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トランスクリティーク カントとマルクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

トランスクリティーク: カントとマルクス』とは柄谷行人の著作。『群像』誌上での1998年秋から1999年春まで続いた連載をほぼ全面的に改稿し、大幅加筆したもの。2001年協同組合出版社批評空間から刊行された。批評空間解散後は、岩波書店から再刊された。「NAM (政治運動)」の理論的基盤となった[1]

トランスクリティーク: カントとマルクス
訳題 Transcritique: On Kant and Marx
作者 柄谷行人
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 論考現代思想
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出 『群像』(講談社)
刊本情報
出版元 株式会社批評空間(2001年)
MIT Press(2003年)
岩波書店(2010年)
出版年月日 2010年1月15日
総ページ数 528
id ISBN 978-4006002336
ISBN 978-0262276726
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概要

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資本主義への超越論的批判

前半の「カント」の部で「超越論的」とはどういうことかが示され、後半の「マルクス」の部で批判が行われる。

柄谷によれば、カントやマルクスが見出した「強い視差」は、後世の継承者によって消されてしまった。その結果、カントやマルクスに間違ったイメージが付いてしまったという[2]。また、現代のさまざまな社会問題が解決しないのは、「資本=ネーション=国家」という体制に問題がある。歴史を前に進めるためには、これを乗り越える必要があるという[3]

岩波書店のページから本書の概要を読むことができる[4]

構成

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  • 序文
  • イントロダクション――トランスクリティークとは何か
  • 第1部 カント
    • 第1章 カント的転回
      • 1. コペルニクス的転回
      • 2. 文芸批評と超越論的批判
      • 3. 視差と物自体
    • 第2章 総合的判断の問題
      • 1. 数学の基礎
      • 2. 言語論的転回
      • 3. 超越論的統覚
    • 第2章 Transcritique
      • 1. 主体と場所
      • 2. 超越論的と横断的
      • 3. 単独性と社会性
      • 4. 自然と自由
  • 第2部 マルクス
    • 第1章 移動と批判
      • 1. 移動
      • 2. 代表機構
      • 3. 恐慌としての視差
      • 4. 微細な差異
      • 5. マルクスとアナーキストたち
    • 第2章 総合の危機
      • 1. 事前と事後
      • 2. 価値形態
      • 3. 資本の欲動
      • 4. 貨幣の神学・形而上学
      • 5. 信用と危機
    • 第3章 価値形態と剰余価値
      • 1. 価値と剰余価値
      • 2. 言語学的アプローチ
      • 3. 商人資本と産業資本
      • 4. 剰余価値と利潤
      • 5. 資本主義の世界性
    • 第4章 トランスクリティカルな対抗運動
      • 1. 国家と資本とネーション
      • 2. 可能なるコミュニズム

評価・反響

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書誌

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  • (単行本)『トランスクリティーク: カントとマルクス』柄谷行人著、岩波書店(岩波現代文庫)、2010年、ISBN 978-4006002336
  • (翻訳)Transcritique On Kant and Marx. Kojin Karatani. Sabu Kohso. MIT Press. 2003. ISBN 978-0262276726

関連書籍

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  • 『可能なるコミュニズム』(柄谷行人著、太田出版)
  • 『倫理21』(柄谷行人著、平凡社

上記の両書とも、本書から派生した[7]

関連項目

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出典

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  1. ^ 『NAM生成』(太田出版)10頁~11頁
  2. ^ 柄谷行人『トランスクリティーク――カントとマルクス』岩波書店、17頁。 
  3. ^ 柄谷行人『トランスクリティーク――カントとマルクス』岩波書店、508頁。 
  4. ^ トランスクリティーク - 岩波書店”. 2024年6月25日閲覧。
  5. ^ 『「世界史の構造」を読む』(インスクリプト)184頁 「生産点闘争から消費者運動へ」の章
  6. ^ トランスクリティーク - 岩波書店”. 2024年6月24日閲覧。
  7. ^ 「NAM生成」 11頁

外部リンク

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