クレイモア地雷
M18クレイモア (M18 Claymore) は、アメリカ軍の使用する指向性対人地雷の一つである。
概要
湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、内部の鉄球が扇状の範囲に発射される。最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°最大仰角・俯角共に18°。鉄球一発あたりのエネルギー量は、約50~60フットパウンドといわれ、強力な空気銃の威力に値し、一発でも当たれば大きなダメージを与えることが可能である。なお、この兵器は爆薬を使う性質上、前方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている。
内部は700個の鉄球と炸薬代わりのC4が入っており、重量は1.6kg。1基あたりの値段は$250といわれている。
本体頂部に二箇所の信管挿入口があり、目的に応じて1,2個の信管を装着する。 リモコン指令によって起爆する信管や、ワイヤートラップと連動してワイヤーへの引張力によって起爆する信管、何らかの時限装置を持つ信管などがある。ワイヤートラップと連動させる場合は、接近する人員を無差別に殺傷できるため、対人地雷禁止条約による規制対象になる。リモコン操作による場合は、無差別殺傷の恐れが少ないため、条約の規制対象ではない。
敵歩兵の自陣への浸透を阻止するための待ち伏せ攻撃に主に用いられる他、非装甲の車両への攻撃にも使用される。また、イラクで刑務所警備にあたるアメリカ空軍のM113装甲兵員輸送車が歩兵の近接攻撃への対処や、対戦車ミサイル迎撃の目的で車体側面に搭載している。
因みに陸上自衛隊の装備するリモコン操作のみの指向性散弾は、スウェーデンで開発された指向性の対車両地雷であるFordonsmina 13 (FFV 013) をライセンス生産した物であり、M18クレイモアよりも大きさも攻撃力も大きい物となっている。また、旧ソ連もベトナム戦争でベトコンや北ベトナム軍が鹵獲したM18クレイモアを入手し、コピー品のMON-50やMON-90などを生産しアフガニスタン侵攻などで使用した。
諸元
本体
- 幅:約21.6cm
- 奥行き:約3.5cm
- 高さ:約8.3cm
- 重量:約1.6kg