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クレアモント・カレッジズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クレアモント大学から転送)
Claremont Colleges Consortium

クレアモント・カレッジズ(Claremont Colleges)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州クレアモントにある、5校のリベラルアーツ・カレッジと2校の大学院からなるコンソーシアムである。

マサチューセッツ州のFive College Consortiumやペンシルバニア州のTri-College Consortiumいった多くの大学コンソーシアムとは異なり、クレアモント・カレッジズのキャンパスは、それぞれが歩いて行ける距離内に近接している[1]。全てのキャンパスを合わせると面積は約260ヘクタールになる。

合計8,500人以上の学生、約3200人の教員とスタッフを抱え、クレアモント・カレッジズでは2000以上の課程が提供されている[2]。この独特なコンソーシアムをフィスク・ガイドは「アメリカでは他に例を見ない知的資源の集積」と評している[3]

クレアモント・カレッジズ 構成大学

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Claremont Colleges Map

クレアモント・カレッジズのコンソーシアム創設は、ポモナ・カレッジ(1887年創立)に隣接して1925年にクレアモント大学院大学が創立されたことにより始まる。クレアモント大学院大学はマネジメントの父ピーター・ドラッカーが、長きにわたり教鞭を執った大学院である。

特化性・柔軟性・各学生への配慮などといった小規模大学の利点と、大規模大学の機能性を併せ持つことがコンソーシアムの目的とされている[4]。各大学間では単位交換のみならず、他大学でメジャー(専攻)を取ることも可能である。

区分化されたカレッジ制大学のデザインはオックスフォード大学の影響を受けている。

Smith Tower & San Gabriel Mountain

5つのリベラルアーツ・カレッジ

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ピーター・ドラッカーはクレアモント・カレッジで30年間教鞭を執った
Scripps College

これら5つの大学は主に「5Cs」と呼ばれており、他の2つの大学院大学を含める時は「7Cs」と呼称され、それぞれの大学に異なる文化や特色がある。

たとえばポモナ大学が「Learn for the sake of Learning(学びのための学び)」とリベラルアーツの神髄を追求するのに対し、クレアモント・マッケナ大学は「Learn for the sake of Doing(実践のための学び)」と実学に重きを置き、ワシントンDCの政府機関やシリコンバレーTech企業等でのインターンシップや産学共同プログラムが充実している。

ハーヴィー・マッド大学は理系のみの学位を提供し、リベラルアーツ・カレッジながらマサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア工科大学(Cal-Tech)と並ぶレベルの高度なSTEMプログラムが提供されている。

これらコンソーシアム内では大学間の横の交流が盛んであり、他のカレッジの授業を受けることやメジャーを取ることも可能である。

2つの大学院

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2008年中頃、クレアモント・カレッジズはシンガポール国立大学と協調して、6つ目のクレアモント・カレッジをシンガポールに設立する計画を調整し始めていたが、2009年10月にシンガポール教育省が財政支援案を撤回した[5]。もし実現すれば、リベラルアーツ・カレッジとしては類を見ないパートナーシップとなるところであった。

Pomona College Bridges Hall

ランキング

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Forbes Top25 Liberal Arts Colleges in the U.S. (2017年版)では5Csは以下のようにランクされた。

ポモナ大学1位、クレアモント・マッケナ大学2位、ハーベイ・マッド大学5位、スクリプス大学16位[6]

Times Higher Education Best Liberal Arts Colleges in the United States(2017年版)ではポモナ大学3位、クレアモント・マッケナ大学8位[7]

合格率

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Acceptance Rate(合格率)は2016年実績でポモナ大学、クレアモント・マッケナ大学ともに9%だった[8]。リベラルアーツ・カレッジで1ケタ台であるのは現在、米国ではこの2校のみである。

東海岸のリベラルアーツの雄ウィリアムズ大学(同18%)やアマースト大学(同14%)よりも低く、アイビーリーグスタンフォード大に次ぐ合格率の低さである。 1学年あたりの人数が少ないこと(ポモナ大、クレアモント・マッケナ大ともに350名弱)、またカリフォルニアという抜群の気候の良さも手伝い、全米最難関な少数精鋭カレッジ・コンソーシアムである。

共有施設

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Pitzer College Brant Clock Tower

共有施設にはクレアモント・カレッジズ図書館、Tranquada学生サービスセンター、McAlisterセンター、Huntley書店、食堂、スポーツ施設などが含まれる。クレアモント・カレッジズ図書館の蔵書数はカリフォルニア州でスタンフォード大学南カリフォルニア大学に次いで3位である[4]

外部リンク

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脚注

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