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シャクシゴケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャクシゴケ属から転送)
シャクシゴケ
分類
: 植物界 Plantae
: ゼニゴケ植物門 Marchantiophyta
: ゼニゴケ綱 Marchantiopsida
亜綱 : ウスバゼニゴケ亜綱 Blasiidae
: ウスバゼニゴケ目 Blasiales
: ウスバゼニゴケ科 Blasiaceae
: シャクシゴケ属 Cavicularia
: シャクシゴケ C. densa
学名
Cavicularia densa
Steph.[1]

シャクシゴケ (Cavicularia densa) は、ウスバゼニゴケ目に分類される苔類。本種のみでシャクシゴケ属Cavicularia)を構成する。

分布

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北海道から九州までの日本。日本固有種で、シャクシゴケ属も日本固有である[2]

特徴

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葉状体は暗緑色でうすく、裂片は小さい[3]

葉状体には小さな黒い点が一定間隔をあけて二列に並んでいる。黒点部分は2層の細胞で囲まれた腔所で、中に藍藻がコロニーを作って共生している。腔所の上から枝分かれする管のような毛がコロニーに入り込む。毛の中には原形質がある。毛先は丸い。[4]

シャクシゴケと共生している藍藻はネンジュモの1種であるが、実験的に他の植物などから抽出したネンジュモを移植しても、共生関係が再構築される[5]。葉状体の先端には三日月型の凹みがあり、そこに無性芽をつけて繁殖する[3]

またシャクシゴケの植物体には、フェノール性の化合物であるカビクラリン(Cavicularin) を含む[6]。この物質は他の生物からは知られていない[7]

近縁種

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同じウスバゼニゴケ科ウスバゼニゴケに類似するが、ウスバゼニゴケはとっくり型の容器を形成し、その中に無性芽をつくるため、シャクシゴケと区別できる[3]

脚注

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  1. ^ Stephani, F. (1897). “Hepaticae japonicae”. Bulletin de l'Herbier Boissier. Sér. 2 5: 76–108. 
  2. ^ 古木達郎「コケ便り」2、『日本植物分類学会ニュースレター』第15号(2004年11月)、17頁。樋口正信「シャクシゴケ」、『ウォッチング日本の固有植物』(東海大学出版会、2014年)、97頁。
  3. ^ a b c 岩月善之助、水谷正美『原色日本蘚苔類図鑑』(1972年、保育社)p.353
  4. ^ 小野庄士「シャクシゴケの観察」、『日本蘚苔類学会会報』第2巻第2号、1977年8月。16頁。
  5. ^ Jouko Rikkinen, Viivi Virtanen. 2008. Genetic diversity in cyanobacterial symbionts of thalloid bryophytes. Journal of Experimental Botany 59(5) 1013-1021
  6. ^ 吉田達彦、豊田正夫、菅由紀子、高岡茂、橋本敏弘、浅川義範「67(P43) ウスバゼニゴケ科苔類から得られるフェノール性化合物(ポスター発表の部)」『天然有機化合物討論会講演要旨集』第38号、天然有機化合物討論会、1996年9月2日、397-402頁、NAID 110006679795 
  7. ^ 樋口正信「シャクシゴケ」、『ウォッチング日本の固有植物』(東海大学出版会、2014年)、98頁。