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2004年中華民国総統選挙

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中華民国総統選挙 (2004年)(たいわんそうとうせんきょ)は2004年3月20日に行われた、中華民国の第十一任(期)総統と副総統を選ぶ選挙の事。正式名称は第十一任中華民國總統副總統選舉。選挙運動期間は同年2月21日から3月19日まで。

候補者

2004年度の総統・副総統選挙にはそれぞれ二人の候補者が出馬した。すなわち、与党民主進歩党(民進党)から出馬した陳水扁総統候補と呂秀蓮副総統候補の現職コンビ、および、野党中国国民党(国民党)主席である連戦総統候補と親民党主席である宋楚瑜副総統候補の野党連合コンビである。

なお現職の民進党側には国民党を離党した李登輝前総統が支援し、一方親民党は国民党と同調した選挙活動を行っている。このため実質的には台湾の独立(一辺一国)を志向する民進党+李登輝(民進党のイメージカラーである緑色から汎緑勢力と呼ばれる)と、中華人民共和国との協調を志向する国民党+親民党(国民党のイメージカラーである藍色から汎藍勢力と呼ばれる)とによる一騎打ちの体をなしている。

経過

陳水扁が2000年台湾総統選挙で政権を取った当初から、中華人民共和国は台湾独立志向を持つ陳政権を警戒していた。このため中国大陸との経済的な交流はあまり進展しなかった。またその他の国への輸出も落ち込み、経済的な面で台湾は苦境に陥っていた。このため選挙戦序盤は、台湾経済の停滞を陳政権の失政と位置付けた汎藍勢力が有利と見られていた。

しかし近年、アメリカ経済の復調の影響で台湾の輸出が伸びてきたことや、台湾住民の独立意識の高まり(陳水扁が住民投票による憲法改正(独立を強く志向すると位置付けられている)の主張や、2004年2月28日(=国民党による本省人弾圧事件、二・二八事件が起きた日)に行われた、李登輝主催の台湾独立デモに想定を超える100万人超の参加者が集まるなど)により汎緑勢力の支持率もじりじりとあがっていき、汎藍勢力と支持率を並べるようになった。

また、まさに選挙戦終盤となった投票日前日の午後には、台南市内を車で遊説していた陳水扁総統候補と呂秀蓮副総統候補が銃撃された。銃弾は複数放たれ、陳候補の腹部を縫う負傷を与えたほか、呂候補の脚もかすった。少しずれていれば彼らが即死していた可能性は十分あり、大事に至らなかった点において、これは不幸中の幸いを超えた奇跡といえよう。なお、この事件を聞きつけた連戦陣営は遊説を自粛し、2004年の総統選挙遊説はあわただしい結末となった。

これらさまざまな出来事があったため、フタを開けるまで結果はわからないという状態で選挙当日を迎える事となった。

中華人民共和国の動向

台湾の独立は国是に反するという立場を取る中華人民共和国は、過去の台湾総統選挙において軍事的な示威行動を取り、台湾独立の動きを牽制しようとした。しかしこの圧力はかえって独立派に勢いを与える結果となってしまった。

このため第三国を介して外交的圧力をかけるなど穏健な形での牽制へと方針が転換されている。しかしながら台湾に海峡を挟んで面する福建省沿岸では中国人民解放軍が臨戦体制を取るなど軍事的な威圧も少なからず行っている。

結果

投票は台湾時間16時で締め切られ、即日開票の結果、投票率は80.28%で、得票数は、陳総統候補・呂副総統候補が647万1,970票(50.11%)、連総統候補・宋副総統候補が644万2,452票(49.89%)となり、陳候補が総統に、呂候補が副総統に当選した。その差はわずか2万9,518票(0.22ポイント)。33万7,297票(2.5%)あった無効票の数よりもはるかに少ない票差だった。これらの結果が見えてくるやいなや、落選が確実となった連戦・国民党主席は、彼の支持者の前で「この選挙は無効」「陳水扁銃撃事件は自作自演だ」と訴える抗議を表明。支持者を巻き込んで行われた抗議デモは数日間続いた。一時的に中央選挙委員会の機能がマヒしたことさえもあった。中央選挙委員会の本部が入っているビルの正面玄関を抗議デモ隊が取り囲み、3月26日にはビル内に突入したことで警官隊と衝突、中央選挙委員会による当選公告も法定ぎりぎりの26日にまでずれ込んだ。これら連戦陣営の抗議を受けて、再選した陳水扁総統は、高等法院(日本でいう最高裁判所)による票の数え直しと、それに向けた緊急の法制定に応じた。高等法院では、連氏が提出した選挙無効と票の再集計請求の訴えを受理(ただしいったん差し戻した)、陳総統の同意も受けて、票の再集計に対する審理が行われた。5月10日から再集計が開始され、再集計が行われる一方で、5月20日には陳水扁総統の就任式が行われた。

関連項目

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