 後にシャーネと婚約。2002年の時点では曾孫がいる。不死者ではないが90歳を過ぎてもまだまだ元気である様子。またウォーケンの名が子孫へと受け継がれていることから、彼が最後のフェリックス・ウォーケンであると思われる。
フレッドの病院
- フレッド
- NYで小さな病院を開業している医者。
- 灰色の包帯で全身を隠しており、錬金術師か魔術師に見える。1931年の年末には、フライング・プッシーフット号に乗車していた。
- 俗世や周囲の事に興味を示さず、列車内で起きた諸々の事件に対しても後に何の感想も無いと言い切ったほどであるが、テロリストだろうとホムンクルス(アデル)だろうと治療する「ある意味」医者の鏡のような人物である。一方で、医者でありながら生に対する執着心を持っていないため、早く死にたいと考えているが、従軍医をしていた頃どんな大怪我をしても自分だけは生き残ってしまったため、自分が死ぬまでは生きたがっている人を治療すると心に決めている。
- フレッドの助手
- 元は白服集団の一員だったが、現在ではフレッドの病院で働いている。
- ラッドらの列車ジャックに参加するも、内心では彼らの狂人的な思考には付いていけないと考えていた。かなりの強運の持ち主らしく、事件の際には怪我一つすること無く生き延びた。警察の手から逃れるため、偶然居合わせたフレッドに頼み込んで助手ということにしてもらったが、その後はそのまま助手として勤務している。
- 観察眼に優れており、患者のロイについては立ち直るためにはイーディスと真剣に向き合うことが必要だと見抜いていた。DSゲームでのイラストから、ラッドの幼馴染みと同一人物であると思われる。
- ロイ・マードック
- 麻薬中毒者。イーディスの恋人。フレッドの病院にはよく世話になっていた。
- 体質なのか麻薬の効きが異常に強く、また使用中は強気になる。素はやや臆病な性格だが、イーディスのことは大切に思っており、彼女のためなら命を張る覚悟を持っている。
- 『1932』では、薬で自己を失っている最中にルノラータ・ファミリーの薬を強奪してしまい、グスターヴォらに追われる羽目になる。
DVD特典小説
- 193X-A man in the killer -
- アイスピック・トンプソン
- 夏のNYをひっそりと脅かす連続殺人鬼。雨とともに現れ、標的をアイスピックでめった刺しにし、雨とともに消えていく。
- その死体の在り様がまるで機関銃(トンプソン)で惨殺されたように見えることから、DD新聞社の社員によって呼び名を付け
- られる。一連の事件の背景にはかつての不死者の存在があるというが……
- マーク・ウィルメンス
- NYのアパートに住んでいる少年。ラック行きつけの本屋の主人と顔見知り。
- ある理由によりマンハッタン・ブリッジからの転落自殺を考えていたが、その時の不死身の化け物との出会いが、彼の運命
- と事件の展開を大きく変えていくことになる。
- カール・ディグニス
- DD新聞社の社員。病弱な娘の治療費のために職場を移った。記事のためには体を張ることも厭わず、アイスピック・トンプ
- ソンの名付け親も彼である。街に屯する少年達の記事を書くためにグラハム達と接触する。アイスピック・トンプソンの正体
- に心当たりがあるらしい。
- レスター
- 以前カールが務めていた大手新聞社の社員。カールの後輩に当たるが、今一つ事件に踏み込んだ記事が書けないことからカ
- ールの存在を段々と妬ましく思うようになった。しかし作中で一面記事を担当し、一躍有名人になる。
- ポーラ・ウィルメンス
- マークの母親。娼婦をするかたわら女手一つでマークを育てる。
- リシュア・ダーケン
- ポーラの娼婦仲間。マークの世話をする代わりに麻薬を買う金をもらっていた。ほとんど正気を失っており、殺人事件の一
- 因に関わったことを口走ってしまったため、アイスピックで惨殺される。ニコラと相思相愛だった。
その他の登場人物
- スコット
- ダラス達チンピラ一味の一人。ダラスらと共にセラードの元へ連れられた際、見せしめのため、いの一番にセラードに喰われた。
- ジェームス
- ダラス達チンピラ一味の一人。ダラス同様ガンドール3兄弟の手によってドラム缶に閉じ込められたままハドソン川に沈められた。
- トニー
- 声:/ 麻生智久
- 車掌。退職の近いベテランで、クレアに車掌のイロハを教えた。そのため、彼から信頼と尊敬は厚い。フライング・プッシーフット号には乗車しなかったが、駅にいたところを白服集団のデューンに車掌服を奪われ、殺された。
- グレゴワール
- フライング・プッシーフット号の食堂料理長。人生において、料理が全てに優先するとして考えており、料理中は脇でガス爆発が起ころうとも、食堂で銃撃戦が起ころうとも、決して持ち場を離れようとはしない。また、料理を残す者も決して許しはしない。事件後、職を失ったヨウンとファンの2人にジェノアード家での仕事を紹介したのは彼である。
- ターナー
- チョビ髭と、品のないただ太りした容姿から「髭豚」と呼ばれる男。かつてレイチェルの父が勤めていた会社の上司である。それなりの金持ちであるらしく、自分の裕福さを鼻にかけた言動が頻繁に見られる。強欲で下劣な性格は、出番の度に彼を悲惨な目に合わせている。
- ジョンストン
- アルカトラズ連邦刑務所所長。切れ者。
- サロメ・カーペンター
- ヒューイ直属の研究機関「リズム」主任。レイルら実験対象に対し無慈悲に研究できるのは「愛している」からだと考えている。
- 老紳士
- 声:麻生智久
- シカゴの酒場兼レストラン『ドルチェ』の店主。あまり儲かってはいないが、料理の腕は確かで、店は密かに評判になっているようである(シャフトやグラハム、クリストファーなど料理を食べた作中の人物たちもその美味しさを認めている)。
- 1931年、フライング・プッシーフット号に乗車しようとしたことがあったが、妻が感じた「悪い予感」に従って列車には乗らなかったため、惨劇に巻き込まれずに済んだということがあった。
- 1934年の『ドルチェ』開店30周年の日には、シックルやグラハム、クリストファーたちが店内で戦闘(喧嘩)を始めてしまい、思いかげない災難にあった。非常に困惑し、破壊されてゆく店内を見て「最悪の記念日」だと評するほどであった。しかし戦闘が終わった後、彼らやジャグジーたちが店内を修繕してくれたことで、店が新装同然になり、結果的に「最高の記念日」となったと言う。
- 老婦人
- 声:松島栄利子
- シカゴの酒場兼レストラン『ドルチェ』の店主の妻。勘に優れているようで、1931年にフライング・プッシーフット号に乗ろうとした際には「嫌な予感」を覚えて、夫と共に列車に乗らず、惨劇を回避することができたほどである。なお、このときの乗車券はDS版の『小気味良い男編』によればエルマーが使用している。
