セヴェルナヤ造船所
セヴェルナヤ造船所または北方造船所 (Severnaya Verf、ロシア語: Северная верфь) は、サンクトペテルブルクのグトゥエフスキー島にあるロシアの造船所で、軍艦や民間船を建造している。1800年代末にプチロフ工場 (現在のキーロフ工場) の支所として設立された。ソ連時代にはA. A. ジダーノフ名称第190造船所(ロシア語:Судостроительный завод имени А. А. Жданова «завод № 190»)という名前で呼ばれていたが、1989年に元の名前に戻された。
セヴェルナヤ造船所の重要な市場はアジア諸国、とりわけインド・中国・ベトナムであり、これらの国に軍艦を輸出している。
歴史
[編集]1890年にプチロフ造船所 (Putilovskaya Verf) として設立され、駆逐艦クラスまでの小型艦の他、民間向けの浚渫船やタグボートなどを建造していたetc.[1]。十月革命でボリシェビキが政権を握ると、設立から20年の間にセヴェルナヤ造船所 (Severnaya Verf)、セヴェルナヤ艦船造船所 (Severnaya sudostroitel'naya verf) と相次いで名称変更された。1935年に「A. A. ジダーノフ名称」の名誉称号が与えられ、さらに1936年12月30日にA. A. ジダーノフ名称第190造船所と改名された。この時期には潜水艦の建造に特化しており、多数のSC型潜水艦やM型潜水艦を建造した他、ウラジオストクで建造されていたS型潜水艦の部品を製造していた。第二次世界大戦中の独ソ戦で大きな被害を受けたが、戦後ドイツから略奪・接収した機械や設備を使って再建され、巡洋艦クラスの艦も建造できるよう拡張された。1983年には建造する艦の1/3が商船となった。1989年8月2日には名称をセヴェルナヤ造船所に戻し[2][3][4]、現在はセヴェルナヤ造船生産合同の1部門となっている[5]。
設備
[編集]1998年の時点で、以下の設備を保有していた[5]。
- 4つの屋根付き船台:最大で全長170メートル、全幅20.5メートルの船が建造できる。吊り上げ荷重50トンのクレーンを備える。
- 4つの傾斜船台:最大で全長170メートル、全幅24メートルの船が建造できる。吊り上げ荷重30トンから100トンのクレーンを備える。
- 最大荷重10,000トンの浮きドックを備えた進水・引揚設備。どの船台にも、船体を移動できるトランスポーターを備える。
代表的な建造艦級
[編集]名称 | 建造期間 | 建造数 | タイプ |
---|---|---|---|
スコーリイ級 | 1949-1953 | 16 | 駆逐艦 |
コトリン型 | 1955-1958 | 12 | 駆逐艦 |
カニン型 | 1958-1961 | 4 | 駆逐艦 |
キンダ型 | 1959-1965 | 4 | 巡洋艦 |
カシン型 | 1963-1966 | 5 | 駆逐艦 |
クレスタI型 | 1964-1969 | 4 | 巡洋艦 |
クレスタII型 | 1966-1978 | 10 | 巡洋艦 |
クリヴァク型 | 1969-1990 | 6 | フリゲート |
ソヴレメンヌイ級 | 1976-2006 | 21 | 駆逐艦 |
ウダロイ級 | 1977-1999 | 4 | 駆逐艦 |
ステレグシュチイ級 | 2001年–現在 | 5(竣工) (5隻以上建造中) | コルベット |
アドミラル・ゴルシコフ級 | 2006年–現在 | 1 (竣工)、(3 建造中)、20 (計画中) | フリゲート |
グレミャーシュチイ級 | 2012年–現在 | 2 (建造中) | コルベット |
注記
[編集]外部リンク
[編集]座標: 北緯59度52分32.9秒 東経30度14分49.9秒 / 北緯59.875806度 東経30.247194度