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アセトアルデヒド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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アセトアルデヒド
識別情報
CAS登録番号 75-07-0
KEGG C00084
特性
化学式 C2H4O
モル質量 44.05
外観 無色液体
密度 0.788, 液体 (16 ℃)
相対蒸気密度 1.5
融点

−123

沸点

20.2

屈折率 (nD) 1.3316 (20 ℃)
出典
ICSC
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アセトアルデヒド (acetaldehyde) はアルデヒドの一種。示性式は CH3CHO、IUPAC命名法では エタナール (ethanal) とも表される。CAS登録番号は [75-07-0]、融点は −123 ℃、沸点は 20.2 ℃。エタノール酸化して得られる。これがさらに酸化されると酢酸となる。引火性が非常に強く、消防法では危険物第4類特殊引火物に指定されている。大気中の濃度は、約0.002ppm含まれる。

製法

アセトアルデヒドの製法としては次のようなものがある。

アセトアルデヒドの2008年度日本国内生産量は 281,394 t、工業消費量は 90,177 t である[1]

化学的性質

アセトアルデヒドにはケト-エノール互変異性があり、ビニルアルコール平衡状態にあるが、安定性の面からほとんどがケト(アルデヒド)型となっている。

2分子のアセトアルデヒドは、触媒の作用によりカルボン酸とアルコールとに不均化しながら脱水縮合して酢酸エチルとなる。この方法はティシチェンコ反応と呼ばれ、酢酸エチルの工業的合成法のひとつになっている。

酸により自己重合してパラアルデヒドメタアルデヒドに変わる。

その他

アセトアルデヒドは人体にとって有毒物質で、建築材から放出されるアセトアルデヒドはシックハウス症候群の原因として問題視されており、これを含まない建築材の採用が進んでいる。 また、飲酒後に体内でエタノールの中間代謝物として生成されるアセトアルデヒドは、悪酔いや二日酔いの原因となる。またアセトアルデヒドには発がん性が有り[2]、飲酒によって膵臓がん、口腔がん、食道がん、咽頭がん、大腸がんなどの発症が高くなる。(厳密にはエチルアルコール自体に発がん性は無く、この代謝生成物であるアセトアルデヒドが発がん性を持つ)この体内でのアセトアルデヒドの代謝は、人種・体質によって生まれつき差異がある。(アセトアルデヒド脱水素酵素の項参照) アセトアルデヒドは添加物としてタバコ製造会社によってタバコにも添加されている。添加される理由としては、アンモニアと同様にニコチンの吸収・効果増幅作用があり、より少量のニコチンで依存性を発揮させるため[3]や、燃焼を促進させる為などがある。

主な化学反応

脚注

  1. ^ 化学工業統計月報 - 経済産業省
  2. ^ アルコールと発癌 - 久里浜アルコール症センター
  3. ^ タバコ・ウォーズ(ドキュメンタリー本) 10章 宣誓の上で 元B&W社研究部長ウィガンド博士の証言
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