- 1934年の『ドルチェ』開店30周年の日には、開店前再び嫌な予感を覚えて、夫に店を開くのを止めるように忠告した。しかし夫は忠告を聞かず、来客の戦闘に巻き込まれることになってしまった。
- ジャッカローゼ・ボロニアル ※漫画版オリジナルキャラクター
- 列車に悪の匂いを嗅ぎ取り、フライング・プッシープット号に乗り込んだ若者。単行本袖の紹介によれば「正義の味方」であるらしい。
- エスペランザと同じボロニアル姓を名乗っているが、今の所関係しているかは不明。
乗車後、紆余曲折を経た果てに、ジャッカローゼを『不死者』と誤認したチェスに刺され、意識を失う。しかし、次に目が覚めた時には、彼はまだ列車に乗り込む前の時刻であった。夢で片付けるにはあまりにリアルな体験に混乱しながらも、列車に嫌なものを感じ、彼はフライング・プッシープット号に乗り込むことはなかった。なお原作者によると、彼が登場する漫画版の世界そのものは、原作と同一軸上に存在しているらしい。
- ロゼッタ ※漫画版オリジナルキャラクター
- ジャッカローゼの彼女。ジャッカローゼが帰ったら一緒に『ドルチェ』へ行く約束をしている。
詳細は不明だが、黒服が発砲しようとしていた銃を遠くから消失させたり、まるで不死の酒をもたらした『悪魔』のような特殊能力を披露している。しかしロニーのようにやりたい放題ができるわけではなく、限度と消耗がある様子。描写から察するに、ジャッカローゼの見た不可思議な体験も全て彼女の差し金だったようだ。
メキシコの劇場 ※ドラマCD
- ピエトロ・ゴンザレス ※アニメ版ドラマCDオリジナルキャラクター
- 声:飛田展男
- アイザックとミリア並みに底抜けに明るいメキシコ出身のチンピラ。1930年の事件でランディとペッチョが起こした火事騒ぎで残っていた不死の酒を偶然飲んでしまったために不死者となってしまった。不死者となったが、幼馴染であるドミニコを置いて生きるのは嫌なために死ぬ方法を探している。不死の体を元に戻す術師が現れるとのアントニオの言葉を信じて劇場で働いている。1936年の夏のメキシコの事件が終わった現在では死ぬ方法を求めてドミニコとアイザック、ミリアと共に南へ南下した。
- なお、ピエトロはドラマCDオリジナルの登場人物であるが、『2002』内でアンジェロが彼と思しき男について言及している。
- ドミニコ・フェンデス ※アニメ版ドラマCDオリジナルキャラクター
- 声:チョー
- ピエトロの幼馴染であるメキシコ出身のチンピラ。アイザックとミリアと同様にピエトロとは2人で1人。ピエトロだけが不死者になってしまったためにピエトロが死ぬ方法を探している。
- アントニオ・ロバ ※アニメ版ドラマCDオリジナルキャラクター
- フィーロやアイザック達が訪れた劇場の主。ピエトロとドミニコをショーで使役し、ピエトロの不死性を利用して金を儲けていた。「ロバ」と呼ばれるとキれる。
- エリータ ※アニメ版ドラマCDオリジナルキャラクター
- アントニオの愛人。ピエトロとドミニコの行方を訊いてきたフィーロを劇場へと案内し、アントニオの命のもと売り飛ばそうとしていた。マリアとは幼馴染み。
1705年編
錬金術師
ここに記述の無い錬金術師については上記不死者の項参照。
- グレット・アヴァーロ
- 声:/ 浪川大輔
- マイザー・アヴァーロの弟で、シルヴィ・リュミエールと恋人同士だった。『不死の酒』の調合方法の半分をマイザーから聞いたが、次の日の夜にセラードに『喰われた』。
- ザンク・ローワン
- 錬金術師。浅黒い肌に日本の野盗や山賊のような格好をしていて、剣を持っている。峰打ちをするなどある程度日本の剣術を身につけている。1705のカラーページで田九朗に「船の中でも散策せしめよ」と言われているので、アドウェナ・アウィス号に乗っており、不死者になっていたと思われる(実際、アニメ版でもザンクらしき人物が登場している)が、後の2001での生き残りの錬金術師の中に名前が出てきていないので、セラードに喰われたと思われる。
- 1705年に田九郎と共に麻薬と偽金の調査のためにロットヴァンレンティーノ市を訪れた。バッカーノ1934完結編での作者のあとがきでの「田九郎と斬九郎」と書かれている「斬九郎」はザンク・ローワンの事と思われる。
- ラブロ
- ダルトンに天才と評された錬金術師。後にアドウェナ・アヴィス号に乗り不死者となる。
- その後はある錬金術師に喰われ、その錬金術師はセラードに喰われる。そして1930年にセラードはフィーロに喰われることとなり、現在ラブロの記憶はフィーロの中にある。
- だがフィーロの中でその記憶を覗くことを強い禁忌を感じており、思い出そうとはしないらしい。{ラブロ}}本名はラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。錬金術師ラブロとしては喰われているが、本人は2002年時にも生き続けている。
『私塾』
- ダルトン・ストラウス
- 錬金術の私塾の校長。60代前後かと思わせる白髪の男で、右手に木製の義手をしている。生徒たちからも立派人物と認知されており、森羅万象に通じている知識と何でも見透かすような雰囲気を感じさせる人物。
- 生徒であるヒューイの偽金製造を黙認していたことや、ルネの不老不死を知っていることから、只者ではないと感じさせる。
- ルネ
- 私塾の教師。担当は錬金術と歴史。
- 詳しくは不死者錬金術師ルネ・パルメデス・ブランヴィリエの項参照。
- アルカンジェロ
- 私塾の教師。影が薄い。
- ヒューイ・ラフォレット
- エルマー・C・アルバトロス
- 上記不死者の項参照。
- モニカ・カンパネルラ
- 錬金術の私塾の生徒の一人。領主であるエスペランサの妹だが一緒には住んでおらず、現在はロットヴァレンティーノの菓子職人の家に住んでいる。
- ヒューイに好意を抱いており、告白をする。結果は拒絶されたが、諦めらずにアプローチをしている。
- 後にヒューイと結ばれて子供も授かることとなる。その後、夫であるヒューイによって殺害される。生き残った子供には不死者ヒューイへの復讐が子孫代々受け継がれることとなった。本名はモニカ・ボロ二アル。ボロ二アル家の令嬢であったが、決して表に出せない殺人を犯したため、罰として家から追放された。『仮面職人』の正体。何の躊躇いもなく人を殺すことができる冷徹さと、ヒューイを一途に愛する純情さという背反する性格を備えている。エルマー曰く何らかの「過去」を経験したようで、その影響で世界そのものを憎むようになったらしい。一連の殺人はヒューイの偽金作りの障害となる「薬」の製造者たちを排除するためのものだった。またモニカ殺害の真相はエルマーの口から、犯人はヒューイではなくフェルメートであると語られた。
ロットヴァレンティーノの住民
- エスペランサ・C・ボロニアル
