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山陽電気鉄道6000系電車

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山陽電気鉄道6000系電車
運用開始直後の6000系
(明石駅・2016年4月28日)
基本情報
運用者 山陽電気鉄道
製造所 川崎重工業車両カンパニー
製造年 2016年 -
運用開始 2016年4月27日
主要諸元
編成 3両編成
軌間 1,435 mm (標準軌
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 4.2 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 379名
車両定員 先頭車122名
中間車135名
全長 18,880 mm
全幅 2,790 mm
全高 4,047 mm
車体 アルミニウム合金
台車 ボルスタ付軸はり式空気ばね台車
KW-204(M台車)・KW-205(T台車)[1]
主電動機 全閉自冷式かご形三相誘導電動機
MB-5158A[1]
主電動機出力 180 kW[1]
駆動方式 WN平行カルダン駆動方式低騒音形ギアユニット[1]
歯車比 5.47(82/15)[1]
編成出力 1440kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 MAP-184-15V270[1]
制動装置 電気指令式電磁直通ブレーキ[1]
保安装置 阪神・山陽・阪急形ATS
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山陽電気鉄道6000系電車(さんようでんきてつどう6000けいでんしゃ)は、山陽電気鉄道(山陽電鉄)が保有する3扉の通勤形電車である。2016年4月27日から営業運転を開始した[2]

概要

本系列は、老朽化が進んでいる3000系を置き換える目的で導入された。

1編成3両であるが、2編成連結による6連での直通特急運用にも対応している[3]。2編成連結時の連結順は奇数車番の編成を姫路方とするよう指定しており、先頭車の仕様の相違から車種構成は偶数車番の編成がMc1 - T - Mc2、奇数車番の編成がMc3 - T - Mc4(組成順はいずれも大阪方から)とされ[4]、Mc2とMc3の前面には貫通幌枠と電気連結栓が設けられている[4]。転落防止幌の取付けも可能[3]。Mc1とMc4の前面には幌枠・電気連結栓は設けられていない[4]

編成両端の連結器は、従来の山陽電鉄車両とは異なり廻り子式密着連結器を採用している[1]

ワンマン運転にも対応しており、網干線でも営業運転で入線することもある。

2016年は2編成が導入された。今後も3000系置き換えのため年間2~3編成ペースでの増備が予定されている。

車体

車体はアルミニウム合金で、コーポレートカラーの赤を継承した「イノセントレッド」を採用している。また、車体側面のドア横には、朝日をイメージしたグラデーションがデザインされている[3]

前面・側面の種別・行先表示はフルカラーLEDが採用されている、また、前照灯もLEDを採用しており、いずれも山陽では初となる。行先表示にフルカラーLEDを採用したことにより、神戸三宮駅行きの列車での阪急方面[5]・阪神方面[6]の色分けも方向幕と同じように行われている。

内装

車内の座席は、赤系(優先座席は青系)のロングシートで、兵庫県花の「のじぎく」があしらわれている。全車両に優先席と車椅子・ベビーカースペースを設けている。また、山陽電鉄の新造車では初めて、ロングシートの両端に袖仕切り(先に5000系のロングシート改造車で採用されたものとは異なり、東京メトロ16000系電車と同等のもの)が設けられた。

また、乗降口上部には、山陽電気鉄道の通勤型電車としては初となる15インチのLCD車内案内表示装置が千鳥配置され、日本語英語中国語(簡体字・ 繁体字)、韓国語の5ヶ国語による情報案内が行われる[7]

ドアチャイムを採用しており、1997年に導入した5030系では扉の開閉前にブザーが鳴っていたが、6000系では開閉時に2打点2回のチャイムとなっている、開く際は低音のチャイム(JR東海313系電車と同じ)、閉まる際は高音のチャイムで[8]、扉が開いている間は新幹線N700系と同様の盲導鈴が鳴動する、また各扉中央部に1箇所ずつ、扉開閉予告灯も設置された。

山陽では初の戸締め力弱め機能を搭載する。

接続待ちや通過待ち等により長時間停車する駅での車内保温対策として、各扉に半自動ドアボタンを設置している[9]。 半自動ドアボタンの採用は、関西の私鉄では阪神5700系電車に次いで2例目である。

車内自動放送を搭載している。これは網干線ワンマン運転と、待避中の半自動ドア放送に対応しているが、本線各駅停車・S特急・山陽特急・阪神特急・直通特急・阪神急行用は準備工事に留まっている。

