ジムグリ
この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2016年6月) |
ジムグリ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ジムグリ Euprepiophis conspicillatus
| |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Euprepiophis conspicillatus (Boie, 1826)[2][注釈 1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ジムグリ[2] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Japanese Forest Ratsnake |
ジムグリ(地潜[3]、Euprepiophis conspicillatus)は、有鱗目ナミヘビ科ジムグリ属に分類されるヘビ。
分布
[編集]形態
[編集]全長70-100cm[3][4]。体色は赤みがかった茶褐色で、黒い斑点が入る[4]。個体により、ジグザグ状になる[4]。斑点は成長に伴い消失する。腹面の鱗(腹板)には黒い斑紋が入り、市松模様(元禄模様)状になるため別名、元禄蛇とも呼ばれる[4]。
頭部にアルファベットの「V」字の模様があり、この線が眼にかかるところが学名の由来(鼻眼鏡の意)となっている。上顎は下顎に覆い被さる[4]。頸部は太く、頭部と胴体の境目が不明瞭。
幼蛇は体色が赤褐色で、黒い斑紋や横縞が入る。
また比較的寒い地域では、アカジムグリと呼ばれる赤みが強く黒い模様がほぼ消失した個体が出現することもある[4]。ただし、これが個体群なのか、単なる色彩変化なのかは不明。また、北海道産の個体では体全体がオリーブグリーン色を呈するものがあり、それらの個体の腹側の模様は、市松模様ではなく縦縞のようになっているものもいる[4]。
体鱗列数は21列[4]。
雌は雄に比べ太くなり、総排泄孔から尾にかけて細くなる。尾は雌が雄より短くなる[4]。
腹板は雄が200-219枚、雌は206-227枚[4]。尾下板、雄に63-76枚、雌が59-72枚[4]。
生態
[編集]平地から低山地の森林、草原、水辺等に住む。山地であれば耕作地や開けた場所でも見られる[3]。特に林床を好み、よく地中や石の下等に潜ることが和名の由来[3]。24℃前後の低温を好み、朝方、夕方の気温の低い時間帯によく活動する[4]。また、夏場は気温が高くなるのか不活発になる[4]。
食性は動物食で、主にネズミやモグラなどの小型哺乳類を食べる[3][4]。特に地中のネズミの巣の中の赤子を好んで捕食し、飼育繁殖させた記録によると、ネズミが子を産む春と秋にのみ摂食活動が活発化し、自然界でこうした餌の乏しくなる夏と、冬眠する冬には絶食することが確認されている。
基本的に温厚だが他のナメラ属のヘビ類と同様に、危険を感じると総排出口から独特の青臭い臭いを出す[3]。
繁殖
[編集]繁殖形態は卵生で、4-6月頃[4]に交尾し7月-8月頃に1-7個の[4]卵を産む。
卵は白く、細長い楕円形[4]。卵殻は皮革状で弾力がある[4]。8月下旬に孵化し、幼蛇は成体より体色が鮮明[4]。
人間との関係
[編集]ペットとして飼育されることもあるが、高温や蒸れにかなり弱く、季節拒食をするなど餌付きも悪いため飼育は難しい。
採集、飼育、繁殖の難しさからペットとして飼うには向いていない。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Borkin, L., Kidera, N. & Ota, H. 2017. Euprepiophis conspicillata. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T47755805A47755812. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T47755805A47755812.en. Accessed on 14 December 2024.
- ^ a b 日本爬虫両棲類学会 (2024) 日本産爬虫両生類標準和名リスト(2024年3月11日版). https://herpetology.jp/wamei/ (2024年12月14日アクセス).
- ^ a b c d e f 内山りょう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎『日本の両生爬虫類』平凡社、2002年、264-265頁。 ISBN 4-582-54232-8
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 高田榮一、大谷勉『原色爬虫類・両生類検索図鑑』北隆館、2011年7月、124頁。ISBN 9784832607569。
参考文献
[編集]- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、144頁。
- 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、323頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、121頁。
- Utiger et al,"Molecular systematics and phylogeny of Old and New World ratsnakes, Elaphe auct., and related genera (Reptilia, Squamata, Colubridae)." Russ. J. Herpetol,9,2002,105-124.