- スペイン王朝で伯爵の爵位を持つ貴族。ロットヴァレンティーノの領主をしている。奇妙で独特の格好から『道変伯』と呼ばれ笑い者にされているが、実際はかなりの切れ者。
- 女性好きで女性に対しては誰であろうと紳士的な態度を取る。また絶対に女性には手を上げないと決めている。対して男性に関してはどうでもいいと態度は存外になる。
- エルマーとは友人。モニカとは血縁関係で妹に当たる。あまり妹にはあっていないが、それなりに気にはかけている。また2000年代のロットヴァレンティーノには、30人(正確には37人)の女中を生涯に亘って愛し続けたという彼の噂話が残っている。
- ニキ
- 死にたがりの少女。
- 奴隷という自らの立場に絶望し、死を望んでいた。その時に『仮面職人』に出会い、死ぬつもりで協力をする。しかしエルマーやエスペランサの出会いが彼女の心境に変化をもたらす。その後、ラローフに捕縛されて殺される所をエルマーに助けられる。その時、エルマーとの会話で彼女はある『決意』をする。
- 事件後、彼女は「自分の薬の粗悪品が出回っている」と様子を見に来ていたベグの馬車に乗って街を去る。「一生をかけて……死に場所を探しに」と言い残して。
- ラローフ・ハンクレティア
- ロットヴァレンティーノの都市警察署長。前の署長の汚職事件で新しく赴任してきた。
- 実は汚職事件は『仮面職人』の被害者である奴隷たちの死をかけた告発に気がついた前署長を解任するための告発であり、自身も「薬」と「偽金」によって実質的な支配者になっていた市民の味方であった。
- ニキとエスペランサの接触で事が公になることを恐れたため、ニキを拉致。さらに街の錬金術師を『仮面職人』事件の犯人に仕立てるために連行しようとする。だが薬の工房である船を燃やされ、エルマーの計略で彼や市民達も反乱の罪で拘束された。
- 禿頭の男性
- ニキの主。雇い主として彼女を必要以上に酷使する。
- アイル
- 街のチンピラ集団「腐り卵」のリーダー的存在。本名マイザー・アヴァーロ。詳しくは錬金術師マイザー・アヴァーロの項を参照。
その他の登場人物
- 『仮面職人』
- 1705年、ロットヴァレンティーノの街に現れた連続殺人鬼。銀色のスティレットで心臓を突き刺して標的を殺傷し、殺した者の死体に白い仮面を被せてゆく。その犯行を目撃したものは次の犠牲者になると言われる。
2000年代編
ウォーケン一族
- クローディア・ウォーケン
- クレアことフェリックス・ウォーケンとシャーネの曾孫。2002年の時点で14歳。マルティージョの面々とも面識がある。
- 赤いくせっ毛の髪に金色の瞳を持つ美少女で、映画子役として活躍している。同じ顔で千の貌を紡ぎ出すといわれるほどの演技力と、スターながら仕事を選ばないその姿勢で、全米中に数多くのファンを獲得している。
- 性格と行動力がクレアに似ており、「私が生まれた瞬間から世界は私のもの。私が世界を受け入れている」という考えを持っている。
- 2002年の事件後、行方不明となったイルネスを探すため、探偵会社所属のシリスに調査を依頼、自らの世界の一部を取り戻すために動き出す。
- シャロン・ウォーケン
- クレアことフェリックス・ウォーケンとシャーネの曾孫で、クローディアの実の弟。2002年の時点で13歳。
- ストレートな黒髪(赤毛を染めている)と金色の瞳を持つ、美少女と見まごうほどの美少年。(曾々祖父にあたるヒューイともよく似ている)
- クレア譲りか類い希な運動神経を持ち、映画の子役専門のスタントマンとして活躍している。
- しかし、幼い頃からキースのところによく預けられていたためか無口で、「しゃべるのが苦手」として役者になるのは拒んでいる。
- クローディアに「可愛いこと言いなさい」と言われて猫の鳴き真似をしたり「可愛いことしなさい」と言われて雑誌を丸めて遊ぶなど、なかなかユニークなことをする。
- 電話でキースがよく喋ることについては「電話の精霊が喋っている」と信じている。
- 2002年の事件で、「解体屋」の口調で無線機に向かって喋るライブ(『生』)の姿を目撃。これをルキノとアンジェロに伝えた事が、事件収束のきっかけとなった。
不良集団(ボビー一味)
- ボビー・スプロット
- マルティージョ・ファミリーの縄張りで悪事を働く少年達のリーダー格で、ジャグジー・スプロットとニースの曾孫。2002年の時点では14歳。
- しかし、ジャグジーのような人望はあまり無く、頭脳面でも考えなしの行動が多い。
- トロイ曰く、娼婦に弄ばれた過去から女性は苦手だが、好みは小麦色に日焼けした女性で、カルネアに気がある模様。
- 2002年に「私」からカメラを盗んだ犯人もボビーたちである。カメラをロニーに奪い返されたことでマルティージョを逆恨みし、仲間とともにフィーロが乗った豪華客船に密航して仕返しをしようとたくらむ。
- 2002年の事件後は、カルネアに近づこうとマルティージョ・ファミリーの雑用係として働くこととなる。
- トロイ
- ボビーの仲間の黒人の少年。トロイというのはボビーがつけたあだ名。パソコンのウィルスである「トロイの木馬」を集めることを趣味としている。冷静で、常に分析するように話す。
- 2002年の事件後は、ボビーと共にマルティージョ・ファミリーの雑用係として働くこととなる。
- トール
- ボビーの仲間の背の高い少年。トールというのはボビーがつけたあだ名。
- 2002年の事件後は、ボビーと共にマルティージョ・ファミリーの雑用係として働くこととなる。
- ハンプティ
- ボビーの仲間のふとっちょの少年。ハンプティというのはボビーがつけたあだ名。
- 2002年の事件後は、ボビーと共にマルティージョ・ファミリーの雑用係として働くこととなる。
『仮面職人』
- ルキノ・B・カンパネルラ
- 『仮面職人』の社長であり、社内1番の若手で通称ルーキー。人殺しは苦手で、触感と罪悪感で毎回吐いてしまう。
- 表の顔は「ルーキー・ウォーロック」というマジシャンで、豪華客船「イグジット」にも手品ショーのキャストとして乗り込んだ。自身も、親から仕込まれた手品を気に入ってる節がある。
- モニカ・カンパネルラは実の先祖であり、同様に先祖であるヒューイ・ラフォレットをモニカを殺したとして怨んでいる。
- 2002年の事件後は、エイジングや『仮面職人』の生き残り、同行したエルマーらと行動している模様。エルマーからラブロ・フェルメート・ヴィラレスクがモニカ殺害の真犯人だと教わる。
- イルネス(『病』)
- 組織の最高戦力「四苦」の一員である少女。黄色と黒で構成されたゴシック調のドレスに日傘という特徴的な身なりをしている。
- 幼少時代に宗教教団『SAMPLE』から贄神として崇められ、残虐な仕打ちを受け続けた過去がある。当時命を犠牲にしてまで自分を助け出そうとしてくれた少年達の行動に感謝する一方、自分は生きるために殺人を続けている現状を「病気」と考えており、そのためか組織に対して多少反抗的になることがある。
