アセトアルデヒド
アセトアルデヒド | |
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アセトアルデヒド(許容慣用名) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 75-07-0 |
KEGG | C00084 |
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特性 | |
化学式 | C2H4O |
モル質量 | 44.05 |
外観 | 無色液体 |
密度 | 0.788, 液体 (16 ℃) |
相対蒸気密度 | 1.5 |
融点 |
−123 |
沸点 |
20.2 |
屈折率 (nD) | 1.3316 (20 ℃) |
出典 | |
ICSC | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
アセトアルデヒド (acetaldehyde) はアルデヒドの一種。示性式は CH3CHO、IUPAC命名法では エタナール (ethanal) とも表される。CAS登録番号は [75-07-0]、融点は −123 ℃、沸点は 20.2 ℃。エタノールを酸化して得られる。これがさらに酸化されると酢酸となる。引火性が非常に強く、消防法では危険物第4類特殊引火物に指定されている。大気中の濃度は、約0.002ppm含まれる。
製法
アセトアルデヒドの製法としては次のようなものがある。
- エタノールを酸化して生成。
- エチレンと酸素を反応させる。触媒として、塩化パラジウム(II) (PdCl2) と塩化銅(II) (CuCl2) を混合水溶液の形で用いる(ワッカー法)。
- アセチレンに、上記の触媒を用いて水を付加させる。
アセトアルデヒドの2008年度日本国内生産量は 281,394 t、工業消費量は 90,177 t である[1]。
化学的性質
アセトアルデヒドにはケト-エノール互変異性があり、ビニルアルコールと平衡状態にあるが、安定性の面からほとんどがケト(アルデヒド)型となっている。
2分子のアセトアルデヒドは、触媒の作用によりカルボン酸とアルコールとに不均化しながら脱水縮合して酢酸エチルとなる。この方法はティシチェンコ反応と呼ばれ、酢酸エチルの工業的合成法のひとつになっている。
酸により自己重合してパラアルデヒドやメタアルデヒドに変わる。
その他
アセトアルデヒドは人体にとって有毒物質で、建築材から放出されるアセトアルデヒドはシックハウス症候群の原因として問題視されており、これを含まない建築材の採用が進んでいる。 また、飲酒後に体内でエタノールの中間代謝物として生成されるアセトアルデヒドは、悪酔いや二日酔いの原因となる。またアセトアルデヒドには発がん性が有り[2]、飲酒によって膵臓がん、口腔がん、食道がん、咽頭がん、大腸がんなどの発症が高くなる。(厳密にはエチルアルコール自体に発がん性は無く、この代謝生成物であるアセトアルデヒドが発がん性を持つ)この体内でのアセトアルデヒドの代謝は、人種・体質によって生まれつき差異がある。(アセトアルデヒド脱水素酵素の項参照) アセトアルデヒドは添加物としてタバコ製造会社によってタバコにも添加されている。添加される理由としては、アンモニアと同様にニコチンの吸収・効果増幅作用があり、より少量のニコチンで依存性を発揮させるため[3]や、燃焼を促進させる為などがある。