ウエストオーバー (競走馬)
ウエストオーバー | ||||||||||||
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欧字表記 | Westover | |||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||
性別 | 牡 | |||||||||||
毛色 | 鹿毛 | |||||||||||
生誕 | 2019年4月24日 | |||||||||||
父 | Frankel | |||||||||||
母 | Mirabilis | |||||||||||
母の父 | Lear Fan | |||||||||||
生国 | イギリス | |||||||||||
生産者 | Juddmonte Farms Ltd | |||||||||||
馬主 | Juddmonte | |||||||||||
調教師 | ラルフ・ベケット(英国) | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
生涯成績 | 13戦4勝 | |||||||||||
WTRR |
L120 / 2022年[1] L126 / 2023年[2] | |||||||||||
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ウエストオーバー(Westover、2019年4月24日 - )は、イギリスの競走馬。主な勝ち鞍は2022年のアイリッシュダービー、2023年のサンクルー大賞。
概要
[編集]2歳(2021年)
[編集]8月5日サンダウン競馬場の未勝利戦でロブ・ホーンビーを背にデビューして初勝利を挙げる[3]。
続いて9月17日のニューベリー競馬場の条件戦を2着。10月18日のシルバータンカードステークス(L)を鞍上ライアン・ムーアで2着とした[3]。
3歳(2022年)
[編集]4月22日のクラシックトライアル(G3)に出走して、息の長い末脚でジリジリと伸びて前にいたゴールドスパーを捕らえると、追い込んできたキャッシュを短アタマ差で抑え込んでグループ競走初制覇を果たした[4]。
6月4日のダービーステークス(G1)に8番人気タイで出走。馬群捌きに手間取りデザートクラウンの3着に敗れた[5]。
6月25日のアイリッシュダービー(G1)に新たにコリン・キーンを鞍上に迎えて出走、チューズデーと1番人気を分け合った。全頭五部の発馬を決めて、ウエストオーバーはフレンチクレイムにハナを譲り2番手に付け、2ハロン進むあいだに隊列が決まって道中は淡々の流れた。直線に入って早々に先頭に立つと一方的に差を広げて2着のピズバディールに7馬身差を付ける独走劇でG1初制覇を果たした[6]。
その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)に1番人気で出走し、逃げる競馬をするも最終コーナーで失速してパイルドライヴァーから18馬身差の5着に敗れた[7]。陣営のレーシングマネージャーはパドックでエミリーアップジョンの後ろに付けたが、ペースが上がらずに行きたがったウエストオーバーを前に出さざるを得なかったことを敗因として挙げた[8]。
陣営はインターナショナルステークスを回避して休養、セントレジャーステークスに向かう旨を明かした[8]。その後セントレジャーステークスは向かわずに凱旋門賞参戦を明言[9]。迎えた10月2日の凱旋門賞(G1)は6着に敗れた[10]。
4歳(2023年)
[編集]3月25日のドバイシーマクラシック(G1)にJRAオッズ4番人気で出走し、レースでは中団で控えるもハナを切って逃げたイクイノックスの3.5馬身の2着[11]。6月2日のコロネーションカップ(G1)では1番人気に支持されるも最後方にいたエミリーアップジョンに一気に突き抜けられ追いすがるも1馬身3/4差の2着に敗れた[12][13]。
7月8日のサンクルー大賞(G1)は単勝オッズ1.4倍の圧倒的な1番人気で出走[14]。前後7・8馬身ほどの隊列で5頭中の3頭目に付ける。2番手に付けていた僚馬マラブドライブが最終コーナー前で脱落し、それを交わして直線入口で早くも先頭の構えとなる。背後でザグレイが手応え良く追撃するも直線半ばで突き放して2馬身差で押し切り、前年のアイリッシュダービー以来となる二度目のG1制覇を挙げた[15]。
その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)に5番人気で出走。大外から直線に入るとフクムと叩き合いにとなり、抜きつ抜かれつの激闘の末にアタマ差で競り負けて2着に敗れた。フクムを管理するバローズ調教師はフクムを称えるのと同時に「彼は我々にずっと戦いを挑んできた」とウエストオーバーの走りも称賛した[16]。10月1日の凱旋門賞では道中好位のインを進み、直線で一旦は抜け出すもエースインパクトの末脚に屈し2着に敗れた[17]。レース後の10月5日、故障のため現役を引退することが発表された[18]。
競走成績
[編集]以下は、JRA-VAN Ver. World[19]、Racing Post[20]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭数 | 枠番 | 馬番 | 着順 | タイム | 着差 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
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2021. | 8. 5サンダウン | 未勝利戦 | 芝1600m(稍重) | 6 | 5 | 6 | 1着 | 1:50.43 | 1+1⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 9-5 | (Bullet Force) | |
9.17 | ニューベリー | 条件戦 | 芝1600m(稍重) | 6 | 2 | 2 | 2着 | - | 2+1⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 9-1 | Zechariah | |
10.18 | ポンテフラクト | シルバータンカードS | L | 芝1610m(重) | 11 | 3 | 10 | 2着 | - | クビ | R.ムーア | 9-3 | Mr Professor |
2022. | 4.22サンダウン | クラシックトライアル | G3 | 芝1990m(良) | 6 | 3 | 7 | 1着 | 2:13.53 | 短アタマ | R.ホーンビィ | 9-1 | (Cash) |
6. 4 | エプソム | 英ダービー | G1 | 芝2410m(良) | 17 | 2 | 16 | 3着 | - | 2+3⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 9-2 | Desert Crown |
6.25 | カラ | 愛ダービー | G1 | 芝2400m(良) | 8 | 5 | 7 | 1着 | 2:34.80 | 7馬身 | C.キーン | 9-2 | (Piz Badile) |
7.23 | アスコット | KGVI&QES | G1 | 芝2390m(良) | 6 | 6 | 5 | 5着 | - | 18馬身 | C.キーン | 9-2 | Pyledriver |
10. 2 | パリロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m(重) | 20 | 7 | 18 | 6着 | - | 7+1⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 8-13 | Alpinista |
