エイミー・カーター
エイミー・カーター Amy Carter | |
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1977年 | |
生誕 |
Amy Lynn Carter 1967年10月19日(57歳) アメリカ合衆国 ジョージア州プレーンズ |
出身校 | |
政党 | 民主党 |
子供 | 2人 |
親 |
ジミー・カーター (父) ロザリン・カーター (母) |
家族 |
ジャック・カーター (兄) ジェームズ・アール・カーター3世 ドネル・ジェフリー・"ジェフ"・カーター (兄) |
エイミー・リン・カーター(Amy Lynn Carter, 1967年10月19日 - )は、第39代アメリカ合衆国大統領のジミー・カーターとファーストレディのロザリン・カーターの娘である。カーター政権下ではホワイトハウスに住んでいたことから幼少期から脚光を浴びていた。
生い立ちと教育
[編集]エイミー・カーターは1967年10月19日にジョージア州プレーンズで生まれた。彼女の父は1970年にジョージア州知事、1976年にアメリカ合衆国大統領に選出された。父が知事に選出するまでにはプレインズで育ち、選出後はアトランタのジョージア州知事公邸に家族で移り住んだ。父が大統領に選出された9歳の時にホワイトハウスに移り住んだ。
カーターはホワイトハウスでの4年間はワシントンの公立学校に通った。最初はスティーブンス小学校、次はローズ・ハーディ中学校に通った[1]。
父の大統領職後にカーターはアトランタに移り、カレッジパークのウッドワード・アカデミーで高校最終学年を迎えた[2]。彼女は1982年夏期には上院奉仕係を務めていた[3]。カーターはブラウン大学に進学したが、「授業についていけなかった」ために1987年に退学となった[4]。その後彼女はメンフィス美術大学でBFA[5]、1996年にニューオーリンズのテュレーン大学で美術史の修士号を取得した[6]。
ホワイトハウスでの生活
[編集]1977年1月、9歳のカーターのホワイトハウスでの4年間の生活が始まった。1960年代初頭のジョン・F・ケネディ大統領時代以来、幼い子供がホワイトハウスに住むことはなかったため、この時期に彼女は多くのメディアの注目を集めた(カーター以降も1993年1月のビル・クリントン就任後のチェルシーの入居までなかった)。
ホワイトハウス居住中にカーターはミスティ・マラーキー・イン・ヤン(Misty Malarky Ying Yang)というシャム猫を飼っていたが、これ以降ホワイトハウスに猫が住むのはビル・クリントンが飼っていたソックスまで待つこととなる。またカーターは移民からスリランカの象を譲り受け、これはワシントンD.C.の国立動物園に寄贈された。カーターはスティーブンス小学校やローズ・ハーディ中学校といった公立学校に通っていた[7][8][9][10]。
カーターはホワイトハウスのイーストルームをローラースケートで移動し、南庭にはツリーハウスを持っていた[7]。彼女はツリーハウスに友人を招いてパジャマパーティを開き、その様子は地上からシークレットサービスにより地上から監視されていた[11]。
1971年の父の州知事時代から大統領職が終わるまでのほとんどのあいだ、殺人で有罪判決を受け、後に無罪・恩赦となり、ジョージア州刑務所の出所プログラムを受けていたアフリカ系アメリカ人女性のメアリー・プリンスが彼女のナニーを務めていた[12][13]。
カーターは後年のチェルシー・クリントンの時のようなメディアによる「無干渉」の扱いを受けなかった[11]。父は1980年の大統領選挙におけるロナルド・レーガンの討論会の際に娘に言及し、彼女にこの選挙で最も重要な問題は何かを尋ねたところ「核兵器の管理」と答えたと述べた。
かつて記者からアメリカの子供たちに何かメッセージはないかと質問された際に彼女は記者の目を正視し、少しの間考えた末に「無い」と答えた[14]。
1977年2月21日、カナダ首相のピエール・トルドーを招いたホワイトハウスの国賓晩餐会で父とトルドーがフォーマルな乾杯を交わしている間、9歳の彼女は『ガラスの大エレベーター』と『The Story of the Gettysburg Address』を読んでいた[15]。
政治的活動
[編集]ホワイトハウス後のカーターは政治活動家として知られるようになった。1980年代から1990年代初頭にかけての彼女は南アフリカのアパルトヘイトや中央アメリカに対するアメリカ政府の外交方針の変更を求めての座り込みや抗議活動に参加した[11]。彼女は活動家のアビー・ホフマンら13人と共にマサチューセッツ大学アマースト校でのCIA雇用に抗議するための1986年のデモで逮捕された。彼女はマサチューセッツ州ノーサンプトンで行われた裁判で全ての容疑で無罪を勝ち取った。1960年代のシカゴ・セブン裁判でホフマンの弁護を担当していた弁護士のレナード・ワイングラスは緊急避難の理論を展開し、CIAは中央アメリカなどのホットスポットで犯罪活動に関与しているため、キャンパス内での勧誘を妨害することは燃え盛るビルへの不法侵入に等しいと主張して無罪に導いた[16]。
私生活
[編集]カーターは1995年に出版された父が書いた児童書『The Little Baby Snoogle-Fleejer』の挿絵を担当した[11]。
1996年9月、カーターはテュレーン大学在学中に知り合ったコンピュータ・コンサルタントのジェームズ・グレゴリー・ウェンツェル(James Gregory Wentzel)と結婚した。ウェンツェルはカーターがパートタイムで働いていたアトランタの書店のチャプター・イレブンでマネージャーをしていた[17][18]。2人のあいだには息子のヒューゴ・ジェームズ・ウェンツェル(Hugo James Wentzel, 1999年)が生まれた。その後2人は離婚し、彼女は2007年にジョン・ジョセフ・"ジェイ"・ケリー(John Joseph "Jay" Kelly)と再婚した。2人には別の息子のエロール・カーター・ケリー(Errol Carter Kelly)がいる[19][20]。
1990年後半からのカーターは公な抗議活動に参加したりインタビューに応じることはなく、控えめな姿勢を保っている。このジョは父が設立した人権と外交を提唱するカーター・センターの顧問団の一員である[11]。
参考文献
[編集]- ^ Baltimore Sun: "Jimmy Carter's first decisions as president-elect..." By THEO LIPPMAN JR. January 7, 1993
- ^ “Amy Carter is 17”. The New York Times. (October 18, 1984) September 2, 2011閲覧。
- ^ “Amy Carter takes oath as Senate page” (英語). UPI. December 31, 2020閲覧。
- ^ "Amy Carter ouster by Brown U. told", Chicago Sun-Times, July 19, 1987.
