コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

イースター (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『イースター』
パティ・スミス・グループスタジオ・アルバム
リリース
録音 ニューヨーク レコード・プラント・スタジオニュージャージー州ウェスト・オレンジ ザ・ハウス・オブ・ミュージック[1]
ジャンル パンク・ロックニュー・ウェイヴ
時間
レーベル アリスタ・レコード
プロデュース ジミー・アイオヴィーン英語版
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 10位(ノルウェー[2]
  • 16位(イギリス[3]
  • 20位(アメリカ[4]、ニュージーランド[5]
  • 34位(スウェーデン[6]
  • 43位(ドイツ[7]
  • パティ・スミス・グループ アルバム 年表
    ラジオ・エチオピア
    (1976年)
    イースター
    (1978年)
    ウェイヴ
    (1979年)
    テンプレートを表示

    イースター』(Easter) は、アメリカ合衆国シンガーソングライターパティ・スミス1978年に「パティ・スミス・グループ」名義で発表したスタジオ・アルバム。スミスのアルバムとしては通算3作目に当たる。

    背景

    [編集]

    スミスは1977年1月、ボブ・シーガーオープニングアクトとして出演したタンパ公演でステージから転落し、頚椎などの骨折に加えて頭を22針縫うほどの重傷を負った[8]。そして、スミスは敢えて厳しい理学療法を受け、復活祭の日曜日までに回復することを心に誓って、その頃に「イースター」と題された詩を書いた[8]

    本作のレコーディングは1977年11月に開始され、ブルース・スプリングスティーンのアルバムでレコーディング・エンジニアを務めたジミー・アイオヴィーン英語版がプロデューサーに起用された[8]。そして、その縁からアイオヴィーンはスミスに、スプリングスティーンの未発表曲を取り上げることを進言し、スミスは当初乗り気でなかったが、最終的には「ビコーズ・ザ・ナイト」を取り上げた[8]。なお、スミス自身は当初、「ロックン・ロール・ニガー」をタイトル曲および第1弾シングルにしようと考えていた[8]

    スミスの腋毛が露出したジャケット写真はリン・ゴールドスミス英語版が撮影したが、レーベル側は腋毛を修正するよう要求したという[8]

    リマスターCDボーナス・トラックの「ゴッドスピード」は、シングル「ビコーズ・ザ・ナイト」のB面曲で、当時のシングルでは「God Speed」と表記されていた[9]

    反響

    [編集]

    スミスは本作でセールス的に大きな成功を収めた。母国アメリカのBillboard 200では20位に達して自身初の全米トップ40アルバムとなり[4]、シングル「ビコーズ・ザ・ナイト」はBillboard Hot 100で13位を記録した[8][10]。イギリスではスミス初の全英アルバムチャート入りを果たし、14週トップ100入りして最高16位を記録し[3]全英シングルチャートでは「ビコーズ・ザ・ナイト」が5位、「プリヴィレッジ」が72位に達した[11]

    ノルウェーのアルバム・チャートでは10週連続でトップ20入りし、最高10位を記録した[2]。ニュージーランドのアルバム・チャートでは初登場20位となり、6週連続でトップ40入りした[5]

    評価

    [編集]

    William Ruhlmannはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、「当時としてはスミスの作品の中でも特に売れ線のサウンド」としつつも、最終的には「スミスが芸術性と商業主義の間で最良の折り合いをつけた作品」と評している[12]

    ヴィレッジ・ヴォイス』誌の企画「Pazz & Jop」における1978年の最優秀アルバムでは14位となった[13]。『ペースト』誌の2018年の企画「1978年のベスト・アルバム」では22位[14]。また、『NME』誌が2013年に選出した「The 500 Greatest Albums of All Time」では435位にランク・イン[15]

    収録曲

    [編集]
    Side 1
    1. ティル・ヴィクトリー "Till Victory" (Patti Smith, Lenny Kaye) – 2:50
    2. スペース・モンキー "Space Monkey" (P. Smith, Ivan Král, Tom Verlaine) – 4:06
    3. ビコーズ・ザ・ナイト "Because the Night" (P. Smith, Bruce Springsteen) – 3:25
    4. ゴースト・ダンス "Ghost Dance" (P. Smith, L. Kaye) – 4:44
    5. ベイブローグ "Babelogue" (P, Smith) – 1:30
    6. ロックン・ロール・ニガー "Rock N Roll Nigger" (P. Smith, L. Kaye) – 3:25
    Side 2
    1. プリヴィレッジ "Privilege (Set Me Free)" (Mike Leander, Paul Jones, Psalm 23) – 3:29
    2. ウィ・スリー "We Three" (P. Smith) – 4:18
    3. 25階 "25th Floor" (P. Smith, I. Král) – 4:03
    4. ハイ・オン・リベリオン "High on Rebellion" (P. Smith) – 2:37
    5. イースター "Easter" (P. Smith, Jay Dee Daugherty) – 6:15

    1996年リマスターCDボーナス・トラック

    [編集]
    1. ゴッドスピード "Godspeed" (P. Smith, I. Král) – 6:09

    参加ミュージシャン

    [編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    • ジョン・ポール・フェッタ - ベース (A1, B1)
    • アラン・レイニア、リチャード・ソール - キーボード (A2)
    • アンディ・オストロウ - パーカッション (A4)
    • トム・ヴァーレイン - アレンジ (B8)
    • ジム・マクスウェル - バグパイプ (B5)

    脚注

    [編集]
    1. ^ Patti Smith Group - Easter (1978, Vinyl) - Discogs
    2. ^ a b norwegiancharts.com - Patti Smith Group - Easter
    3. ^ a b PATTI SMITH | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    4. ^ a b Patti Smith - Awards”. AllMusic. 2015年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月5日閲覧。
    5. ^ a b charts.org.nz - Patti Smith Group - Easter
    6. ^ swedishcharts.com - Patti Smith Group - Easter
    7. ^ Offizielle Deutsche Charts
    8. ^ a b c d e f g Rose, Caryn (2017年5月28日). “Patti Smith Group: Easter Album Review”. Pitchfork. Condé Nast. 2021年9月5日閲覧。
    9. ^ Patti Smith Group - Because The Night (1978, Vinyl) - Discogs
    10. ^ Patti Smith Group - Awards”. AllMusic. 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月5日閲覧。
    11. ^ PATTI SMITH | full Official Chart History | Official Charts Company
    12. ^ Rulhmann, William. “Easter - Patti Smith Group, Patti Smith”. AllMusic. 2021年9月5日閲覧。
    13. ^ Robert Christgau: Pazz & Jop 1978: Critics Poll”. 2021年9月5日閲覧。
    14. ^ The 30 Best Albums of 1978”. Paste Media Group (2018年3月8日). 2021年9月5日閲覧。
    15. ^ The 500 Greatest Albums Of All Time: 500-401”. NME (2013年10月21日). 2021年9月5日閲覧。