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コルシカ島のキツネネコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コルシカヤマネコから転送)

コルシカ島のキツネネコは、フランスコルシカ島に生息する野生ネコの地域個体群。ヨーロッパヤマネコリビアヤマネコイエネコとは遺伝的に異なるとする主張がある。リビアヤマネコの亜種と考えられていた孤立した野猫の集団であるが、現在では1千年初頭頃にコルシカ島に導入されたと考えられている[1][2]

尻尾の先端が黒く輪状の模様があることから、「キツネネコ」(コルシカ語:ghjattu volpe、フランス語:chat renard、英語:cat-fox)と呼ばれている[3]

2019年、複数の新聞がキツネネコを、これまで知られていなかった猫の一種として発見されたとする報道を行った[4]。この動物を新種の可能性として記述することが草案化されており、その他の研究も進んでいたが2023年3月17日、フランス生物多様性局は同種をコルシカ島固有の種と発表した[5][信頼性要検証][6]

分類

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学名Felis reyiは、1929年にルイ・ラヴォーデンがコルシカ島のビグリアで採取された雌猫標本の皮膚と頭蓋骨についての解説に記載し、新種としたことに由来する[7]。 のちにレジナルド・インズ・ポコックロンドン自然史博物館に収蔵されたネコ属の皮膚を検証した結果、アフリカヤマネコの亜種として再分類された[8]。 コルシカ島での動物考古学調査を受けて、ローマ帝国の時代にコルシカ島に導入された[1]とみなされ、イエネコの系統に由来すると考えられ、2017年の時点で有効種または亜種と考えられていなかった[2]

しかし2023年1月、遺伝子解析によりコルシカ島個体群はヨーロッパヤマネコやイエネコの系統には属さず、サルデーニャ島のリビアヤマネコに近縁とする科学論文が発表され、進化的重要単位として注目されている[9][6]

特徴

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アフリカヤマネコよりも尾が短く、耳の裏が暗褐色であると説明されている[7][2]

さらに詳しい特徴としては、頭から尾までが約90センチメートル。前脚は縞模様、後脚は非常に濃い茶色、腹部の毛は小豆色で、被毛全体は密で絹のようである。尾は最も特徴的で、輪状の模様を持ち先端が黒くなっている[10][5]

文化

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キツネネコはヤギを襲う森の猫として、地元の羊飼いたちの民話に登場する[10][5]

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b Vigne, J.-D. (1992). “Zooarchaeology and the biogeographical history of the mammals of Corsica and Sardinia since the last ice age”. Mammal Review 22 (2): 87–96. doi:10.1111/j.1365-2907.1992.tb00124.x. 
  2. ^ a b c Kitchener A. C., Breitenmoser-Würsten Ch., Eizirik E., Gentry A., Werdelin L., Wilting A., Yamaguchi N., Abramov A. V., Christiansen P., Driscoll C., Duckworth J. W., Johnson W., Luo S.-J., Meijaard E., O’Donoghue P., Sanderson J., Seymour K., Bruford M., Groves C., Hoffmann M., Nowell K., Timmons Z. & Tobe S. (2017). “A revised taxonomy of the Felidae. The final report of the Cat Classification Task Force of the IUCN/SSC Cat Specialist Group”. Cat News Special Issue 11, pp. 1-80.
  3. ^ Alex Ledsom (2019年6月19日). “Meet Corsica's New Mammal Species, The 'Cat-Fox,' Which Has Been Terrorizing Shepherds” (英語). Forbes. 2023年5月1日閲覧。
  4. ^ “仏コルシカ島で「キツネネコ」捕獲?当局は新種と主張”. AFPBB News. (2019年6月14日). https://www.afpbb.com/articles/-/3230029 2023年3月20日閲覧。 
  5. ^ a b c “仏コルシカ島の「キツネネコ」、固有種と判明”. AFPBB News. (2023年3月17日). https://www.afpbb.com/articles/-/3456038 2023年3月20日閲覧。 
  6. ^ a b U ‘Ghjattu Volpe’ est bien un chat spécifique de Corse” (フランス語). L'Office français de la biodiversité (2023年3月16日). 2023年3月30日閲覧。
  7. ^ a b Lavauden, L. (1929). image “Sur le Chat sauvage de la Corse [On the Wildcat of Corsica]”. Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des Sciences 189 (7): 1023-1024. https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k3142j/f1027. image. 
  8. ^ Pocock, R. I. (1951). Felis lybica sarda, Lataste”. Catalogue of the genus Felis. London: British Museum (Natural History). pp. 52–61. https://archive.org/stream/catalogueofgenus00brit#page/n6/mode/1up 
  9. ^ Portanier E, Henri H, Benedetti P, Sanchis F, Régis C, Chevret P, Zedda M, El Filali A, Ruette S, Devillard S (19 January 2023). “Population genomics of Corsican wildcats: paving the way towards a new sub‐species within the Felis silvestris spp. complex?”. Molecular Ecology. doi:10.1111/mec.16856. PMID 36655989. 
  10. ^ a b “Mysterious Corsican 'cat-fox' revealed as unique species” (英語). (16 March 2023). https://phys.org/news/2023-03-mysterious-corsican-cat-fox-revealed-unique.html 2023年5月1日閲覧。