カンガルー・ノート
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カンガルー・ノート | |
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訳題 | Kangaroo Notebook |
作者 | 安部公房 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 長編小説 |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 『新潮』1991年1月号-7月号 |
刊本情報 | |
出版元 | 新潮社 |
出版年月日 | 1991年11月 |
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『カンガルー・ノート』は、安部公房による長編小説。1991年11月に新潮社より刊行された。1995年には文庫版が刊行されている。
生前、安部が最後に完成させた長編小説であり、一般的には安部の遺作と位置づけられている。新潮社出版の文庫版「カンガルー・ノート」のあらすじにも、「最後の長編」の記載がある。なお、安部の死後に未完の長編『飛ぶ男』が発見されており、こちらを遺作とする向きもある。
内容
[編集]脛にかいわれ大根が生えてくるという奇病を患った男は、訪れた病院の医師によって自走ベッドに括り付けられ、療養のために硫黄温泉を目指す。男は自らのかいわれ大根を齧りながら、自走ベッドとともに、地下坑道、賽の河原…と、夢とも現実ともつかない物語の連鎖を巡る。しかし既に郷愁すら感じていたベッドの破壊と、魅力的な少女との再会とともにその連鎖も終焉を迎える。夢から醒めさせられるような、男の死をにおわせる無機的な新聞記事の抜粋とともに、物語は終わる。
死のイメージに溢れており、当時病床にあった安部と合わせて語られることの多い作品である。だがその語り口は軽妙であり、ありがちな暗鬱さは感じられない。
書誌情報
[編集]- 『カンガルー・ノート』新潮社、1991年11月。ISBN 4-10-300809-1。
- 『カンガルー・ノート』新潮社〈新潮文庫〉、1995年2月。ISBN 4-10-112124-9 。
- 『安部公房全集29 1990.1-1993.1』新潮社、2000年1月。ISBN 978-4-10-640149-7 。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 高野斗志美 編『新潮日本文学アルバム51 安部公房』新潮社、1994年4月。ISBN 978-4106206559。