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京成AE100形電車

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京成AE100形電車
京成AE100形
(2008年10月4日 / 京成関屋駅)
基本情報
製造所 日本車輌製造東急車輛製造
主要諸元
編成 8両
軌間 1435
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式
最高運転速度 110
設計最高速度 130
起動加速度 3.5
減速度(常用) 4.0
減速度(非常) 4.5
編成定員 430人
車両定員 1号車 48人
2号車 60人
3号車 60人
4号車 46人
5号車 48人
6号車 60人
7号車 60人
8号車 48人
車両重量 電動車 37.0t
付随車 33.0t
編成重量 288.0t
全長 先頭車19,500mm
中間車19,000
全幅 2,760
全高 4,050
台車 SUミンデン式台車
FS-543・FS-043形
主電動機 かご形三相誘導電動機 130kW
駆動方式 TD継手式平行カルダン
WN平行カルダン
歯車比 84:16
編成出力 3,120kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 1号型ATS, C-ATS
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京成AE100形電車(けいせいAE100がたでんしゃ)は、1990年平成2年)6月19日に営業運転を開始した京成電鉄特急形車両。営業運転開始当時は「ニュースカイライナー」とも呼ばれていた。

概要

1991年(平成3年)3月19日の新東京国際空港(現・成田国際空港)ターミナルビル直下への乗り入れに備え、AE形の8両編成への組成変更を行った1990年6月19日に営業運転を開始した。2代目の「スカイライナー」用車両として1993年(平成5年)5月末までに8両固定編成7本の計56両を新製し、AE形を置き換えた。なお、初期に落成した2本は既存のAE形8両編成化に伴う不足分として新製し、後の5本はAE形の代替として新製された。

鉄道図鑑などではAE100系と表記されている場合がある。

運用

2010年7月17日より、「シティライナー」で運用されている。「シティライナー」は、成田スカイアクセス開業前の「スカイライナー」のルートを踏襲し、本線経由で運行されるライナー特急である。

車体について

京成の新造車として初のVVVFインバータ制御[1]を採用した。モーターはすべて東洋電機製造製TDK-6170-A形を搭載する。この組み合わせは後に3700形にも採用された。AE形に続いて定速制御装置を装備する。操作方法はAE形と全く異なり、速度25km/hの時点でマスコンハンドルがP5の場合、P4に戻すと定速制御となり、P3に動かすと減速、P5にすると再度力行する。また、マスコンをN - P2に戻すと定速制御が解除される。また、都営線内を走行する際には[2]定速制御機能そのものが解除[3]される。

車両番号は第1編成がAE101 - AE108、第2編成がAE111 - AE118の順で、末尾9と0は欠番であり、京成の慣行として京成上野方の車両番号からAE108編成、AE118編成…と呼ぶ。京浜急行電鉄への乗り入れを考慮したことから、先頭車は電動車で、末尾6と3が付随車で補助電源装置のDC-DCコンバータ[4] (DDC) を、末尾8と1の車両に交流電動機駆動の低騒音形レシプロ式空気圧縮機 (CP) C-2000-MLをそれぞれ搭載した。パンタグラフは末尾7と2の車両両端に下枠交差式を2台搭載した。

京成では初めてメンテナンスの手間が軽減された交流誘導電動機が採用されたことから、主電動機点検蓋は省略された。

車体は普通鋼製である。前頭スタイルは鋭角の流線形になり、断面形状をこの種の有料特急車としては珍しい直線基調とし、床下の各機器は側面スカートで覆われた。車体長は他形式よりも長い19m(先頭車は19.5m)である。将来は都営浅草線経由で京急線に乗り入れて成田空港から羽田空港までの両空港間を直結する列車[5]に使用する可能性も考慮し、流線形前面に非常用貫通扉を設置した[2]

塗装は、アイボリーをベースにブルーレッドのラインが配され、前面のをイメージした帯配色が特徴である。また、鉄道車両としては世界でも極めて少ない、蓋付きのリトラクタブル式前照灯を採用している。

ファイル:Keisei AE100 inside.jpg
車内
座席

室内はブラウン系+ベージュ系の落ち着いた色調でまとめられ、妻面にLED式の案内表示器を設置する。座席はリクライニングシートを採用した。車体の関係で横幅は小さいが、フットレストが装備されている。末尾5の車両にサービスコーナーを設置し、トイレ洗面所は末尾4の車両に設置する。

  • 設計最高速度:130km/h
  • 営業最高速度:110km/h
  • 起動加速度:3.5km/h/s

新製年度による変更点

1991年(平成3年)製造のAE128編成以降はフットレストの形状が変更されている。

1992年(平成4年)5月から6月にかけて落成した3次車のAE148・158編成では最初からトイレを増設し、1・2次車についても同年4月から7月に増設し、仕様を統一した。

4次車のAE168編成は1993年5月に3次車と同仕様で落成した。ただし、帯は塗装からシールに変更した関係で、前面帯は若干V字形に近いものになった。

歴史

AE形の置き換え

1990年から1992年にかけては毎年夏期繁忙期前に各2本(AE108 - AE158編成)を新製し、1991年夏以降AE形を順次休車運用離脱させた。1992年7月末以降同形式は1編成(予備車)が残存するのみになり、「スカイライナー」「モーニングライナー」「イブニングライナー」の全列車が終日本形式で運用される日が多くなった。