- 2002年の事件の際には「エントランス」に乗船。船上で出会ったクローディアと友達になり、その生き方に憧れを持ち、影響を受けるかつて自分を救ってくれた少年達のように、友人のクローディア達を守るため『SAMPLE』の面々に立ち向かい、撃退に成功する。しかしその後『SAMPLE』の手の者に拉致され、再び教団に囚われた。ヴィラレスクに次の道主『ブライド』に指名される。
- ライブ(『生』)
- 「四苦」の一員。コンバットスーツに全身を包み、暗視ゴーグルを装着している。
- 「エントランス」に乗船。細かい気配りをし、喋り方は慇懃無礼。
- 船内に「仮面職人」の武器装備を持ち込み、監視装置を設置するなど機械・兵器技術に優れている。正体はラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。船内では『南米の組織』の解体屋として、『SAMPLE』の監察役ヴィラレスクとしても暗躍する。A-sideのラストでイルネスに非通知で電話をかけたのは『SAMPLE』を思い出させようとしたライブの悪戯だったと思われる。
- エイジング(『老』)
- 「四苦」の一員。外見は、20代後半から30代前半の身長2m以上、筋骨隆々の美女である。しゃべり方がジジイ口調で、カッカッカ…と高笑いする。
- 運動能力も見た目通りで、映画『ターミネーター』に登場したM134ミニガンを片手で操ったり、もう片方では刃渡り80センチ以上のグルカナイフを振り回したり、さらには忍者紛いの体術をこなしたりすることが出来る。
- 性格面でも、捕獲対象のナイルに会いに行って直接仮面を付けてる理由を聞いたりと、正に豪傑。一方で、ルキノに対してはからかいつつも母性的な面が随所に見受けられる。
- ルキノと豪華客船「イグジット」に乗船。事件後は、ルキノ、エルマーや『仮面職人』の生き残りと共にクルーザーで脱出した。
- デス(『死』)
- 「四苦」の一員。元傭兵で『仮面職人』でも一番の実力を持つ。
- 経験豊富で実戦経験もあるが、長く生きられない病を患っていたらしく、戦場で死にたいと常々口にもらしていたが、シージャック実行の前の南米での仕事中にアンジェロに狙撃され生命を落とした。
南米の麻薬組織
- カルネア・カウフマン
- 褐色の肌と金色の髪が特徴の少女。豪華客船「エントランス」で密航している際にボビー達と出会い、行動を共にする。
- 彼女の父は『仮面職人』によって壊滅状態にされた南米の麻薬組織のボスであり、現在はカルネア自身がボスとなっている。しかし組織がどんな仕事をしているのかはよくわかっていない。
- ボディガードであるアンジェロのことを信用しており、2002年の事件の時には彼を心配して解体屋の手引きで船に乗り込んだ。また、見知らぬ自分に協力してくれるボビーを純粋に信頼している。
- 事件後は、アンジェロと共にマルティージョ・ファミリーの世話になる。
- アンジェロ
- 組織専属の殺し屋。凄腕のガンマンで、狙撃手として一流の腕を持つ。古風な人間で、絶対に女子供は撃たない主義の人物。アントニオ・バンデラスに風貌が似ているらしい。
- 元はストリートチルドレンで、そこで地元警官による掃討に遭う。後に復讐として女子供以外の町の住人を皆殺しにした。
- 特殊な才能はないが、運よく生き続けた経験で超一流の技術を身につける。その後、カルネアの親がボスをつとめる南米の麻薬組織に身を寄せていた。
- 『仮面職人』に組織を壊滅させられ、復讐のために彼らが乗り込む「エントランス」に乗船する。
- 2002年の事件後は、船で出会ったフィーロの紹介でカルネアと共にマルティージョ・ファミリーに用心棒として世話になる。
- スペインで生活している妻子がいる。仕送りをしながらたまに顔を出している。妻の方はかなり強引で、アンジェロも殺されかねないほどの包丁捌きを誇るらしい。
- 解体屋
- アンジェロの仲間で組織の破壊屋。口調はキレ気味で「ゲヒャヒャヒャ!」と下卑た笑い方をする。
- 文字通り破壊工作を得意とする反面、情報屋としての側面も持っており不可解なペースで情報を集める。
- 豪華客船「エントランス」にアンジェロの銃を密輸したり、船内に無数の爆弾を仕掛けるなど裏で彼のサポートをした。正体はラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。船内では『仮面職人』のライブとして、『SAMPLE』のヴィラレスクとしても暗躍した。アンジェロとの会話から前のボスを後ろから撃ったのは彼ではないかという疑惑もある。
宗教教団『SAMPLE』
- ブライド
- 命名は奈須きのこ。宗教集団『SAMPLE』第43代目の道主。ブライドは代々道主が呼ばれる号名で、本名ではない。
- 理知的な眼鏡をかけており、研究生らしい風貌をしている。普段は調子のいい口調で喋る男だが、注射器で薬を打つことによって性格が一変し、教祖らしい荘厳とした態度になる。ちなみに薬といってもただのブドウ糖である。
- エルマー、チェスら不死者の捕獲と、元教団の巫女であったイルネスの確保のために教団員を率いて、「イグジット」に乗り込む。一時は花嫁候補のシルヴィを捕えることに成功するが、結託したフィーロ達の反撃で状況が一変して敗北。自身も両腕を失い、瀕死の重傷を負う。その後、ヴィラレスクや他の教団員に後事を託して海の藻屑となった。
- 新宿で「オリハラ」なる人物と接触していたことから、デュラララ!!の折原臨也と取引を交していた可能性が高い。
- ヴィラレスク
- 顔を赤と黒の包帯で覆い隠した男。教団内で監察役という役職に就いている。
- 道主を筆頭に教団員が乗る「イグジット」とは別に、状況報告とチェスの捕獲という役目で姉妹船の「エントランス」に乗船する正体はラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。船内では『仮面職人』のライブとして、『南米の組織』の解体屋としても暗躍した。正体がルキノやアンジェロにばれた後は、ヴィラレスクとして『SAMPLE』の面々と共に逃亡した。ブライド亡き後イルネスを新しい道主に指名したり、できそこないの酒を配下に与えて手駒として動かしているなど、300年続く『SAMPLE』の裏の道主的な存在。教団のゴリラ顔の男や秘書の女性二人は、ブライドよりもヴィラレスクに忠誠を誓っている様子がある。
- ゴリラ顔の大男
- 『SAMPLE』の教団員。顔に似合わず理知的な喋り方をする。2メートルを超す長身で、人を殴り殺せる怪力を誇る。
- ブライドや他の教団員と共に「イグジット」に乗り込む。
- サブマシンガンで撃たれても平気だったり、現場の血痕が全く残っていないことなどから、できそこないの不死者と思われる。
