ドナルド・トランプの弾劾
ドナルド・トランプの弾劾(英語: Impeachment of Donald Trump)は、第45代アメリカ大統領のドナルド・トランプに対して行われた弾劾である。弾劾は2019年と2021年の2回行われた。
2019年
[編集]2019年に行われたものは、ドナルド・トランプ米国大統領のウクライナ疑惑に起因するものである。
下院は2019年12月18日にトランプ大統領を「権力の乱用(ABUSE OF POWER)」と「議会妨害(OBSTRUCTION OF CONGRESS)」したとして弾劾訴追する決議案を可決[1]した。採決は、権力の乱用が賛成230(民主党229、無所属1)、反対197(民主党2、共和党195)[2]、議会妨害が賛成229(民主党228、無所属1)、反対198(民主党3、共和党195)[3]であった。
上院における弾劾裁判は、翌年の2020年に行われたが、2020年2月5日の上院での最終投票の結果、権力の乱用が有罪48(民主党45、無所属2、共和党1)、無罪52(共和党52)[4]、議会妨害が有罪47(民主党45、無所属2)、反対53(共和党53)[5]、でいずれも有罪とするに必要な3分の2の多数に達せず無罪となった。権力の乱用についての評決の際、ミット・ロムニー議員が造反し、共和党で唯一の弾劾賛成票を投じた[6]。
2021年
[編集]下院は2021年1月13日に合衆国議会議事堂の襲撃において「反乱を扇動(INCITEMENT OF INSURRECTION)」したとして弾劾訴追する決議案を賛成232(民主党222、共和党10)、反対197(共和党197)で可決[7]した。10人の共和党議員が賛成に票を投じた[注釈 1]。これによってトランプ大統領は任期中に2度弾劾訴追された史上初の大統領となった[8]。
弾劾裁判は、2021年2月9日に開始される旨、米上院与野党が合意した[9]。すでにトランプ大統領は、1月20日に任期が満了しているが、弾劾訴追は継続する。
2021年2月13日の上院での最終投票の結果、有罪57(民主党48、無所属2、共和党7)、無罪43(共和党43)[10]、となり、共和党から7名の議員[11]が有罪に投票し、有罪が過半数を上回るものの有罪とするに必要な3分の2の多数に達せず無罪となった。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 賛成票を投じた共和党議員は2022年中間選挙でダン・ニューハウスとデビッド・ヴァラダオを除く全員が落選している。
出典
[編集]- ^ H.Res.24 - Impeaching Donald John Trump, President of the United States, for high crimes and misdemeanors.
- ^ Roll Call 695 | Bill Number: H. Res. 755
- ^ Roll Call 696 | Bill Number: H. Res. 755
- ^ Record Vote Number: 33
- ^ Record Vote Number: 34
- ^ 「弾劾裁判で造反、ロムニー議員に批判殺到 「不愉快な負け犬」」『BBC News ニュース』2020年2月7日。2020年10月18日閲覧。
- ^ H.Res.24 - Impeaching Donald John Trump, President of the United States, for high crimes and misdemeanors.
- ^ “米下院、トランプ氏を2度目の弾劾訴追 議会襲撃を「扇動」で”. BBC news/Japan. (2021年1月14日) 2021年1月14日閲覧。
- ^ 「トランプ氏弾劾裁判、2月9日から 米上院与野党が合意」『時事.コム』時事通信社、2021年1月23日。2021年1月25日閲覧。
- ^ Roll Call Vote 117
- ^ チャード・バー(ノースカロライナ州)、パット・ツゥーミー(ペンシルベニア州)、スーザン・コリンズ(メーン州)、ベン・サス(ネブラスカ州)、ビル・カシディ(ルイジアナ州)、ミット・ロムニー(ユタ州)、リサ・マカウスキ(アラスカ州)