スパイの妻
スパイの妻 | |
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ジャンル | |
脚本 | |
演出 | 黒沢清 |
出演者 | |
音楽 | 長岡亮介 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作 | |
制作統括 | |
プロデュース | |
製作 |
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放送 | |
放送チャンネル | NHK BS8K |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2020年6月6日 |
放送時間 | 土曜 14:00 - 15:54 |
放送分 | 114分 |
回数 | 1 |
公式ウェブサイト |
『スパイの妻』(スパイのつま)は、2020年にNHK制作、2020年6月6日14:00 - 15:54にNHK BS8Kで放送されたテレビドラマ[1]。黒沢清監督作品。2020年に劇場用映画として公開された。
製作
黒沢清の東京芸術大学での教え子であった野原位が、神戸を舞台とした8KカメラによるNHKドラマ製作の企画を黒沢に依頼し、同じく教え子であった濱口竜介と共同でプロットを制作し、3人の共同脚本作品となった。作中に登場する昭和初期の街並みは、大河ドラマ『いだてん』のオープンセットをそのまま使ったものである[2]。黒沢清監督初の、現代劇ではない作品となる。
舞台となる1940年代の日本映画を意識した台詞回しは野原と濱口の発案であったが[3]、メインキャストである蒼井優と高橋一生は、脚本を読んですぐその意図を理解し、二人とも「役作りのためにこの映画を観て」などと指示する必要のない、映画的な基礎教養のある役者であったという[2]。また、黒沢清監督は高橋一生へ出演のオファーをした理由に関して質問された際には、めちゃくちゃ上手い役者とは色々な人から聞いていた上で高橋が出演していたTBS系のドラマ『カルテット』を見た時に「この人本当にうまいんだな、と思った」と、オファーをした理由の一つとして他作品のドラマの名前を1つ挙げた[4]。
二人は『ロマンスドール』に続いて夫婦役を演じている。
劇中には1936年(昭和11年)の山中貞雄監督作品『河内山宗俊』の一場面が登場する。
あらすじ
太平洋戦争開戦を控えた1940年、福原聡子は、神戸で貿易会社を営む夫・優作と何不自由なく幸せに暮らしていた。国家総動員法下、貿易商という職業柄当局に目をつけられながらも、洋風の生活洋式で通し、舶来品を楽しみ、趣味の9.5mmフィルム撮影に興じたりと、時勢に頓着しない優作を、聡子の幼馴染である陸軍憲兵の泰治は快く思わない。
あるとき文雄を伴って満州に出かけ、予定よりも遅く帰国した優作の様子を、聡子はいぶかしみ、疑いを抱き始める。優作は、満洲で知った国家機密(日本軍による人体実験)についてある計画を秘めていた。泰治が二人を追い詰めていく中、文雄の拘留をきっかけにすべてを知った聡子は、“スパイの妻”と罵られる覚悟で愛する夫と運命を共にする決意を固め、優作ですら予想もつかなかった変貌をとげていく。
キャスト
- 福原聡子:蒼井優
- 福原優作:高橋一生
- 津森泰治:東出昌大
- 竹下文雄:坂東龍汰
- 駒子(福原家の女中):恒松祐里
- 金村(福原家の執事):みのすけ
- 草壁弘子:玄理
- 野崎医師:笹野高史
- 露店商:佐藤佐吉
- 警官:川瀬陽太
- 兵士:奥野瑛太
- 患者:西慶子、工藤時子、西山真来
- 看護婦:中西柚貴
映画版
スパイの妻〈劇場版〉 | |
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Wife of a Spy | |
公開時の衣装展示 | |
監督 | 黒沢清 |
脚本 | |
製作 | 山本晃久 |
製作総指揮 | |
出演者 | |
音楽 | 長岡亮介 |
撮影 | 佐々木達之介 |
編集 | 李英美 |
制作会社 |
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製作会社 | 『スパイの妻』プロモーションパートナーズ(Incline / C&Iエンタテインメント / ビターズ・エンド / アミューズ / モルファ / ディスクガレージ / 朝日新聞社 / 浅野研究所 / レスパスビジョン / フェローズ / ENBUゼミナール / KIRINZI / weroll / 講談社) |
配給 | |
公開 | |
上映時間 | 115分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
