ブルーグラス
ブルーグラス(Bluegrass music)は、アメリカのアパラチア南部に入植したスコッチ・アイリッシュ(現在の北アイルランド、アルスター地方にスコットランドから移住した人たち)の伝承音楽をベースにして1945年末、ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズにアール・スクラッグスが加わってから後に発展したアコースティック音楽のジャンル。
概要
演奏にはギター、フラットマンドリン、フィドル(ヴァイオリン)、5弦バンジョー、ドブロ(リゾネーター・ギター)、ウッドベースなどの楽器が主に使われる。
時代に応じたオリジナルを中心に、スコットランドやアイルランドの音楽を基にした伝承曲も多い。アップテンポの曲が多く、楽器には速弾きなどのアクロバティックなインプロヴァイズが求められ、「ハイロンサム」と呼ばれる孤高のブルース感を表現する唱法やハーモニーにも特徴がある。日本ではニューシネマ「俺たちに明日はない」のテーマに使われたフラット&スクラッグスがよく知られている。
1950年代には米国南部を中心としたカントリー市場に、1960年代はフォーク・リヴァイヴァルに認められて米国の都会やヨーロッパや日本のフォーク市場に、1970年代にはロックとの融合で野外音楽フェスティヴァルに迎えられ、80年代以降はアコースティック音楽の録音技術革新とともにジャズやニューエイジなどのより洗練されたアンサンブルに達した。
21世紀を迎えた現在では、チック・コリアやヨーヨー・マらも巻き込んでジャズやクラシックの世界でもブルーグラスの楽器技術やアンサンブルが認められ、ベラ・フレック(バンジョー)やクリス・シーリ(マンドリン)、マーク・オコナー(フィドル)やジェリー・ダグラス(ドブロ)など、数多くのアーティストを輩出している。
アメリカでは、ルーツミュージックを中心にリリースしているラウンダー・レコードなどのレーベルからCDが発売されている。
日本
1983年以来、日本唯一のブルーグラス月刊専門誌「ムーンシャイナー」[1]が発行されている。 1970年代より、アマチュアミュージシャン、愛好家によりブルーグラス・フェスティバルが全国各地で開催されている。
ブルーグラス系ミュージシャン
海外
- ビル・モンロー
- フラット&スクラッグス
- ジェリー・ダグラス
- エリック・ワイスバーグ
- アリソン・クラウス
- スタンリー・ブラザーズ
- フォギー・マウンテン・ボーイズ
- ベラ・フレック
- ベラ・フレック&フレックトーンズ
- アール・スクラッグス
- トニー・ライス
- マロ・カワバタ
- ドン・リグスビー
- トッド・フィリップス
- ジャック・ヒックス
日本
- ザ・ナターシャー・セブン(木田高介、坂庭省悟、城田じゅんじ、高石ともや)
- 高田渡
- 谷五郎
- 藤田恵美(Le Couple)
- 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)
- 浮雲(東京事変)
- 齊藤ジョニー
- ブルーグラス☆ポリス
- 諸口あきら
- 有田純弘
- マロ カワバタ
- 宮崎勝之
- 原さとし
- 笹部益生
- 吉田悟士
- 渡辺敏雄
- ジミー赤澤
- 稲葉和裕
- 今井達也
- 尾崎ブラザーズ(尾崎恭・尾崎恒)