- 秘書の二人の女性
- 『SAMPLE』の教団員。いつもブライドの傍に二人で秘書のように寄り添っている。できそこないの不死者。
- ブライドら他の教団員と共に「イグジット」に乗り込む。
- 通信室に配置された一人は、ガンドレットのミニチュアのような装飾品を両手に身につけて、その指先の尖った先端で『仮面職人』を殺害した。
- 機関室に配置されたもう一人は、ヒールのつま先に刃を仕込んでおり、蹴りの勢いまま『仮面職人』らを突き刺して絶命させた。
- 後に通信室の女性はナイルに片手で締め堕とされ、機関室の女性は田九郎に捕縛された。事件後は見事脱出して教団に居続けている。
- リッケル
- 豪華客船「イグジット」の副船長。『SAMPLE』の教団員でもある。
- 『仮面職人』が占拠する艦橋で船長を殺し、ゴリラ顔の大男と艦橋の奪取と『仮面職人』の抹殺を試みた。生死は不明。
北欧の村の住民
- デズ・二ビル
- 村長。フェルトと同一人物。セラードの子孫が作り上げた男性型のホムンクルス。他にフェルト・ニビルとなりそこないの肉塊、二つの肉体を持っている。2001年の事件での『村』を出る際の騒動でデズとしての肉体を使い捨てにする。
- フェルト・二ビル
- デズの息子とされてきた青年。デズと同一人物。マイザー達との戦闘でなりそこないの肉塊とフェルトとしての肉体を失うが、その寸前でフィルがフェルトの意識(正確には男性型のホムンクルスの意識)を持つ『水』を飲んだ為、フィルの五体の肉体のうちの一体に意識が宿り生き延びる。それ以降はフィル・ニビルと名乗っている。2001年の事件後、フィルやエルマー達と一緒に『村』を出る。
- 2003年に「蜂の巣(アルヴェアーレ)」に連れと共に訪れており、アイザック・ミリアと会話をしている。
- フィル
- 少女。セラードの子孫が作り上げた女性型のホムンクルスで、かつて五体の肉体を持っていたが、『村』を出る際の騒動でフェルトに所持していた肉体の一体を明け渡し、現在は四体の肉体を所持している。成長しない代わりに寿命が短いタイプのホムンクルスだったが、マイザー達の研究で寿命が延びた。2001年の事件後、フィル・ニビルやエルマー達と一緒に『村』を出る。
- ビルト・クェーツ
- セラードの子孫。不死者でも出来損ないでもない普通の人間。
- 彼の祖父や父はセラードの助手として「完全なる知識」を持ったホムンクルスの創造に携わっていたが、ビルトもまたその実験・研究を引き継ぎ、『村』に行商人として出入りするかたわら、フィルとデズの管理を続けてきた。しかし、心中ではこのような恐ろしい研究を行ってきたことを後悔しており、2001年にマイザーら錬金術師の一行と出会ったときには、フィルの幸せのために彼女の寿命を延ばす手助けを依頼した。
その他の登場人物
- 私
- 日本人カメラマン。主に動物の写真を撮っている。ミサオの友人でもある。羆に襲われた過去があり、本人曰くそれが原因で恐怖という感情が欠落しているらしい。
- 2002年に福引で旅行券を当ててNYに旅行にやって来たものの、その際愛用のカメラをボビーらに奪われてしまう。カメラを取り戻す為に伝手を辿ってマルティージョ・ファミリーに辿り着く。そこでフィーロに出会い、彼とその仲間達が不老不死となった1930年の事件のあらましを聞く事になる。前述の通り物事にあまり驚かない性格のため、話を聞いてもすんなり受け入れ、フィーロからは最高の聞き手であると褒められた。帰国後、日本にいずれ遊びに行くというフィーロの訪問を楽しみに待っている。
- その後、今度はデパートの福引で特賞を当てたが、フィーロたちが尋ねてくるというのでミサオに旅行チケットを譲っている。彼らの来日の際、ガイド役を買って出ているようだが、特に構うこともなく、自分の風景写真を優先させてる様子。
- なお、住んでいるアパートの隣の部屋に、デュラララ!!の登場人物である竜ヶ峰帝人が住んでいるらしい。
- ミサオ
- ヒロコの元夫で、「私」の友人の日本人。
- 「私」から譲り受けたチケットで「イグジット号」に乗船。ヒロコとは既に離婚しているが未練があり、彼女が「エントランス号」に乗っていることを知って電話でやり取りをした。
- 宗教集団『SAMPLE』に何事かをされた様子だが、命には別状なかった様子。『エントランス』へ元妻の名を叫びながら飛び込んでいった。
- ヒロコ
- ミサオの元妻。離婚して現在はアメリカに住んでおり、性格や生活が既にアメリカナイズされている。
- 日本行きの「エントランス号」に搭乗し、ミサオと電話で連絡を取り合った。
- ポール・ノア
- エドワード・ノア捜査官の息子で、フィーロとも顔見知りである。カメラを奪われた「私」にマルティージョ・ファミリーを紹介した。
- ジョン・ドロックス
- 丸々と太った体格の黒人男性。クローディア、シャロンが出演する映画「シャーク・フライト」の映画監督。やたらと完璧、パーフェクト、グレイト、エクセレント、マーヴェラス…等々のほめ言葉を高らかに連呼して叫ぶ、テンションの高い性格。作品世界で大人気のコミックの映画作品を第二弾まで作っていることから、映画監督としての腕は確かなようだ。
- フォルク・コナー
- 「エントランス号」の船長。
- シリス・アーティア
- 興信所『サン・クリステル事務所』で働くイギリス人女性。ヒルロム大学という名門大学出身で今の職場にストレートで就職する。趣味はクッキー作り。
- 興信所自体がマフィア・政治家の身辺調査などの際どい調査も行うので、彼女自身も生命の危険を感じる修羅場に足を踏み入れた経験がある。
- 潜入調査で宗教集団『SAMPLE』に「ルーコット・ディアス」として入団するも、教団側には正体が完全にばれており、道主の「花嫁」として苦痛と絶望を与えられる。半分廃人のようになりながら、教団員らと「イグジット」に乗船。しかし事件の最中で正気を取り戻し、シルヴィら不死者に危険を伝えるために行動を開始する。その後、田九郎らと合流し、命からがら生還を果たす。
- 事件後、『SAMPLE』への敵意から、クローディアと接触してイルネス探索依頼をとり、復讐の機会を窺っている。
- 模倣犯(コピーキャット)
- 2002年に起こった事件の黒幕である正体不明の謎の人物。「フライングプッシーフット号」の事件を再現する事によって何かを観ようとしている正体は錬金術師ラブロ・フェルメート・ヴィラレスク。二つの豪華客船を沈めようとした理由は、単にチェスの悲しむ顔が見たかったからであるが、結果として船は沈まず、完全な成功には至らなかった。チェスに希望を与えた存在であるアイザックとミリアを排除して事件を再現しようとしたが、ヒューイによればそれが半分失敗した原因であるという。
用語
- 不死者
- 「不死の酒」を飲み、不老不死となった人間。
