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ドイツ軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドイツ帝国軍から転送)
歴代ドイツ軍のマークとして最も著名な鉄十字

ドイツ軍(ドイツぐん)は、近代から現代にかけてドイツにおける軍隊、つまり通称で言うところの「ドイツ軍」の正式な名称の変遷と、曖昧さ回避のためのページ。

概説

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ドイツは、ヨーロッパにおいてイタリアに次いで近代的な国民国家の形成が遅れた国であり、統一国家の成立は1871年1月18日ドイツ帝国)であった。その後、ドイツは2度の世界大戦の敗北とそれに伴う政治体制の変転(ドイツ帝国ヴァイマル共和政ナチス・ドイツ)を経験したばかりか、第二次世界大戦後冷戦体制では東西分断米英仏ソ連合軍軍政期西ドイツドイツ民主共和国再統一後:ドイツ連邦共和国)の憂き目を見ることとなった。

政治体制の変動に伴い、軍隊に託す目的、軍隊に課す制約もまた変化した。これが軍隊の名称にも反映されている。

過去
現在

プロイセン王国(1701年-1871年)

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プロイセン王国陸軍旗(1816年)

プロイセン王国時代の名称。

北ドイツ連邦(1866年-1871年)

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プロイセン軍旗(1867年-1871年)

北ドイツ連邦時代の名称。

ドイツ帝国(1871年-1918年)

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ドイツ帝国軍旗(1903年-1918年)

ドイツ帝国時代の名称。

ヴァイマル共和国 (1918年-1933年)

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ヴァイマル共和国軍旗 (1921年-1933年)

ヴァイマル共和国時代の名称。

1918年~1935年のドイツ軍の総称。Reichswehr の名称は、アドルフ・ヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)が1933年政権を奪取した後も1935年のドイツ再軍備宣言までは引き続き使用された。英語ではこの時代のドイツ軍の名称の逐語訳を避け、ドイツ語原語をそのまま利用している。あるいは、やさしく表現する必要のある場合は西暦で区別して、"German Armed Forces 1918-1935" と表現する。

ナチス・ドイツ (1933年-1945年)

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ドイツ国防軍旗(1938年-1945年)

ナチス・ドイツ時代のドイツ時代の名称。

国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP, ナチス)が政権を掌握してからドイツ降伏英語版までの、いわゆるナチス・ドイツ時代のドイツ軍の総称。

アドルフ・ヒトラー総統は政権奪取の2年後の1935年にヴェルサイユ条約の軍備制限条項を破棄、再軍備宣言をする。そして、軍隊の総称を Wehrmacht に改名すると共に個々の軍種も改称された。英語ではドイツ語原語を用いるか、あるいは"German Armed Forces 1935-1945" と表現することもある。

また、同時代にはナチ党の党軍として武装親衛隊 (Waffen-SS) が編成されており、国防軍と共に第二次世界大戦の戦闘にも従事した。

ドイツ民主共和国(東ドイツ)(1956年-1990年)

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ドイツ国家人民軍旗(1956年-1990年)

ドイツ民主共和国(東ドイツ)時代の名称。

連合軍軍政下のドイツソ連占領地域から1949年に独立したドイツ民主共和国(東ドイツ)のドイツ軍の総称。

再軍備自体は1949年頃から始まっており、兵営人民警察 (Kasernierte Volkspolizei) なる内務省所属の準軍事組織を経て、1956年に国家人民軍が編成された。国境警備隊は当初は内務省の指揮下にある独立した戦力であったが、後に管轄が国防省へ移され、一時は国家人民軍の一軍種とされた時期もある。1990年ドイツ再統一により廃止された。

英語では逐語訳された"National People's Army"という表現の他、単に"East Germany Army"すなわち東ドイツ軍と呼ぶ場合もある。

ドイツ連邦共和国(西ドイツ、再統一後)(1955年-現在)

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ドイツ連邦軍旗(西ドイツ、再統一後)(1955年-現在)

西ドイツ時代(1955年-1990年)、再統一ドイツ連邦共和国(1990年-現在)の軍隊の名称。

連合軍軍政下のドイツの米英仏占領地域から1949年に独立したドイツ連邦共和国、すなわちかつての西ドイツと現在のドイツにおける軍隊の総称。1955年の主権回復宣言後に再軍備を行い、連邦軍が編成された。英語では "German Armed Forces 1955-" と表現される。ドイツ連邦軍はプロイセン軍、ドイツ国防軍ほか過去のドイツの軍隊の後継組織ではなく、これらからは断絶した新設の軍隊とされている。(詳細は「ドイツ連邦軍#伝統」を参照)

なお、現在のドイツ連邦軍は戦力の大半をNATOに提供しており、ドイツ連邦首相および国防大臣はNATO供出のドイツ連邦軍に対する指揮権を持たない。この事実は、過去2度に渡る戦火の発端としてのドイツ、また強力な軍であるドイツ軍に対しての恐れの表れでもある。ドイツ国内においては、ドイツ連邦軍の指揮権が外国人(非ドイツ人)に握られていることに対しての反発も少なからず存在している。

戦歴

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参考文献

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  • 濱田常二良(毎日新聞社ドイツ特派員〈1935-1940年〉) 『独逸軍部論』 昭和刊行会、1940年

関連項目

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