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狂った果実 (ゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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狂った果実
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 PC-9801VM以降(PC98)
X68000(X68k)
FM TOWNS(TOWNS)
MSX2以降(MSX)
開発元 フェアリーテール
発売元 フェアリーテール
発売日 1992年5月1日[1]
レイティング 18禁[注 1]
キャラクター名設定 不可
エンディング数 1
セーブファイル数 5
メディア フロッピーディスク(PC98/X68k/MSX)
CD-ROM(TOWNS)
画面サイズ 640*400 4bit-COLOR
BGMフォーマット FM音源
キャラクターボイス 無し
CGモード 無し
音楽モード 無し
回想モード 無し
メッセージスキップ 無し
オートモード 無し
備考 ロットアップ済み
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狂った果実』(くるったかじつ)は、フェアリーテールより1992年5月1日[1]に発売されたアダルトゲーム[注 1]

ゲームシステムはオーソドックスなコマンド総当たりの一本道アドベンチャーゲームであるが、まったく救いの無いシナリオと惨殺死体すら描かれる凄惨なグラフィックで注目を集めた[要出典]

キャラクターデザイン原画畑まさし

あらすじ

私立帝都美術大学3年生の主人公・狩野哲は、ある日ゼミ仲間かつ友人・江戸大門との約束もあって恩師の教授月島宅でのガーデンパーティーに渋々出席した際、月島教授の次女である秋美と三女の美夏に出会う。まもなく美夏に懐かれたことから、哲は月島教授に彼女の家庭教師を依頼される。そんな彼に目を付けた秋美は美夏に辛く当たると、哲を強引に自室へ連れ込み、自慢げに月島家の内情を話し始めた。さらに秋美はドアを施錠し、階下に人々が居るにもかかわらず哲をセックスへ誘おうと2階のバルコニーで色目を使う。だが、その際に身を任せた手摺は外れてしまい、バランスを崩した秋美は転落していく。階下は先程まで哲たちが居たガーデンパーティー会場であり、秋美の転落先には燭台が置かれていた。 次の瞬間、轟音と悲鳴が会場に響き渡る。客人や関係者の眼前には、燭台が腹に串刺しとなり事切れた秋美が横たわっていた。

秋美殺人事件の容疑者とみなされた哲は警察へ拘留されるが、すぐに釈放される。 それから幾日かしたある日、月島はメイドの兵頭真紀と美夏を残して外出する。月島邸を訪れた哲との会話の中で、真紀は秋美の死亡事故を恐れるあまり、彼を誘惑して肉体関係を結んでしまう。ピロートーク時、真紀はドアのかぎをかけ忘れていたことに気づくが、気にすることなく朝までセックスに耽る。翌日、彼女の姿が見当たらなくなり、その後庭のゴミ焼却炉の中から焼死体となって発見される。現場検証の結果、焼死体の両手は熱さに苦しむあまり炉内を激しく引っ掻いたことで、すべての爪が剥がれ落ちていた。 哲は再び疑いをかけられて警察へ拘留されるが、恋人の高瀬成子の親類の協力によってほどなく釈放され、二人で犯人を追う。 数日後、大学に戻った哲はゼミ仲間の堀内育子から、大門の死を聞かされ、月島も大学に来ていないことを聞かされる。 哲は月島邸へ行くが本人には会えず、元恋人の鵜野森圭子から情報を得るために一夜を共にする。翌日、哲を見送った圭子は、青酸カリ入りのワインを飲んでしまい、死に至る。 同日、月島は自宅で首つり自殺をし、自らが連続殺人事件の犯人であることを主張する遺書を残す。また、月島の遺志により、美夏が生母であるフランス人女性に引き取られるまでの間、異母姉である美鈴のもとへと預けられる。 遺書の内容を疑った成子は、哲を連れて月島邸へ行き、真犯人が美夏だと確信する。哲は車で美鈴の元へ行くが、美夏の愛犬・シェリルをはねたことがきっかけで大事故に遭い、左目を失いながらも生き延びる。一方、成子は何者かによって月島邸敷地内にある貯水槽で溺死させられる。 翌日、哲はフランス行きの飛行機へ向かう美夏に向かって復讐を誓う言葉をかける。そして、彼女が首の折れたフランス人形を手に着席するところで、物語は幕を閉じる。

