イソ酪酸
表示
(ジメチル酢酸から転送)
イソ酪酸 | |
---|---|
2-methylpropanoic acid | |
別称 ジメチル酢酸 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 79-31-2 |
日化辞番号 | J3.840G |
KEGG | C02632 |
特性 | |
化学式 | C4H8O2 |
モル質量 | 88.11 g mol−1 |
示性式 | (CH3)2CHCOOH |
外観 | 無色液体 |
密度 | 0.950 g/cm3、液体 (20 ℃) |
融点 |
−47 ℃ |
沸点 |
154 ℃ |
酸解離定数 pKa | 4.84 (20 ℃) |
屈折率 (nD) | 1.3930 (20 ℃) |
関連する物質 | |
関連する異性体 | 酪酸 |
関連物質 | イソブチリルCoA |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イソ酪酸(イソらくさん、isobutyric acid)は、酪酸の構造異性体の1つである。ジメチル酢酸とも呼ばれる。IUPAC命名法では2-メチルプロピオン酸と呼ばれる。
性質
[編集]常温・常圧においてイソ酪酸は、無色透明で不快な刺激臭を有する油状の液体として存在する。水には少し溶解する。エタノールとは任意の割合で混じり合う。
なお、酪酸と同様に、イソ酪酸も弱酸だが、腐食性を有するため取扱いには注意を要する。
製法
[編集]例えば、2-メチルプロパノールの水酸基を、適切な酸化剤を用いてカルボン酸にまで酸化する方法で、イソ酪酸を合成できる。
工業的にイソ酪酸は、n -ブタノール製造時の副生成物として得られる。その生成量はn -ブタノールの1割以下である。なお、酪酸は微生物発酵により製造可能であるのに対して、イソ酪酸を微生物醗酵法で作るのは難しい。
規制
[編集]日本の消防法でイソ酪酸は、第4類危険物の第2石油類に該当する化合物に分類される[1]。
所在
[編集]天然には、イソ酪酸として遊離した状態、あるいは、他の分子のヒドロキシ基とのエステルの形で、マメ科やセリ科の植物中に存在する場合がある。