小林公夫
小林 公夫(こばやし きみお、1956年- )は、日本の刑法学者・作家・予備校講師。一橋大学博士 (法学)・法学第114号。一橋大学橋本正博教授門下生。TAC・Wセミナー講師。東京都中野区出身。
人物
東京都出身。横浜市立大学卒。1980年(昭和55年)主婦の友社に入社。広告企画や雑誌編集に携わる。雑誌編集者時代には、政治家浜田幸一、オリコン代表小池聰行、尾崎豊、吉川晃司、チェッカーズ、とんねるず、山田邦子、松本伊代らの連載を担当した。1990年1月、特別功労賞(社長賞)受賞後、翌年退社。退社後は、日本家庭教師センター学院医学部専門家庭教師や駿台予備学校論文科講師を経て、Wセミナー一般教養担当専任講師。1995年より主任講師、1997年より2007年まで同社顧問を務めた。又、医学部受験予備校メディカルアカデミー代表(1991年~2007年)として、多くの医学生、医師を育てた。
その後、2000年に一橋大学大学院法学研究科修士課程に社会人入学。2007年同大学院法学研究科博士後期課程修了、博士 (法学)。博士論文は「治療行為の正当化原理」。
2008年、一橋大学大学院法学研究科特別研究生の時、名古屋在住の大塚仁博士に指導を受けたことを契機として、同じく行為無価値二元論に立たれる明治大学法科大学院川端博教授の下で研究を続けることを薦められ、2008年4月より明治大学法科大学院教育補助講師となり、現在に至る。
尚、Wセミナーでは、法科大学院適性試験、小論文試験やマスコミ入社試験、旧司法試験の刑法択一対策講座(福岡校)、刑法論文対策講座(東京本校)を担当する他、全国の私立大学で、講演も数多くこなした。最近は、修復腎移植や自己血輸血の研究など医事刑法学の研究の他、日本の教育改革にも取り組んでおり、小学校での法学教育、父兄向けの講演会を積極的にこなしている。2010年5月~フジテレビ系「テレビ寺子屋」にも出演し、自身の教育論を熱く語った。
主著
著書
- 『治療行為の正当化原理』(日本評論社)
- 『SPI能力検査30秒即解法』(早稲田経営出版)
- 『一般教養の天才』(早稲田経営出版)
- 『医学部小論文 合格の法則—2次試験撤底攻略対策本』(早稲田経営出版)
- 『医学部入試面接集中講義』(エール出版社)
- 『医学部入試適性検査・集団討論集中講義』(エール出版社)
- 『医学部入試小論文集中講義』(エール出版社)
- 『医学部入試英語集中講義』(エール出版社)
- 『ディベート刑法総論1・2・3』(にじゅういち出版)
- 『論理思考の鍛え方(講談社現代新書:1729)』(講談社)
- 『3時間でわかるロースクール小論文』(早稲田経営出版)
- 『法曹への論理学 : 適性試験で問われる論理力の基礎トレーニング』(早稲田経営出版)
- 『法曹のものの考え方』(早稲田経営出版)
- 『ロースクール小論文予想問題集』(早稲田経営出版)
- 『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法(PHP新書:602)』(PHP研究所)
- 『東大生・医者・弁護士になれる人の思考法』(ちくまプリマー新書)
- 『中学受験に合格する子の親がしていること(PHP新書:675)』(PHP研究所)
論文
- 「刑法論文試験の検証(上)[司法試験]論文直前対策特集――2001論文合格プラン(2)」Article 164号 [2001.7]
- 「論文超直前特集3刑法論文試験の検証(下)」Article 165号 [2001.8]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(1)患者の主観との対峙(1)患者の意思にすべてを委ねるのは配慮義務違反――助言・説明活動が医師の中心的な役割に――」ばんぶう(通号254)[2002.7]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(2)患者の主観との対峙(2)輸血拒否問題の検証・医療水準の変化と自己決定権の尊重を背景に無輸血手術の医学的適応性、医術的正当性の裏付けが進行」ばんぶう(通号256) [2002.9]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(3)統計的データから見た無輸血手術の医療水準・輸血拒否患者への対応は欧米に比べ大きな遅れ 医師の都合による希釈式普及の否定は怠慢以外の何ものでもない」ばんぶう(通号258) [2002.11]