登場人物

狩野 哲
私立帝都美術大学の3年生であり、主人公。成子とは恋人同士。顔は良い方で、大学内でも秋美曰く「トップクラスの良い男」として有名であるが、彼女のような高圧的なタイプ以外の女性には流されやすい性格をしており、性欲や精力も旺盛であるため、成子以外の美女にも目を奪われがちである。恩師の月島教授宅でのガーデンパーティーに出席した際、美夏に懐かれたことから月島に彼女の家庭教師を依頼され、引き受けるが、それをきっかけに連続殺人事件に巻き込まれていく。
愛車はアルファロメオ
高瀬 成子
哲の恋人で、哲とは別の大学へ通っている。警察にも顔が利くほど権力を持つ親の家庭で育った身であるが、自身は慈愛的な性格をしている。愛猫のサマンサとは大の仲良し。将来の夢は刑事であり、明晰な頭脳を活かして心理学科を専攻したのもそのためである。
実は泳げないため、物語終盤で何者かによって月島邸敷地内にある貯水槽で溺死させられる。また、それに先んじてサマンサも電子レンジで惨死させられることとなる。
月島 秋美
月島家の次女。一応、私立帝都美術大学に在籍中の身であるが、真面目に通っている様子は無い。非常に傲慢な性格をしており、余所者のことはもちろん、異母妹である美夏のことも何かと因縁を付けては虐げている。貞操観念も非常に希薄であり、自らの美貌と父の財力を餌にした男漁りを盛んに行っている。自宅ガーデンパーティーの際にも、それまで面識の無かった哲を興味だけでセックスへ誘おうと色目を使うが、その際に身を任せた自室バルコニーの手摺のねじが何者かによって外されていたために転落し、その先に置かれていた燭台が腹に串刺しとなって死亡する。
兵頭 真紀
月島教授の遠縁の親戚で、花嫁修業の一環として月島宅の住み込みメイドを務めている。メイドといってもメイド服ではなく私服にエプロン姿で働くうえ、気さくな性格をしており、美夏の家庭教師として訪れた哲とは、同年代という理由からもすぐに打ち解ける。秋美の死後、哲と肉体関係を結ぶが、その翌日に庭のゴミ焼却炉の中から焼死体となって発見される。
鵜野森 圭子
哲の元恋人であり、今は育子とも良き友人として接している、マンション住まいの美女。やや小悪魔的な性格をしており、チャイナドレスワインを好む。行き過ぎた言動が災いして哲に距離を置かれてしまった身であるが、内心では彼への未練をまだ持ち続けている。情報収集のために再会した哲との一夜を過ごした後、青酸カリの混入したワインを飲んでしまい、死に至る。
月島教授
名前は不明。私立帝都美術大学の教授であり、哲の恩師の1人。著名人たちにも顔が広い。妻はすでに故人。娘たちにとっては月島宅の主であり、良き父でもある。秋美の死亡事故などによる重圧から心を病んだあげく、自らが連続殺人事件の犯人であることを主張する遺書を残し、首吊り自殺してしまう。なお、遺書には哲への依頼として、美夏の母が美夏を迎えに来るまでの面倒も記されている。
江戸 大門
哲の友人。また、秋美とは短期間ながら交際していた時期を持つ。育子と共に月島家のガーデンパーティーへ出席するが、秋美の死亡事故以降は行方不明になるうえ、哲が容疑者と見なされて警察へ拘留されていた間、何者かによって殺害されてしまう。なお、その直前には何者かを脅迫していたことが示唆されている。
堀内 育子
月島教授のゼミ受講生で、哲のゼミ仲間にあたる。明るく元気な性格。美人というよりは童顔で可愛らしい容姿の持ち主。大門と共に、月島家のガーデンパーティーへ出席する。
鈴木 鋭一
大門のゼミ仲間。あだ名は「丼ちゃん」。太い体型の食いしん坊であり、いつも私立帝都美術大学の食堂でカレーライスを食べている。
美鈴
月島家の長女。既婚で現在の名字は不明。秋美とは対照的な淑やかな雰囲気の美人。物語序盤では月島家のガーデンパーティーに参加しており、物語後半では一時的に美夏を引き取ろうと申し出る。
月島 美夏
月島家の三女。10歳。はかない雰囲気を漂わせ、手にしたフランス人形と同様の碧眼が特徴の美少女。姉たちとは違ってフランス人の母を持つ異母妹であり、家中で唯一心を許せる相手は愛犬のシェリルのみ。実は義務教育レベルを超越した頭脳の持ち主でもあり、すでに大学レベルの物理学も理解している。それらに加え、華奢な身体には見合わないほど強靭な腕力すら秘めている。
普段は絵を描くことを好む無邪気さを見せるが、哲に興味を持ったことから事件の幕が開ける。また、シェリルは物語終盤、自らの轢死と引き換えに哲の片目を失明させることとなる。
報道されていない成子たちの殺害状況を描いたスケッチブックを手にするなど、彼女たちを殺害した真犯人であることが示唆されている。

