エンスージアスト
エンスージアスト(enthusiast)とは、「熱狂的な支持者」といったような意味を持つ。
原義
[編集]古代ギリシア
[編集]ギリシア語の enthousiasmos が語源。エンスージアストの元となった語、エンスージアズム (wikt:enthusiasm) は古来、「霊感(インスピレーション)、(霊などに)とり憑かれること」を意味し、エンスージアスト(wikt:enthusiast)は「霊にとり憑かれた人」を意味した。
アポロンがピュティアに、ディオニュソスがマイナス(Maenads:ディオニソスのグルーピーの女達)にしたように、古代ギリシア人にとっては霊がとり憑いて出現すること(マニフェステーション)がエンスージアズムであった。
エンスージアズムは他に、「意識の転送」も意味した。ソクラテスは「詩人のインスピレーションとはエンスージアズムの一形態である」と言っている。神の意識が転送されてインスピレーションを受けることもエンスージアズムであった。
エンスージアズムが使用される文脈は、宗教的な意味をもっており、宗教的な霊感や宗教的な熱狂状態に限られていた。
英語
[編集]英語での汎用辞書として最初に編纂されたジョンソン辞典(Johnson's Dictionary、正式名称: A Dictionary of the English Language 。1755年刊)ではエンスージアズムを、「ある個人に起こった天啓、神の啓示を思い込みすぎること」と記されている。
現代の用法
[編集]現代英語では「熱心に楽しむこと、熱心に興味をもつこと、積極的な肯定」の意味を持つ。今日の日本語では単に「エンスージアスト」もしくはその略称の「エンスー」といった場合、「カーエンスー」(カーマニア)など自家用車などのモビリティや「オーディオエンスー」(オーディオマニア)などピュアオーディオなどの音響機器を所有し、熱心な人を指すことも少なくない。尤も、ヤマハ発動機ではオートバイに情熱を注ぐ人との説明をしている[1]。
今では他の考え方(宗教やイデオロギーなど)とは対立する意味はなくなり、心から献身的に理想、主義主張、研究、探求することを意味する。用語自体は中立であり、尊敬も蔑視の意味もそこにはなく、それは使用する文脈や使用する人によって変わる。つまり、ある人は尊敬の意味だけ、ある人は蔑視だけの意味に使うことがある。蔑視的な使い方の場合、過度に偏向していたり、異議を認めない姿勢に対しての批判であることが多い。