1,3,5-トリチアン
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1,3,5-トリチアン | |
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1,3,5-トリチアン | |
別称 トリメチレントルスルフィド トリチオホルムアルデヒド sym-トリチアン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 291-21-4 |
PubChem | 9264 |
ChemSpider | 8907 |
EC番号 | 206-029-7 |
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特性 | |
化学式 | C3H6S3 |
モル質量 | 138.27 |
外観 | 無色固体 |
密度 | 1.6374 g/cm3[1] |
融点 |
215-220 ℃ |
水への溶解度 | わずかに溶ける |
溶解度 | ベンゼン |
危険性 | |
主な危険性 | Toxic (T) |
NFPA 704 | |
Sフレーズ | S22, S24/25 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,3,5-トリチアン (1,3,5-Trithiane) は、分子式が C3H6S3 と表される有機硫黄化合物。メチレン基 (-CH2-) とスルフィド基 (-S-) が3個ずつ交互に並んだ6員環構造を持つ。チオホルムアルデヒドの環状3量体、ホルムアルデヒドのジチオアセタールに相当する。
合成
[編集]酸の存在下、ホルムアルデヒドと硫化水素の反応により生成する[2]。
用途
[編集]1,3,5-トリチアンは有機合成においてホルムアルデヒド構造を導入する際のビルディングブロックとして利用される。有機リチウムによりプロトンが引き抜かれてカルバニオンとなると、ハロゲン化アルキルなどの求電子剤と結合し、加水分解後にホルミル基となる[3]。
同様の極性変換反応は 1,3-ジチアンなど他のジチオアセタールでも起こる。
1,3,5-トリチアンは他の有機硫黄化合物の原料となる。例えば、水が存在する中で塩素化すると、クロロメタンスルホニルクロリドを与える[4]。
同様に、臭素化してブロモメタンスルホニルブロミド (BrCH2SO2Br) を得ることができる[5]。
脚注
[編集]- ^ David R. Lide, ed. Handbook of Chemistry and Physics, 85th Edition, Internet Version 2005. CRC Press, 2005.
- ^ Bost, R. W.; Constable, E. W. "sym-Trithiane" Organic Syntheses, Collected Volume 2, p.610 (1943). オンライン版
- ^ Seebach, D.; Beck, A. K. "Aldehydes from sym-Trithiane: n-Pentadecanal" Organic Syntheses, Collected Volume 6, p.869 (1988). オンライン版
- ^ Paquette, L. A.; Wittenbrook, L. S. "2-Chlorothiirane 1,1-Dioxide" Organic Syntheses, Collected Volume 5, p.231 (1973). オンライン版
- ^ Block, E.; Aslam, M. "A General Synthetic Method for the Preparation of Conjugated Dienes from Olefins Using Bromomethanesulfonyl Bromide: 1,2-Dimethylenecyclohexane" Organic Syntheses, Coll. Vol. 8, p.212 (1993); Vol. 65, p.90 (1987). オンライン版