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ダウェイ

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ダウェーから転送)
ダウェイ

ビルマ語: ထားဝယ်
ダウェイ空港
ダウェイ空港
ダウェイの位置(ミャンマー内)
ダウェイ
ダウェイ
位置図
北緯14度05分0秒 東経98度12分0秒 / 北緯14.08333度 東経98.20000度 / 14.08333; 98.20000
ミャンマーの旗 ミャンマー
地方域 タニンダーリ地方域の旗 タニンダーリ管区
県(カヤイン) ダウェイ県英語版
郡区(ミョウネー) ダウェイ郡区英語版
市外局番 59[1]

ダウェイビルマ語: ထားဝယ်(မြို့)ALA-LC翻字法: Thā" vayʻ (mrui')、ビルマ語発音: [dəwɛ̀ (mjo̰)] ダウェー(・ミョウ)[2]; : Dawei)はミャンマー南東部の都市で、タニンダーリ管区の中心都市。以前はタヴォイ(Tavoy)と呼ばれた[2]。首都ヤンゴンから南におよそ600キロメートル、ダウェイ川の北岸に位置する。人口は2004年の推計で13万9900人。ダウェイ川三角江に築かれた港町であるため、モンスーンの時期には洪水の被害に遭い易い。

語源

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ダウェイという地名はモン語で〈結跏趺坐〉を表す語に由来する(cf. ဂဇံထဝါဲ〈結跏趺坐する〉[3][注 1])。モン語の世界起源に関する書物 မူလမူလီ(ラテン文字転写: Mūlamūlī)によればある時釈尊は現在のタニンダーリ管区に来て空中で結跏趺坐を行ったが、その下がこの地であった[5]。なおモン語 ထဝါဲビルマ語に借用されて ထက်ဝယ် thakʻ vayʻ /tʰɛʔwɛ̀/ テッウェー と転訛し、動詞 ထက်ဝယ်ဖွဲ့ခွေ thakʻ vayʻ phvai' khve /tʰɛʔwɛ̀ pʰwɛ̰ kʰwè/ テッウェープェクェー〈結跏趺坐する〉の語源ともなった[5]

歴史

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ダウェイ川の河口には昔からモン族カレン族タイ族などが暮らしてきた。現在の市街は1751年にアユタヤ王朝のさほど重要でもない港として建設された。それから第一次英ビルマ戦争の結果イギリスに併合される1826年まで、シャムとビルマが交互に支配し続けた。

経済

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2010年イタルタイ社(ITD)がダウェイ港をパナマックス化する(Panamax ports)深海港建設事業を受注したが、計画段階に留まっている。

交通

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南部経済回廊(Southern Economic Corridor)(ブンタウ(ブンタウ港)-ホーチミン市-プノンペン-シアヌークビル-バンコク-ダウェイ(ダウェイ港))

特産品

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特産品として、ダウェイ・ロンジーという民族衣装や、ゴム、干物、チークが挙げられる。カシューナッツビンロウも中国のトレーダーを通じてインドやタイに輸出されている。また、パイナップル、マンゴー、マンゴスチン、そして「果物の王様」ドリアンなどのトロピカルフルーツの産地としても知られる。ダウェイではこれらの果物をまとめて「ジンティ」と呼ぶ。

観光名所

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近郊のマウンマガン村にはミャンマーでも人気のビーチがあり、植民地時代にはイギリス人の避暑地となっていた。

市街から車で数時間も行くと多くの温泉地がある。

ダウェイから車で30分ほど行くと、ミャンマー南部最大であった涅槃仏がある(現在の南部最大は世界最大でもあるモン州ムドン近郊のウィンセントーヤ)。最寄りの都市はイェイピュ。

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ ထဝါဲ はたとえばタイノンタブリー県パークレット郡クリアンの方言では ဂဇံ /kɛ̤əˀco̤ˀ/〈座す〉の他に တင် /taŋ/〈(王や僧侶が) 臥す〉という動詞の後にも見られ /thaˀwai/ タッワイ と発音される[4]が、モン語には公式に定められた標準語というものは存在せず(参照: モン語#方言)、これらの発音はあくまでも一例に過ぎないということを留意されたい。

出典

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  1. ^ Myanmar Area Codes”. 2009年4月10日閲覧。
  2. ^ a b Judson, A.; Stevenson, Robert C.; Eveleth, F. H. (1921). “ထားဝယ်”. The Judson Burmese-English Dictionary. Rangoon: American Baptist Mission Press. p. 519. https://archive.org/details/judsonburmeseeng00judsrich/page/519/mode/2up 
  3. ^ Haswell, J. M. (1874). Grammatical Notes and Vocabulary of the Peguan Language: To which are Added a Few Pages of Phrases, &c. Rangoon: American Mission Press. p. 50. https://books.google.co.jp/books?id=InZhAAAAcAAJ&pg=PA50&dq=sit+cross-legged&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjR0NPuiLvsAhUvy4sBHai7DUYQ6AEwAHoECAAQAg#v=onepage&q=sit%20cross-legged&f=false 
  4. ^ 坂本恭章モン語辞典』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所〈Study of languages and cultures of Asia & Africa monograph series〉、1994年、320-321,1074頁。doi:10.15026/81505hdl:10108/81505https://hdl.handle.net/10108/81505 
  5. ^ a b Taw Sein Ko (1888). The Mahājanaka Jātaka: Being the Story of One of the Anterior Births of Gotama Buddha. Rangoon: The Hanthawaddy Press. pp. 162, 171. https://books.google.co.jp/books?id=ea0TAAAAQAAJ&pg=PA171&dq=Tavoy+cross-legged&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjR0NPuiLvsAhUvy4sBHai7DUYQ6AEwCHoECAEQAg#v=onepage&q=Tavoy%20cross-legged&f=false 

外部リンク

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