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シラカンバ

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シラカンバ
シラカンバ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ブナ目 Fagales
: カバノキ科 Betulaceae
: カバノキ属 Betula
: シラカンバ B. platyphylla
学名
Betula platyphylla var. japonica
和名
シラカンバ(白樺)
英名
Japanese White Birch
シラカバの表皮

シラカンバ(白樺、学名 Betula platyphylla var. japonica)は温帯から亜寒帯地方に多く見られるカバノキ科植物落葉樹の一種。樹皮が白いことからこの名がある。別名、シラカバ。日本では福井県を西端、静岡県を南端として北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布する。日本の高原を代表する木の一つ。主に、長野県や北海道に多い。また日本のシラカバの原種であるBetula platyphyllaとそれにごく近縁にヨーロッパシラカバBetula pendulaはアジア北東部・シベリア・ヨーロッパの広い範囲に分布する。近縁種としてダケカンバがある。

和名の由来は、樹皮が白いこと、アイヌ語が起源のカンバの木という意味である。シラカバという名称は、シラカンバを省略したものである。

明るい場所を好み、成長が早いため、山火事や伐採、山崩れなど何らかの理由で森林が消滅した場合、そのあとに真っ先に生える樹木の一つである。やがてブナなどの暗い場所を好む樹木にとって代わられて、通常は一代限りで消えていく。高さは20~30mになる。幹は30~1m程でまっすぐに伸びる。は多岐に別れて伸び形の樹幹を形成する。 外皮は薄く、黄色みを帯びた白色で光沢があり、状に剥がれる。 は対生して生え、卵状菱形もしくは三角状広卵形で周囲は鋸葉状。長さが4~10cm、幅は3~6cmほど。には黄色く紅葉する。 花期雌雄同株で、5cmほどの雄花は長枝の先から尾状に垂れ下がる。雌花は短枝に4cmほどの花穂をつける。

風媒花であるため花粉症の原因にもなる。道南地域を除く北海道では、シラカンバ花粉症の方がスギ花粉症よりも多いとされている。また、シラカンバ花粉症は、口腔アレルギー症候群(OAS)との関連もあり、注目されている。

ルーン文字のひとつにこれをあらわすものがある。

ヨーロッパの各地では、五月祭にシラカンバの葉や花で飾り付けたメイポール(Maypole)を広場に立て、その周りを踊りながら廻るという風習がみられた。

ロシア民間療法で、シラカンバに寄生するチャーガ(和名 カバノアナタケ、学名 Fuscoporia obliqua)というキノコ胃腸の調子が悪い時にお茶のようにして飲む風習がある。ソルジェニーツィンの『ガン病棟』ではガン民間薬として書かれている。

なお、園芸店などで販売されている「シラカンバ」は同属他種(学名B. utilis var. jacquemontii等)のことが多い。

日本の皇室において、現在の皇后である美智子お印になっている。

利用

乗鞍高原の白樺

材質が堅く、木目も美しいので家具材や、家屋の内装に使われる。

春、芽を吹く頃の白樺の幹に傷を付けると、大量の樹液が吹き出す。アイヌ民族はこの樹液を「タッニ・ワッカ」(シラカバの水)と呼び、水場がない場所で野営する際の、炊事の水に用いてきた。また、樹液は人工甘味料キシリトールの原料になり、最近は採取した樹液をそのまま利用することがブームになっている。飲料食品への添加物としてだけでなく、樹液に含まれる成分にヒト表皮保湿を促進する効用があることから化粧品にも利用されている。

また、樹皮はマッチライターでも容易に燃やすことができ、濡れていてもよく燃焼するので、天然の着火剤としても使われる。

樹液の採取

都道府県の木に指定されている自治体

市町村の木に指定されている自治体

シラカンバの林(松本市上高地)

外部リンク