コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ベネズエラ国鉄近郊列車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
印刷用ページはサポート対象外です。表示エラーが発生する可能性があります。ブラウザーのブックマークを更新し、印刷にはブラウザーの印刷機能を使用してください。
路線図(完成時)
路線図(完成時)
基本情報
現況 リベルタドール・シモン・ボリバル駅 - クア駅間が開業
ベネズエラ
路線網 首都カラカス市と、ミランダ州のクア市の間を結ぶ路線網
起点 リベルタドール・シモン・ボリバル駅(カラカス市)
終点 クア駅(クア市)
所有者 ベネズエラ国鉄にあたる国営鉄道独立法人(IFE)
運営者 ベネズエラ国鉄にあたる国営鉄道独立法人(IFE)
路線諸元
路線距離 km
営業キロ km
軌間 1,435 mm (標準軌)
複線区間 全区間
電化区間 全区間
電化方式 交流25000V架空電車線方式
最大勾配
最小曲線半径 m
高低差 m
最高速度 100 km/h
テンプレートを表示
クア駅
カラカスのリベルタドール・シモン・ボリバル駅

ベネズエラ国鉄近郊列車(エセキエル・サモラ鉄道)は、ベネズエラ鉄道路線である。

概要

ベネズエラの首都であるカラカス市と、ミランダ州のクア市との間、約41kmを結ぶ短距離旅客鉄道である。ベネズエラ国鉄にあたる国営鉄道独立法人(IFE)により運営されている。

所要時間は片道35分。

歴史

2006年10月15日開業。将来はベネズエラの中央鉄道システム線の一環となるべく建設された。

車両

ベネズエラ国鉄
エセキエル・サモラ鉄道
2000形・3000形電車
一次車・2000形

二次車・3000形
基本情報
運用者 ベネズエラ国鉄
製造所 日本車輌製造
製造年 一次車(2000形) - 2001年
二次車(3000形) - 2014年2015年
製造数 一次車(2000形) - 42両(4両13編成)
二次車(3000形) - 42両(4両13編成)
運用開始 一次車(2000形) - 2006年
二次車(3000形) - 2015年
主要諸元
編成 1編成4両
Rc1 - M1 - M2 - Rc2(2M2T)
軌間 標準軌(1,435 mm)
電気方式 交流
27.5 kV/60 Hz
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 120 km/h
長さ Rc車 - 26500 mm
M車 - 25000 mm
2940 mm
主電動機 誘導電動機
制御方式 IGBT-VVVF制御
制御装置 VVVFインバーター装置
制動装置 電気指令式空気ブレーキ
回生ブレーキ
備考 諸元は[1][2]より。
テンプレートを表示

概要

営業用の車両は全て日本日本車輌製造で製造された電車で、電装品も同じく日本の東芝のものを搭載する[3]

製造時期により一次車と二次車が存在し、一次車には2000形、二次車には3000形という形式が与えられている。

2000形1992年に路線の建設計画と同時に製造契約が結ばれ、2001年に製造[注釈 1]が行われたあとにベネズエラに到着し、その後は路線が開業するまで車両基地で保管され、2006年の開業と同時に運用を開始した[3][4][5]

3000形は乗客の急激な増加に対応するため、2012年に製造契約が結ばれ、2014年から2015年にかけて製造が行われた[6][2]

2000形、3000形ともに4両13編成が製造され、車体は軽量ステンレス鋼製[6][4]。4両のうち、両端の先頭車が床下に電装品を持たない付随制御車(Rc1・Rc4)で、中間の2両が床下に電装品を持つ中間電動車(M1-M2)の2M2T(Rはスペイン語におけるT)編成となっている[1][2]

車両の長さは1両あたり約25000 mmで、片側に幅1,600 mmの両開きの乗降扉が設けられているほか、現地の安全基準を満たすため、日本国内向けの車両における平均の約4倍にあたる200 tfの車体圧縮荷重に耐えることが可能[2]

車内は固定式のFRP製クロスシートで、各座席が向かい合う形で設置されているほか、混雑時に役に立つ握り棒、天井のパネルと窓キセにもFRPを用い、近代的で洗練された空間を演出[2]。また、各車内の車端部には製造メーカーの大型プレートが設置されている。

東芝製の電装品はIGBT-VVVF制御を採用し、それを使用して240 kWの誘導電動機を駆動させる仕組みとなっている[4][2]。営業運転における最高速度は100 km/hで、この速さで24 ‰の連続勾配を走行する[5][2]

制動装置は応答性に優れた電気指令式空気ブレーキで、回生ブレーキを併用し、ワンハンドル式のマスター・コントローラーで力行とともに操作される[2]。台車は一本リンクの牽引による空気ばね支持のボルスタレス仕様で、軽量化および保守の低減と乗り心地の工場を図っている[2]

路線

起点のリベルタドール・シモン・ボリバル駅は、カラカス地下鉄三号線のラ・リンコナーダ駅に隣接している。沿線の多くのトンネルの中には長さ6 kmを超すものも存在する。

注釈

  1. ^ 1998年に製造開始とする文献も存在する。

脚注

  1. ^ a b TREN CUA - CARACAS - Momentos Feroviarios - 2018年10月15日作成・2020年7月25日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i ベネズエラ国鉄向け カラカス近郊電車納入 - 日本車輌製造 - 2015年3月作成・2020年9月22日閲覧
  3. ^ a b ベネズエラ国鉄向けカラカス近郊線用電車 - 日本鉄道システム輸出組合 - 2020年9月22日閲覧
  4. ^ a b c 鉄道ピクトリアル 第696号 (鉄道図書刊行会)
  5. ^ a b ベネズエラ・カラカス近郊電車 - 日本車輌製造 - 2020年9月22日閲覧
  6. ^ a b ベネズエラ国鉄向け 増備車両受注 - 日本車輌製造 - 2012年10月作成・2020年9月22日閲覧

外部リンク