- 「医療事故等による「医師逮捕」は今後もありうる1――萎縮医療を助長しないためにも刑事罰の適用基準を明確にすべき」ばんぶう(通号260) [2002.12]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(4)未成年者の輸血拒否の許容性・自己血輸血が医療水準に達している現在両親による輸血拒否は親権の濫用に該当しない」ばんぶう(通号261) [2003.1]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(5)治療行為は、いつから"治療"と位置付けられるか」ばんぶう(通号263) [2003.3]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(6)実験的治療行為は、どこから"治療"と位置付けられるか」ばんぶう(通号265) [2003.5]
- 「法学的視点から見た医療のかたち(最終回)心臓縮小手術・バチスタ手術の適法性」ばんぶう(通号267) [2003.7]
- 「J・S・ミルへの質問状--自己決定の限界について」本. 28(8) (通号 325) [2003.8]
- 「塩谷毅・小林公夫対談「同意傷害について」」Article 229号 [2005.4]
- 「甲斐克則・小林公夫対談「医事刑法の諸問題」」Article 230号 [2005.5]
- 「特別企画 実験的治療行為の正当化--京都大学医学部附属病院 探索医療センターの取り組みに学ぶ 被験者に対する適正手続の整備なくして医学・医療の視野は大きく開かれない」ばんぶう. (通号 289) [2005.5]
- 「医療の範疇における同意傷害--ドイツ刑法典228条の議論を中心に」一橋法学. 4(2) [2005.7]
- 「大塚裕史・小林公夫対談「医療過誤と過失犯論」」Article 255号 [2007.4]
- 「医療法務 一橋大学法学博士・小林公夫の"法の目"で語る医療ニュース(第9回)福島県立大野病院事件判決の考察(1)医学的準則の判断の根拠 臨床経験と医学書の違いをどう考えるべきか」ばんぶう. (通号 330) [2008.10]
- 「医療水準と医療の裁量性--福島県立大野病院事件・福島地裁判決を中心に」法律時報. 80(12) (通号 1002) [2008.11]
- 「一橋大学法学博士・小林公夫の"法の目"で語る医療ニュース(第10回)福島県立大野病院事件判決の考察(2)鑑定で崩れた検察側の構図 医療界も裁判の検証が不可欠--特別企画 元被告弁護人・安福謙二弁護士と対談」ばんぶう. (通号 331) [2008.11]
- 「「病腎移植」の正当化と可能性」法律時報. 81(2) (通号 1005) [2009.2]
- 「「修復腎移植」への法学・医学からのアプローチ(1)」日本医事新報. (4433) [2009.4.11]
- 「「修復腎移植」への法学・医学からのアプローチ(2)」日本医事新報. (4434) [2009.4.18]
- 「「修復腎移植」への法学・医学からのアプローチ(3・完)」日本医事新報. (4435) [2009.4.25]
- 「信仰上の理由による輸血拒否と不作為の同意殺人罪の成否」法律時報. 82(1) (通号 1017) [2010.1]
- 「信仰上の理由による輸血拒否と未成年者の自己決定(上)」日本医事新報. (4486) [2010.4.17]
- 「信仰上の理由による輸血拒否と未成年者の自己決定(中)」日本医事新報. (4487) [2010.4.24]
- 「信仰上の理由による輸血拒否と未成年者の自己決定(下)」日本医事新報. (4488) [2010.5.1]
参考文献
『新訂 現代日本人名録2002 かな~せ』(日外アソシエーツ編集・発行、2002年)