2020年にスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版として公開。第77回ヴェネツィア国際映画祭に出品され[16][17]、コンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した[18][19][20][21]。日本人の受賞は『座頭市』での北野武以来17年振りとなる。
受賞
- 第77回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)- 黒沢清
- GQ Men of the Year2020 フィルム・ディレクター・オブ・ザ・イヤー賞/アウディ・モスト・プログレッシヴ・マン賞(2020年) - 黒沢清[22]
- 2020年度新藤兼人賞・プロデューサー賞 - 岡本英之・高田聡・山本晃久[23]
- 第42回ヨコハマ映画祭2020年度日本映画ベストテン 第5位[24]
- エル シネマアワード2020
- エル ベストアクトレス賞(蒼井優)
- エル ベストディレクター賞(黒沢清)[25]
- 第33回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 監督賞(黒沢清)[26]
- 第45回エランドール賞 プロデューサー奨励賞(映画部門) - 岡本英之・高田聡(Incline)・山本晃久(C&I)・土橋圭介(NHKエンタープライズ)[27]
- 第94回キネマ旬報ベスト・テン
- 日本映画ベスト・ワン
- 脚本賞(濱口竜介、野原位、黒沢清)[28]
- 第15回アジア・フィルム・アワード
コミカライズ
柿崎正澄によりコミカライズされ、月刊サンデーGXに2020年8月号から2021年4月号まで連載された。
脚注
- ^ “黒沢清×蒼井優×8K『スパイの妻』完成のお知らせ”. NHK (2020年5月21日). 2020年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月18日閲覧。
- ^ a b “【いだてんのセットを使った!?】黒沢清 × 宇多丸、「スパイの妻」を語る”. TBSラジオ『アフター6ジャンクション』 (2020年10月19日). 2020年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
- ^ 『スパイの妻<劇場版>パンフレット』ビターズ・エンド、2020年10月16日。
- ^ 「スパイの妻<劇場版> 黒沢清監督 トークセッション」東京ミッドタウン日比谷、2021年10月27日。YouTubeより2022年5月23日閲覧。
- ^ a b c d “Wife of a Spy (2020)”. IMDb(Company Credits). Amazon.com. 2021年3月28日閲覧。
- ^ a b Patrick Frater(パトリック・フレイター) (2020年12月11日). “Kurosawa Kiyoshi’s ‘Wife of a Spy’ Heads for U.S. Release”. バラエティ. Variety Media, LLC.(ペンスキー・メディア). 2021年3月28日閲覧。
- ^ TORBJØRN GRAV (2021年4月4日). “Anmeldelse: Spionens kone(スパイの妻:レビュー)”. KINOMAGASINET(ノルウェー). 2021年4月21日閲覧。
- ^ Birger Vestmo (2021年4月8日). “Spionens kone ─ Spinner et besnærende nett av hemmeligheter og løgner.”. NRK Filmpolitiet(ノルウェー). 2021年4月21日閲覧。
- ^ 高橋一生、蒼井優(出演) (17 February 2021). 《間諜之妻》Wife of A Spy/03.12 白色情人節 隨愛出賣 (YouTube). 可樂電影 Cola Films. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “『Wife of a Spy』(South Korea)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “『LA MUJER DEL ESPÍA』”. SensaCine. AlloCiné Spain S.L. (2021年). 2021年4月16日閲覧。
- ^ “Les Amants sacrifiés (2020)”. SensCritique (2021年). 2021年3月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “Wife of a Spy (2020)”. IMDb(Release Info). Amazon.com. 2021年3月28日閲覧。
