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ウエストオーバー (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウエストオーバーから転送)
ウエストオーバー
欧字表記 Westover
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2019年4月24日
Frankel
Mirabilis
母の父 Lear Fan
生国 イギリスの旗 イギリス
生産者 Juddmonte Farms Ltd
馬主 Juddmonte
調教師 ラルフ・ベケット(英国)
競走成績
生涯成績 13戦4勝
WTRR L120 / 2022年[1]
L126 / 2023年[2]
勝ち鞍
G1 愛ダービー 2022年
G1 サンクルー大賞 2023年
G3 クラシックトライアル 2022年
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ウエストオーバーWestover2019年4月24日 - )は、イギリス競走馬。主な勝ち鞍は2022年のアイリッシュダービー、2023年のサンクルー大賞

概要

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2歳(2021年)

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8月5日サンダウン競馬場の未勝利戦でロブ・ホーンビーを背にデビューして初勝利を挙げる[3]

続いて9月17日のニューベリー競馬場の条件戦を2着。10月18日のシルバータンカードステークス(L)を鞍上ライアン・ムーアで2着とした[3]

3歳(2022年)

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4月22日のクラシックトライアル(G3)に出走して、息の長い末脚でジリジリと伸びて前にいたゴールドスパーを捕らえると、追い込んできたキャッシュを短アタマ差で抑え込んでグループ競走初制覇を果たした[4]

6月4日のダービーステークス(G1)に8番人気タイで出走。馬群捌きに手間取りデザートクラウンの3着に敗れた[5]

6月25日のアイリッシュダービー(G1)に新たにコリン・キーンを鞍上に迎えて出走、チューズデーと1番人気を分け合った。全頭五部の発馬を決めて、ウエストオーバーはフレンチクレイムにハナを譲り2番手に付け、2ハロン進むあいだに隊列が決まって道中は淡々の流れた。直線に入って早々に先頭に立つと一方的に差を広げて2着のピズバディールに7馬身差を付ける独走劇でG1初制覇を果たした[6]

その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)に1番人気で出走し、逃げる競馬をするも最終コーナーで失速してパイルドライヴァーから18馬身差の5着に敗れた[7]。陣営のレーシングマネージャーはパドックでエミリーアップジョンの後ろに付けたが、ペースが上がらずに行きたがったウエストオーバーを前に出さざるを得なかったことを敗因として挙げた[8]

陣営はインターナショナルステークスを回避して休養、セントレジャーステークスに向かう旨を明かした[8]。その後セントレジャーステークスは向かわずに凱旋門賞参戦を明言[9]。迎えた10月2日の凱旋門賞(G1)は6着に敗れた[10]

4歳(2023年)

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3月25日のドバイシーマクラシック(G1)にJRAオッズ4番人気で出走し、レースでは中団で控えるもハナを切って逃げたイクイノックスの3.5馬身の2着[11]。6月2日のコロネーションカップ(G1)では1番人気に支持されるも最後方にいたエミリーアップジョンに一気に突き抜けられ追いすがるも1馬身3/4差の2着に敗れた[12][13]

7月8日のサンクルー大賞(G1)は単勝オッズ1.4倍の圧倒的な1番人気で出走[14]。前後7・8馬身ほどの隊列で5頭中の3頭目に付ける。2番手に付けていた僚馬マラブドライブが最終コーナー前で脱落し、それを交わして直線入口で早くも先頭の構えとなる。背後でザグレイが手応え良く追撃するも直線半ばで突き放して2馬身差で押し切り、前年のアイリッシュダービー以来となる二度目のG1制覇を挙げた[15]

その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)に5番人気で出走。大外から直線に入るとフクムと叩き合いにとなり、抜きつ抜かれつの激闘の末にアタマ差で競り負けて2着に敗れた。フクムを管理するバローズ調教師はフクムを称えるのと同時に「彼は我々にずっと戦いを挑んできた」とウエストオーバーの走りも称賛した[16]。10月1日の凱旋門賞では道中好位のインを進み、直線で一旦は抜け出すもエースインパクトの末脚に屈し2着に敗れた[17]。レース後の10月5日、故障のため現役を引退することが発表された[18]

