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アブドゥル・ラフマーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アブドゥルラフマンから転送)

アブドゥル・ラフマーン(アラビア語:عبد الرّحمن, ʿAbd al-Raḥmān, 学術的標準カタカナ表記:アブドゥッラフマーン)は、イスラームの唯一神アッラーの属性名「アッ=ラフマーン」(慈悲あまねきお方)」と「アブド」(しもべ、僕)を組み合わせた複合名に対するカタカナ表記の揺れの一つ。アラブ諸国だけでなく世界各国のイスラム教徒の男性名として多用されており、「慈悲あまねきお方のしもべ」を意味する。

学界での標準的カタカナ表記はアブドゥッラフマーンだが、一般の日本語記事におけるカタカナ表記は他にも様々な形があり、一定しない。英語読みするとah部分がアーになるため、英語発音に依拠してラフマーンをラーマーン、ラーマンとしている例もしばしば見られる。

概要

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アラビア語で「奴隷、しもべ」を意味する「アブド」とイスラーム教における唯一神であるアッラーの属性名「慈悲あまねきもの」を意味する「アッ=ラフマーン」(アッラフマーン al-Rahmān )を繋げたもの。(アッラーの99の美名を参照)「慈悲あまねきお方であるアッラーのしもべ」を意味する人名である。イスラーム教徒の間では一般的な人名である。「アッ=ラフマーン」は「アッラーの99の美名」のうち、第1である「アッラー」に次ぐ第2位に数えられており、アブドゥッラーに次いでこの種の人名では代表的なものの一つである。

「神名、崇敬対象の人名」+「奴隷」という複合的な人名は中東地域では古代から非常に一般的に見られるものであり、イスラーム以前のジャーヒリーヤ時代におけるアラビア半島でも多用されていた。

「奴隷、しもべ」を意味する「アブド」自体、アラム語(古代)ヘブライ語フェニキア語などセム語の共通語彙の一つである。こういった「神名、崇敬対象の人名」+「奴隷」という構造の人名は、恩寵・祝福を願ったり吉兆・幸運を祈願したりして命名されてきた[1]

そのため、セム語圏のみならず、ソグド語など近隣の文化圏へも同様の人名構造が波及している。聖書でも同じ構造の人名が多く記載があり、例えばオバデヤ書の筆者とされる預言者「オバデヤ」も「ヤハウェのしもべ、奴隷」の意味である。

なお「アブド」+「アッラーおよびその異称・属性名(アッラーの99の美名)」の組み合わせは99種類あるという訳ではなく、使われないものや99の美名の範囲外から取られたものもある。特に人名要素として好まれる美名は特定の名称に限られる傾向にあり、預言者が信徒に勧めたとされることもあって、アブドゥッラーやこのアブドゥッラフマーンがとりわけ多い。アブドゥッラーは預言者ムハンマドの父の名前だったこともあり、特に好まれた。

主な人物

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王侯・歴史上の人物

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後ウマイヤ朝の君主

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その他

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近現代の政治家

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その他の人物

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脚注

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