そして、1993年5月下旬にAE168編成が落成したことにより、AE形は翌6月27日の「さよなら運転」をもって運用から完全撤退した。

リニューアル工事までの動きなど

1995年(平成7年)4月から5月にかけて空気清浄機を全編成の各車に設置した。

2001年(平成13年)3月に通勤車全車とともに京成グループCIとして「K'SEI GROUP」のロゴを貼付した。

リニューアル工事

2001年12月出場のAE148編成から順次室内リニューアル工事を行った。主にバリアフリー対応強化の他、内装の全面張り替えも行った。客室内・デッキ・サービスコーナーともグレー系の化粧板・床面に、また座席表地はブラウン系からブルー系模様入りに変更した。初期に実施されたAE148・AE118編成は客室の通路カーペットなしで出場したが、2002年4月に出場したAE108編成から通路カーペットを設置し、後にAE148・AE108編成にも設置した。トイレも全面改修され、和式を廃して洋式に統一するとともに車椅子対応形を新設した。外観上の変化としては、同工事完了車の第2編成目として2002年2月に出場したAE118編成から先頭車に通気孔が設置(後にAE148編成にも設置)された他は変化がない。

リニューアル編成第1陣のAE148編成が工事出場後に営業運転開始した2001年12月10日より、「スカイライナー」「モーニングライナー」「イブニングライナー」の喫煙車は先頭車1・8号車のみになった他は、サービスコーナーも含めて禁煙とされた。

いわゆる「赤電」各形式や3500形の車体更新では全般検査が必須であったが、本形式では定期検査と別途で施工された。実際にAE108・AE118・AE158編成は定期検査と別に同工事を施工させたが、窓枠の工事もあったため、再塗装を実施した。

この工事は、2003年7月出場のAE158編成を最後に完了した。

各編成の新製落成年月・製造メーカー・リニューアル年月は以下の通りである(編成、新製落成年月、製造メーカー、リニューアル年月の順)。

  • AE108編成:1990年6月/日本車輌製造/2002年4月
  • AE118編成:同上/東急車輛製造/2002年2月
  • AE128編成:1991年7月/日本車輌製造/2003年4月
  • AE138編成:1991年6月/東急車輛製造/2002年11月
  • AE148編成:1992年6月/日本車輌製造/2001年12月
  • AE158編成:1992年5月/東急車輛製造/2003年7月
  • AE168編成:1993年5月/日本車輌製造/2002年7月

リニューアル工事後の動き

スカイライナー1億人乗車記念ステッカーを貼付したAE100形
(2007年8月11日 / 京成船橋駅)
創立100周年ステッカーを貼付したAE100形
(2009年6月2日 / 船橋競馬場 - 谷津)

2005年(平成17年)2月から4月にかけて連結部に転落防止幌を設置したが、こちらは新3000形1 - 3次車や3700形6次車以降より小型化され、付け根が固定式になる。このタイプは3000形4次車以降で採用された他、2007年以降転落防止幌を持つ車両の新3000形1 - 3次車や3700形6次車以降や3400形などでもこのタイプへの変更を開始した。

2007年(平成19年)7月31日には「スカイライナー」20号(成田空港駅15時19分発)において「スカイライナー」の利用人数が1億人を突破した。それを記念して、同年8月からしばらくの間、全編成で1億人乗車記念ステッカーを貼付した。

2009年(平成21年)は京成電鉄が創立100周年の年であるため、同年4月1日から12月31日までの予定で全編成に創立100周年記念ステッカーが貼付された。

現在

前述の通り、1993年6月の営業運転開始以来「スカイライナー」「モーニングライナー」「イブニングライナー」は本形式のみで運用されていたが、2010年(平成22年)7月17日成田空港線(成田スカイアクセス)の開業に伴い、有料特急用に新造された2代目AE形によって運行されるようになった。また「モーニングライナー」「イブニングライナー」についても2代目AE形が使用されている。

「スカイライナー」の全列車が置き換えられたため、本形式の去就が注目されたが、旧「スカイライナー」のルートを踏襲した本線経由の有料特急「シティライナー」の運行が決定し、引き続き運用されることになった[6]。現在はスカイライナーのロゴ等を撤去した上で「シティライナー」の全列車に充当されている。

編成表

 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8
車両番号 AE101
AE111

AE151
AE161
AE102
AE112

AE152
AE162
AE103
AE113

AE153
AE163
AE104
AE114

AE154
AE164
AE105
AE115

AE155
AE165
AE106
AE116

AE156
AE166
AE107
AE117

AE157
AE167
AE108
AE118

AE158
AE168

脚注・出典

  1. ^ 東洋電機製ATR-H8130-RG-630A形・GTOサイリスタ素子
  2. ^ a b 現状では先頭部分が駅の出発相当信号機にかかってしまうため、都営線内での営業走行は不可能である(Railfan ONGAKUKAN - スタッフの部屋 2005年11月22日「制作うらばなし」より)。 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "example"が異なる内容で複数回定義されています
  3. ^ 列車無線切り替えスイッチを「地下(都営浅草線)」に切り替えると連動して無効化される
  4. ^ 直流変換装置のことで、DDCで架線からの直流1,500Vを安定した直流600Vに変換し、内蔵の静止形インバータ (SIV)で交流電源に変換する。
  5. ^ 2008年現在は土曜・休日ダイヤにおいて「エアポート快特」が運行されている。
  6. ^ 新型スカイライナー、1時間に2本運行 成田新高速日経新聞2010年5月27日より

関連項目