コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

イボイノシシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。でんばー教授 (会話 | 投稿記録) による 2011年6月21日 (火) 04:07個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (生態)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

イボイノシシ
イボイノシシ Phacochoerus aethiopicus
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : イノシシ亜目 Suina
: イノシシ科 Suidae
: イボイノシシ属 Phacochoerus
: イボイノシシ P. aethiopicus
学名
Phacochoerus aethiopicus
(Pallas, 1766)
和名
イボイノシシ
英名
Desert warthog

イボイノシシ(疣猪、Phacochoerus aethiopicus)は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)イノシシ科イボイノシシ属に分類される偶蹄類。

分布

サハラ砂漠の以南アフリカ大陸。種小名aethiopicusは「エチオピアの」の意。

特徴

頭蓋骨

体長90-150cm。尾長30-50cm。肩高65-85cm。体重50-150kg。と、日本のイノシシよりはやや小さい。体毛は灰褐色で、日本のイノシシと比べると全体的に薄毛である。しかし、頭部から背中にかけては黒色のたてがみがある。尾にはふさふさと多くの毛が生えている。時速55kmで走る。

顔は白色で、からにかけては黒色の帯が走っている。目の下と頬にはその名の由来にもなっている、いぼが一対ずつある。三日月状のは大きく、特に下顎の犬歯は成長するとからはみ出し、外部に露出するようになる。子には日本のイノシシとは違い、縞模様はない。

生態

主にアフリカの草原サバンナ)や森林に生息する。巣穴は自然に出来た穴や岩陰の隙間、他の動物が作った穴を使う。メス1-2頭と子どもだけの群れで生活し、昼間は活発に活動するが、夜は巣穴に帰る。繁殖期は雨季で、その時はこの群れにオスが1頭加わり、繁殖活動を行う。それ以外の時は、若いオスはオスのみの群れを作り、成熟したものは群れを作らず、1体のみで行動する。イボイノシシは肉食獣に牙で立ち向かう勇敢な面もあるが、普通は外敵を見つけた場合は群れで一列に並び、尾をピンと立てて走って逃げる。走る速度は速い。この姿がユーモラスで可愛らしく、人気がある。天敵としてはライオンチーターヒョウブチハイエナリカオンジャッカルナイルワニ等が挙げられ、特に幼体は群れでいても頻繁に狙われる。

食性は雑食性で、地面に生えた植物や、を掘り起こして食べるほか、昆虫や小動物、時には腐肉を食べることもある。餌を食べるときは前足を曲げて、ひざまずくような独特の姿勢をとることが知られている。

日本のイノシシと同じく、寄生虫を落としたり体温調節をするために泥浴びをする。アフリカの草原ではマングースの巣穴へ行き、寄生虫を食べてもらう。

繁殖のためにオスがメスを巡って争うこともあり、その場合は牙を使ったり、体当たり等のぶつかり合いで勝敗を決める。メスは1回に2-6頭を出産する。幼体は基本的には、親に新しい幼体が生まれると群れから追い出されて独立するが、メスの場合は親の群れに戻ることもある。

人間との関係

ケニアではケニア・エクスプレスと呼ばれている。人間に対しては普通恐れて逃げるが、人家の近くには人に慣れた個体もいる。

生息地によっては家畜へ病気を伝染させるために、駆除されることもある。

映画『ライオン・キング』のプンバァのモデルとなっている。

関連項目

外部リンク

  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • d'Huart, J.P., Butynski, T.M. & De Jong, Y. 2008. Phacochoerus aethiopicus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
');