- 全身の細胞レベルで異次元に存在する別の生物と融合しており、死んでも傷が細胞同士で繋がり合い、甦る。とはいえ死ぬことが無くなるだけで負傷による痛みは特殊な方法を使わない限り消すことはできず、身体能力自体も以前と変わらない。しかし、損傷した部位は何度も破壊される度に再生が早くなり、痛みにも徐々に慣れていく。
- 死ぬための唯一の方法は、別の不死者に、自分の頭に右手を載せて『喰いたい』と願ってもらうことである。詳しくは下記『喰う』の項を参照。
- また、「不死者同士及び公共の場では偽名を名乗ることが出来ない」という縛りが存在する。これについても詳しくは下記の不死者の制約の項を参照。
- ヒューイの娘のシャーネが不死者でないことから不死者の不死性は子孫には遺伝しないと思われる。
- 『喰う』
- 不死者が死ぬための唯一の方法である。別の不死者に、自分の頭に右手を乗せて『喰いたい』と願ってもらうだけでよい。『喰われる』者の体は、相手の右手の中に、足先から遡りながら肉が吸い込まれていくようにして消失する。その人間の知識と記憶、経験や人格は、全て『喰った』者に引き継がれる。
- 不死に飽きた時のためにと『悪魔』が自分を召還した錬金術師達に教えたが、これは不死者が死ぬための方法というよりも、不死者が不死者を殺すための方法として利用されることの方が多い。
- そのため、不死者たちは自分の唯一の弱点として『喰われる』ことを恐れ、仲間の間に疑念が生じることもある。フェルメートはチェスを『喰おう』とし、チェスはそのトラウマからその後300年に渡り、友人を信じることが出来なくなった。また、セラードのように相手の知識を手に入れるために『喰う』者もいる。また、フィーロは自分の中に異質な他者が存在することに悩みを抱いている。このように物語を構成する上で非常に重要な役割を果たしている。
- 偽名を名乗ることが出来ない制約
- 不死者は「不死者同士で会話する場合」及び「公共の場」においては、偽名を名乗ることができない。
- 不死者が死にたいと思ったとき、仲間を探し出すのに苦労しないようにと『悪魔』が取り計らったためである。この制約は、本能で「1つになる」ことを命じる全身の細胞による精神的なものであり、該当する状況ではいくら偽名を使おうとしても自然と本名を名乗ってしまう。そのためパスポートの年齢の部分を偽証しないといけないなどの面倒が生じるが、「他人に紹介される」という形であれば偽名を語れることもある。
- 『出来損ない』
- セラードが開発した不完成品の酒『出来損ない』を飲み、不死だが不老ではなくなった人間。
- そのため、傷を負っても体は再生し死ぬことは無いが、老化の進行を止めることができず、唯一老衰によってのみ死を迎える。
- 大体の性質は不死者に準ずるが、以上の点に加え、不死者もしくは『出来損ない』の人間を『喰う』ことができない(逆に不死者が『出来損ない』を『喰う』ことは可能)点、偽名を名乗れない制約が存在しない点の3つが大きな特徴として挙げられる。
- ホムンクルス
- 総じて錬金術により人工的に創造された生命を指すが、個体によって性質は大きく異なる。
- エニスは、不死であるセラードの細胞を触媒として誕生したため、全く知識を有さずに生まれた代わりに、不老不死という不死者と同等の性質を持っている。また、主人の思念一つで体構成が崩壊し絶命するという特徴的な性質を有している。
- 『リズム』の研究の産物であるクリストファーらの場合は、不老だが不死ではない。そのため老衰による死の心配は無いが、怪我で負傷した傷は不死者のようには再生せず、それが原因で命を落とすこともある。双子やリーザなど特殊な性質を持つ個体も存在する。
- ビルトが研究していたものは、人間と同じように成長するタイプの男性型デズ、成長しない代わりに寿命が極端に短いタイプの女性型フィルの2種類が存在した。
- 因みにセラードが求めていた完全なるホムンクルスとはフラスコ内でしか生きられない代わりに、生まれながらにして宇宙の全ての知識を会得しているものであった。
- アドウェナ・アウィス号
- 1711年、ロットヴァレンティーノの錬金術師の一行が新大陸を目指し乗船した船。
- その大西洋の航海の最中、マイザー・アヴァーロは『悪魔』の存在を具現化させることに成功し、「不老不死の全てが知りたい」と願った。『悪魔』は彼とその仲間たちに、飲むと不死になれる酒(=「不死の酒」)と不死者が死ぬための手段(=『喰う』こと)を与えた。一方で、マイザーだけに「不死の酒」の醸造方法を教えた。マイザーは弟のグレットに半分だけその知識を告げた。
- しかし翌晩、突如としてセラードが仲間を『喰い』始め、船内は混乱の渦に巻き込まれる。彼の目的は、「不死の酒」に関する知識の獲得と、自らの完全なる不死の障害を排除することであり、グレットら10人以上を『喰らい』尽くした。最終的に、追い詰められたセラードが海へと飛び込む形で事件は収束したものの、その惨事は生き延びた人間たちの心にも傷を負わせた。
- 30人ほどの錬金術師が乗船していたようだが、現在の時点で、乗船が確認できる人物は、マイザー、グレットのアヴァーロ兄弟に加え、セラード、エルマー、シルヴィ、ナイル、田九郎、ザンク、ヴィクター、ベグ、チェスワフ、ヒューイ、フェルメートである。
- マルティージョ・ファミリー
- イタリア系の犯罪組織カモッラの亜流組織の一つで、リトルイタリーとチャイナタウンに小さな縄張りを持つ、構成員が五十人程であり、その四分の一が幹部というギャングとしては弱小組織。本拠地は蜂蜜専門店の奥にあるレストラン「蜂の巣(アルヴェアーレ)」。
- 組織の頭領であるモルサが開いたとき、組織の者に帽子を配ったことがきっかけとなり、幹部昇進の際には前日にそのことが知らされ、翌日に他の幹部とともに帽子屋で帽子を買ってくることが伝統になっている。また、幹部の上に役職の名前のついた上級幹部が数名いる。
- 違法カジノや違法酒製造による闇酒場の経営や、高利貸しやみかじめ料の徴収などが資金源。組織は小さいが、麻薬には手を出さない方針をとっている。
- 居候(アイザック、ミリア、チェス等)や若衆、上級幹部、レストランで働いているウェイトレス達が一緒になってドミノ倒しに興じるなど、構成員は基本的にノリのいい、陽気な者たちが多い。
- ガンドール・ファミリーとは縄張りが隣り合っているが、敵対はしておらず、組織の仕事上のことに関してはなりあわないことで合意している。むしろ幹部の一人であるフィーロがボスのガンドール三兄弟と幼馴染のためか、幹部昇進の際に共に祝いに来たり、縄張りのカジノにやってきたりと個人同士でのプライベートでは友好的。