反響・評価

電ファミニコゲーマーによると、「アドベンチャーゲームとしてゲームデザインなどの評価が高いわけではないが、その非常に猟奇的で救いのないシナリオは一部のプレイヤーに強いインパクトを与えた。」とされている[2]。 また、RTA動画投稿者のbiim兄貴は、本作のUIを参考に自身の動画の画面を構成したと同メディアとのインタビューの中で話している[2]

備考

シナリオを注目された本作は本来、セックスシーンのCGもアダルトゲームなりに描写されたものになるはずであった。1991年後半、『テクノポリス』(徳間書店)など関係各誌で公開された哲とヒロインたちとのセックスシーンでは2人の裸体が交わる様子が明確に描写されていたが、同年11月25日に発生した沙織事件を重く受け止めた開発陣はただちに該当CGから哲の全身を消去したり、ヒロインたちの性器が画面内へ映り込まないようにトリミング修正を施す。その結果、翌年に発売された製品版ではヒロインたちの裸体のみが表示されるにとどまった[要出典]

沙織事件の影響による急なCG処理は本作以外にも行われており[要出典]、『XIX[ギゼ!]』などは事件発生前の11月22日に発売されたPC98版[3]に対し、事件発生後に急な延期を経て12月28日に発売されたMSX版[4]など後発の版では、セックスシーンの結合部にPC98版では存在していなかった場違いな布が覆い被さるなど、不自然な描き加え処理が施されている[独自研究?]

脚注

注釈

  1. ^ a b 発売当時はコンピュータソフトウェア倫理機構設立前につき18禁の記述はされていなかったが、現在のF&Cでは追って18禁指定がされていることや、その倫理規定と作品内容から鑑みて、本項ではアダルトゲームに分類している。

出典

  1. ^ a b 狂った果実 - FANDC.CO.JP Official Web Site
  2. ^ a b biim兄貴 (14 May 2019). "「biim兄貴」に聞くRTA動画とネット文化への思い。タイムアタックに革命を起こした男は、電子の海に"うんこの墓標"を立てる" (Interview). Interviewed by Nobuhiko Nakanishi. 2020年10月11日閲覧 {{cite interview}}: 不明な引数|cointerviewers=は無視されます。 (説明); 不明な引数|program=は無視されます。 (説明)
  3. ^ XIX [ギゼ!] - FANDC.CO.JP Official Web Site
  4. ^ ギゼ! [MSX] / ファミ通.com

関連項目

外部リンク

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