競走成績

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以下は、JRA-VAN Ver. World[19]Racing Post[20]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 枠番 馬番 着順 タイム 着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2021.08.05 サンダウン 未勝利戦 芝1600m(稍重) 6 5 6 1着 R1:50.43 1+14馬身 R.ホーンビィ 9-5 (Bullet Force)
0000.09.17 ニューベリー 条件戦 芝1600m(稍重) 6 2 2 2着 - 2+14馬身 R.ホーンビィ 9-1 Zechariah
0000.10.18 ポンテフラクト シルバータンカードS L 芝1610m(重) 11 3 10 2着 - クビ R.ムーア 9-3 Mr Professor
2022.04.22 サンダウン クラシックトライアル G3 芝1990m(良) 6 3 7 1着 R2:13.53 短アタマ R.ホーンビィ 9-1 (Cash)
0000.06.04 エプソム 英ダービー G1 芝2410m(良) 17 2 16 3着 - 2+34馬身 R.ホーンビィ 9-2 Desert Crown
0000.06.25 カラ 愛ダービー G1 芝2400m(良) 8 5 7 1着 R2:34.80 7馬身 C.キーン 9-2 (Piz Badile)
0000.07.23 アスコット KGVI&QES G1 芝2390m(良) 6 6 5 5着 - 18馬身 C.キーン 9-2 Pyledriver
0000.10.02 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(重) 20 7 18 6着 - 7+14馬身 R.ホーンビィ 8-13 Alpinista
2023.03.25 メイダン ドバイシーマC G1 芝2410m(良) 10 1 8 2着 - 3+12馬身 R.ムーア 8-13 Equinox
0000.06.02 エプソム コロネーションC G1 芝2410m(良) 5 3 5 2着 - 1+34馬身 R.ホーンビィ 9-2 Emily Upjohn
0000.07.08 サンクルー サンクルー大賞 G1 芝2400m(稍重) 5 4 3 1着 R2:25.46 2馬身 R.ホーンビィ 9-3 (Zagrey)
0000.07.29 アスコット KGVI&QES G1 芝2390m(稍重) 10 10 8 2着 - アタマ R.ホーンビィ 9-9 Hukum
0000.10.01 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(稍重) 15 1 6 2着 - 1+34馬身 R.ホーンビィ 9-5 Ace Impact

種牡馬時代

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2024年から北海道新冠町優駿スタリオンステーションにて種牡馬として繋養されることが発表された[21]

血統表

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ウエストオーバー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

Frankel
鹿毛 2008
父の父
Galileo
鹿毛 1998
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
父の母
Kind
鹿毛 2001
*デインヒル Danzig
Razyana
Rainbow Lake Rainbow Quest
Rockfest

Mirabilis
鹿毛 2002
Lear Fan
鹿毛 1981
Roberto Hail To Reason
Bramalea
Wac Lt. Stevens
Belthazar
母の母
Media Nox
栗毛 1993
Lycius Mr Prospector
Lypatia
Sky Love Nijinsky
Gangster of Love
母系(F-No.) Turk Mare(FN:23-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer:S4×S5×M5, Mr. Prospector:M4×S5 [§ 4]
出典
  1. ^ [22]
  2. ^ [23]
  3. ^ [22]
  4. ^ [22]


脚注

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  1. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年12月1日閲覧。
  2. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
  3. ^ a b ウエストオーバー(Westover) | 競馬データベース | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  4. ^ 英G3クラシックトライアル、新星ウエストオーバーが重賞初制覇 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  5. ^ デザートクラウンが英ダービーを圧勝、スタウト師は6度目の栄冠 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  6. ^ ウエストオーバーが愛ダービーを圧勝、英オークス馬チューズデーは4着に終わる | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  7. ^ パイルドライヴァーが英G1キングジョージで波乱呼ぶ、ウエストオーバーら3歳馬は惨敗 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  8. ^ a b 愛ダービー馬ウエストオーバーは夏休み、英セントレジャーでの復帰有力か | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  9. ^ 愛ダービー馬ウエストオーバーは英セントレジャーに向かわず凱旋門賞参戦へ - 海外 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年7月9日閲覧。
  10. ^ 凱旋門賞(G1) 2022/10/2(日) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
  11. ^ 【ドバイシーマクラシック】イクイノックスがノーステッキで圧巻の逃げ切り! | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
  12. ^ コロネーションカップ(G1) 2023/6/2(金) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
  13. ^ 英G1コロネーションC、紅一点のエミリーアップジョンが強豪牡馬を一蹴 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
  14. ^ サンクルー大賞(G1) 2023/7/8(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
  15. ^ 仏G1サンクルー大賞はウエストオーバーが完勝、次戦はキングジョージが有力 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
  16. ^ 英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、フクムがウエストオーバーとの激闘を制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年8月16日閲覧。
  17. ^ 【凱旋門賞】ウエストオーバーのベケット師「2着を誇りに思う」次走はBCターフを予定JRA-VAN Ver world、2023年10月2日配信・閲覧
  18. ^ 凱旋門賞2着馬ウエストオーバーが故障のため引退サンケイスポーツ、2023年10月5日配信・閲覧
  19. ^ ウエストオーバー(Westover) | 競馬データベース”. JRA-VAN ver.World. 2023年11月30日閲覧。
  20. ^ Westover | Race Record & Form | Racing Post”. www.racingpost.com. 2023年11月30日閲覧。
  21. ^ 久野朗. “愛ダービー馬ウエストオーバーが優駿SSで種牡馬入り G1・2勝、凱旋門賞2着後に電撃引退 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年11月2日閲覧。
  22. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Westover(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月12日閲覧。
  23. ^ Westoverの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2023年7月12日閲覧。

外部リンク

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