白を基調とした天井板、化粧板に加え、大窓ガラスの採用により開放感のあるクリアでスマートな印象としている。

ファイル:山陽電気鉄道6000系内装.jpg
内装
ファイル:山陽電気鉄道6000系車椅子スペース.jpg
車椅子スペース

照明はLEDを採用しており、光源を上方に向けて反射させる、JR西日本207系電車の体質改善車と類似した方式である。

山陽電鉄の車両として初めてラインデリアが搭載された。

主要機器

主制御器・主電動機

山陽電鉄では長らく川崎重工業→川崎電機製造→富士電機製の制御器を採用していたが、本系列で初めて三菱電機製の主制御器が採用された。制御方式は1台の主制御器で2台の主電動機を制御するいわゆる1C2M方式である。

主電動機は5000系以来30年ぶりの三菱製だが、本系列では全閉自冷式かご型三相誘導電動機MB-5158Aが採用された。出力は山陽電鉄では最大の180kWである。

台車

台車は、5000系(5022F)以来の軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車を採用している。

集電装置

山陽電鉄初のシングルアーム形パンタグラフを中間のT車(サハ6300形)に2基搭載する。

補助電源・空気圧縮機

空気圧縮機は両端の先頭車に、補助電源装置は中間車に搭載している。

編成

山陽電気鉄道6000系 編成図
 
形式 クモハ6100形 サハ6300形 クモハ6000形
区分 Mc T Mc
車両番号区分 クモハ6100 サハ6300 クモハ6000
搭載機器 CP , Bt SIV CP , Bt
自重
定員
()内は座席定員
122(41) 135(49) 122(41)

姫路方にMc車が連結されるのは、完全新造車では2000系以来である。

以前の車両では、両端ともMc車、もしくは両端ともTc車の場合は神戸・大阪方が偶数(0も含む)、姫路方が奇数という付番法則であったが、本系列は両端がMc車となっているものの、姫路方の車両は神戸・大阪方の車両の番号に+100するという、阪急電鉄の付番法則に近いものに変更されている。

また、2000系・3000系・5000系・5030系では中間の付随車の番号は百の位が「5」となっているが、本系列の付随車はパンタグラフを装備するなどこれまでの形式とは異なる点が多く、百の位は「5」ではなく「3」が付けられている[10]

その他

山陽板宿駅改札前の「LAWSON+friends」山陽板宿ちか店
  • 山陽板宿駅にあるローソン山陽板宿ちか店は6000系をあしらった外観の店舗で営業している。
  • 山陽バスが開業80周年を記念して、垂水地区で運行している路線バス(三菱ふそうトラック・バスエアロスターMP38F)を、6000系をあしらった塗装にて運行している。ナンバーは6000系にちなんで「60-00」を取得しており、山陽バスでは極めて珍しい「神戸230」のナンバーが付けられている[11]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 鉄道ピクトリアル』 No.923 2016年10月臨時増刊号 「鉄道車両年鑑2016年版」、電気車研究会、pp.183-185・p.196
  2. ^ 新型車両「6000系」出発 山陽電鉄、19年ぶり 兵庫 - 産経ニュース、2016年4月28日、2016年5月3日閲覧
  3. ^ a b c 山陽電気鉄道6000系、新型車両導入で3000系置換え - 直通特急運用にも対応 - マイナビニュース、2015年5月19日、2016年5月3日閲覧
  4. ^ a b c 眞田政裕「山陽電気鉄道6000系」(『鉄道ジャーナル』2016年8月号(通巻598号)掲載)
  5. ^ 地色は「緑色」
  6. ^ 地色は「水色」
  7. ^ 山陽電車新型車両6000系4月27日(水)営業運転開始 - 山陽電気鉄道公式サイト、2016年4月25日、2016年5月3日閲覧
  8. ^ このようなパターンでは京王電鉄の車両と同じである。
  9. ^ 4月27日(水)営業運転開始!新型車両6000系には『扉個別スイッチ』があります - 山陽電気鉄道公式サイト、2016年4月25日、2016年5月3日閲覧
  10. ^ 動力車ではあるが、2300系は「2700系の車体に3000系の機器」という意味であり、6000系とは意味合いが異なる
  11. ^ 「80周年特別塗装車両」を運行中です! - 山陽バス80周年記念サイト、2016年6月8日

外部リンク

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