- 禁酒法が無くなってからは本拠地の「蜂の巣(アルヴェアーレ)」を合法的なレストランに改装し、繁盛させていた。2002年では組織としては縮小し、「蜂の巣(アルヴェアーレ)」のチェーン店が軌道に乗り始めたためにカモッラとしての仕事(みかじめ料の徴収、香辛料の輸入代理店等)のほうが裏家業のようになっている。
- ガンドール・ファミリー
- リトルイタリー、マルベリー通りからやや外れた所にあるジャズホールの地下に事務所を置き、その周辺を縄張りとしている、規模としてはマルティージョと同程度のギャングとしては弱小の組織。しかし、構成員がみな喧嘩っ早いゴロツキ揃いとして有名であり、周囲の組織も一目置く存在感がある。
- 元々はガンドール三兄弟の父親が所属していたマフィア組織の縄張りを、三兄弟の父親が譲り受けたもの。しかし実は他の大規模な組織の抗争に巻き込まれる前にとそのボスが体面を守るために、金を持って逃げる際に尻尾切りしただけであった。しかし三兄弟の父親が古風な考えの持ち主で、「ボスからもらった組をつぶすわけにはいかない」として小さな縄張りだけは残すことができた。
- その後心労で父親が死んだ後、三兄弟が組を引き継ぎ、縄張りを倍にまで拡大した。しかしそのために今でも揉め事が絶えず、1932年にはルノラータ・ファミリーと抗争している。
- 三兄弟の役目はそれぞれ長男キースが「庇護」、次男ベルガが「恐怖」、三男ラックが「打算」であるとラックは思っている。長男が縄張りの住民やファミリーの構成員、マフィアとしての信念を護り、ベルガが腕力で構成員と縄張りを締めるとともに他の組織を威圧し、ラックがそれらとの交渉などで折り合いをつけている。
- 三兄弟ともどこかマフィアのボスにしては甘いところがあるため、幼馴染二人(フィーロ、クレア)からは「マフィアに向いていない」とはっきりと思われているが、キースのみ、マフィアとしての信念を古風であるが持っている。
- 周囲の組織とは停戦協定を結んでいる。マルティージョ・ファミリーとは縄張りが隣り合っているが、幹部のフィーロが三兄弟と幼馴染であるためか、組織としてはなりあわないが、プライベートでは友好的である。
- 闇賭博、闇酒場、闇レース、縄張りからのみかじめ料、高利貸しなどが資金源。組織の弱小さとは関係なく、麻薬には手を出さないことにしている。
- フライング・プッシーフット
- ネブラ社の作った豪華な大陸横断列車。「走る装飾品」と賞賛されることも有れば、「装飾過多で悪趣味」「彫刻を押しつぶしたような外見」と蔑まれる事もある。
- 通常の列車と違い、前方に一等客室が有るのが特徴。また、豪華列車なだけあって二等客室でも通常の一等客室に比肩する。食堂車にはバーが存在し、車掌が飲酒に厳しくなければ、禁酒法時代でありながら酒を出すこともある。
- 1931年の12月30日、議員の妻子、新聞社の使い、黒服集団、白服集団、ジャグジー一味、不死者などが同時に乗り合わせ、さらに「線路の影をなぞるもの(レイルトレイサー)」が列車に現れる。それぞれが複雑に絡み合いながら起こった列車ジャックが原因で多数の死者を出す(乗客に被害はなし。死んだのは全て黒服集団と白服集団、車掌数名)。
- 事件は上からの圧力により報道されなかったものの、最終的に列車は展示用にまわされ、禁酒法が解除されたお祭り騒ぎのさなかに破壊された。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
受賞歴
- 第9回電撃ゲーム小説大賞金賞(2002年)
第9回電撃ゲーム小説大賞・金賞受賞作品 | ||
---|---|---|
第8回 | バッカーノ! (成田良悟) 七姫物語 (高野和) |
第10回 |
該当作品なし | 我が家のお稲荷様。 (柴村仁) |
漫画
吟遊詩人の作画で『月刊電撃コミックガオ!』2007年2月号-2008年4月号に連載された。単行本全2巻。『1931 The Grund Punk Railroad』のエピソードをコミカライズしているが、オリジナルキャラクターの登場など漫画版独自の設定も見受けられる。
- 原作 - 成田良悟『バッカーノ!』(メディアワークス電撃文庫)
- 作画 - 吟遊詩人
テレビアニメ
「BACCANO! -バッカーノ!-」のタイトルで2007年7月26日から11月1日まで、WOWOWノンスクランブル枠で放送された。 2008年2月よりCSアニマックスで放送される。 全13話で、『(1930) The Rolling Bootlegs』『1931 The Grund Punk Railroad』『1932 Drug & The Dominos』のエピソードを中心としているが、第7話のみ1711年のエピソードとなっている。一話ごとにこれら3年のエピソードをシャッフル(各エピソードごとの時系列は原作同様)する、という独特の構成になっている。尺の都合か32年のエピソードは大幅に短縮・改編されている。
なお、DVDには限定エピソードとして番外編3話が新たに収録されている。
スタッフ
- 原作 - 成田良悟「バッカーノ!」(メディアワークス電撃文庫)
- 監督 - 大森貴弘
- 企画 - 植田益朗(アニプレックス)、久木敏行(メディアワークス)、太布尚弘(ムービック)、小沢十光(ブレインズ・ベース)
- 企画協力 - 電撃文庫編集部、電撃hp編集部
- 構成/脚本 - 高木登
- キャラクターデザイン - 岸田隆宏
- 美術監督 - 伊藤聖
- 色彩設計 - 歌川律子
- 撮影監督 - 関谷能弘
- CGプロデューサー - 神林憲和
- 編集 - 関一彦
- 音楽 - 吉森信
- 音楽協力 - 佐藤明彦、斎木隆
- 音楽制作 - アニプレックス
- 音響監督 - 岩浪美和
- 音響効果 - 浦畑将(サウンドガーデン)
- 音響プロデューサー - 中野徹
- 音響制作 - HALF H・P STUDIO
- プロデューサー - 横山朱子
- アニメーションプロデューサー - 佐藤由美
- 協力プロデューサー - 和田敦(メディアワークス)、金庭こず恵(ムービック)、米田匡男(WOWOW)
- アニメーション制作 - ブレインズ・ベース
- 製作 - Project Baccano!(アニプレックス、ムービック、ブレインズ・ベース)
主題歌
- オープニング『Gun's&Roses』
- 演奏 - Paradise Lunch
- CDにはヴォーカルVERと、OPで使用されているヴォーカル無し版の2種類が収録されている(Insturmentalを除いて)。
- OPアニメーションは1~2・7話は約1分30秒だが、3~6・8~13話ではハイライトシーンが約20秒挿入される(その回のストーリーに関わるあらすじを取り上げるので、一つ前の回のシーンとは限らない)。
- エンディング『Calling』
サブタイトル
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 副社長は自身が主役である可能性について語らない | 高木登 | 大森貴弘 | 佐藤豊 | 高田晃 |