- ^ Beifuss, John (October 24, 2017). “Memphis College of Art to close” (英語). The Commercial Appeal. November 15, 2019閲覧。
- ^ “Notable Tulane University Graduates”. Tulane University. November 15, 2019閲覧。
- ^ a b St. Clair, Stacy (November 7, 2008). “American Girls: For Obama's daughters, White House life isn't going to be normal”. Chicago Tribune November 11, 2008閲覧。
- ^ “Explore DC: Hardy Middle School”. March 11, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。March 8, 2013閲覧。
- ^ First choice: why Chelsea Clinton should attend a public school – President-elect Bill Clinton's daughter
- ^ Graff, Amy (November 8, 2008). “Where will the Obama girls go to school?”. The Mommy Files (San Francisco Chronicle) November 11, 2008閲覧。
- ^ a b c d e Steindorf, Sarah (February 17, 2000). “'Whatever happened to...?' Amy Carter”. The Christian Science Monitor. オリジナルのApril 10, 2008時点におけるアーカイブ。 November 16, 2010閲覧。
- ^ Jimmy Carter (2005). Our Endangered Values: America's Moral Crisis. Simon and Schuster. pp. 84–. ISBN 978-0-7432-8457-8 . "My last book, Sharing Good Times, is dedicated "to Mary Prince, whom we love and cherish." Mary is a wonderful black woman who, as a teenager visiting a small town, was falsely accused of murder and defended by an assigned lawyer whom she first met on the day of the trial, when he advised her to plead guilty, promising a light sentence. She got life imprisonment instead ... A reexamination of the evidence and trial proceedings by the original judge revealed that she was completely innocent, and she was granted a pardon."
- ^ Chabbott, Sophia (March 19, 2015). “The Residence: Meet the Women Behind Presidential Families Kennedy, Johnson, Carter”. Glamour.com. May 2, 2015閲覧。 “Rosalynn Carter, who believed Prince was wrongly convicted, secured a reprieve so Prince could join them in Washington. Prince was later granted a full pardon; to this day she occasionally babysits the Carters' grandkids.”
- ^ Miller, Danny (January 25, 2006). “I Heart Amy Carter”. huffpost.com. The Huffington Post. November 29, 2020閲覧。 “My all-time favorite First Kid was Amy Carter. More than any of the others, she seemed unscathed by her experience in the public eye.”
- ^ Anthony, Carl (March 24, 2016). “Presidential Daughters Attending State Dinners, Part 3”. firstladies.org. National First Ladies' Library. November 29, 2020閲覧。 “Art Buchwald said that people are overreacting to Amy sticking her nose in a book between courses and that sometimes he wished he could read during such dinners.”
- ^ Kraft, Stephanie (April 20, 1987). “The Triumph of Necessity”. Valley Advocate. オリジナルのJanuary 22, 2004時点におけるアーカイブ。 January 4, 2014閲覧。
- ^ MINOR, ELLIOTT (1 September 1996). “Amy Carter Weds At Family Estate” (英語). AP NEWS 21 February 2023閲覧。
- ^ Roberts, Roxanne (August 14, 1996). “Amy Carter Set to be September Bride”. The Washington Post November 14, 2019閲覧。
- ^ Lakritz, Talia (3 February 2022). “WHERE ARE THEY NOW: First kids of the United States”. Business Insider 20 February 2023閲覧。
- ^ Alston, Beth (31 August 2019). “Leila Case: Steinway piano artist gives presidential performance” (英語). Americus Times-Recorder 20 February 2023閲覧。