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ニューヨーク・オブザーバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニューヨーク・オブザーバー
The New York Observer
44丁目のオフィス
種別Webサイト(かつては週刊紙)
判型
所有者
設立者Arthur L. Carter英語版
発行者Joseph Meyer
会長James Karklins[5]
副編集長Mary von Aue[6]
設立1987年9月22日 (37年前) (1987-09-22)
言語英語
本社所在地ホワイトホール・ストリート1
ISSN1052-2948
ウェブサイトobserver.com
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
都市ニューヨーク

ニューヨーク・オブザーバーThe New York Observer)は、アメリカ合衆国で1987年から2016年まで発行されていた週刊の新聞である。2016年に印刷版の発行を中止してオンライン版のみの発行に移行し、タイトルをオブザーバー(Observer)に変更した[7]。現在では、文化、不動産、メディア、政治、エンターテインメント、出版業界に焦点を当てたメディアサイトとなっている。2017年1月現在、編集長のメアリー・フォン・アウエ(Mary von Aue)が編集チームを率いている[6]

歴史

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『ニューヨーク・オブザーバー』は、元投資銀行家アーサー・L・カーター英語版によって週刊紙としてニューヨークで創刊された。なお、1823年にシドニー・エドワーズ・モールスが同名の宗教新聞を発行していたが、これとは無関係である。

2006年7月には、当時25歳だったアメリカの不動産家ジャレッド・クシュナーに買収された。同紙は当初、ブロードシート版で発行され、その後タブロイド版となり、現在はオンライン形式のみとなっている。本社はマンハッタンホワイトホール・ストリート1番地である。

この新聞は、テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の原作となった、マンハッタンの社会生活をテーマにしたキャンディス・ブシュネルコラムを掲載していたことで知られている。この新聞は、サーモンピンクの紙を使いスケッチ風のイラストが入っており、視覚的にも目立っていた。ヘンリー・ロリンズは、この新聞を「不思議なほどピンク色の新聞」と表現した。2014年に白い紙に切り替わった[2]

印刷版の発行は2016年11月9日号で終了した[7][8]。発行元のオブザーバー・メディア社は、名称から「ニューヨーク」を外した「オブザーバー」という名称のオンラインサイトを運営している。

印刷版の廃止は、クシュナーの義父のドナルド・トランプ[注 1]2016年の大統領選挙で勝利した翌日に行われた。クシュナーはトランプ政権で上級顧問を務めている。クシュナーはオブザーバー・メディアの残りのオンライン資産の所有権を家族信託に移し、義兄のジョセフ・メイヤーが発行者としての役割を引き継いだ[9]

2018年1月8日、オブザーバー社の新社長に、ニューズウィーク・メディア・グループの元グローバルチーフマーケティングオフィサーであるジェームズ・カークリンスが就任することが発表された[5]

政治的姿勢

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この新聞は、2016年の大統領共和党予備選挙で大統領候補のドナルド・トランプを正式に支持した数少ない新聞の一つとして注目された[10]。この新聞のオーナーであり、当時の発行人であったジャレッド・クシュナーは、ドナルド・トランプの義理の息子であり、クシュナーはトランプの選挙運動のアドバイザーを務めていた[11]。トランプが共和党の大統領候補に選出された後は、支持を表明することはなくなった[12]

脚注

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注釈

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  1. ^ トランプの娘のイヴァンカはクシュナーの妻である。

出典

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  1. ^ a b c "The New York Observer Will Switch From Tabloid to Broadsheet". New York Observer. August 4, 2011.
  2. ^ a b Pompeo, Joe (March 18, 2014). “Observer C.E.O. touts gains ahead of relaunch”. Capital New York. March 4, 2016時点のオリジナルよりアーカイブFebruary 27, 2015閲覧。 “Tomorrow, newsstand readers and subscribers will get a look at the Observer's relaunched print product, which is a smaller, tabloid‑format, saddle‑stapled publication that will trade in its distinctive salmon hue for white paper.”
  3. ^ The Wall Street Journal, November 14, 2016, p. B5
  4. ^ McAlone, Nathan (9 January 2017). “Trump son-in-law Jared Kushner will step down as publisher of the Observer, and have no 'ownership stake'” (英語). Business Insider (Business Insider). http://www.businessinsider.com/jared-kushner-steps-down-as-publisher-of-the-observer-2017-1 
  5. ^ a b Elstein, Aaron (8 January 2018). “Kushners' Observer Media names new president”. Crain's New York Business (Crain Communications Inc.). http://www.crainsnewyork.com/article/20180108/ENTERTAINMENT/180109935/kushners-observer-media-names-james-karklins-new-president 
  6. ^ a b About”. Observer. Observer Media (22 April 2019). 2020年10月24日閲覧。
  7. ^ a b Grynbaum, Michael M. (11 November 2016). “New York Observer Ending Print Edition”. The New York Times. The New York Times. https://www.nytimes.com/2016/11/12/business/media/new-york-observer-ending-print-edition.html 
  8. ^ The Wall Street Journal, Monday, November 14, 2016, pg. B5
  9. ^ Stoeffel, Kat (12 April 2017). “What Should Happen to Jared Kushner's New York Observer? Media Pros Offer Advice” (英語). The Hollywood Reporter. Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/news/what-should-happen-jared-kushners-new-york-observer-media-pros-offer-advice-992505 
  10. ^ In the Republican Primary: Donald Trump for President” (April 12, 2016). 2020年10月24日閲覧。
  11. ^ Diamond, Jeremy. “Who is Jared Kushner?”. CNN. 2020年10月24日閲覧。
  12. ^ Donald Trump Will Not Get His Son-In-Law's Paper's Endorsement” (November 2, 2016). 2020年10月24日閲覧。

外部リンク

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  • 公式ウェブサイト
  • "ニューヨーク・オブザーバーの関連記事". ニューヨーク・タイムズ (英語).