ニグロリーグ
ニグロ・リーグ(Negro League baseball)はかってアメリカ合衆国で行われていた黒人のみによる野球のリーグ戦。メジャーリーグに黒人選手の参加が許されていなかった時代に黒人達が自らの野球の場として作った。一つのリーグを指す言葉ではなく、黒人によって行われたプロ野球を漠然と指した言葉。
1860年代から黒人による野球チームが組織され始めて、当初からその実力はメジャーにも劣らない、むしろ上回るものであったようだ。
1920年に黒人野球界の大実力者ルーブ・フォスターは黒人による野球組織を提唱し、アメリカ北西部を中心としたニグロ・ナショナル・リーグを発足させた。その三年後にはアメリカ東部を中心としたイースタン・カラード・リーグも発足する。
この両リーグはその後の大恐慌の影響もあり、崩壊した。しかしその後もニグロ・リーグの火は絶えず、1937年にはニグロ・アメリカン・リーグとニグロ・ナショナル・リーグの2リーグ体制が確立した。
この時代には多くのスタープレイヤーが登場し、ニグロ・リーグは全盛期を迎えた。2000勝以上を挙げたと言われるサチェル・ペイジ。黒いベーブ・ルースと言われたジョシュ・ギブソン。驚異的な足の速さで野球界最速の男と言われたクール・パパ・ベルなど。
1947年、初の黒人メジャーリーガージャッキー・ロビンソンが誕生し、大活躍した事によりメジャーの方でもニグロ・リーグの選手を引き抜いていくようになり、1948年にはニグロ・ナショナル・リーグが解散、ニグロ・アメリカン・リーグも1960年には立ち行かなくなり、ニグロ・リーグは消滅した。
その後のメジャーリーグでは有色人選手が活躍を続け、白人だけのメジャーなど現在では到底考えられない状況となっている。
活動していたリーグ
- ニグロ・ナショナル・リーグ (Negro National League) (1920年-1931年)
- イースタン・カラード・リーグ (Eastern Colored League) (1923年-1928年)、1926年と1927年にニグロ・ナショナル・リーグと「ワールドシリーズ」をして争った
- アメリカン・ニグロ・リーグ (American Negro League) (1929年)
- ニグロ・ナショナル・リーグ (Negro National League) (1933年-1948年)
- ニグロ・アメリカン・リーグ (Negro American League) (1937年-1960年)
ニグロリーグやメジャーリーグで活躍した黒人選手
- ハンク・アーロン (Hank Aaron) (外野手) - メジャーリーグの通算本塁打記録保持者。
- アーニー・バンクス (Ernie Banks)
- クール・パパ・ベル (Cool Papa Bell)
- ロイ・キャンパネラ (Roy Campanella) (捕手)
- オスカー・チャールストン (Oscar Charleston)
- レイ・ダンドリッジ (Ray Dandridge) (三塁手)
- レオン・デイ (Leon Day) (投手)
- マーティン・ディーゴ (Martin Dihigo) (投手・野手)
- ラリー・ドビー (Larry Dobby)
- ビル・フォスター (Bill Foster) (投手)
- ジョシュ・ギブソン (Josh Gibson) - リーグにおける通算本塁打972本のホームラン王。
- モンテ・アーヴィン (Monte Irvin)
- ジュディ・ジョンソン (Judy Johnson) (三塁手)
- バック・レナード (Buck Leonard) (一塁手)
- ジョン・ヘンリー・ロイド (John Henry Lloyd) (遊撃手)
- ウィリー・メイズ (Willie Mays) (外野手)
- サッチェル・ペイジ (Satchel Paige) (投手)
- ジャッキー・ロビンソン (Jackie Robinson) (二塁手) - メジャーリーグでも活躍。
- バレット・ジョー・ローガン (Bullet Joe Rogan)
- ヒルトン・スミス (Hilton Smith) (投手)
- ターキー・ステアーンズ (Turkey Stearnes) (外野手)
- ウィリー・ウェルズ (Willie Wells)
- スモーキー・ジョー・ウィリアムズ (Smokey Joe Williams)