インフェルノ (小説)
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『インフェルノ』(The INFERNO)は、2013年、アメリカ合衆国において出版された、ダン・ブラウン著作の長編推理小説である。『ロスト・シンボル』に次ぐ、「ロバート・ラングドン」シリーズの第4作。
あらすじ
土曜日の夜、米マサチューセッツ州の大学キャンパスを歩いていたはずのラングドンは、月曜未明、悪夢にうなされて、遠くイタリアのフィレンツェの病院で意識を取り戻した。その間のラングドンの記憶は失われており、頭部には銃創を負っていた。
混乱しているラングドンを刺客が襲う。マルコリーニ医師が銃殺されるが、シエナ・ブルックス医師の機転によりラングドンは窮地を脱する。
ラングドンの上着には記憶にない隠しポケットがあり、そこには奇妙なものが収められていた。ラングドンとシエナは、隠されたメッセージを読み解き答えを見つけるために、追手をかわしつつフィレンツェの街を駆け巡る。
登場人物
- ロバート・ラングドン:ハーヴァード大学教授。美術史と象徴学が専門。
- シエナ・ブルックス:金髪の女性医師。IQ208を誇る天才児だった。32歳。
- エンリーコ・マルコーニ:あご髭と口ひげを生やした男性医師。
- 総監:「大機構[1]」の最高責任者。依頼人から託された任務を遂行すべく指揮を執る。
- ヴァエンサ:ラングドンを追う、「大機構」上級現地隊員。
- ローレンス・ノールトン:「大機構」の上級調査員。依頼人から託された動画のアップロードを担当。
- クリストフ・ブリューダー:ラングドンを追う、監視対応支援(SRS)チーム隊長。
- エリザベス・シンスキー:世界保健機関(WHO)事務局長。銀髪の女性。61歳。
- ベルトラン・ゾブリスト:生化学者。遺伝子工学の天才。いくつもの特許により巨万の富を築きあげた。46歳。
- マルタ・アルヴァレス:ヴェッキオ宮殿職員。
- イニャツィオ・ブゾーニ:サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)付属美術館館長。
- ジョナサン・フェリス:WHO職員。
作品内に登場する観光名所
- ヴェッキオ宮殿
- ピッティ宮殿とボーボリ庭園
- ヴェッキオ橋
- ヴァザーリの回廊
- サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
- サン・ジョヴァンニ洗礼堂
- ジョットの鐘楼
- サン・マルコ広場
- サン・マルコ大聖堂
- アヤソフィア
- イスタンブル地下宮殿
実在
世界的なヒットとなった『ダ・ヴィンチ・コード』は、冒頭に「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」と記されていために、キリスト教関係者を筆頭に多くの分野から反発された[2]。
本作品では、「この小説に登場する芸術作品、文学、科学、歴史に関する記述は、すべて現実のものである。」という文言とともに、「”大機構”は七つの国にオフィスを構える民間の組織である。安全とプライバシー保護の観点から、本作では名称を変更してある。」と冒頭に記されている。
関連項目
外部リンク
脚注
- ^ 原語は「 the Consortium 」。翻訳者によるブログ記事によれば、この訳語に決めるまでには時間をかけて検討したという。
- ^ 批判内容については、『ダ・ヴィンチ・コード』の項を参照。