東京バレエ団
東京バレエ団は、日本のバレエ・カンパニー。正式名称は「チャイコフスキー記念東京バレエ団」。
概要
[編集]1964年に創設され、東京都目黒区に本部を置く。公演は上野の東京文化会館を中心に各地で行い、海外公演も毎年ツアーを行っている。1966年にはソビエト政府に招かれてモスクワとレニングラードで公演を行い、ソビエト文化省より"チャイコフスキー記念"の名称を贈られた。
創立以来一貫して、古典の全幕作品から現代振付家の名作まで幅広いレパートリーを誇る。モーリス・ベジャール(『ザ・カブキ』)、イリ・キリアン(『パーフェクト・コンセプション』)、ジョン・ノイマイヤー(『月に寄せる七つの俳句』『時節の色』)ら現代バレエ界を代表する振付家によるオリジナル作品を上演。またウラジーミル・ワシーリエフの『ドン・キホーテ』、ナタリア・マカロワの『ラ・バヤデール』、マッツ・エックの『カルメン』、ノイマイヤーの『ロメオとジュリエット』など、当代一流の振付家の作品をその指導により上演している。21のベジャール作品をレパートリーに持ち、モーリス・ベジャール・バレエ団とは兄弟カンパニーとして認められている。ダニエル・バレンボイム、ズービン・メータなど、巨匠指揮者との共演も果たした。
2014年8月30日に創立50周年を迎えた。2015年8月には斎藤友佳理が芸術監督に就任。その後、2016年2月にはブルメイステル版『白鳥の湖』、2019年3月にはホームズ版『海賊』といった全幕作品をバレエ団初演している。2019年6月から7月にかけては第34次海外公演として、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座を含むヨーロッパ・ツアーで『ザ・カブキ』ほかを上演し、各地で高評を得た。
近年は、東京文化会館での「上野の森バレエホリデイ」、めぐろパーシモンホールでの「めぐろバレエ祭り」など、地域に根ざした活動にも力を入れ、幅広い観客に親しまれるバレエ作品の上演、普及活動を行っている。
国内外での公演
[編集]国内での公演回数は、1965年(昭和40年)1月9日[1]から、2019年(令和元年)12月24日までに826回を数えている[2]。
1970年9月から11月にかけて初の欧州公演を実施。イタリア、スペイン、フランス、西ドイツなどを回った。フランスでは第8回国際バレエ・フェスティバルのオープニングコンサートに出演した[3]。
1979年6月、日本のバレエ団として初めてボリショイ劇場のステージに乗る。これまでに日本の舞台芸術史上始まって以来の34次775回の海外公演を行い、"日本の生んだ世界のバレエ団"として国内外で高く評価されている。とくにパリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、プラハ歌劇場、マリインスキー劇場、 ロイヤル・オペラ・ハウスなどヨーロッパの名だたる歌劇場に数多く出演し絶賛を博した。
海外アーティストとの共同制作・共演
[編集]これまでに、シルヴィ・ギエム、ラッセル・マリファント(振付家、ダンサー)、ニコラ・ル・リッシュ、マッシモ・ムッル(ミラノ・スカラ座バレエ団)、イリ・キリアン、レオニード・サラファーノフ(マリンスキー・バレエ)、フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルト・バレエ団)、アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー(英国ロイヤル・バレエ団)、マニュエル・ルグリ、ローラン・イレール、ヴラジーミル・マラーホフ、パトリック・デュポン、オーレリー・デュポン、シャルル・ジュド(ボルドー・バレエ団)、マチュー・ガニオなどと振付・共演を重ねつつ全国で公演を行っている。
在籍した主なダンサー(五十音順)
[編集]脚注
[編集]- ^ “- Performances - 公演記録を探す|バレエアーカイブ”. ballet-archive.tosei-showa-music.ac.jp. 2022年1月13日閲覧。
- ^ “- Performances - 公演記録を探す|バレエアーカイブ”. ballet-archive.tosei-showa-music.ac.jp. 2022年1月13日閲覧。
- ^ 欧州へ初公演 フェスティバルに出演『朝日新聞』1970年(昭和45年)5月12日夕刊 3版 10面