2023. | 3.25メイダン | ドバイシーマC | G1 | 芝2410m(良) | 10 | 1 | 8 | 2着 | - | 3+1⁄2馬身 | R.ムーア | 8-13 | Equinox |
6. 2 | エプソム | コロネーションC | G1 | 芝2410m(良) | 5 | 3 | 5 | 2着 | - | 1+3⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 9-2 | Emily Upjohn |
7. 8 | サンクルー | サンクルー大賞 | G1 | 芝2400m(稍重) | 5 | 4 | 3 | 1着 | 2:25.46 | 2馬身 | R.ホーンビィ | 9-3 | (Zagrey) |
7.29 | アスコット | KGVI&QES | G1 | 芝2390m(稍重) | 10 | 10 | 8 | 2着 | - | アタマ | R.ホーンビィ | 9-9 | Hukum |
10. 1 | パリロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m(稍重) | 15 | 1 | 6 | 2着 | - | 1+3⁄4馬身 | R.ホーンビィ | 9-5 | Ace Impact |
種牡馬時代
[編集]2024年から北海道新冠町の優駿スタリオンステーションにて種牡馬として繋養されることが発表された[21]。
血統表
[編集]ウエストオーバーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サドラーズウェルズ系 |
[§ 2] | ||
父 Frankel 鹿毛 2008 |
父の父 Galileo鹿毛 1998 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | ||||
Urban Sea | Miswaki | |||
Allegretta | ||||
父の母 Kind鹿毛 2001 |
*デインヒル | Danzig | ||
Razyana | ||||
Rainbow Lake | Rainbow Quest | |||
Rockfest | ||||
母 Mirabilis 鹿毛 2002 |
Lear Fan 鹿毛 1981 |
Roberto | Hail To Reason | |
Bramalea | ||||
Wac | Lt. Stevens | |||
Belthazar | ||||
母の母 Media Nox栗毛 1993 |
Lycius | Mr Prospector | ||
Lypatia | ||||
Sky Love | Nijinsky | |||
Gangster of Love | ||||
母系(F-No.) | Turk Mare(FN:23-b) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer:S4×S5×M5, Mr. Prospector:M4×S5 | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
[編集]- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
- ^ a b “ウエストオーバー(Westover) | 競馬データベース | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “英G3クラシックトライアル、新星ウエストオーバーが重賞初制覇 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “デザートクラウンが英ダービーを圧勝、スタウト師は6度目の栄冠 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “ウエストオーバーが愛ダービーを圧勝、英オークス馬チューズデーは4着に終わる | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “パイルドライヴァーが英G1キングジョージで波乱呼ぶ、ウエストオーバーら3歳馬は惨敗 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ a b “愛ダービー馬ウエストオーバーは夏休み、英セントレジャーでの復帰有力か | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “愛ダービー馬ウエストオーバーは英セントレジャーに向かわず凱旋門賞参戦へ - 海外 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “凱旋門賞(G1) 2022/10/2(日) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “【ドバイシーマクラシック】イクイノックスがノーステッキで圧巻の逃げ切り! | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “コロネーションカップ(G1) 2023/6/2(金) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “英G1コロネーションC、紅一点のエミリーアップジョンが強豪牡馬を一蹴 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “サンクルー大賞(G1) 2023/7/8(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “仏G1サンクルー大賞はウエストオーバーが完勝、次戦はキングジョージが有力 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、フクムがウエストオーバーとの激闘を制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年8月16日閲覧。
- ^ 【凱旋門賞】ウエストオーバーのベケット師「2着を誇りに思う」次走はBCターフを予定JRA-VAN Ver world、2023年10月2日配信・閲覧
- ^ 凱旋門賞2着馬ウエストオーバーが故障のため引退サンケイスポーツ、2023年10月5日配信・閲覧
- ^ “ウエストオーバー(Westover) | 競馬データベース”. JRA-VAN ver.World. 2023年11月30日閲覧。
- ^ “Westover | Race Record & Form | Racing Post”. www.racingpost.com. 2023年11月30日閲覧。
- ^ 久野朗. “愛ダービー馬ウエストオーバーが優駿SSで種牡馬入り G1・2勝、凱旋門賞2着後に電撃引退 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年11月2日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|Westover(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “Westoverの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2023年7月12日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post