- ^ “黒沢清×蒼井優×高橋一生「スパイの妻」劇場版、10月16日公開”. 映画.com. (2020年6月19日) 2020年10月18日閲覧。
- ^ シネフィル編集部 (2020年10月27日). “熱すぎる…!! 30分オーバーの会見で語った『スパイの妻<劇場版>』-釜山国際映画祭 黒沢清監督記者会見+Q&A”. cinefil(シネフィル). 株式会社Miramiru. 2021年3月29日閲覧。
- ^ Sharf, Zack (28 July 2020). “Venice Film Festival 2020 Full Lineup: Luca Guadagnino, Chloe Zhao, Gia Coppola, and More”. IndieWire. 28 July 2020閲覧。
- ^ “Venezia 77 Competition”. labiennale.org. La Biennale di Venezia (28 July 2020). 28 July 2020閲覧。
- ^ “Venice Film Festival 2020 Winners: Nomadland Takes Golden Lion, Vanessa Kirby Is Best Actress”. IndieWire. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “黒沢清監督「スパイの妻」ベネチア映画祭で監督賞「ずっと監督を続けてきて本当に良かった」 作品賞は「ノマドランド」”. 映画.com. (2020年9月13日) 2020年10月18日閲覧。
- ^ 「ベネチア映画祭『ノマドランド』に金獅子賞!フランシス・マクドーマンド主演のロードムービー」『シネマトゥデイ』2020年9月13日。2020年9月25日閲覧。
- ^ 「ベネチア国際映画祭 黒沢清監督が監督賞 「スパイの妻」で」『NHKニュース』2020年9月13日。2020年9月25日閲覧。
- ^ “SixTONES&Snow Man・星野源・EXIT・田中みな実ら今年“もっとも輝いたヒーロー”に決定〈GQ MEN OF THE YEAR 2020〉”. モデルプレス (2020年11月23日). 2020年11月23日閲覧。
- ^ 新藤兼人賞、日本映画製作者協会、2020年11月24日閲覧。
- ^ 2020年日本映画ベストテン、ヨコハマ映画祭実行委員会、2020年12月12日閲覧。
- ^ 蒼井優&黒沢清監督「スパイの妻」ELLE賞2冠(2020年12月7日)、日刊スポーツ、2020年12月13日閲覧。
- ^ 「『鬼滅の刃』石原裕次郎賞受賞 『罪の声』が「日刊スポーツ映画大賞」作品賞に」『ORICON NEWS』オリコン、2020年12月28日。2021年1月9日閲覧。
- ^ “決定! 2021年 第45回エランドール賞”. 日本映画テレビプロデューサー協会 (2021年2月4日). 2021年2月4日閲覧。
- ^ キネマ旬報 ベスト・テン、KINENOTE、2021年2月18日閲覧。
- ^ 「スパイの妻」アジア・フィルム・アワードで作品賞に輝く、蒼井優と蒔田彩珠も受賞 映画ナタリー 2022年3月16日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 2020年のテレビドラマ
- NHK BSのテレビドラマ
- NHK BS8Kの番組
- 日本のサスペンスドラマ
- 日本の恋愛ドラマ
- 昭和戦前時代の日本を舞台としたテレビドラマ
- 1940年代を舞台とした作品
- 神戸市を舞台としたテレビドラマ
- 満洲国を舞台としたテレビドラマ
- 太平洋戦争を題材としたテレビドラマ
- 戦争犯罪を題材とした作品
- 捕虜を題材とした作品
- 日本による人体実験
- 日本本土空襲を扱った作品
- 2020年の映画
- 日本のテレビドラマの劇場版
- 日本のサスペンス映画
- 日本のスパイ映画
- 日本の恋愛映画
- 昭和戦前時代の日本を舞台とした映画作品
- 1940年代を舞台とした映画作品
- 神戸市を舞台とした映画作品
- 満洲国を舞台とした映画作品
- 太平洋戦争の映画
- 日本の戦争犯罪を題材とした映画
- 捕虜を題材とした映画作品
- 黒沢清の監督映画
- NHK製作の映画
- アミューズ製作の映画
- アジア・フィルム・アワード作品賞受賞作
- 鎌倉市で製作された映画作品
- 南房総市で製作された映画作品
- 神戸市で製作された映画作品
- 茨城県で製作された映画作品
- 水戸市で製作された映画作品
- 群馬県で製作された映画作品
- 前橋市で製作された映画作品
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- 2020年の漫画
- 漫画作品 す
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