2 | 老婦人の不安をよそに大陸横断鉄道は出発する | 大畑清隆 | 中野英明 | 青野厚司 | |
3 | ランディとペッチョはパーティの準備で忙しい | 寺東克己 | 米田光宏 | 米田光宏・久本晃嗣 | |
4 | ラッド・ルッソは大いに語り大いに殺戮を楽しむ | 大森貴弘 | 松浦錠平 | 石川晋吾 | |
5 | ジャグジー・スプロットは泣いて怯えて蛮勇を奮う | 寺東克己 | 佐藤豊 | 小谷杏子 | |
6 | レイルトレーサーは車内を暗躍し虐殺をくりかえす | 神戸守 | 小丸敏之・羽山賢二 | ||
7 | すべてはアドウェナ・アウィス号の船上からはじまる | 神戸守 | 原博 | 鈴木慎吾 | |
8 | アイザックとミリアは我知らず周囲に幸福をまきちらす | 大畑清隆 | 亀谷響子 | ||
9 | クレア・スタンフィールドは忠実に職務を遂行する | 寺東克己 | タムラコータロー | 青野厚司 | |
10 | チェスワフ・メイエルは不死者の影に怯え策略をめぐらせる | 大畑清隆 | 小阪春女 | 田中良・小谷杏子 | |
11 | シャーネ・ラフォレットは二人の怪人を前に沈黙する | 神戸守 | 久木晃嗣・をがわいちろを | ||
12 | フィーロとガンドール三兄弟は凶弾に倒れる | 名村英敏 | 川越淳 | 青野厚司・福田紀之 | |
13 | 不死者もそうでない者もひとしなみに人生を謳歌する | 大森貴弘・寺東克己 | 大森貴弘 | 高田晃 | |
14<番外編・上> | グラハム・スペクターの愛と平和 | 大畑清隆 | 亀谷響子 | ||
15<番外編・中> | 高級住宅街に辿り着いた不良少年たちはそれでもいつもと変わらない | 神戸守 | 青野厚司 | ||
16<番外編・下> | 物語に終わりがあってはならないことをキャロルは悟った | 寺東克巳 | 青野厚司 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
日本全国 | WOWOW | 2007年7月26日 - 11月1日 | 木曜 24時30分 - 25時00分 | 制作局 |
東京都 | TOKYO MX | 2008年1月2日 - 3月26日 | 水曜 23時30分 - 24時00分 | [1] |
ネット配信 | GyaO | 2008年1月5日 - 3月29日 | 土曜 12時00分更新 | |
日本全国 | アニマックス | 2008年2月5日 - 4月29日 | 火曜 23時00分 - 23時30分 |
WOWOW 木曜24:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
MOONLIGHT MILE「Lift off」
(スクランブル枠、リピート放送) |
バッカーノ!
|
枠消滅
|
DVD
ジャケットは岸田隆宏描き下ろしである。 初回限定封入特典には、成田良悟・エナミカツミ書き下ろしの外伝小説(文庫換算各50ページ)と、設定資料やキャスト・スタッフからのメッセージなどが掲載されたオールカラーブックレットが付いている。
- 第1巻
- 2007年10月24日発売 (ANSB-2901) / 第1幕・第2幕収録 / 『193X-A man in the killer ①』
- 第2巻
- 2007年11月28日発売 (ANSB-2902) / 第3幕・第4幕収録 / 『193X-A man in the killer ②』
- 第3巻
- 2007年12月26日発売 (ANSB-2903) / 第5幕・第6幕収録 / 『193X-A man in the killer ③』
- 第4巻
- 2008年1月23日発売 (ANSB-2904) / 第7幕・第8幕収録 / 『193X-A man in the killer ④』
- 第5巻
- 2008年2月27日発売 (ANSB-2904) / 第9幕・第14幕収録 / 『193X-A man in the killer ⑤』
- 第6巻
- 2008年3月26日発売 (ANSB-2906) / 第10幕・第11幕収録 / 『193X-B The Time Of the Oasis ①』
- 第7巻
- 2008年4月23日発売 (ANSB-2907) / 第12幕・第15幕収録 / 『193X-B The Time Of the Oasis ②』
- 第8巻
- 2008年5月28日発売 (ANSB-2908) / 第13幕・第16幕収録 / 『193X-B The Time Of the Oasis ③』
ドラマCD
- フィーロ・プロシェンツォ、ピエトロ・ゴンザレスの五十三回目の死を目撃す
アニメ製作スタッフ・声優陣らにより、オリジナルストーリーのドラマCDが制作された。(2007年10月24日発売)
ゲーム
2008年2月28日にメディアワークスより、ニンテンドーDS用ソフト『DS電撃文庫ADV バッカーノ!』が発売された。DS電撃文庫第5弾として発表された本作は、『1931 鈍行編 / 特急編 The Grand Punk Railroad』の2作を原作としている。
本作の最大の特徴は、
- 原作文章の完全収録
- 場面ごとに視点となる主人公が選択できるザッピングシステムの採用
- プレーヤーの選択によって変化する50以上のifエンディングの新追加
- 原作者成田良悟の書き下ろし文章の新収録
の4点である。
(1)著者成田良悟の文章が、カット無く全て収録されているので、原作小説と全く同じ物語の展開を楽しむことができる。
(2)各章の始めにプレーヤーが選択した登場人物がその場面における主人公となるので、1つの事件を異なる複数の視点から経験することができる。これにより、「複数の登場人物の行動が複雑に絡み合って事件が発展していく」という原作の特徴を活かすことに成功している。
(3)文章を読み進めると、主人公のとる行動をプレーヤーが決定できる選択肢が現れることがある。選択肢によっては、事件が原作とは異なる展開を迎え、新たな方向で終結を迎えることもある。
(4)上記のifエンディングのうち『小気味良い男編』『死亡勇戯編』は、原作者成田良悟の書き下ろしであり、原作では明かされなかった設定・登場しなかったキャラクターが現れるシナリオとなる。特に『小気味良い男編』は、原作の後続小説の設定を補完するような形になっており、ifエンディングではない公式設定として扱うことが可能であろう。
なお、予約特典として『バッカーノ! 1931 時刻表 The Grand Punk Railroad』(非売品)が付属する。本作の内容に関連した96ページのゲームブックである。