キナタイ マニラ・アンダーグラウンド
キナタイ マニラ・アンダーグラウンド | |
---|---|
Kinatay | |
監督 | ブリランテ・メンドーサ |
脚本 | アルマンド・レオ |
製作 |
ディディエ・コステ フェルディナンド・ラプス[1] |
出演者 |
ココ・マルティン ジョン・レガラ マリア・イサベル・ロペス ジュリオ・ディアス ジョン・イラリオ メルセデス・カブラル |
音楽 | テレサ・バローソ[1] |
撮影 | オデッセイ・フローレス[1] |
編集 | カッツ・セラオン[1] |
配給 | 熱帯美術館 |
公開 |
2009年5月17日(カンヌ) 2009年9月23日(フィリピン) |
上映時間 | 105分 |
製作国 |
フィリピン[1] フランス[1] |
言語 | フィリピン語 |
『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』(Kinatay)は[2][3]、フィリピン=フランス合作のドラマ映画。監督はブリランテ・メンドーサ[4]。
恋人や赤ん坊のために犯罪に手を染める警察学校の学生の物語である[4]。題名の「Kinatay」は屠殺を意味する[5]。娼婦による代行殺人が行われ、遺体切断などの猟奇的なシーンを有するため、フィリピン国内では商業上映が不可能となっている[5]。
出演者
[編集]- ココ・マルティン : ペピン
- ジョン・レガラ : サルジェ
- マリア・イサベル・ロペス : マドンナ/ジーナ
- ジュリオ・ディアス : ビック/カップ
- ジョン・イラリオ : アビョン
- メルセデス・カブラル : セシル
製作・公開
[編集]2000年代前半のフィリピン映画は年間製作本数が激減するなどして瀕死の状態だったが、打開策として2005年にシネマラヤ・インディペンデント映画祭が初開催され、社会性に富んだ独立系作品が多数制作されるようになった[5]。この映画祭をきっかけとして国際的な評価を高めた監督にブリランテ・メンドーサがおり、2008年の『Serbis』はフィリピン映画として初めてカンヌ国際映画祭に正式出品されている[4]。メンドーサ監督が『Serbis』に続いて製作したのが『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』である。メンドーサ監督はこの作品が実話に基づいているとしている[6]。
2009年5月17日の第62回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、メンドーサが監督賞を受賞した[7]。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した初のフィリピン映画である[3]。。2009年のシネマラヤ・インディペンデント映画祭でも上映されている。2009年9月23日にフィリピンで劇場公開された。日本では熱帯美術館が配給し、2011年8月13日に「三大映画祭週間」の一環で劇場公開された[4]。
評価
[編集]映画レビューサイトのRotten Tomatoesでは、71%の支持を受けており、レーティングは10点満点で5.9点である[2]。
この作品に対する評論家の評価はさまざまである。ドイツの映画サイトであるKino Zeitのカトリン・クナウトは、「残虐な場面はあるが、強く引き付けられる力強い映画である」と書いた[8]。シカゴ・サンタイムズ紙の映画評論家であるロジャー・イーバートはこの作品を批判し、「かつて『ブラウン・バニー』をカンヌ国際映画祭史上最低の作品と書いてしまったが、ヴィンセント・ギャロ監督に謝らなければならない」(『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』はカンヌ史上最低の作品である)と書いた[9]。
受賞とノミネート
[編集]年 | 映画賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
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2009 | 第62回カンヌ国際映画祭[7] | パルム・ドール | ノミネート | |
監督賞 | ブリランテ・メンドーサ | 受賞 | ||
2009 | シッチェス・カタロニア国際映画祭[10][11] | 監督賞 | ブリランテ・メンドーサ | 受賞 |
作曲賞 | テレサ・バローソ | 受賞 | ||
2010 | ガワッド・ウリアン賞[12][13][14] | 作品賞 | 受賞 | |
監督賞 | ブリランテ・メンドーサ | 受賞 | ||
作曲賞 | テレサ・バローソ | 受賞 | ||
2010 | ゴールデン・スクリーン賞[15][16] | 主演男優賞 | ココ・マルティン | 受賞 |
助演女優賞 | マリア・イサベル・ロペス | 受賞 | ||
監督賞 | ブリランテ・メンドーサ | 受賞 | ||
2009 | ガワッド・タングロー賞[17] | 助演女優賞 | マリア・イサベル・ロペス | 受賞 |
審査委員長賞 | ココ・マルティン | 受賞 |
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “Kinatay (2009)”. British Film Institute 20 April 2018閲覧。
- ^ a b “Kinatay (Butchered) (The Execution of P) (2009)”. Rotten Tomatoes. 9 November 2014閲覧。
- ^ a b Agoncillo, Jodee (28 May 2009). “Arroyo cites Kinatay director for winning Cannes 2009 award”. GMA News 9 November 2014閲覧。
- ^ a b c d “キナタイ マニラ・アンダーグラウンド”. 映画.com. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b c 大野拓司・鈴木伸隆・日下渉『フィリピンを知るための64章』明石書店〈エリア・スタディーズ〉、2016年、pp.151-155
- ^ “Press kitt”. カンヌ国際映画祭. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b “Festival de Cannes: Kinatay”. festival-cannes.com. 4 July 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2009閲覧。
- ^ “Kinatay”. Kino Zeit. 2018年11月11日閲覧。
- ^ Ebert, Roger (16 May 2009). “CANNES #4: WHAT WERE THEY THINKING OF?”. RogerEbert.com. 25 July 2016閲覧。
- ^ “Moon, Best Feature Film of Sitges 09”. Sitges Film Festival (11 October 2009). 9 November 2014閲覧。
- ^ “'Kinatay' wins in Spain filmfest”. ABS-CBN News. (10 October 2010) 9 November 2014閲覧。
- ^ “33rd Gawad Urian winners”. Manunuri ng Pelikulang Pilipino. 9 November 2014閲覧。
- ^ Cornell, Catherine (30 April 2010). “Mendoza's 'Kinatay', 'Lola' win big in 33rd Gawad Urian”. ABS-CBN News 9 November 2014閲覧。
- ^ Jarloc, Glaiza (30 April 2010). “‘Kinatay’ bags awards in Gawad Urian”. Sun.Star Manila 9 November 2014閲覧。
- ^ Jarloc, Glaiza (8 May 2010). “Winners in Golden Screen Awards bared”. Sun.Star Manila 9 November 2014閲覧。
- ^ Llanes, Rommel R. (6 May 2010). “Indie films rule at the 7th Golden Screen Awards”. Philippine Entertainment Portal 9 November 2014閲覧。
- ^ Dimaculangan, Jocelyn (23 January 2010). “Winners of 8th Gawad Tanglaw revealed”. Philippine Entertainment Portal 9 November 2014閲覧。