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クビワミフウズラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クビワミフウズラ科から転送)
クビワミフウズラ
クビワミフウズラ
クビワミフウズラ Pedionomus torquatus
保全状況評価[a 1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
亜目 : シギ亜目 Scolopaci
: クビワミフウズラ科
Pedionomidae Bonaparte, 1856
: クビワミフウズラ属
Pedionomus Gould, 1841
: クビワミフウズラ P. torquatus
学名
Pedionomus torquatus Gould, 1841
和名
クビワミフウズラ
英名
Collared hemipode
Plains-wanderer
Plains wanderer

クビワミフウズラ(首輪三斑鶉、Pedionomus torquatus)は、鳥綱チドリ目クビワミフウズラ科クビワミフウズラ属に分類される鳥類。本種のみでクビワミフウズラ科クビワミフウズラ属を構成する。

分布

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オーストラリア[1][2]クイーンズランド州ニューサウスウェールズ州ビクトリア州南オーストラリア州東部)[3]固有種

形態

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全長15-19センチメートル[1]。オスよりもメスの方がやや大型になる[1][3]。体形は太い[3]。尾羽は非常に短い[3]。上面の羽衣は褐色で、黒や淡褐色の斑紋が入る[1][3]。下面の羽衣は白く、胸部から体側面にかけて黒い斑紋が入る[1][3]。翼は短く丸みを帯びる[3]

虹彩は白い[3]。嘴はやや細長い[3]。後肢や第2-4趾はやや長く、第1趾は短い[1][3]。嘴や後肢は淡黄色[3]

頚動脈が対になり総頚動脈を形成する[2]

卵は洋ナシ型[3]。殻は黄色や灰白色、淡緑色で、灰色や暗褐色の斑紋が入る[3]。メスの成鳥は喉の羽衣が黒く白い斑紋が入り[1][3]、和名や英名(collared=首輪のある)の由来になっている。胸部に赤褐色の斑紋が入る[1][3]

分類

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ミフウズラ科に類似し近縁と考えられていた[3]。一方でヒバリチドリ科に近縁とする説もあり[2]、分子系統学的解析ではヒバリチドリ科と単系統群を形成するという解析結果が得られている。

Baker et al. (2007)[4]より。

チドリ目

チドリ亜目 Charadrii

シギ亜目

タマシギ科 Rostratulidae

レンカク科 Jacanidae

クビワミフウズラ科 Pedionomidae

ヒバリチドリ科 Thinocoridae

シギ科 Scolopacidae

カモメ亜目

ミフウズラ科 Turnicidae

 


Gadow (1893) により、ツル目にミフウズラ科と共に含められた。Wetmore (1960) では、それら2科はツル目ミフウズラ亜目Turnicesとしてまとめられた。 シブリー・アールキスト鳥類分類では、チドリ下目Charadriides(チドリ目にあたる)シギ小目Scolopacida(シギ亜目にあたる)に移された。 チドリ目内で本科のみでクビワミフウズラ亜目Pedionomaeを構成する説もあった[5]

生態

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乾燥した草原に生息する[1][3]。単独もしくはペアで生活する[1][3]。渡りは行わないが、季節や天候により長距離を移動する事もあり英名(wanderer=放浪者)の由来になっている[3]。爪先で立ち上がったり頸部を伸ばして周囲を警戒する。危険を感じると走って逃げるか、茂みの中に身を隠す。

食性は雑食で、昆虫種子などを食べる[1][3]

繁殖形態は卵生。地面の窪みに草を敷いた巣に、1回に2-5個(平均4個)の卵を産む[1][3]。主にオスが抱卵し、抱卵期間は約23日[1]。育雛も主にオスが行う[1][3]

人間との関係

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開発による生息地の破壊、狩猟、人為的に移入された動物(アカギツネ、イヌ、ネコなど)による捕食、植物による食性の変化などにより生息数は減少している[1][3]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社2000年、81、174頁。
  2. ^ a b c 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、173-174頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、24-25、158頁。
  4. ^ Baker, Allan J.; Pereira, Sérgio L.; Paton, Tara A. (2007), “Phylogenetic relationships and divergence times of Charadriiformes genera: multigene evidence for the Cretaceous origin of at least 14 clades of shorebirds”, Biol Lett. 3 (2): 205–209, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2375939/ 
  5. ^ Livezey, Bradley C.; Zusi, Richard (2007), “Higher-order phylogeny of modern birds (Theropoda, Aves: Neornithes) based on comparative anatomy. II. Analysis and discussion”, Zoological Journal of the Linnean Society 149: 1–95, http://biology-web.nmsu.edu/houde/Livezey&Zusi_2007.pdf 

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • BirdLife International 2008. Pedionomus torquatus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.