コルダイト
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(コルダイト火薬から転送)
コルダイト(英: cordite)は、フレデリック・エイベルとジェイムズ・デュワーによって1889年に発明された無煙火薬の1種である。ニトログリセリンとニトロセルロース(綿火薬)からなり、安定剤のワセリンを添加した物をアセトンで溶かして練って粒子状に加工することで製造される。
種類
[編集]- コルダイトMk I
- ニトログリセリン58%、ニトロセルロース37%、ワセリン5%
- コルダイトMD[注 1]
- ニトログリセリン65%、ニトロセルロース30%、ワセリン5%
- コルダイトRDB[注 2]/コルダイトSC[注 3]
- ニトログリセリン52%、ニトロセルロース42%、ワセリン6%
- コルダイトN
- ニトログリセリン、ニトロセルロース、ワセリンに、3つめの爆発物成分としてニトログアニジンを加えたものである。
アセトンの大量生産
[編集]大量のコルダイト製造には、大量のアセトンが必要だったが、当時のアセトンは木材を乾留して製造されていたため、安定供給ができなくなった。
第一次世界大戦(1914年〜)では大量のアセトンを必要としたが、大戦勃発の数年前にクロストリジウム・アセトブチリクム を使ってデンプンからアセトンを合成する手法(アセトン-ブタノール-エタノール発酵)を開発したハイム・ヴァイツマンはイギリスと協力し工業化に成功、年間3万トンのアセトンを供給可能となった[注 4][要出典]。
第二次世界大戦後にはクメン法が実用化されてアセトンの大量生産が可能となったため、ヴァイツマン法は一部の国を除いて廃れたが、オイルショック以降はバイオ燃料の製造法として再評価が進められている。